メールマガジン

2022年2月3日号

2022.02.03 発行

HEADLINE

◆ポリマー:ポリプラスチックスがポリアセタール(POM) の重合能力を増強(1月28日)
◆メディカル:富士フイルムが米国バイオベンチャーAtara社の細胞治療薬製造拠点を買収(1月27日)
◆電子材料:デクセリアルズが最表面の耐久性を40倍以上に高めた反射防止フィルムを製品化(1月26日)
◆ポリマー:住友化学が愛媛工場でLCPの生産能力を増強(1月25日)
◆石油精製:ENEOSが和歌山製油所の精製・製造および物流機能を停止(1月25日)
◆電子材料:AGCがEUV露光用フォトマスクブランクスの生産能力を倍増(1月25日)
◆電池材料:日本ゼオンがカーボンナノチューブを用いたシートによるリチウムデンドライトの抑制技術を開発(1月25日)
◆建材:四国化成工業が壁材生産拠点を徳島工場吉成事業所に移転(1月25日)
◆化粧品原料:資生堂が新規乳化法開発に成功(1月25日)
◆リサイクル:アイカ工業がリサイクルPETを使用した抗菌・抗ウイルスハードコートフィルムを開発(1月25日)
◆建材:アイカ工業が植物由来のフェノール樹脂を使用したメラミン化粧板を開発(1月24日)
◆メディカル:カネカが北海道に医療機器工場を新設(1月24日)
◆価格改定
・東亞合成がカセイカリを2月1日出荷分より値上げ
・コニシが「ボンド」製品を2月21日より値上げ
・タキロンシーアイが管工機材製品を2月21日出荷分より値上げ
・タキロンシーアイが住宅資材製品(デッキ材、ぬれ縁、ピット用クリート)を2月21日出荷分より値上げ
・タキロンシーアイが波板、FRP製品を2月21日出荷分より値上げ
・タキロンシーアイがプレート製品を2月21日出荷分より値上げ
・バンドー化学がコンベヤベルト関連製品、ゴム堰および運搬周辺製品を4月1日受注分より値上げ
 
 

WEEKLY NEWS

◆ポリマー:ポリプラスチックスがポリアセタール(POM) の重合能力を増強(1月28日)
ポリプラスチックスは、中国江蘇省において、新たにポリアセタール(POM)ジュラコンの製造設備を建設すると発表した。
ポリアセタールは、機械特性、摺動性、成形性に優れたエンジニアリングプラスチックとして、自動車部品、OA機器や家電製品の部品の他、ファスナーやバックルなどの日用品にまで幅広い産業分野で使用されている。
同社グループは、富士工場、高雄工場、クアンタン工場、南通工場の世界4ヶ所にポリアセタールの生産拠点を持ち、年間29万tの供給能力を有しているが、このうち、中国の南通経済開発区の方針により、南通地区にある工場操業停止要請が出されたため、代替能力の準備を進めてきた。
新工場の生産能力は、先行して実施する2024年11月の9万トンの操業により既存設備の操業停止による影響をカバーするとともに、最終的には15万トンの供給能力にする予定としている。

◆メディカル:富士フイルムが米国バイオベンチャーAtara社の細胞治療薬製造拠点を買収(1月27日)
富士フイルムは、米国バイオベンチャーAtara Biotherapeutics(以下Atara社)の細胞治療薬製造拠点を買収することを発表した。これにより、遺伝子改変細胞治療薬をはじめとする細胞治療薬の受託ビジネスに本格参入し、バイオ医薬品の開発・製造受託事業をさらに拡大する。
Atara社は、米国製薬大手Amgenから2012年に独立したバイオベンチャーで、T細胞を用いた細胞治療薬の開発に取り組んでいる。また、治験薬製造から商業生産まで対応できる最新鋭のGMP設備と高度な人材を保有しており、すでに遺伝子改変細胞治療薬も含めた細胞治療薬の生産ノウハウと実績を蓄積している。
今後、本拠点を同社グループ会社でバイオ医薬品CDMOであるFUJIFILM Diosynth Biotechnologiesの新たな拠点としてスタートさせ、細胞治療薬の開発・製造受託ビジネスを推進する。買収完了時期は、2022年4月の予定としている。

◆電子材料:デクセリアルズが最表面の耐久性を40倍以上に高めた反射防止フィルムを製品化(1月26日)
デクセリアルズは、最表面の防汚層を真空蒸着法で形成することで、摺動耐久性を同社従来品比40倍以上に向上した反射防止フィルム「HDシリーズ」を製品化したと発表した。同製品はすでに複数のノートPCメーカーでの採用が決まり、出荷を開始している。
従来の製品は溶媒に溶かした防汚材を塗布するウェットコーティング法を用いていたが、同製品は防汚材を気化させ、基材である反射防止層に直接付着させる真空蒸着法を用いることで、より高耐久かつ低摩擦で滑りのよい防汚層を形成することが可能になった。その高い摺動耐久性から、タッチパネルを搭載したノートPCや、タブレット形状にもなる2in1タイプの機器、車載ディスプレイなどに適している。
同社では車載ディスプレイ向けの「HDシリーズ」を高効率に生産できるように設計した新たな設備を本社・栃木事業所に導入することを決定している。既存の製造設備に真空蒸着装置を導入し、量産を開始。既存の製造設備に加え、2023年4月に稼働する新たな設備でも生産可能としている。

