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2022年2月10日号

2022.02.10 発行

HEADLINE

◆メディカル:日本ゼオンがAurora Microplates社を買収、医療・ライフサイエンス事業を加速(2月4日)
◆粘着シート:セメダインが建築構造接合に適用可能な構造用接着シートを開発(2月4日)
◆複合材料:日本板硝子が高弾性・高強度ガラスファイバー「MAGNAVI」を新開発(2月2日)
◆樹脂関連:JSRが非化学量論条件下の高効率なエポキシド間結合反応に成功(2月1日)
◆メディカル:住友化学と大日本住友製薬の合弁会社S-RACMOの再生・細胞医薬製造施設が稼働(2月1日)
◆リサイクル:石塚化学産業が資源循環プラットフォーム活用でトレーサビリティを付与した再生プラスチック材の実証販売を開始(2月1日)
◆エンジニアリング:千代田化工建設のアメリカ法人がエチレンプラント工事を完工(1月31日)
◆複合材料:住友ベークライトが熱硬化性樹脂ガラス長繊維成形材料を開発(1月31日)
◆エンジニアリング:日揮ホールディングスがマレーシアでメニコン社向けコンタクトレンズ製造工場建設プロジェクトを受注(1月31日)
◆価格改定
・ENEOSがベンゼンの契約価格を改定
・積水化学工業がポリビニルアセタール樹脂製品を2月1日より値上げ
・DICがエポキシ系可塑剤を2月10日納入分より値上げ
・昭和電工が塩素化ポリエチレンを2月16日出荷分より値上げ
・デンカがクロロプレンゴムを2月21日納入分より値上げ
・積水化学工業がプラント資材関連製品を3月1日出荷分より値上げ
・アイカ工業がメラミン化粧板・木口化粧材を3月1日出荷分より値上げ
・アイカ工業が接着剤を3月15日出荷分より値上げ
・アイカ工業が塗り床材「ジョリエース」を3月22日出荷分より値上げ
・ニチアスがロックウール製品を4月1日出荷分より値上げ
 
 

WEEKLY NEWS

◆メディカル:日本ゼオンがAurora Microplates社を買収、医療・ライフサイエンス事業を加速(2月4日)
日本ゼオンは、生化学分析向けマイクロウェルプレートの販売を行うAurora Microplates社(本社:米国モンタナ州)を子会社を通じて買収することに合意したと発表した。
日本ゼオンのシクロオレフィンポリマー(製品名:ZEONEX、ZEONOR)は、バイオ医薬品容器、分析用デバイスやマイクロ流路チップなどの生化学分析用途材料として採用されている。
今回のAurora Microplates社買収合意により、同社が保有するブランドや欧米を中心とした顧客ネットワークを活用するとともに、日本ゼオンの技術力を活かした新規事業の発展を図る。
本買収は2月28日までに完了する予定で、日本ゼオンでは医療・ライフサイエンス分野での事業開発を加速するとともに同分野の欧米市場参入を図るとしている。

◆粘着シート:セメダインが建築構造接合に適用可能な構造用接着シートを開発(2月4日)
セメダインは、建築構造接合に適用可能な構造用接着シート「ATLAS」を開発したことを発表した。
同製品は、建築の梁や鉄骨柱などの取り合い部分をボルト・ビスで接合する際に、あらかじめ挟み込むことで、面接合による大幅な耐力向上を図ることができる。また、新たに開発した構造用着剤を特殊樹脂シートに含浸させ、2成分の接着剤を一つのパックの中に収納することを実現した。これにより、接着剤の計量が不要となるほか、パックのまま混合することができるため、混合不良等の心配もなくなる。
同製品は、清水建設と共同で工法開発を行ってきたもので、同社で実施された従来工法と比較して、投入人工約50%の削減効果が確認されたとしている。

