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2019年10月10日号

2019.10.10 発行

HEADLINE

◆有機:BASFがネオペンチルグリコールの生産能力を拡大(9月26日)

◆非鉄金属:パンパシフィック・カッパーが2019年度下期の金属製品の生産予定を発表(10月4日)

◆樹脂関連:東レがインドにおける樹脂コンパウンド拠点の生産を開始(10月2日)

◆非鉄金属:三菱マテリアルが2019年度下期の地金生産計画を発表(10月1日)

◆非鉄金属:三井金属が2019年度下期の地金生産計画を発表(10月1日)

◆飼料添加物:住友化学が飼料添加物メチオニン事業の競争力を強化(10月1日)

◆無機:日本軽金属が新規製法による、固体水素化ホウ素ナトリウムの合成・再生に成功(10月1日)

◆可塑剤:DICがバイオマス度100%のポリエステル系可塑剤を開発(10月1日)

◆電子材料:田岡化学工業が中国に絶縁被覆材料などの販売を行う新会社を設立(10月1日)

◆ポリマー:日本ゼオンがシクロオレフィンポリマーの生産能力増強を決定(9月30日)

◆粘着剤:アイカ工業がディスプレイ保護フィルム用粘着剤を発売(9月30日)

◆調光材料:大阪有機化学工業が温度応答型調光材料を開発(9月30日)

◆価格改定

・積水化学工業が塩素化塩化ビニル(CPVC)樹脂およびCPVCコンパウンド製品を9月1日より値上げ

・JXTGエネルギーがベンゼンの契約価格を改定

・デンカが電子包材用シートを11月1日出荷分より値上げ

 

 

WEEKLY NEWS

◆有機:BASFがネオペンチルグリコールの生産能力を拡大(9月26日)

BASFは、ルートヴィッヒスハーフェンのフェアブント(統合生産拠点)にあるネオペンチルグリコール(NPG)工場の生産能力を年間1万トン拡大すると発表した。

これにより、BASFはルートヴィッヒスハーフェン、アメリカのフリーポート、中国の南京および吉林の施設において、合計21万5千トンのNPGの生産能力を保有することになる。

また、BASFは現在南京でもNPGの生産能力の拡大を進めており、2020年以降、全世界での生産能力はさらに4万トン増加する予定としている。

 

◆非鉄金属:パンパシフィック・カッパーが2019年度下期の金属製品の生産予定を発表(10月4日)

パンパシフィック・カッパーは、2019年度下期の金属製品の生産予定を発表した。

2019年10月から2020年3月の期間において、銅は302,000t/期(前年同期:296,500t/期)、硫酸は809,300t/期(前年同期:858,000t/期)、金は19,200㎏/期(前年同期:18,000㎏/期)、銀は141,000㎏/期(前年同期:167,000㎏/期)の生産予定としている。

 

◆樹脂関連:東レがインドにおける樹脂コンパウンド拠点の生産を開始(10月2日)

東レは、同社インド現地法人であるToray Industries (India) Private Limited(以下:TID)に新設した樹脂コンパウンド拠点において、耐熱性や耐薬品性、機械強度等に優れ、自動車の機構部品や電装部品、電機電子製品等に使われる、ナイロン樹脂及びPBT樹脂コンパウンド製品の生産を2019年9月より開始したと発表した。

TIDは、インドにおける日系樹脂メーカーとして初のエンジニアリングプラスチック生産拠点であり、年産約5,000トンの設備を早期にフル稼働させる計画である。

インド国内では、さらなる高機能化ニーズの高まりと共に高機能素材の需要が増加すると見ており、同社は地産地消の考え方を基本に、将来の現地でのPPS樹脂のコンパウンド生産とテクニカルセンターの新設についても検討を開始するとしている。

 

◆非鉄金属:三菱マテリアルが2019年度下期の地金生産計画を発表(10月1日)

三菱マテリアルは、2019年度下期の地金生産計画を発表した。

2019年10月から2020年3月の期間において、銅は29,506T/月(前年同期:25,362T/月)、鉛は2,315T/月(前年同期:2,182T/月)、金は3,750kg/月(前年同期:3,643kg/月)、銀は30,167kg/月(前年同期:25,248kg/月)の生産を計画している。

