市場データ

首都圏分譲マンション市場動向(2025年)

2025年1月

【2025年1月の分譲マンション市況】

全体概要
1月の供給は98物件・904戸。2020年4・5月以来の1,000戸以下。新規大型・大規模物件なく継続販売も低調。
一方、価格・坪単価はさらに上昇。都心タワー物件がマーケットを牽引。

2025年1月(当月)の首都圏新築分譲マンションにおける供給戸数は904戸で、前年同月(1,758戸)に比べ▲48.6%の大幅な減少。2か月ぶりに前年同月を下回った。エリア別では、埼玉県(133戸/+20.9%)以外で大幅に減少した。減少エリアは、東京23区(427戸/▲34.7%)、都下(27戸/▲86.9%)、神奈川県(217戸/▲50.0%)、千葉県(85戸/▲76.0%)。

平均契約率は70.4%で、2か月ぶりに70%を上回った。前年同月比(80.6%)では▲10.2ポイント低下した。エリア別では、東京23区(72.4%/▲4.1pt)、埼玉県(82.0%/+12.9pt)で70%を上回った。一方で、都下(40.7%/▲44.3pt)、神奈川県(67.3%/▲14.5pt)、千葉県(54.1%/▲33.8pt)では70%を下回った。


平均価格は8,684万円で、前年同月(8,148万円)に比べ+6.6%の上昇。2か月連続で前年同月を上回っている。エリア別では、都下(6,242万円/+18.6%)、埼玉県(5,695万円/+13.2%)で大幅な上昇。一方で、東京23区(11,735万円/▲0.1%)、神奈川県(6,571万円/▲1.4%)、千葉県(4,907万円/▲17.7%)では低下した。


平均面積は62.54㎡で、前年同月(68.45㎡)に比べ▲8.6%の縮小。全エリアで縮小した。内訳は東京23区(59.32㎡/▲9.7%)、都下(56.44㎡/▲15.4%)、神奈川県(66.62㎡/▲5.4%)、埼玉県(60.66㎡/▲9.1%)、千葉県(68.72㎡/▲5.5%)。


平均坪単価は@459.1万円/坪で、前年同月(@393.5万円/坪)に比べ+16.7%の大幅な上昇。平均価格同様、2か月連続で前年同月を上回っている。エリア別では、千葉県(@236.1万円/坪/▲12.9%)以外で上昇した。上昇エリアは東京23区(@654.0万円/坪/+10.6%)、都下(@365.6万円/坪/+40.2%)、神奈川県(@326.1万円/坪/+4.1%)、埼玉県(@310.3万円/坪/+24.6%)。

<消費者態度指数>
当月の内閣府発表の消費者態度指数(34.8pt)は、前月(35.9pt)から悪化(▲1.1pt)。2か月ぶりに悪化した。また、当月の「耐久消費財の買い時判断」(27.5pt)も、前月(29.5pt)から悪化(▲2.0pt)。なお、「耐久消費財の買い時判断」以外の項目は、「収入の増え方」(39.4pt/±0.0pt)は変化がなかったものの、「暮らし向き」(31.9pt/▲1.7pt)と「雇用環境」(40.4pt/▲0.5pt)が悪化した。内閣府は、消費者マインドの基調判断を8か月ぶりに「足踏みがみられる」に下方修正した。コメの価格の高止まりや生鮮野菜の価格の高騰が消費者心理に影響しているとみられる。