◆ポリマー:住友化学が愛媛工場でLCPの生産能力を増強(1月25日)
住友化学は、スーパーエンジニアリングプラスチックスの一つである液晶ポリマー(以下、LCP)の供給体制を強化するため、愛媛工場に生産プラントを増設すると発表した。
LCPは、耐熱性や流動性、寸法精度に優れるなどの特長を有し、パソコンやスマートフォンなどに使用される電子部品をはじめ、幅広い分野で用いられている。近年、第5世代移動通信システム(5G)の本格商用化や、環境負荷低減に向けた電気自動車(EV)の普及などを背景に、LCPの需要が拡大している。
現在、LCPは、愛媛工場および同社子会社の田岡化学工業播磨工場(兵庫県)で生産しており、増設後の生産能力はグループ全体で現行比約3割増となる。設備の完成は2023年夏を予定している。また、LCP市場は今後もデータ通信の高速化や大容量化、モビリティ分野の発展に伴い、拡大が見込まれるため、さらなる生産能力増強を検討するとしている。

◆石油精製:ENEOSが和歌山製油所の精製・製造および物流機能を停止(1月25日)
ENEOSは、和歌山製油所(原油処理能力127,500バレル/日)の精製・製造および物流機能について、2023年10月を目途に停止することを決定したと発表した。
国内石油製品の構造的な需要減退やアジアを中心とした国際競争の激化に加え、新型コロナウイルスによる急激な需要減少等、石油精製販売事業を取り巻く様々な環境を総合的に勘案した結果、製油所・製造所の生産・供給体制の再構築が急務と判断し、停止する決定に至ったとしている。

◆電子材料:AGCがEUV露光用フォトマスクブランクスの生産能力を倍増(1月25日)
AGCは、AGCエレクトロニクスにおいて、EUV露光用フォトマスクブランクス(以下、EUVマスクブランクス)の生産能力を増強することを決定したと発表した。AGCエレクトロニクスは、建屋拡張を含めた大型増強工事を行い、2022年1月に生産を開始している。
近年、半導体生産においてEUVプロセスは、メモリー向けにおいても採用が進んでいる。これに伴うEUVマスクブランクスの需要増に加え、次世代・次々世代半導体向けEUVマスクブランクスの出荷も見込まれることから、生産能力の増強を決定した。2023年1月より生産を開始し、段階的に増強を行うことにより、AGCグループのEUVマスクブランクス生産能力は2024年に現在の約2倍になる。
今後も大きな需要の伸びが見込まれるEUVマスクブランクス事業に対し積極的な設備投資を実施し、2025年には売上高400億円以上を目指すとしている。

◆電池材料:日本ゼオンがカーボンナノチューブを用いたシートによるリチウムデンドライトの抑制技術を開発(1月25日)
日本ゼオンは、産業技術総合研究所と共同で、スーパーグロース法により製造される単層カーボンナノチューブ(以下、SGCNT)を用いて作製したシートにより、リチウム金属の充放電時に発生するデンドライト(樹枝状結晶)を抑制する技術を開発したと発表した。
リチウム金属は高いエネルギー密度を有しているが、充放電時にリチウムデンドライトが成長することによって、その電池の材料構造が変化するため、短時間で電池容量が減少することが課題となっていた。
今回、リチウムとの親和性が高いSGCNTを用いて、高比表面積と高空孔率を有するSGCNTシートを作製し、このSGCNTシートをセパレーターとリチウム金属電極との間に挟むことによって、リチウム金属単体と比べ5倍の電流密度と循環容量、20倍以上の寿命を実現した。
今回開発した技術により、リチウム金属電極(負極)の大幅な寿命向上を達成し、高エネルギー密度、大容量のリチウム金属電極(負極)の実用化加速が期待できるとしている

◆建材:四国化成工業が壁材生産拠点を徳島工場吉成事業所に移転(1月25日)
四国化成工業は、壁材製品の生産拠点を北島事業所から吉成事業所に移転することを発表した。
同社は、建材ブランド「JULUX」として内装材や外装材、舗装材を販売しているが、市場・顧客ニーズへの対応や生産基盤強化のために生産拠点の移転を決定した。移転を機に、老朽設備の更新、設備や機器を最適化して生産性の向上を図るほか、壁材生産設備移転後の北島事業所では、ファインケミカルなどの化学品事業での利用を計画している。
生産拠点移転に伴う投資額は9億円を予定している。2022年2月より生産拠点の移転を開始し、9月より吉成事業所での壁材製品の本格的な生産を開始する予定としている。

