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2022年11月10日号

2022.11.10 発行

HEADLINE

◆ポリマー:信越ポリマーが導電性ポリマーの粉体品のサンプル供給を開始(11月4日)
◆非鉄金属:住友金属鉱山が菱刈鉱山下部鉱体の鉱石採掘開始を発表(11月4日)
◆産業用ガス:エア・ウォーターが千葉県で液化ガス製造プラントの営業運転を開始(11月1日)
◆タイヤ材料:ダウ社がリサイクル可能なセルフシーリングタイヤ向けシリコーンソリューションを発表(10月26日)
◆CO2回収:日揮がLNG未利用冷熱を活用したCO2分離回収の技術開発を開始(10月31日)
◆樹脂:旭有機材が中国南通工場での電子材料用ノボラック樹脂生産能力を増強(10月31日)
◆価格改定
・ENEOSがベンゼンの契約価格を改定
・積水化学工業が強化プラスチック複合管および関連製品を12月1日出荷分より値上げ
・積水化学工業が配管関連部材を12月1日出荷分より値上げ
 
 

WEEKLY NEWS

◆ポリマー:信越ポリマーが導電性ポリマーの粉体品のサンプル供給を開始(11月4日)
 信越ポリマーは、同社の導電性ポリマー「セプルジーダ」について、独自製法により粉体化した製品を開発しており、今回粉体品のサンプル供給を開始したと発表した。
 同品は、ポリチオフェン系導電性ポリマーを用いた導電性塗料で、幅広い抵抗値と様々な機能を付与できる塗料として、帯電防止用、透明電極用、コンデンサ用などに提供してきた。
 通常のポリチオフェン系導電性ポリマーは、水や有機溶剤に低濃度で分散させて使用するが、粉体化することで、樹脂や他の導電性材料に容易に添加、混合することが可能となり、溶媒や水分の影響を受けることなく、機能を発揮させることが期待できる。
 今回新たに開発した粉体品は、導電助剤や光学特性(屈折率、反射率、透過率等)の制御、光触媒等の幅広い用途展開を想定しており、今後は、関心のあるクライアントの評価結果に合わせて、実績化を図るとしている。

◆非鉄金属:住友金属鉱山が菱刈鉱山下部鉱体の鉱石採掘開始を発表(11月4日)
 住友金属鉱山は、新規鉱量の獲得を目指して菱刈鉱山(鹿児島県)下部鉱体の開発を進めてきたが、今回坑内の温泉を汲み上げて水位を低下させる設備(以下「抜湯室」)の稼働により採掘可能な環境が整ったことに伴い、下部鉱体の採掘を開始したと発表した。
 菱刈鉱山の地下からは温泉水が湧出しており、坑内の海抜マイナス50メートル地点に抜湯室を設置し、金鉱石の採掘を行っている。探鉱の結果、下部にも有望な鉱体が連続していることが確認されたため、2012年に下部鉱体の開発を決定し、海抜マイナス80メートル地点に新抜湯室を設置する工事を開始した。
 同社は2022年3月より新抜湯室の稼働を開始し、水位が下がり採掘可能な環境が整ったことから、下部鉱体の採掘を開始した。今後は完工に向けて、引き続き工事を進めていくとしている。

◆産業用ガス:エア・ウォーターが千葉県で液化ガス製造プラントの営業運転を開始(11月1日)
 エア・ウォーターおよびエア・ウォーター東日本は、千葉県で建設を進めていた高効率小型液化酸素・窒素製造装置「VSU」が完成し、営業運転を開始したと発表した。
 液化ガス製造拠点の空白エリアとなっていた千葉県西部で国内22機目となる「VSU」が稼働したことにより、首都圏における同社グループのガス製造拠点は、合計4カ所となり、強固なガス供給ネットワーク体制を構築する。新設したVSUの製造能力は、液化酸素1,000 Nm3/h、液化窒素2,660 Nm3/hである。
 京浜・京葉臨海部を中心とした各種製造業における産業用途や、病院等で使用される医療用途のガス需要に対応するとしている。

