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2023年8月3日

2023.08.03 発行

HEADLINE

◆繊維用薬剤:日華化学がバングラデシュ現地法人を設立及び経済特区土地取得契約の締結を発表(7月28日)
◆シリコーン:信越化学工業がシリコーン製品の高機能化と環境配慮型製品を拡充(7月27日)
◆電池関連:旭化成が次世代蓄電デバイスリチウムイオンキャパシタの設計および製造技術のライセンス活動を本格開始
 (7月27日)
◆リサイクル:三井化学が廃プラ分解油によるケミカルリサイクル製品の製造・マーケティングを開始(7月27日)
◆樹脂:日本ポリプロがポリプロピレン製造設備の停止を発表(7月26日)
◆電子材料:JX金属が産総研との共同研究を通じてプリンテッドエレクトロニクスの社会実装を加速(7月26日)
◆バイオマス:出光興産がマレーシアでバイオマス燃料製造に関する欧州ベンチャー企業との協業を解消(7月25日)
◆化粧品原料:三洋化学が紫外線防御機能を向上できる米ぬか由来のSPFブースターを開発(7月24日)
◆燃料電池:巴川製紙所の研究開発テーマがNEDOの「燃料電池等利用の飛躍的拡大に向けた共通課題解決型産学官連携
 研究開発事業」に採択(7月25日)
◆価格改定
・日本触媒がメラミン・ベンゾグアナミン系微粒子(製品名:エポスター)を9月1日出荷分より値上げ
・第一工業製薬が界面活性剤類、ショ糖エステル類、水溶性高分子類、ポリオール類、ウレタン類 他を値上げ
  
  

WEEKLY NEWS

◆繊維用薬剤:日華化学がバングラデシュ現地法人を設立及び経済特区土地取得契約の締結を発表(7月28日)
 日華化学は、バングラデシュ経済特区において、土地取得契約を締結したと発表した。
 バングラデシュは中国に次ぐ世界第2位のアパレル輸出国であり、繊維産業は国のメイン産業と位置付け外資誘致推進や大型投資が積極的に行われている。同社は 2000年より同国への繊維加工用薬剤の輸出販売を行っており、2014年には首都ダッカ市に営業拠点として事務所を開設し、事業拡大を図ってきた。
 今後同社は10月末頃の法人化を経て土地取得を行い、工場・倉庫等の建設を含め2025年に稼働する予定としている。

◆シリコーン:信越化学工業がシリコーン製品の高機能化と環境配慮型製品を拡充(7月27日)
 信越化学工業は、機能材料セグメントの主力の一つであるシリコーンポートフォリオで1,000億円規模の投資を実施すると発表した。
 同社は2022年2月に高機能シリコーン製品に対する顧客からの強い需要に応えるため、800億円相当の投資計画を発表したが、その後も高機能シリコーン製品への需要は拡大し続けている。特に、カーボンニュートラルに役立つ環境対応製品への期待は大きく、今後ますます需要が拡大していくとしている。
 今回の計画では、国内の主力工場である群馬事業所(安中市)に加えて直江津工場(上越市)と武生工場(越前市)、海外ではモノマーとポリマーの生産を行っているタイに加えてアジア各国、アメリカ、ハンガリーにある既存の工場で投資を実施する。また、併せて生産工程でのグリーン化も進め、カーボンニュートラルへの取り組みを加速するとしている。

◆電池関連:旭化成が次世代蓄電デバイスリチウムイオンキャパシタの設計および製造技術のライセンス活動を本格開始(7月27日)
 旭化成は、独自開発したリチウムプレドープ技術を基にしたリチウムイオンキャパシタ(以下、LiC)の設計および製造技術のライセンス活動を本格的に開始したと発表した。
 LiCは、正極に電気二重層キャパシタ(EDLC)と同じ材料を、負極にはリチウムイオン電池(LiB)と同じ材料を使用した次世代の蓄電デバイスである。
 従来のLiCでは、製造工程で必要となるリチウムのプレドープ工程において、穿孔箔や金属リチウム箔など高コストの部材、および金属リチウム箔を安全に取り扱うための製造環境も必要という課題があった。
 同社は独自の新ドープ法によりLiBと同様の汎用部材および汎用設備で安価にLiCを製造できるようになり、さらに高容量で入出力特性が向上したLiCの設計・製造技術を実現している。本ライセンスには、同社のLiC技術に関わる知的財産だけでなく、設計やパイロット設備での製造技術などの技術ノウハウが含まれている。本技術のライセンスを通じ、国内外の顧客におけるLiCの開発期間の大幅な短縮や現行設備を利用した安価なLiCの製造を支援するとしている。

