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2023年7月13日

2023.07.13 発行

HEADLINE

◆ファインケミカル:日揮触媒化成が新潟および北九州での新たな事業用地の取得を発表(7月7日)
◆リサイクル:タキロンシーアイがペットボトルに付けたままリサイクル出来るシュリンクラベルを米で販売(7月7日)
◆設備投資:東邦チタニウムの分析センター棟が竣工(7月7日)
◆電子材料:JSRの投資子会社が半導体向け単結晶膜を開発するGaianixxへ出資(7月6日)
◆水素関連:日揮、クボタ、大陽日酸がNEDOの「競争的な水素サプライチェーン構築に向けた技術開発事業」に選定
 (7月6日)
◆電池材料:BASFが欧州初の電池材料工場とリサイクルセンターを併設したセンターを開所(7月6日)
◆インク:サカタインクスが100%バイオマス由来の酢酸エチルを使用したボタニカルインキを展開(7月5日)
◆バイオマス:ダウとニュー・エナジー・ブルーがトウモロコシ残渣を使った再生可能なプラスチック素材の開発に向けて提携
 (7月5日)
◆価格改定
・ENEOSがベンゼンの契約価格を改定
  
  

WEEKLY NEWS

◆ファインケミカル:日揮触媒化成が新潟および北九州での新たな事業用地の取得を発表(7月7日)
 日揮ホールディングスは、日揮グループの機能材製造事業会社である日揮触媒化成(以下、C&C)が、同社新潟事業所および北九州事業所の事業拡大を目的に、本年6月に新潟県東部産業団地(阿賀野市)内における事業用地の売買契約を締結したのに続き、本年7月に福岡県北九州市若松区における事業用地の売買契約を締結したと発表した。
 C&Cは今回取得する両事業用地において、カーボンニュートラル燃料(合成燃料)用触媒及びケミカルリサイクル用触媒・吸着材のほか、高速通信用材料や半導体用機能性研磨粒子などの新規ファインケミカル製品の需要拡大に向け、2025年から2030年にかけて総額約200億円の設備投資(今回の事業用地購入費用を含む)を実施していく計画である。
 なお、新事業用地について、新潟事業所は2026年度内、北九州事業所は2024年度から2025年度に操業を開始する予定としている。

◆リサイクル:タキロンシーアイがペットボトルに付けたままリサイクル出来るシュリンクラベルを米で販売(7月7日)
 タキロンシーアイと伊藤忠商事の合弁会社であるボンセットアメリカコーポレーション(米国)は、2022年8月よりリサイクル可能な素材の次世代シュリンクラベル「Bonpet Renew」の販売を開始したと発表した。
 同製品は、安定したシュリンク特性の発現が非常に難しい結晶化成分の多いPET素材を、市場ニーズに対応してきた加工技術を基に製品化に成功した。同製品最大の特徴は、現在同市場において主流となっているフィルムと酷似した力学的物性を実現しており、市場での置き換えが早期に可能である。また、APR(The Association of Plastic Recycle)認証を取得し、ラベルを剥がすことなくPETボトルと一緒にリサイクルすることができる。
 当初の生産能力は年5,000トンであったが、他の製造ラインも製造の条件を確立したことで、2025年には10,000トンの販売を目指すとしている。

◆設備投資:東邦チタニウムの分析センター棟が竣工(7月7日)
 東邦チタニウムは、茅ヶ崎工場内に建設を進めていた分析センター棟が竣工したと発表した。
 同社では成長事業を拡大させ、更に新規事業を創出していくため、微細化/高機能化/高純度化された材料開発が喫緊の課題となっている。また、既存事業においても顧客の期待を超える製品品質・製品安全の追求を目指しており、高度な分析評価を可能とするインフラ整備と分析機器の導入による分析・評価技術の強化が必要になっている。
 今回の分析センター棟の建設により、将来の技術開発を見据えて最新鋭の分析装置を設置するためのインフラを整備し、今後、同分析センター棟に高度な分析評価機器を導入することにより、製品開発に要求される微細構造の解析、発生している現象のメカニズムの解析および極微量の分析等が可能になるとしている。

◆電子材料:JSRの投資子会社が半導体向け単結晶膜を開発するGaianixxへ出資(7月6日)
 JSRの投資子会社であるJSR Active Innovation Fund(以下「JSR-AIF」)は、Gaianixx社へ出資したことを発表した。
 今回の出資は、Gaianixx社が同社半導体基板向け中間膜の量産化への取り組みを推進するための資金調達を目的とした第三者割当による新株式発行の引受となる。
 Gaianixx社は、従来量産レベルでの実現が困難とされてきた多層での高品質単結晶化を同社の独自技術である「多能性中間膜」及び「動的格子マッチング」によって、半導体の高付加価値化、軽薄短小化、低価格化の実現に必要な単結晶膜の開発・製造・販売を行う東京大学発のスタートアップである。
 JSR-AIFは今回の資金提供に加え、JSRがこれまで培ってきた技術的知見を活かしGaianixx社の企業価値向上に向けた活動を支援していくとしている。