前年同期実績と比較すると、銅については、直島精錬所は約23%増、小名浜精錬所は約5%増、全体では前年同期から約16%増となる計画である。金の増加については、主にGresikスライムの受け入れ増によるものであり、銀の増加については、主にスクラップ原料の銀品位上昇によるものとしている。

 

◆非鉄金属:三井金属が2019年度下期の地金生産計画を発表(10月1日)

三井金属は、2019年度下期における地金生産計画を発表した。

2019年10月から2020年3月の期間において、亜鉛は109.3千t/期(前年同期:107.9千t/期)、鉛は34.0千t/期(前年同期:34.1千t/期)、金は2.1t/期(前年同期:2.8t/期)、銀は81.1t/期(前年同期:89.1t/期)の生産予定としている。

 

◆飼料添加物:住友化学が飼料添加物メチオニン事業の競争力を強化(10月1日)

住友化学は、飼料添加物メチオニン事業において、生産効率の低い旧式のプラントについて本年9月末をもって停止し、コスト優位性のある他のプラントも必要に応じた生産体制の見直しにより、競争力を強化することを発表した。

メチオニンは動物の体内では合成することができない必須アミノ酸の一種で、トウモロコシ等を主原料とする鶏の飼料はメチオニンが不足していることが多いため、世界的な人口増加や経済成長などにより需要が拡大する鶏肉や鶏卵の

生産性向上を目的に飼料添加物として広く使用されている。そのため、メチオニン市場は、この十数年間で倍増するなど、年率で約6%、数量換算では年間約8万トンもの勢いで成長しており、この先も同程度の伸びが期待されている。

同社は、メチオニン事業において、原料から一貫生産している強みに加え、長年培ってきた独自の生産技術を基に、原料と用役のロスを大幅に削減した年産10万トンの新系列を2018年10月に完工した。一方で、生産効率の低いプラントについては必要に応じた生産体制の見直しを行うことで、競争力のさらなる強化に取り組むとしている。

 

◆無機:日本軽金属が新規製法による、固体水素化ホウ素ナトリウムの合成・再生に成功(10月1日)

日本軽金属は、静岡県先端企業育成プロジェクト推進事業の助成のもと、産業技術総合研究所との共同研究開発により、ホウ砂とアルミニウムを利用した水素化反応による固体水素化ホウ素ナトリウム(SBH)の新しい合成方法の開発に成功したと発表した。

SBHは強い還元作用を持つケミカル剤で、使用後にメタホウ酸ナトリウムとなるが、これは新製法の原料に利用でき、SBHへの再生が可能であることも実験的に確認している。また、既存工業製法では反応性が高く危険な金属ナトリウムを主原料とし、精製に液体アンモニアを用いることから高コストな薬剤となっているが、今回、同社が開発した新製法は、より安価に大量生産できる可能性を秘めているとしている。

今後は、量産技術を確立し、既存のケミカル剤市場への新規参入を目指す。また、固体SBHは、水素発生能力が1キログラム当たり2,400リットルと高い水素キャリア能力をもつことから、将来の水素エネルギー社会に向けた研究開発を継続していくとしている。

 

◆可塑剤:DICがバイオマス度100%のポリエステル系可塑剤を開発(10月1日)

DICは、バイオベース原料で製造したバイオマス度100%のポリエステル系可塑剤を開発し、日本有機資源協会が認定する「バイオマスマーク(バイオマス度100%)」の認証を取得したことを発表した。可塑剤として、「バイオマスマーク」の取得は、同協会の認証で初の事例である。

DICが開発したバイオベース可塑剤「ポリサイザーW-1810-BIO」は、再生可能資源である植物を原料とし、食品接触材料への使用が可能である。加えて、ポリエステル系可塑剤の特長である柔軟性、耐久性の点においても従来製品と同等の性能を有している。同製品は、現在サンプルワークを開始し、量産化に向けてスケールアップを行う予定としている。

 

◆電子材料:田岡化学工業が中国に絶縁被覆材料などの販売を行う新会社を設立(10月1日)

