2022.09.01 発行
◆ゴム製品:ブリヂストンが米国にてトラック・バス用プレミアムタイヤの製造・販売体制を強化(8月26日)
◆電子材料:JSRが中国に電子材料事業の現地法人を設立(8月25日)
◆メディカル:トクヤマが鹿島工場に新棟建設による歯科材料の製造能力を強化(8月25日)
◆洗浄剤:三洋化成工業が生分解性と洗浄力に優れ、環境負荷低減に貢献できる衣料用洗剤基剤を開発 (8月25日)
◆フィルム:ユニチカがインドネシア子会社でナイロンフィルムの生産設備を新規稼働(8月24日)
◆リサイクル:神鋼環境ソリューションらが廃プラスチックのガス化及びメタノール化実証事業の開始を発表(8月23日)
◆吸水性樹脂:三洋化成工業が植物由来のバイオマス原料を使用した環境配慮型の高吸水性樹脂を開発(8月22日)
◆研究開発:三菱ガス化学が平塚研究所に新研究棟を建設(8月22日)
◆リサイクル:千代田化工建設、ニッピらが植物による高度修飾タンパク質の大量生産技術の開発を開始(8月22日)
◆バイオ燃料:室町ケミカルが5社共同でバイオディーゼル燃料の精製装置を開発(8月22日)
◆価格改定
・デンカがポリビニルアルコールを9月10日納入分より値上げ
・東ソーが次亜塩素酸ナトリウムを9月11日出荷分より値上げ
・ユニチカが包装用フィルムを9月21日出荷分より値上げ
・ニッタが平ベルト類、カーブコンベヤ関連、ゴム成形品、ホース、チューブ、継手製品を10月1日受注分より値上げ
・バンドー化学が伝動ベルト、プーリ/金属製品、ゴム・ウレタン工業用品、搬送用樹脂ベルト、コンベヤベルトを
10月1日受注分より値上げ
・日本製紙がコート白ボール、特殊板紙を10月1日出荷分より値上げ
・日本製紙グループの日本東海インダストリアルペーパーサプライがクラフト紙を10月1日出荷分より値上げ
◆ゴム製品:ブリヂストンが米国にてトラック・バス用プレミアムタイヤの製造・販売体制を強化(8月26日)
ブリヂストンは、米国ウォーレン工場のトラック・バス用タイヤ生産能力の増強を決定したことを発表した。
総投資金額は約700億円であり、2022年までに増強を開始、2026年末までにウォーレン工場の生産能力を現在の年間350万本弱から450万本弱まで引き上げる予定としている。
◆電子材料:JSRが中国に電子材料事業の現地法人を設立(8月25日)
JSRは、中国における電子材料事業活動の強化のため、中国上海市臨港特別区に現地法人を設立することを決定し、臨港特別区政府と投資協議書を交わしたことを発表した
今回現地法人を設立する臨港特別区は先端産業の集積地として開発が進められており、国内外の数多くの先端技術企業による投資が行われている。
中国半導体市場は今後も成長が見込まれることから、今後の同市場での事業展開を見据え、これまでJSR (Shanghai) で行ってきた半導体向けの営業活動を新現地法人に移管する。また、新現地法人では中国の顧客ニーズに応える将来の機能拡充も視野にいれ、JSRの電子材料事業活動の中心拠点として顧客対応力強化を図る。
今後、22年8月末には会社登記を完了し、稼働開始は22年12月頃の予定としている。
◆メディカル:トクヤマが鹿島工場に新棟建設による歯科材料の製造能力を強化(8月25日)
トクヤマと子会社のトクヤマデンタルは、鹿島工場内に新棟を建設し、歯科充填用コンポジットレジン・CAD/CAMハイブリッドレジンブロック等の製造能力を強化すると発表した。
鹿島工場の新棟は、2021年5月に竣工した原料加工棟の増設に続く投資計画の一環で、製品の混練・充填・包装などの製造能力を従来比約2倍に向上させ、国内外の旺盛な需要への対応を進める。
鹿島工場の新棟建設は2023年4月に着工し、2024年10月に生産を開始する予定としている。
◆洗浄剤:三洋化成工業が生分解性と洗浄力に優れ、環境負荷低減に貢献できる衣料用洗剤基剤を開発 (8月25日)