◆水素関連:日揮、クボタ、大陽日酸がNEDOの「競争的な水素サプライチェーン構築に向けた技術開発事業」に選定(7月6日)
 日揮ホールディングス、クボタ、大陽日酸の3社は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「競争的な水素サプライチェーン構築に向けた技術開発事業」に共同で応募し、採択通知を受けたことを発表した。
 同事業は、水素サプライチェーン構築に際して必要な技術開発、規制整備や国際標準化のために必要なデータ取得を目的として、3社は輸入したアンモニアを熱分解して水素を得る「大規模外部加熱式アンモニア分解水素製造技術の研究開発」を提案していた。同研究開発において、日揮HDは全体統括や全体プロセスの設計・開発、分解炉の設計・開発、実証計画・見積を、クボタはアンモニア分解管の研究開発を、大陽日酸は水素精製装置の研究開発を担当する。
 今後、日揮HDとクボタ、大陽日酸の3社が主体となり、国内外で水素の利用拡大が見込まれる2030年の社会実装を視野に入れ、大規模な水素製造の技術開発を行っていくとしている。

◆電池材料:BASFが欧州初の電池材料工場とリサイクルセンターを併設したセンターを開所(7月6日)
 BASFは、ドイツのシュヴァルツハイデで、欧州初の電池材料生産工場および電池リサイクル工場を併設したセンターの開所式を行ったことを発表した。
 新工場は、ドイツ初の高性能正極材の生産施設であるだけでなく、欧州初の完全に自動化された大規模正極材生産施設でもある。同工場の生産スケジュールは数年先まで埋まっており、欧州のセルメーカーや自動車OEMの特定ニーズに合わせた製品を供給する予定である。
 使用済み電池や電池製造から出る廃棄物は、ブラックマス生産用の新工場で機械的に処理される。「ブラックマス」には、正極材の生産に使われる主要金属である、リチウム、ニッケル、コバルト、マンガンが含まれており、第二段階では、これらの金属を最も持続可能な方法で化学的に回収することで、新しい正極材を製造するために使用することが可能である。ブラックマス生産施設の建設は始まっており、2024年に生産を開始する予定としている。

◆インク:サカタインクスが100%バイオマス由来の酢酸エチルを使用したボタニカルインキを展開(7月5日)
 サカタインクスは、同社の独自ブランドとして展開するボタニカルインキシリーズにおいて、100%バイオマス由来の酢酸エチルを使用した グラビアインキを展開することを発表した。
 グラビアインキは、顔料、樹脂、溶剤、添加剤などで構成されているが、使用される主要溶剤の一つとして「酢酸エチル」がある。従来は主に石化由来の酢酸エチルが一般的だが、同社は「植物由来100%の材料から作られた酢酸エチル」を、グラビアインキにおけるボタニカルインキシリーズの一部に採用する。
 ボタニカルインキシリーズとは、同社が展開する環境配慮型インキのブランドで、インキの固形分中(樹脂や添加剤など)に10%以上の植物由来成分を使用したインキである。溶剤にも100%バイオマス由来の酢酸エチルを使用することにより、カーボンニュートラルの観点から、二酸化炭素(CO2)の削減が期待できるとしている。

◆バイオマス:ダウとニュー・エナジー・ブルーがトウモロコシ残渣を使った再生可能なプラスチック素材の開発に向けて提携(7月5日)
 ダウとニュー・エナジー・ブルーは、北米において、再生可能な農業残渣からバイオベースのエチレンを製造する長期供給契約を発表した。
 ダウはバイオベースのエチレン購入により、プラスチック生産による二酸化炭素排出を削減するとともに、輸送、フットウェア、包装などのリサイクル可能な用途に向けてのバイオベースのエチレンの活用を進める。
 同契約により、ダウは米・アイオワ州で新設されるニュー・エナジー・フリーダムの設計を支援する。同施設では年間275キロトンのトウモロコシ茎葉を処理し、商業量の第2世代エタノールとクリーンなリグニンを生産する。エタノールの半分近くはダウ製品のバイオベースのエチレン原料になる。また、同契約により、ダウは今後4つのニュー・エナジー・ブルー・プロジェクトにも同様の供給取引オプションを提供し、ニュー・エナジー・ブルーの生産規模拡大を支援するとしている。

◆価格改定
・ENEOSがベンゼンの契約価格を改定
 7月契約価格は、775$/t(前月比▲90$/t)
 国内価格換算想定値は117.6円/kg

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