◆複合材料:日本板硝子が高弾性・高強度ガラスファイバー「MAGNAVI」を新開発(2月2日)
日本板硝子は、耐熱性、電波透過性等のガラスファイバーの特性はそのままに、剛性と強度をさらに高めた新たなFRP・FRTP(繊維強化プラスチック)用補強材として、高弾性・高強度ガラスファイバー「MAGNAVI(マグナビ)」を開発したと発表した。
同製品は、ガラス本来の特性とカーボンファイバーに優る耐衝撃性能を有しながら、低価格でニュートラルな色調のため、従来のカーボンファイバーでは対応が難しかったエレクトロニクスの分野や再生エネルギー関連分野をはじめとする多方面での用途展開が可能となる。
既にサンプルワークを開始し、2022年下期より、津事業所(三重県)での生産体制を整備し、順次販売を拡大していく予定としている。

◆樹脂関連:JSRが非化学量論条件下の高効率なエポキシド間結合反応に成功(2月1日)
JSRは、物質・材料研究機構(NIMS)との共同研究により、非化学量論条件下の高効率なエポキシド間結合反応に成功したと発表した。
JSRは今回、架橋剤にチオ酢酸カリウム(AcSK)を使用することで、水中で2つのエポキシドを非化学量論条件下においても高効率に結合させることができる独自のエポキシド間結合反応を新たに発見した。従来の架橋剤を用いた反応とは異なり、大まかな原料比の管理だけで、安定的に目的物を得ることができる。
反応に必要な量の2倍量の架橋剤を用いたモデル反応では、従来の架橋剤DTT(ジチオトレイトール)でおおよそ33%であるところ、AcSKでは収率99%に達した。特に精密な原料比管理の必要な重合反応に適用し、2官能エポキシドを用いて、非化学量論条件下、ほぼ一定の分子量のポリマーを得ることに成功した。さらに、ハイドロゲルや自立膜を形成する架橋反応においても同様にその効果を実証した。
本反応は、汎用性の高い原料を用いた反応であるため、既存の市場だけでなく、電子分野やライフサイエンス分野など幅広い展開が期待されるとしている。

◆メディカル:住友化学と大日本住友製薬の合弁会社S-RACMOの再生・細胞医薬製造施設が稼働(2月1日)
住友化学と大日本住友製薬による合弁会社のS-RACMOは、大阪府吹田市の大日本住友製薬の敷地内に建設を進めていた、再生・細胞医薬製造施設(通称、FORCE)が完成し、2022年2月より稼働を開始したことを発表した。
再生・細胞医薬分野では、生産体制の構築が開発・商業化上の課題となっていることから、同社は製法開発、製造などのCDMO事業に取り組んでいる。現在、大日本住友製薬が所有する「SMaRT」の一部を使用し製造を実施しているが、同施設の稼働により、新しい治療領域で成長著しい再生・細胞医薬品を開発する国内外のニーズに応えることができる。
今後、同施設を使用して、GCTP(再生医療等製品の製造管理及び品質管理の基準)、cGMP(医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の米国基準)など最新の基準に準拠した高品質の再生・細胞医薬品の製造受託を行うとしている。

◆リサイクル:石塚化学産業が資源循環プラットフォーム活用でトレーサビリティを付与した再生プラスチック材の実証販売を開始(2月1日)
石塚化学産業は、三井化学と日本IBMが2021年4月より開発しているブロックチェーン技術の高度なセキュリティーを有した資源循環プラットフォームを活用し、トレーサビリティを付与した再生プラスチック材(メタクリル酸メチル樹脂(PMMA)、ポリカーボネート樹脂(PC)の販売を2022年2月より開始すると発表した。
再生プラスチック材の使用においては、含有物質の明確化などトレーサビリティの担保が課題となっている。今回の実証販売は本プラットフォームを活用することで、再生プラスチック材のトレーサビリティの担保のほか、製造工程、検査工程、物性情報や品質情報等の可視化およびCO2排出量(参考値)を明示化することが可能となる画期的な取り組みである。
今後、現プラットフォーム参加者および新たな参加者と協働しながら他製品でも実証実験を重ね、実装に向けた活動を進めていくとしている。