三洋化成工業は、生分解性と洗浄力に優れ、洗剤成分の高濃度化が可能な衣料用洗剤基剤『ミセランド SCD-100』を開発したと発表した。
近年、コンパクト液体洗剤は、容器の省資源や輸送エネルギー削減につながるだけでなく、持ち運びやすさ・使いやすさが消費者に広く受け入れられ、需要が高まっている。
本開発品は、従来のコンパクト液体洗剤では困難だった生分解性と洗浄力の両立を実現したものである。中性タイプの非イオン界面活性剤で、衣類へのダメージが少なく、皮脂汚れに対して優れた洗浄力を発揮する。従来のコンパクト液体洗剤に比べ、これまでと同等の洗浄力を維持しながら使用量を低減することができる。また、生分解性に優れるため、下水処理の処理効率を上げ、それにかかるエネルギーを削減にもつながり、環境負荷の低減に貢献できるとしている。
◆フィルム:ユニチカがインドネシア子会社でナイロンフィルムの生産設備を新規稼働(8月24日)
ユニチカは、インドネシアのナイロンフィルム製造・販売子会社であるエンブレムアジアでナイロンフィルムの生産設備が8月に新たに稼働したと発表した。
ユニチカは、国内では宇治事業所、海外ではインドネシアでナイロンフィルムを製造しているが、アジア地域を中心とした食品包装用途などの需要拡大により、生産設備はフル稼働の状況が続いているため、今回新規の生産設備を増設した。
増設後のナイロンフィルムの生産能力は、エンブレムアジアで年産16,500トンから26,500トンとなり、グループ全体では41,500トンから年産51,500トンに増強されたとしている。
◆リサイクル:神鋼環境ソリューションらが廃プラスチックのガス化及びメタノール化実証事業の開始を発表(8月23日)
神鋼環境ソリューション、大栄環境とそのグループ会社であるDINS関西、三菱ガス化学、三菱化工機の5社が提案した「廃プラスチックのガス化及びメタノール化実証事業」が、環境省「二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金脱炭素社会を支えるプラスチック等資源循環システム構築実証事業」に採択されたと発表した。
同社らは、神鋼環境ソリューションが有する流動床式ガス化技術をベースに、雑多な廃プラをガス化して得られた合成ガスからメタノールを合成する国内初のケミカルリサイクル技術の構築を目指し、この2月に共同実証プロジェクトを立ち上げた。
同実証において、金属等の異物が混入した性状変動が大きい雑多な廃プラが安定的に処理できること、および生成した合成ガスから製造する環境循環型メタノールが市場に受け入れられる価格を実現するプロセスを構築することを目標としている。
◆吸水性樹脂:三洋化成工業が植物由来のバイオマス原料を使用した環境配慮型の高吸水性樹脂を開発(8月22日)
三洋化成工業の 100%連結子会社であるSDPグローバルは、原料の一部に植物由来原料(バイオマス原料)を使用した高吸水性樹脂(以下、SAP)を開発し、日本有機資源協会が認定するバイオマスマークを取得したと発表した。
バイオマス原料となる植物は、成長過程でCO2を吸収するため、ライフサイクル全体では排出量と吸収量を均衡させることになり、大気中のCO2量の削減につながると考えられている。また、有限な石油資源に代わり、再生可能な資源である植物を原料とするため、持続可能な循環型社会の実現に貢献することが期待されている。
SAPの組成としてはアクリル酸部分ナトリウム塩からなるポリマーが主流だが、その原料は石油由来のプロピレンから作られるアクリル酸である。SDPグローバルは、サンプル供給体制も整えており、 今後本格的にサンプルワークを進めていく予定としている。
◆研究開発:三菱ガス化学が平塚研究所に新研究棟を建設(8月22日)
三菱ガス化学は、平塚研究所において研究棟を新設することを決定したと発表した。