田岡化学工業は、中国において、絶縁被覆材料、化学品原料・製品の輸出入、販売を行う新会社を設立したと発表した。

新会社は今後需要増加が見込まれているハイブリッド車、電気自動車などの電動車に搭載する電装部材に使用される高機能絶縁被覆材料を中国工場へ供給することを目的とし、中国国内における関連材料の調達・販売拠点となる。

新会社の営業開始時期は2020年1月、同年12月に絶縁被覆材料の供給・販売を開始する予定としている。

 

◆ポリマー:日本ゼオンがシクロオレフィンポリマーの生産能力増強を決定(9月30日)

日本ゼオンは水島工場において熱可塑性透明樹脂シクロオレフィンポリマー(COP)の生産能力の増強を決定したと発表した。

日本ゼオンのCOP(製品名:ZEONEX、ZEONOR)は、優れた光学的・化学的性質を持ち、光学フィルム、光学レンズから医療・バイオテクノロジーの分野まで幅広く利用されている。特に、独自で開発した溶融押出法により自社加工している「Zeonor Film」は、ディスプレイの大型化に伴う市場拡大に合わせ、近年、フィルム生産能力を相次いで増強してきた。加えて、レンズ・医療用途についても堅調な伸びを示しており、COP全体の需給バランスが逼迫することが予想される。

今回の増強により、年産能力は、現行の37,000トンから41,600トンへと拡大される見通しで、2020年度中の着工、2021年7月の完工を目指すとしている。

 

◆粘着剤:アイカ工業がディスプレイ保護フィルム用粘着剤を発売(9月30日)

アイカ工業は、防指紋加工基材用シリコーン粘着剤「SE-PS14シリーズ」を10月1日より発売すると発表した。

近年、スマートフォンやタブレット端末のディスプレイには、フッ素系の防指紋加工が施されており、撥水性や撥油性が高くなっている。また、デザイン性や耐久性への考慮からラウンドエッジ加工された端末も増加している。そのような防指紋加工かつラウンドエッジ加工されたディスプレイに、シリコーン粘着剤が付いた保護フィルムを貼ると、撥水性・撥油性により粘着力が低下し、エッジ部分から浮きが発生するという課題が出ていた。

そこで同社は、防指紋加工した基材に対しても高い粘着力を発現するシリコーン粘着剤「SE-PS14シリーズ」を開発した。

今後は、防指紋加工基材用シリコーン粘着剤としてフィルム加工メーカーに提供し、2020年度に1億円の販売を目指すとしている。

 

◆調光材料:大阪有機化学工業が温度応答型調光材料を開発(9月30日)

大阪有機化学工業は、産業技術総合研究所、神戸市立工業高等専門学校と共同で、独自のアクリル酸エステル化技術を駆使し、液晶とアクリルモノマーの複合材料からなる温度応答型調光材料を開発したと発表した。

今回開発した、温度応答性調光材料を用いた調光ガラスは、太陽光透過率を 20%以上変化させることが可能となる。煩雑な配線などが不要で、季節の移り変わりによる温度変化だけで室内に入ってくる日射を制御できる可能性がある。今回の開発は、住宅や移動体などの暖冷房負荷を抑える省エネ部材として期待できる。

これまでの液晶を用いた調光ガラスでは、プライバシーガラスとしての用途がほとんどであったが、本材料を用いた温度応答型の調光ガラスは、生活温度付近で太陽光の透過を制御出来るため、冷暖房負荷を通年で抑えられる可能性があり、新たな用途の展開が考えられる。

現在はサンプルワークの段階であり、数年後に売上に貢献出来るよう、今後、更なる日射制御性能と耐久性の向上、並びにフィルム基材への適用に取り組むとともに、建材用の窓ガラス、農業用フィルム分野などを中心に市場開拓を進めていくとしている。

 

◆価格改定

・積水化学工業が塩素化塩化ビニル(CPVC)樹脂およびCPVCコンパウンド製 品を9月1日より値上げ

値上げ幅は30%以上

・JXTGエネルギーがベンゼンの契約価格を改定

10月契約価格は、730$/t(前月比+50$/t)、国内価格換算想定値は83.9円/kg

・デンカが電子包材用シートを11月1日出荷分より値上げ

値上げ幅は、7円/㎏

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