◆エンジニアリング:千代田化工建設のアメリカ法人がエチレンプラント工事を完工(1月31日)
千代田化工建設は、アメリカ現地法人である千代田インターナショナルと米国Kiewit Energy Group(以下、Kiewit社)とのジョイントベンチャー(以下、CKJV)によって進められた米国テキサス州のGulf Coast Growth Ventures向けエチレンプラントが完工したことを発表した。
CKJVは2018年に年産180万トンのエチレンプラントのEPC業務を開始した。Kiewit社はテキサス州に本社を置く北米最大級の建設会社の一つで、2020年の売上高は125億USドルとしている。

◆複合材料:住友ベークライトが熱硬化性樹脂ガラス長繊維成形材料を開発(1月31日)
住友ベークライトは、優れた機械強度と電気絶縁性を有し、かつ射出成形に対応した熱硬化樹脂ガラス長繊維成形材料を開発したと発表した。
温室効果ガス削減によるカーボンニュートラル達成に向け各産業で対応が進む中、製品の製造から使用環境時までの消費エネルギー低減が求められており、金属・セラミックに代わる高性能樹脂素材へのニーズが高まっている。
住友ベークライトはこれらニーズに対して、高温環境下でも優れた機械特性(耐衝撃性・高靭性・高強度・高剛性)を発揮し、かつ電気絶縁性にも優れ、形状自由度や経済性の観点から射出成形対応の熱硬化性樹脂長繊維成形材料を開発した。
従来樹脂素材では出来なかったモーター関連部品、バッテリー関連部品、充電システム関連部品の金属やセラミック部材を樹脂化することで、二酸化炭素排出量をアルミニウムダイカスト比50%減、セラミック比80%減を目指し、将来的に10億円の売り上げを見込むとしている。

◆エンジニアリング:日揮ホールディングスがマレーシアでメニコン社向けコンタクトレンズ製造工場建設プロジェクトを受注(1月31日)
日揮ホールディングスは、日揮グローバルおよびJGCアジアパシフィック社のマレーシア子会社が、メニコンの子会社であるメニコン・マレーシア社より、コンタクトレンズ製造工場を新設するプロジェクトを受注したと発表した。
同プロジェクトは、世界的なコンタクトレンズの需要拡大に合わせて、メニコンがコンタクトレンズの生産能力を増強し、グローバルにおけるコンタクトレンズの安定供給を目的に、新たにマレーシアに製造工場を建設するものである。竣工・引き渡しは2023年12月の予定としている。

◆価格改定
・ENEOSがベンゼンの契約価格を改定
 2月契約価格は、1,035$/t(前月比+80$/t)、国内価格換算想定値は125.2円/kg
・積水化学工業がポリビニルアセタール樹脂製品を2月1日より値上げ
 値上げ幅は、30%
・DICがエポキシ系可塑剤を2月10日納入分より値上げ
 値上げ幅は、エポキシ化大豆油(ESBO):15円/kg、エポキシ化亜麻仁油(ELSO):70円/kg、
 その他エポキシ系可塑剤:28円/kg
・昭和電工が塩素化ポリエチレンを2月16日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、粉末、シートともに35円/kg以上
・デンカがクロロプレンゴムを2月21日納入分より値上げ
 値上げ幅は、55円/kg以上
・積水化学工業がプラント資材関連製品を3月1日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、バルブ類、継手類、フランジ・パッキン、関連製品:10%以上、プラント管類:15%以上
・アイカ工業がメラミン化粧板・木口化粧材を3月1日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、設計価格の最大13%
・アイカ工業が接着剤を3月15日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、10%以上
・アイカ工業が塗り床材「ジョリエース」を3月22日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、10~15%(一部この範囲に収まらない商品もある)
・ニチアスがロックウール製品を4月1日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、20%
 
 

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