同社は新規事業の創出と育成の加速に向けて、積極的な研究開発投資、研究人員の増員を進めている。平塚研究所においてもMI(マテリアルズ・インフォマティクス)等を活用しながら研究の加速を図り、同社の強みを活かした素材や加工技術開発への取り組みを強化している。また、平塚研究所に隣接して多くのグループ会社が研究拠点や事業所を有しており、各社の技術を活用したコラボレーション型研究の推進に取り組んでいる。
新棟には、グループ会社との共同実験室やイノベーションラウンジを設け、社内はもとよりグループ会社と一体となっての実験や議論を通じてイノベーションを推進できる環境を整えることで、新規事業や新規製品の創出を加速していく。完工は2024年秋の予定としている。
◆リサイクル:千代田化工建設、ニッピらが植物による高度修飾タンパク質の大量生産技術の開発を開始(8月22日)
千代田化工建設、ニッピ、産業技術総合研究所、大阪大学生物工学国際交流センターは、NEDOから採択を受け、「カーボンリサイクル実現を加速するバイオ由来製品生産技術の開発/研究開発項目[3]産業用物質生産技術システム実証」の研究を開始したと発表した。
本開発・技術検証は、千代田化工建設の提案により、複雑で高度な修飾を必要とし、難溶性・不溶性物質の機能性タンパク質を植物を用いて安価かつ安定的に供給する技術とシステムを開発するものである。
今回の実証における対象タンパク質は医薬部外品領域での適用を想定しているが、実証した生産プロセスの基盤を利用して、医療品・化粧品領域の生理活性物質・細胞間物質・細胞増殖因子等の他の機能性物質への展開を見据えている。本実証は、技術開発から社会実装まで連携した植物利用物質大量生産技術の実証であり、植物性物質生産事業の適応範囲の拡大に繋がることが期待されるとしている。
◆バイオ燃料:室町ケミカルが5社共同でバイオディーゼル燃料の精製装置を開発(8月22日)
室町ケミカルは、水光技研、健製作所、RITA、ポリプラ・エボニックの4社とバイオディーゼル燃料の精製装置を共同で開発したことを発表した。
国内ではCO2排出量削減の観点から、廃食用油を原料とし、バイオディーゼル燃料を製造して、軽油の代替品とする事業が数多く存在する。しかし、この廃食用油を原料としたバイオディーゼル燃料を軽油の代替として車に使用した場合、原料由来からくる不純物が原因で、多くの不具合が発生し、問題になっている。
その解決方策として、開発チームは耐溶剤分離膜を用いた、不純物の少ない高品質のバイオディーゼル燃料を製造する精製装置を開発し(特許出願中)、従来の蒸留法と比べ、エネルギーの消費が少なく環境にも優しい精製法を生み出した。
同社は新たに開発した精製装置について、2022年9月に上市する予定としている。
◆価格改定
・デンカがポリビニルアルコールを9月10日納入分より値上げ
値上げ幅は、60円/kg
・東ソーが次亜塩素酸ナトリウムを9月11日出荷分より値上げ
値上げ幅は、ローリー:10円/kg以上、トーソーキューブ:20円/kg以上
・ユニチカが包装用フィルムを9月21日出荷分より値上げ
値上げ幅は、ナイロンフィルム(15μm換算):400円/連、複層ナイロンバリアフィルム(15μm換算):400円/連
ナイロンバリアフィルム(15μm換算):400円/連、ポリエステルフィルム(12μm換算):200円/連
ポリエステルバリアフィルム(12μm換算):200円/連
※連=500㎡
・ニッタが平ベルト類、カーブコンベヤ関連、ゴム成形品、ホース、チューブ、継手製品を10月1日受注分より値上げ
値上げ幅は、平ベルト類、カーブコンベヤ関連、ゴム成形品:10%
ホース、チューブ、継手製品:3~8%
・バンドー化学が伝動ベルト、プーリ/金属製品、ゴム・ウレタン工業用品、搬送用樹脂ベルト、コンベヤベルトを
10月1日受注分より値上げ
値上げ幅は、10%以上
・日本製紙がコート白ボール、特殊板紙を10月1日出荷分より値上げ
値上げ幅は、20%以上
・日本製紙グループの日本東海インダストリアルペーパーサプライがクラフト紙を10月1日出荷分より値上げ
値上げ幅は、15%以上