2022.03.31 発行
◆ゴム:日本ゼオンが水素化ニトリルゴムの生産能力を増強(3月24日)
◆樹脂:BASFがインドでポリアミドの生産能力を拡大(3月24日)
◆機能素材:東洋紡と三菱商事が機能素材分野における合弁会社設立の契約を締結(3月24日)
◆フィルム:東レがストレッチャブルデバイス向け伸縮性フィルムを創出(3月24日)
◆電子材料:デクセリアルズがインクジェット塗布に対応した光学弾性樹脂を製品化(3月24日)
◆電子材料:JSRが台湾に半導体材料事業の現地法人を設立(3月23日)
◆顔料:DICが顔料製品にサーチャージ制を適用(3月23日)
◆電子材料:JX金属が関係会社のタイ国内生産拠点で機能性タンタル粉末の生産能力の増強を発表(3月22日)
◆有機:三菱ガス化学が新潟工場におけるホルマリン、パラホルム、ヘキサミン生産停止を発表(3月22日)
◆価格改定
・新第一塩ビが塩化ビニル樹脂を4月1日出荷分より値上げ
・クラレがEVOH製品、回収助剤、パージング剤を4月1日出荷分より値上げ
・住友化学がMMAモノマーを4月1日出荷分より値上げ
・カネカが発泡スチロール容器を4月1日出荷分より値上げ
・カネカが発泡ポリオレフィン成形品を4月1日出荷分より値上げ
・カネカが押出法ポリスチレンフォームを4月1日出荷分より値上げ
・積水化学工業が粘着テープを4月11日出荷分より値上げ
・DICが共押出多層フィルムを4月15日納入分より値上げ
◆ゴム:日本ゼオンが水素化ニトリルゴムの生産能力を増強(3月24日)
日本ゼオンは、高岡工場(富山県)における水素化ニトリルゴム(Zetpol)の生産能力増強を決定したと発表した。
Zetpolは、耐油性の高いニトリルゴムを水素化することにより耐熱性を高めた特殊ゴムで、高耐熱、高強度が求められる様々な産業領域において需要が拡大しており、今後も安定した需要増が見込まれている。Zeptolは、高岡工場と米国・Zeon Chemicalsテキサス工場の2拠点で製造しているが、製造ラインにおけるデボトル増強を実施することにより、高岡工場における年間生産能力を増強する。
日本ゼオンでは、同改善は2022年秋に実施し、2023年からの能力増強を目指しており、高岡工場における生産能力は現行比で約10%増加する見込みとしている。
◆樹脂:BASFがインドでポリアミドの生産能力を拡大(3月24日)
BASFは、市場からの高まる需要に応えるため、Ultramid(ウルトラミッド)ポリアミドの生産能力を拡大することを発表した。
インドのグジャラート州にある生産拠点で2022年第4四半期から増産を予定している。
Ultramidは、自動車用途や電気・電子分野、工業製品、消費財などに使用されており、今回の生産能力増強は、インドで急増しているBASFのUltramidの需要に応えるものである。これにより現地での納期が短縮され、OEMのジャストインタイムのニーズにもさらに対応できるとしている。
◆機能素材:東洋紡と三菱商事が機能素材分野における合弁会社設立の契約を締結(3月24日)
東洋紡は、三菱商事と機能素材の企画、開発、製造および販売を行う新たな合弁会社を設立し、2023年1月頃を目途に事業開始することに関する契約を締結したと発表した。
新会社は、東洋紡の機能素材事業を引き継ぎ、東洋紡の技術力と三菱商事が持つ幅広い産業知見・ネットワークといった総合力を掛け合わせることで、グローバル市場におけるプレゼンスの向上と多様化・複雑化する産業のニーズに応じたソリューションの提供を目指すとしている。
◆フィルム:東レがストレッチャブルデバイス向け伸縮性フィルムを創出(3月24日)
東レは、高い復元性と耐熱性を有する伸縮性フィルム「REACTIS(リアクティス)」の技術を深化し、抵抗値安定性に優れる回路実装を実現する新たな伸縮性フィルムを創出したと発表した。
近年、生体センサーが組み込まれたスマートウェアのような伸縮性のあるストレッチャブルデバイスの開発が期待されている。ストレッチャブルデバイスに使用される回路基板は、動きに追従することができる高い柔軟性、復元性、繰り返し使用した際の耐久性を満たす新たな素材が求められている。
本開発品をストレッチャブルデバイスの回路基板へ適用することで、装着時の動きに追従し、広い温度環境下や繰り返し使用時の安定した機能発現が期待できる。このような特徴から、同製品について運動フォームの解析を目的とする伸縮センサーや、ロボティクス分野における触覚センサーなど、健康、医療、産業といった人々の生活を向上する様々な用途への展開を図っていくとしている。
◆電子材料:デクセリアルズがインクジェット塗布に対応した光学弾性樹脂を製品化(3月24日)
デクセリアルズは、インクジェット塗布方式に対応した光学弾性樹脂『Jettable SVR』(以下、jSVR)を製品化したことを発表した。
