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2020年6月4日号

2020.06.04 発行

HEADLINE

 

◆自動車部品:住友ベークライトが電動パワートレインの樹脂化推進への取り組みを発表(5月29日)

◆リサイクル:ダウがアジア太平洋において新処方の再生樹脂の発売を開始(5月28日)

◆剥離剤:信越化学工業がシリコーン剥離剤に用いる白金の使用量を約2分の1に低減した技術を開発(5月27日)

◆ウイルス対策:三菱ケミカルが水溶性ランドリーバッグの供給を開始(5月27日)

◆エンジニアリング:千代田化工建設が東邦チタニウム向け触媒新工場のEPC業務を受注(5月26日)

◆エネルギー:日産化学が小野田工場のボイラーの燃料を転換(5月26日)

◆自動車部品:住友ベークライトが欧州に車載用エポキシ樹脂封止用材料の生産ラインを導入(05月25日)

◆エネルギー:JXTGエネルギーが国内最大規模の室蘭バイオマス発電所の商業運転開始を発表(5月25日)

 

 

WEEKLY NEWS

 

◆自動車部品:住友ベークライトが電動パワートレインの樹脂化推進への取り組みを発表(5月29日)

住友ベークライトは、電気自動車やエコカーなどの中枢となるパワートレインのさらなる樹脂化の推進を目指し、小型・軽量化、低振動・低騒音、そして放熱性を向上させた電動アクスルを設計、作製、データ取得を行う「次世代電動アクスル市場開発推進プロジェクトチーム」を2020年1月1日付けで設置したことを発表した。

これまで同社で培ってきた樹脂の設計・配合技術を適用し、同社独自の電動アクスルの設計・作製・データ取得を行うもので、モーター出力150キロワットで2021年中には完成予定としている。さらに、実際に動かしてデータを取得、放熱性向上等の性能改善を具体的に提示し、国内外の自動車関連大手に訴求、製品の販売に留まらず、顧客の製品開発に寄与する技術提供を可能とし、同社電動アクスル関連事業のより一層の拡大を図る。

また新たにモビリティ材料営業部を新設、グローバルでの生産体制も構築し、2025年度には、電動アクスル関連事業で売上120億円を目指すとしている。

 

◆リサイクル:ダウがアジア太平洋において新処方の再生樹脂の発売を開始(5月28日)

ダウは、アジア太平洋における集積シュリンクフィルム用途向けに設計した、新処方の再生(PCR:Post-Consumer Recycled)プラスチック樹脂を開発、商品化したと発表した。

今後、e-コマース需要が伸びることで、製品を保護できると同時に廃棄物を最小限に抑えた、耐久性かつ効率性を備えた包装が求められている。

今回開発した新たな樹脂は、PCR材料を40%含み、バージン樹脂製品に匹敵する性能のフィルムを製造できるよう設計されている。本製品は、中国国内で回収された再生プラスチックを原料としており、中国南京にあるダウの委託生産企業において製造されている。

今回の新製品の提供は、リサイクル材料を製品の提供において取り込むことに注力し、プラスチックの循環型経済を発展させるとしている。

 

◆剥離剤:信越化学工業がシリコーン剥離剤に用いる白金の使用量を約2分の1に低減した技術を開発(5月27日)

信越化学工業は、「低白金反応硬化技術」を開発し、その技術をシリコーン剥離剤に導入して製品化を進めていることを発表した。

シリコーン剥離剤は、シール、ラベル、粘着テープなどの剥離紙、剥離フィルム、工程用離型紙などで、幅広い用途に使用されている。同剥離剤は一般的に白金系の硬化触媒を使用しているが、白金は高価な希少金属で資源の枯渇問題などから、使用量の低減が求められていた。

新たに開発した「低白金反応硬化技術」は、シリコーンに高い反応性を示す構造を導入することにより、白金の使用量を従来の約2分の1にして硬化させることができる。これにより、省資源化に寄与するとともに、顧客からの様々な要望にも応えられるものと期待している。すでに試作品の出荷を開始し、良好な評価を得ているとしている。