<日経平均株価>
当月の日経平均株価(39,572円/最終取引日終値)は、前月(39,894円/同)から下落。2か月ぶりに下落した。39,000円台で始まった当月の日経平均は、当月7日に40,000円を突破するなど安定推移。中旬は38,000円台に下落したが、下旬には39,000円台に戻した。
当月20日のトランプ米大統領の就任に先立って、米国の対中政策に対する不透明感が漂い、日本国内の輸出関連株への投資は手控えられていた。その後、17日にトランプ氏と中国の習近平国家主席が電話会談し、米中摩擦に関する警戒感が後退したことや、トランプ米大統領が公言していた中国に特化した関税導入とすべての国への一律の関税を発動しなかったことが安心感につながり、日経平均は続伸した。
日銀は23~24日に開いた金融政策決定会合で追加利上げを決め、政策金利とする短期金利を0.25%から0.5%に引き上げた。政策金利が0.5%になるのは2007年2月〜2008年10月以来、17年ぶり。ただ、追加利上げが織り込まれていたこともあって、その後の日経平均への影響は軽微であった。
中国の新興企業「DeepSeek」が開発した低コスト生成AIの台頭で、28日には半導体関連銘柄に売りが広がり、日経平均は39,016円まで下落した。日経半導体関連銘柄が売られた反面、内需関連銘柄に投資家の目が向いたことから、28日以降の日経平均は続伸した。

<供給戸数>
当月の供給戸数(904戸)は、前年同月を50%弱(約850戸)下回った。当月は大型・大規模物件(総戸数150戸以上)の新規発売がなかった上、販売40戸以上の継続物件もなかった。新規発売の物件数は前年同月から半減(前年同月24物件→当月12物件)し、発売戸数も約3分の1に減った(前年同月1,028戸→当月391戸)。継続物件は全体の86%(全86物件中74物件)が販売10戸以下だった。なお、当月の供給戸数は2022年1月(2,227戸)比▲59.4%、2023年1月(1,533戸)比▲41.0%。直近3年の同月との比較ではいずれも大幅に減少している。
エリア別では、川口市と戸田市で新規発売物件(3物件・94戸)が登場した「埼玉県」(+20.9%)以外は大幅減。都下(▲86.9%)、千葉県(▲76.0%)では新規発売物件がなく、神奈川県の同は1物件(58戸)に留まった。東京23区の同は前年同月比▲43.2%の239戸に留まった。
「埼玉県」は3か月連続で前年同月を上回っている。一方で、「神奈川県」は4か月連続、「都下」は2か月連続で前年同月を下回っている。「千葉県」は4か月ぶり、「東京23区」は2か月ぶりに前年同月を下回った。

<平均契約率>
当月の平均契約率(70.4%)は70%を上回った。エリア別では、「埼玉県」(82.0%)が80%超と好調。「東京23区」(72.4%)も70%を上回った。しかし、「都下」(40.7%)、「神奈川県」(67.3%)、「千葉県」(54.1%)と郊外3エリア(供給シェアは計36.4%)が70%を下回り、全体の平均契約率は70%をわずかに上回る程度だった。
「東京23区」は2か月連続で70%を上回っている。「埼玉県」は2か月ぶりに70%を上回った。他方で、「都下」、「神奈川県」、「千葉県」は2か月連続で70%を下回っている。

<平均価格/平均坪単価>
当月の平均価格(8,684万円)と平均坪単価(@459.1万円/坪)は、前年同月から上昇。当月は@1,500万円超/坪の港区のタワー物件が市況を牽引。全体を大きく引き上げた。前年同月は@1,000万円超/坪の供給は2戸だった。また、価格水準の高い東京23区の供給シェアは当月47.2%と、前年同月の41.8%から大幅に高まったことも、価格・坪単価の上昇に寄与している。当月の坪単価は千葉県以外で上昇。「埼玉県」(+24.6%)は9か月連続、「都下」(+40.2%)は7か月連続、「神奈川県」(+4.1%)は3か月連続、「東京23区」(+10.6%)は2か月連続で上昇している。一方で、「千葉県」(▲12.9%)は5か月ぶりに低下した。

<平均面積>
当月の平均面積(62.54㎡)は、前年同月から大幅に縮小。当月は平均面積50㎡以下のコンパクト物件が多かった。コンパクト物件の供給シェアは全体の26.4%(239戸)と、前年同月の8.4%(147戸)から大幅に高まったことが縮小要因である。

<2月の供給見込み>
2025年2月は、約1,500戸の供給見込み。

 

※文章の引用・公表数値の利用を希望される場合は、事前に下記の連絡先までお問い合わせください。
<本件に関する問い合わせ>
担当:第二事業本部
TEL:03-6459-0265 / FAX:03-5408-1684

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