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2022年9月29日号

2022.09.29 発行

HEADLINE

◆シーリング材:積水フーラーが耐火性能を有した高耐候シーリング材を発売(9月22日)
◆リサイクル:住友化学が自動車分野のマテリアルリサイクル事業化に向けたパイロット設備を導入(9月21日)
◆電子材料:東レがパワー半導体向け高放熱接着材料の実用化に向けた共同研究を開始(9月21日)
◆電子材料:東レがシンガポールにエレクトロニクス向け研究センターの開設を発表(9月21日)
◆新エネルギー:千代田化工建設がINERATECと脱炭素化促進に向けた戦略的協業に関する覚書を締結(9月21日)
◆電子材料:住友ベークライトが半導体封止材の新規生産設備を導入(9月20日)
◆複合材料:豊田合成が「CNF強化プラスチック」を用いた製品運搬コンテナを自社工場内で活用を開始(9月20日)
◆リサイクル:BASFがARCUSと混合プラスチック廃棄物由来の熱分解油の生産と調達に関する契約を締結(9月20日)
◆価格改定
・DICがポリスチレン製品およびスチレン系製品を10月1日納入分より値上げ
・東レが自動車エアバッグ用ナイロン66原糸および基布を10月1日出荷分より値上げ
 
 

WEEKLY NEWS

◆シーリング材:積水フーラーが耐火性能を有した高耐候シーリング材を発売(9月22日)
 積水化学工業とH.B. Fuller Companyの合弁会社である積水フーラーは、耐火性能を有した高耐候シーリング材「セキスイ耐火シーラント」を10月1日に発売すると発表した。
 近年、戸建住宅やマンションでは、万が一の火災時にも安全に避難ができるよう、防耐火性能を有した外壁材や内装壁が採用されている。
 セキスイ耐火シーラントは、有機材料と無機材料、それぞれの利点を最大限発揮する配合を見出したハイブリッド型のシーリング材である。通常時はゴム弾性体として長期間、止水性能や接着性を発揮。火災時には燃焼・膨張し不燃性のセラミック層を形成することで、炎・熱・煙の侵入を防ぐ。
同社では2025年度に「セキスイ耐火シーラント」を含む耐火関連製品の売上高3億円を目指すとしている。

◆リサイクル:住友化学が自動車分野のマテリアルリサイクル事業化に向けたパイロット設備を導入(9月21日)
 住友化学は、使用済みの自動車から得た廃プラスチックを再資源化するマテリアルリサイクルの事業化に向け、パイロット設備を導入することを発表した。
 住友化学は、マテリアルリサイクルの事業化を目指して、リバーホールディングスと2021年6月から業務提携に向けた検討を開始し、これまでに両社で一貫した選別工程の最適化や環境負荷評価などに取り組んでいる。今回の製造プロセス構築では、リバーホールディングスから提供を受けた廃プラスチックを利用して行う。
 住友化学は、廃プラスチックの種類や特性に応じて高精度な選別や異物除去などを一貫して行う設備を導入し、使用済み自動車の廃プラスチックを用いたポリプロピレンコンパウンドを製造するプロセスを構築する。
 2023年度中に顧客向けにサンプル提供を開始し、自動車向けに高品質なリサイクルプラスチックの商業生産を目指した取り組みを加速させるとしている。

◆電子材料:東レがパワー半導体向け高放熱接着材料の実用化に向けた共同研究を開始(9月21日)
 東レは、シンガポール科学技術研究庁の先端的半導体研究機関であるInstitute of Microelectronics(以下、IME)とSiCパワー半導体向け高放熱接着材料の実用化に向けた共同研究を開始したと発表した。
 SiCパワー半導体は、車載用途をはじめ、スマートグリッドやデータセンターなどへの拡大が期待されている。
 IMEと東レは、高放熱接着シートを用いた新規冷却型SiCパワー半導体モジュールの開発を共同で進めてきた。一般的なグリース・半田を用いる放熱接着部材では、冷却器との接触熱抵抗が高く十分に冷却できない為、半導体が故障するという課題があった。
 本共同研究では、IMEの設計・試作・評価技術と、東レの材料・プロセス技術を融合することで、半導体の安全性や品質・信頼性に寄与する高放熱接着材料の貼付けプロセスの簡便性と信頼性の向上に取り組み、2025年の実用化を目指すとしている。