 

◆ウイルス対策:三菱ケミカルが水溶性ランドリーバッグの供給を開始(5月27日)

三菱ケミカルは、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、同社の水溶性フィルム『ハイセロン』製のランドリーバッグを、子会社の大成化薬を通じて製造販売を開始したことを発表した。使用済みのシーツや衣類に触れることなく洗濯することが可能となる。

本ランドリーバッグの原料となるハイセロンは、ポリビニルアルコールを原料とした水溶性フィルムで、強度や伸度に優れるほか、冷水溶解タイプと温水溶解タイプがある。

月間 20~25 万枚を供給する体制を整え、6 月初旬より順次、医療機関などに向けて提供するとしている。

 

◆エンジニアリング:千代田化工建設が東邦チタニウム向け触媒新工場のEPC業務を受注(5月26日)

千代田化工建設は、東邦チタニウムの茅ヶ崎工場(神奈川県)におけるポリプロピレン重合用触媒製造工場の設計、調達、建設(EPC)業務を受注したと発表した。

今回の案件は、東邦チタニウムの触媒事業の主力製品であるTHC触媒を生産する工場を建設するプロジェクトである。THC触媒は、プロピレンモノマーをポリプロピレン(PP)に重合する際に用いられるものである。

完成時期は2022年8月末の予定としている。

 

◆エネルギー:日産化学が小野田工場のボイラーの燃料を転換(5月26日)

日産化学は、小野田工場にて20年以上使用してきたA重油焚きボイラーを、天然ガス焚きボイラーに更新することを決定したと発表した。

小野田工場は、殺虫剤・殺ダニ剤、除草剤などの農薬、動物用医薬品原薬や、高脂血症治療薬などの医薬品原薬に加えて、有機ファインケミカル製品を生産している。

小野田工場の既存A重油焚きボイラーは、設置から22年経過しており、近年では老朽化が進んでいた。今回、GHG排出量削減、ボイラー燃焼効率向上、省力化、保全強化(予兆保全)といった観点から、燃料を天然ガスとするボイラーに更新する。

ボイラー更新工事の工期は、2020年6月~2021年12月。設備投資額は7億円としている。

 

◆自動車部品:住友ベークライトが欧州に車載用エポキシ樹脂封止用材料の生産ラインを導入(05月25日)

住友ベークライトは、欧州でのモビリティー分野の高まる需要に応えるため、ベルギーの生産子会社内に車載用エポキシ樹脂封止用材料生産の新製造ラインを導入することを発表した。稼働開始は2022年初頭、生産能力は数千トンを予定している。

住友ベークライトの封止材料は、半導体用がメインでこれまで成長してきた。一方で、近年、急速に自動車の電装化が世界的に広がっており、国内外の自動車部品メーカーへのマーケティングから新たな用途としてモーター磁石固定用材料やECU(Electronic Control Unit)一括封止材料などの車載用途にも注力することとした。

同社は、モビリティー用途に最適な材料の開発をすでに進めており、4月には「モビリティー材料営業部」を発足させ拡販体制を整えている。今後、欧州での生産を含め「車載用封止材」市場での販売を2025年度に120億円を目指すとしている。

 

◆エネルギー:JXTGエネルギーが国内最大規模の室蘭バイオマス発電所の商業運転開始を発表(5月25日)

JXTGエネルギーは、同社が出資するENEOSバイオマスパワー室蘭合同会社のバイオマス発電所の商業運転を開始したことを発表した。

今回商業運転を開始した本発電所は、同社が主体で運営する初めてのバイオマス発電所となり、木質バイオマスのみを燃料とする発電所としては国内最大規模となる。発電容量は7.49万kWであり、発電した電気は、再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIR)を活用し、売電するとしている。

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