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2023年3月30日号

2023.03.30 発行

HEADLINE

◆レアメタル:出光興産が豪州でバナジウム事業を推進するVecco社への出資を拡大(3月24日)
◆フッ素製品:AGCがフッ素製品の製造能力増強を決定(3月23日)
◆メディカル:日本曹達が医薬品添加剤「NISSO HPC」の生産能力を増強(3月23日)
◆アンモニア:日揮ホールディングスが再生可能エネルギー由来のグリーンアンモニア製造技術を実証(3月22日)
◆CO2利用:カネカら4社の「CO2からの微生物による直接ポリマー合成技術開発」がNEDOグリーンイノベーション基金
事業に採択(3月22日)
◆CCS:千代田化工建設がPace CCS社とCCS分野における協業に関する覚書を締結(3月23日)
◆テープ:積水化学工業が高耐熱・薄膜・低VOC・粗面接着性の4つの特性を持った工業用両面テープを発売(3月20日)
◆価格改定
・日本ポリエチレンがポリエチレンを4月1日納入分より値上げ
・日本ポリプロがポリプロピレンを4月1日納入分より値上げ
・大日精化工業がグラビアインキ・フレキソインキを4月1日出荷分より値上げ
・アイカ工業が化粧けい酸カルシウム板およびバスユカ設計価格を4月21日出荷分より値上げ
・アイカ工業が接着剤、塗り床材、補修・補強材、機能材料を6月1日出荷分より値上げ
・関西ペイント販売が、塗料およびシンナー製品と運賃を7月1日より値上げ
  
  

WEEKLY NEWS

◆レアメタル:出光興産が豪州でバナジウム事業を推進するVecco社への出資を拡大(3月24日)
 出光興産は、豪州でバナジウム事業を推進するVecco社へ826万豪ドルを追加投資したと発表した。
 昨年10月に実施した初期投資と合わせて、出資額合計は1,316万豪ドルとなり、株式保有比率は14.7%となる。
 Vecco社は、豪州クイーンズランド州でバナジウム鉱山と電解液プラントに関するプロジェクトを進めている。本プロジェクトではまず、レドックスフロー電池向けのバナジウム電解液製造プラント(年間生産量約35MWh)の本年中の稼働開始を目指す。将来的にはバナジウム電解液の生産能力を年間350MWh以上に増やす予定である。なお、鉱山開発によるバナジウムの採掘開始は2024年中を目標としている。

◆フッ素製品:AGCがフッ素製品の製造能力増強を決定(3月23日)
 AGCは、半導体関連向けを始めとした旺盛な需要に対応するため、フッ素製品の製造能力増強を決定したと発表した。
 同能力増強は千葉工場にて実施し、稼働開始は2025年第2四半期、投資金額は約350億円を予定している。
 フッ素製品は耐熱性・耐候性・耐薬品性に優れているため、幅広い産業において利用されている。とりわけ高度な特性・信頼性が必要とされる高速通信機器や燃料電池車・水素エネルギーなどの先端産業分野において同社製品の技術特性が高い評価を受けていることから、近年フッ素製品の販売は順調に拡大しており、2021年に鹿島工場および千葉工場で製造能力の増強を実施している。
 同社は今後もフッ素製品に対する投資を積極的に継続していき、2024年にパフォーマンスケミカル事業の売上高2,000億円以上を目指すとしている。

◆メディカル:日本曹達が医薬品添加剤「NISSO HPC」の生産能力を増強(3月23日)
 日本曹達は、医薬品添加剤「NISSO HPC」(ヒドロキシプロピルセルロース)の世界的な需要拡大に対応するため、生産能力の増強を決定したと発表した。
 同品は、医薬品添加剤、とりわけ固形製剤の結合剤として使用されており、錠剤の硬度を高める結合力や、溶けにくい有効成分の溶解性改善、徐々に有効成分を放出する徐放性など高い機能を有している。 医薬品の市場は世界的に拡大傾向にあり、医薬品生産量の堅調な伸びに伴い、同品の販売は着実に増加している。また、成型が困難な天然材料を多く含有する製剤が可能になることから、健康食品錠剤などの食品分野向けにおける採用も拡大している。
 今回の増産体制の整備により、顧客のニーズにあわせて取り揃えた多様な銘柄の効率的な生産が可能になる。今回の投資金額は100億円、生産能力は現状の1.5倍に増強される。設備の完成は2026年の予定としている。