同社が2007年に上市した光学弾性樹脂『SVR』は、ディスプレイパネル表示部とトッププレートの間にあるエアギャップを埋める光学用透明接着剤(OCR/LOCA)であり、スマートフォンやタブレットPC、車載ディスプレイなどで用されている。
今回製品化した光学弾性樹脂『jSVR』は、印刷などに用いられるインクジェット塗布方式に対応することで、任意の位置に適切な量の樹脂を高い精度で塗布し、光学貼合することが可能となる。また、塗布厚を精密かつ連続的にコントロールできるため、従来の光学透明粘着テープでは対応が難しかった、曲面ディスプレイなど、箇所によって厚みが異なる3D形状ディスプレイにも対応可能となる。
同社は2020年9月の『jSVR』の開発以来、ユーザーへの紹介やサンプル出荷、仕様の調整など製品化に向けた準備を進めており、今回、複数のタブレットPCで採用が決定した。また、2022年1月には、本社・栃木事業所に車載ディスプレイ向けの大型の試作設備を導入し、本試作設備を利用することでユーザーは自社に設備を導入することなく試作、検討が可能になるとしている。
◆電子材料:JSRが台湾に半導体材料事業の現地法人を設立(3月23日)
JSRは、 台湾における半導体材料事業の営業・マーケティングおよび研究開発活動の強化のため、現地法人「台灣捷時雅電子材料/JSR Electronic Materials Taiwan」を設立することを決定したと発表した。
今後も拡大が予測される半導体市場において、台湾は半導体製造における重要な拠点であり、前工程から後工程まで幅広く事業機会の獲得が期待される重要な市場となっている。今回の現地法人設立を通じ台湾における事業活動の機能を拡充し、顧客エンゲージメントの拡充、技術開発活動及びマーケティングの強化をより一層図っていく。
現地法人の稼働開始は2022年4月の予定としている。
◆顔料:DICが顔料製品にサーチャージ制を適用(3月23日)
DICは、同社グループが取り扱う顔料製品について4月1日出荷分より、運賃やエネルギー価格の値動きを製品価格に付加する「サーチャージ制」を導入し、価格改定することを決定したと発表した。
サーチャージ制は同社グループが取り扱う顔料製品に4月1日出荷分より適用され、サーチャージ額は22円~165円/kgである。なお、サーチャージ制は、輸送サーチャージとエネルギーサーチャージで構成し、設定基準は四半期毎に見直すとしている。
◆電子材料:JX金属が関係会社のタイ国内生産拠点で機能性タンタル粉末の生産能力の増強を発表(3月22日)
JX金属は、関係会社であるTANIOBIS社のタイ国内生産拠点で機能性タンタル粉末の製造設備について、総額40億円規模の増強投資を行い、生産能力を大幅に引き上げると発表した。
同製品は、電子部品であるコンデンサや半導体の配線材料に用いられている。テレワークなどを背景としたモバイル端末や通信インフラの需要増大により需要が伸長しており、この傾向は今後も継続すると予測している。今後、既存設備のみでは対応が困難な状況となることが見込まれることから、生産能力を大幅に引き上げることとした。設備の稼働は2025年を目途に順次開始する予定である。
今回の設備投資では、能力の増強を行うとともに、分析棟を新設し、品質管理体制の強化を図る。また、開発・試作に関する設備を新設するとしている。
◆有機:三菱ガス化学が新潟工場におけるホルマリン、パラホルム、ヘキサミン生産停止を発表(3月22日)
三菱ガス化学は、2023年5月を目途として、同社新潟工場におけるホルマリン、パラホルム、ヘキサミンの生産を停止すると発表した。
ホルマリン、パラホルム、ヘキサミンは、メタノールから作られる化学品で、住宅建材、樹脂原料、樹脂硬化剤等の多種多様な用途に幅広く使用されている。
新潟工場では、1974年以来40年以上にわたって当該製品を生産してきたが、不採算の状況が継続していることに加えて、設備の老朽化、需要の縮小予測などにより、今後も採算改善が見込めない状況下、生産終了を決定したとしている。
◆価格改定
・新第一塩ビが塩化ビニル樹脂を4月1日出荷分より値上げ
値上げ幅は、汎用品、ペーストともに40円以上/㎏
・クラレがEVOH製品、回収助剤、パージング剤を4月1日出荷分より値上げ
値上げ幅は、日本:60円/kg、欧州;0.85€/kg、アジアパシフィック:北南米:0.60USD/kg
・住友化学がMMAモノマーを4月1日出荷分より値上げ
値上げ幅は、61円/kg
・カネカが発泡スチロール容器を4月1日出荷分より値上げ
値上げ幅は、15%
・カネカが発泡ポリオレフィン成形品を4月1日出荷分より値上げ
値上げ幅は、15%
・カネカが押出法ポリスチレンフォームを4月1日出荷分より値上げ
値上げ幅は、30%
・積水化学工業が粘着テープを4月11日出荷分より値上げ
値上げ幅は、クラフトテープ群全般:15%以上、OPPテープ群全般:15~40%以上
・DICが共押出多層フィルムを4月15日納入分より値上げ
値上げ幅は、1連(500㎡)あたり700円以上(厚み20μm換算)