◆タイヤ材料:ダウ社がリサイクル可能なセルフシーリングタイヤ向けシリコーンソリューションを発表(10月26日)
 ダウ社は、世界初となるリサイクルを可能にするセルフシーリングタイヤ向けシリコーンソリューションを発表した。
 この新しいSiLASTIC SST-2650セルフシーリングシリコーンによって、高機能性およびサステナビリティを求めるタイヤメーカーの要求に応えるとともに、軽量で、安全性が高く、耐久性のあるセルフシーリングタイヤ向けのソリューションを提供する。この技術はブリヂストンが新たに発表したリサイクル可能なタイヤシーラント技術、B-SEALSにおいて使用されている。
 新しいシリコーンシーラント技術は、タイヤの内面にセルフシール層を形成するように設計されており、パンクしても優れたシール性能を発揮し、タイヤの空気圧を低下させることなく長距離走行が可能になる。
 タイヤの耐用年数の終了後は、SiLASTICセルフシーリングシリコーンシーラントはタイヤから分離できるため、タイヤとシリコーンそれぞれをリサイクルすることが可能となる。また、スペアタイヤが不要になるため、車両の重量を減らし、航続距離と燃費を向上させ、より自由な設計を可能にするとしている。

◆CO2回収:日揮がLNG未利用冷熱を活用したCO2分離回収の技術開発を開始(10月31日)
 日揮は、液化天然ガス(LNG)未利用冷熱を活用した二酸化炭素(CO2)分離回収に係る技術開発の取り組みを開始したと発表した。
 LNGは、天然ガスをマイナス162度に冷却した液体で、LNG受入基地で再ガス化する際、多くの冷熱が放出される。この冷熱は十分利用されていない一方で、動力や電力も生み出すことができるエネルギー源として注目を集めている。
 本技術開発は、NEDOの「LNG未利用冷熱を活用したCO2分離回収技術開発・実証」における取り組みで、日揮は東邦ガスの再委託先として、本年9月より参画している。
 同事業は、工業排ガス(大気圧でのCO2濃度10%以下の低圧・低濃度ガス)などを対象に、低コストでCO2を分離回収するための技術の確立を目的としている。主な技術開発は、LNG未利用冷熱を活用し、従来法の約10%の投入エネルギーでCO2を分離回収する技術「Cryo-Capture」の開発と都市ガス工場でのパイロット実証、および回収したCO2と水電解等で製造した水素を原料として、メタネーション技術を用いた合成メタン製造まで含めたカーボンリサイクルに関する実証を行う。事業期間は2022年度~2030年度の9年間の予定としている。

◆樹脂:旭有機材が中国南通工場での電子材料用ノボラック樹脂生産能力を増強(10月31日)
 旭有機材は、中国江蘇省にある旭有機材グループ会社の旭有机材樹脂(南通)(以下、南通工場)で新規に製造設備を導入し、電子材料用ノボラック樹脂生産能力を増強することを発表した。
 南通工場では中国レジストメーカーのニーズに対応した製品の製造・販売を行っている。今後、中国では印刷版、FPD(フラットパネルディスプレイ)、半導体に使用する中国産レジストの生産量が更に拡大すると見込まれている。
 南通工場ではこの旺盛な需要に対応するため、その原料となるノボラック樹脂の生産能力を従来の1.5倍に増強する生産設備を導入し、多様なニーズに応えられる工場を目指す。
増設工事は2023年2月に開始する予定であり、増設設備の稼働は2024年5月の予定としている。

◆価格改定
・ENEOSがベンゼンの契約価格を改定
 11月契約価格は、895$/t(前月比▲35$/t)、国内価格換算想定値は138.6円/kg
・積水化学工業が強化プラスチック複合管および関連製品を12月1日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、強化プラスチック複合管:10%以上
 継手等の上記関連製品:15%以上
・積水化学工業が配管関連部材を12月1日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、接着剤、接合材、滑剤:15%以上
 ベルグリップV型:18%以上
 DRジョイント:10%以上
 テーパーコア短管:15%以上

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