◆アンモニア:日揮ホールディングスが再生可能エネルギー由来のグリーンアンモニア製造技術を実証(3月22日)
 日揮ホールディングスは、NEDOのグリーンイノベーション基金事業の一環で2021年8月に旭化成と共同採択された「大規模アルカリ水電解水素製造システムの開発およびグリーンケミカルプラントの実証」プロジェクトにおいて、福島県浪江町で再生可能エネルギー由来のグリーンアンモニア製造技術の実証プラントを建設することとなり、浪江町と実証プラントの立地に関する基本協定を締結したことを発表した。
 実証プラントでは、旭化成が福島水素エネルギー研究フィールドにおいてアルカリ水電解装置を使って製造する水素を原料に日量4トンのアンモニアを製造する計画である。同プラントは2023年秋に着工、2024年度内の運転開始を指す。実証運転は2026年度までを予定しており、実証を通じて、日揮HDは統制御システムの検証およびさらなる改善を含めたグリーンアンモニア製造技術の向上に取り組むとしている。

◆CO2利用:カネカら4社の「CO2からの微生物による直接ポリマー合成技術開発」がNEDOグリーンイノベーション基金事業に採択(3月22日)
 カネカは、バッカス・バイオイノベーション、日揮ホールディングス、島津製作所の4社で共同提案した「CO2からの微生物による直接ポリマー合成技術開発」がNEDOグリーンイノベーション基金事業「CO2からの微生物による直接ポリマー合成技術開発」の実施予定先として採択されたことを発表した。
 同プロジェクトは、CO2を原料として生分解性バイオポリマーを生産する微生物の開発および生産プロセスの技術開発を行い、化石資源に依存しない循環型バイオものづくり技術の実現を目指す。
 事業期間は2023年度から2030年度とし、CO2を原料とするガス発酵バイオファウンドリの確立(担当:バッカス、島津)、バイオポリマー生産微生物等の開発・改良(担当:カネカ)、CO2を原料に物質生産できる微生物等による製造技術等の開発・実証(担当:カネカ、日揮HD、島津)の3テーマに取り組むとしている。

◆CCS:千代田化工建設がPace CCS社とCCS分野における協業に関する覚書を締結(3月23日)
 千代田化工建設はPace CCS社(本社、英国)と二酸化炭素回収・貯蔵(CCS)の分野において協業に関する覚書を締結したことを発表した。
 カーボンニュートラル社会に向けたグローバルな動きは加速しており、CCSはエナジートランジションにおいて重要かつ必要な技術である。
 Pace CCS社は、CCSシステム設計におけるグローバルリーダーであり、世界中でCCSの実績を有している。本覚書を通して、Pace CCS社のCCS分野における上流設計の知見と、千代田化工建設の高度なエンジニアリング・プロジェクトマネジメント能力を合わせることによって、CCSプロジェクトの初期段階のフィージビリティスタディやコンセプトデザインからFEEDやEPCの遂行までの幅広いサポートを提供するための長期的な協業関係を築くとしている。

◆テープ:積水化学工業が高耐熱・薄膜・低VOC・粗面接着性の4つの特性を持った工業用両面テープを発売(3月20日)
 積水化学工業は、高耐熱・薄膜・低VOC・粗面接着性の4つの特性を併せ持った世界で初めての工業用両面テープ「高耐熱基材レステープ5503HT・5505HR」を発売すると発表した。
 開発の背景には、EV車の輻射ヒーターと搭乗者保護用の布の固定の際にかかえる課題がある。輻射ヒーターと布の固定には、①高温でも安定した接着力を保つこと、②ヒーター熱の伝わりを損なわないように、できる限り薄くすること、③布の粗面にも強い接着力を発現すること、④内装材に使用可能な低VOCであることの4つの課題があった。同社は、独自の粘接着技術とポリマー重合技術により同品を開発し、課題を解決することに成功した。
同品は、すでにEV車種向け輻射ヒーター固定用途への採用が決定しており、今後は住建分野、産業分野などさまざまな分野への用途展開を加速することで、2025年度に売上高5億円を目指すとしている。

◆価格改定
・日本ポリエチレンがポリエチレンを4月1日納入分より値上げ
 値上げ幅は、ノバテックLD及びカーネル:20円/kg、その他製品:10円/kg
・日本ポリプロがポリプロピレンを4月1日納入分より値上げ
 値上げ幅は、10円/kg以上
・大日精化工業がグラビアインキ・フレキソインキを4月1日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、白インキ:50~80円/kg、色物インキ:30~50円
 メジウム:30〜50円/㎏、フレキソインキ:30〜50円/㎏
・アイカ工業が化粧けい酸カルシウム板およびバスユカ設計価格を4月21日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、10~25%
 ※上記改定幅の範囲に収まらない商品も一部あり
・アイカ工業が接着剤、塗り床材、補修・補強材、機能材料を6月1日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、10%以上
 ※上記改定幅の範囲に収まらない商品も一部あり
・関西ペイント販売が、塗料およびシンナー製品と運賃を7月1日より値上げ
 値上げ幅は、塗料・シンナー:5~20%、運賃:担当から案内
 ※製品によっては改定率が上下することがある

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