◆化粧品原料:資生堂が新規乳化法開発に成功(1月25日)
資生堂は、高い乳化安定性と使用感・効果感を高次元で両立させる、画期的な乳化技術の開発に成功したと発表した。また、東京理科大学との共同研究により、世界で初めて本技術による乳化界面の撮影に成功し、本乳化メカニズムを解明したことを併せて発表した。
化粧品には高い機能性や有効性が求められると同時に、心地よさや塗布のしやすさ、高い安定性や安全性も求められる。これらの要素を満たすために重要な成分である水と油を混合・安定化するのが乳化技術であるが、心地よさと機能性の両立には様々な制約があった。
今回開発した新たな乳化法では、乳化剤が界面に扁平な「ナノディスク」という構造で存在することで、安定な乳化粒子を形成する。また、ナノディスク構造が肌に塗布されると均一なコーティング膜に変化し、べたつきのない心地よい使用感と高い機能性を実現する。
本技術は、スキンケア製品のみならずサンケア製品、メイクアップ製品などの幅広い製品への活用が可能であり、今後の製品に広く本乳化技術を活用していくとしている。

◆リサイクル:アイカ工業がリサイクルPETを使用した抗菌・抗ウイルスハードコートフィルムを開発(1月25日)
アイカ工業は、抗菌・抗ウイルス仕様のハードコートフィルムに、リサイクルPETフィルムを使用した新グレードを追加したと発表した。
近年、環境問題への関心の高まりから、廃棄プラスチックを資源として再活用する技術革新が進んでいる。同社のリサイクルPETフィルムには使用済みペットボトルが使われており、非リサイクルPETフィルムに比べてCO2排出量を15%以上削減できる。また、環境負荷がより低いメカニカルリサイクルの手法で製造されたPETフィルムを使用している。今後、フォルダブルディスプレイ用フィルムや反射防止フィルムなどの各種フィルム製品にサステナブル素材を積極展開していく。
リサイクルPETフィルムを使用した新グレードのサンプルワークを2月1日より開始する。年間販売目標は1億円としている。

◆建材:アイカ工業が植物由来のフェノール樹脂を使用したメラミン化粧板を開発(1月24日)
アイカ工業は、植物由来のフェノール樹脂(リグニンフェノール樹脂)を使用したメラミン化粧板の開発に成功したと発表した。
同社のメラミン化粧板は、家具などの表面材として広く使用されている建築素材である。原材料の50%程度が紙でありバイオマスを利活用する製品として、日本有機資源協会のバイオマスマーク(バイオマス度50%)を取得している。
今回同社はメラミン化粧板の樹脂原料の一部に植物由来のフェノール樹脂であるリグニンフェノール樹脂を使用する技術を確立した。これにより同製品のバイオマス度は60%となり、石化原料を従来のメラミン化粧板より20%削減できる。
今後、3月よりサンプルワークを行いながら量産化に向けたスケールアップを行っていくとしている。

◆メディカル:カネカが北海道に医療機器工場を新設(1月24日)
カネカは、北海道の苫小牧東部産業地域に医療機器の工場新設を決定したことを発表した。
今回生産を予定している医療機器は米国での適応拡大や昨年発売した新製品の投入により販売が増加している。血中の悪玉コレステロールを選択的に除去する「リポソーバー」は、欧米を中心に今後も堅調な需要の伸長を見通している。また、新規の「レオカーナ」は、重症化した閉塞性動脈硬化症(ASO)に対する新たな治療法として市場から高い評価を受けている。今後、潜在患者数が多い米国、中国などで需要の急拡大が見込まれ、今回の工場新設による供給基盤の確保により事業拡大を図る。工場の投資金額は約100億円、2024年5月の稼働を予定している。
同社では今回の北海道新工場建設を含めこの領域の事業展開をさらに飛躍させ、2030年にHealth Care Solutions Unitの売上高3,000億円を目指すとしている。

◆価格改定
・東亞合成がカセイカリを2月1日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、液体カセイカリ:(固形換算)45円/kg以上、フレークカセイカリ:(有姿)45円/kg以上、スーパーカリ:(固形換算)45円/kg以上
・コニシが「ボンド」製品を2月21日より値上げ
 値上げ幅は、15%以上
・タキロンシーアイが管工機材製品を2月21日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、20%以上
・タキロンシーアイが住宅資材製品(デッキ材、ぬれ縁、ピット用クリート)を2月21日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、15%以上
・タキロンシーアイが波板、FRP製品を2月21日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、塩ビナミイタ、ガーデンルーフ、FRP波板・平板・折板:15%以上
 FRPドーム:20%以上
・タキロンシーアイがプレート製品を2月21日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、20%以上
・バンドー化学がコンベヤベルト関連製品、ゴム堰および運搬周辺製品を4月1日受注分より値上げ
 値上げ幅は、10%

TOPへ戻る