◆電子材料:東レがシンガポールにエレクトロニクス向け研究センターの開設を発表(9月21日)
 東レは、シンガポールに東レシンガポール研究センター(以下:TSRC)を開所したと発表した。
 同社は2016年から、半導体分野のシンガポール政府系研究機関であるInstitute of Microelectronics(以下:IME)主催の国際コンソーシアムに継続的に参画し、パワー半導体、無線通信、メモリ、MEMS等の先端半導体パッケージに関する共同研究を行ってきた。
 TSRCでは、IMEや現地大学などとより一層の連携を強化しつつ、半導体や電子回路材料を含む電子部品に必要な材料の研究を東レ本社と連携して進めるとともに、アセアン地区における現地顧客の技術サポートによる顧客連携を強化するとしている。

◆新エネルギー:千代田化工建設がINERATECと脱炭素化促進に向けた戦略的協業に関する覚書を締結(9月21日)
 千代田化工建設は、ドイツのクリーンテクノロジー企業であるINERATECとe-fuel製造による脱炭素化促進に向けた戦略的協業に関する覚書を締結したと発表した。
 e-fuelとは再生可能エネルギー由来の電力から製造されたクリーン水素と温室効果ガスであるCO2からPower-to-liquidプロセスを通じて生成される環境負荷が低い合成燃料である。同協業は、化石燃料の代替となる持続可能なカーボンニュートラル燃料需要の世界的高まりと、これら代替燃料を生み出す最新技術のニーズに対応するものである。
 同戦略的協業は、今後拡大していく日本並びにアジア太平洋地域におけるe-fuel市場を開拓していく予定としている。

◆電子材料:住友ベークライトが半導体封止材の新規生産設備を導入(9月20日)
 住友ベークライトは、九州住友ベークライトに、先端半導体圧縮成形用封止樹脂に適した生産設備を新規に導入したと発表した。
 同社ではこれまでにも先端パッケージ材に適した顆粒材をいち早く市場に投入したが、更なる薄型化・小型化に対応するため微細な原料を使用しつつ同時に高い分散性を実現できる量産ラインを設置した。なお、顆粒材とは高密度なデザインや繊細で低圧成形が必要なデバイス、大型パネル成形に適している材料である。今回この特徴を更に向上させる新技術の開発に成功し量産化した。新技術の確立および量産ラインの設置へ約4億円を投資した。
 顆粒製品は、九州住友ベークライトと蘇州住友電木で生産・販売しているが、高機能製品は日本国内での対応とし、量産ラインは九州住友ベークライトに設置した。新技術を導入した生産ラインからのサンプルワークを今秋から開始し、約半年後の量産開始を目標としている。

◆複合材料:豊田合成が「CNF強化プラスチック」を用いた製品運搬コンテナを自社工場内で活用を開始(9月20日)
 豊田合成は、車の内外装部品向けに開発した「セルロースナノファイバー(CNF)強化プラスチック」を用いて軽量化した製品運搬コンテナを作製し、9月から同社工場内で活用を開始したと発表した。
 CNFは植物を原料とし、鋼鉄の5分の1の軽さで5倍の強度を持つ素材であり、プラスチックなどに配合して補強材として使用すると、製品の「軽量化」や「自動車部品へのリサイクル」を可能にする。これまでは、汎用樹脂(ポリプロピレン)にCNFを配合した際の耐衝撃性の低下が課題であったが、材料の配合設計や混練技術により自動車部品に活用できる水準に高められている。
 今後、自動車部品への採用を視野に、実地での活用実績を積んでいくとしている。

◆リサイクル:BASFがARCUSと混合プラスチック廃棄物由来の熱分解油の生産と調達に関する契約を締結(9月20日)
 BASF(本社:ドイツ)は、テクノロジー企業のARCUSGreencycling Technologies(本社:ドイツ、以下「ARCUS」)と、混合プラスチック廃棄物由来の熱分解油生産と調達に関する枠組み契約を締結したことを発表した。
 両社は、サーキュラー・エコノミー(循環型経済)の観点から、メカニカルリサイクルされないプラスチック廃棄物を還元し、CO2排出量を削減するために、バリューチェーンにおいてそれぞれのノウハウで貢献したいと考えている。
 フランクフルトに建設されたARCUSの実証プラントは、メカニカルリサイクルされない混合プラスチック廃棄物から熱分解油を生産するドイツで初めての商業規模の設備である。ここで生産された熱分解油をARCUSはBASFに供給し、今後数年間でその供給量を拡大する予定である。
 BASFは、この熱分解油を自社の生産工場でCcycled製品の原料として使用する計画を立てており、今回の契約により、熱分解油の引取量は最大で年間10万トンまで増加する見込みとしている。

◆価格改定
・DICがポリスチレン製品およびスチレン系製品を10月1日納入分より値上げ
 値上げ幅は、10円/kg以上
・東レが自動車エアバッグ用ナイロン66原糸および基布を10月1日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、最大35%
 

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