◆リサイクル:三井化学が廃プラ分解油によるケミカルリサイクル製品の製造・マーケティングを開始(7月27日)
 三井化学は、サーキュラーエコノミーの実現に向けて、廃プラスチックを原料とした熱分解油をCFP社より調達し、23年度4Qに大阪工場のクラッカーに原料として投入、国内初となるマスバランス方式によるケミカルリサイクル由来の誘導品(化学品・プラスチック)の製造・マーケティングを開始すると発表した。
 廃プラ分解油は石油由来ナフサやバイオマスナフサと同様、炭化水素油であり、それらをクラッカーに投入することで、エチレン、プロピレン、C4・C5留分、ベンゼンといった基礎原料を製造する。得られた同等の基礎原料を基にフェノールなどの基礎化学品、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン類を製造するため、誘導品(化学品やポリマー)の物性は既存品(バージン品)と全く同等のものになる。
 今回の取り組みは、これまで品質や衛生面からリサイクル品を使用することが困難であった用途においてもリサイクル由来の素材を適用することが可能となり、これまで低かったプラスチックのリサイクル率を大きく向上させる可能性があるとしている。

◆樹脂:日本ポリプロがポリプロピレン製造設備の停止を発表(7月26日)
 日本ポリプロは、四日市工場(三重県)のポリプロピレン製造設備1系列の停止を決定したことを発表した。
 同社は現在、プラントの競争力強化と高性能ポリプロピレンの拡充により、収益力の強化を進めている。この方針に沿って、四日市工場のポリプロピレン製造設備 1 系列(生産能力:8万トン/年)の停止を決定した。
 停止時期は2024年3月の予定としている。

◆電子材料:JX金属が産総研との共同研究を通じてプリンテッドエレクトロニクスの社会実装を加速(7月26日)
 JX金属は、産業技術総合研究所(以下、産総研)との共同研究を通じ、プリンテッドエレクトロニクス(以下、PE)を用いた次世代デバイス向けの微細配線形成の技術開発を推進しており、今回、社会実装に向けてマーケティング活動を本格化することを発表した。
 PEは、導電性材料などを分散させたインクを樹脂フィルムやガラス基板上に印刷することによって配線を形成する技術であり、スマートフォンやウェアラブルデバイス等のさらなる小型化・薄型化への貢献が期待されている。加えて、従来のエッチング法に比べ製造工程の簡素化が見込める。
 今回、同社の銅微粉を用いた銅インク材料技術と産総研の印刷技術を融合することで銅の微細配線形成を可能とした。今後は、さらなる微細線化や量産技術確立および工程最適化を進めるとともに、顧客のニーズを収集し、様々な用途探索を進めていくとしている。

◆バイオマス:出光興産がマレーシアでバイオマス燃料製造に関する欧州ベンチャー企業との協業を解消(7月25日)
 出光興産は、マレーシアでパーム椰子空果房(以下、EFB)からバイオマス燃料を製造するプロジェクトを、欧州のベンチャー企業であるTG2社およびその関連会社と進めていたが、今回、協業を解消したと発表した。
 マレーシアは世界第2位のパーム油生産国であり、マレーシアの農園からは年間約2,000万トンのEFBが廃棄物として排出・投棄され、環境汚染と重大な温室効果をもたらすメタンガス発生の原因となっている。
 出光興産では、マレーシアでのEFBを利用したバイオマス燃料の製造・利用検討を引き続き実施していくとしている。

◆化粧品原料:三洋化学が紫外線防御機能を向上できる米ぬか由来のSPFブースターを開発(7月24日)
 三洋化成工業は、日焼け止め製剤に配合することで紫外線防御機能を向上し、高い紫外線防御効果と心地よい使用感を両立して付与させることができる米ぬか由来のSPFブースター『コメファイン(開発品)』を開発したと発表した。
 開発品は、紫外線散乱剤の分散性を向上させることができるため、日焼け止め製剤中の紫外線散乱剤の使用量を減少させることができ、白浮きやきしみなどを抑制することができる。また、紫外線吸収能があるとされる、米ぬか由来の天然のフェルラ酸を含有しており、日焼け止め製剤に少量配合することで、紫外線吸収剤の量を減らしても高い紫外線防御効果を達成することが可能である。紫外線吸収剤の使用量低減は、肌への負担軽減にもつながる。
 また、開発品は、植物を原料としており、昨今のナチュラル志向の高まりに応えるだけでなく、廃棄されてしまっていた米ぬかをアップサイクルした素材であるため、環境負荷低減や地域産業の活性化に貢献するとしている。

◆燃料電池:巴川製紙所の研究開発テーマがNEDOの「燃料電池等利用の飛躍的拡大に向けた共通課題解決型産学官連携研究開発事業」に採択(7月25日)
 巴川製紙所は、同社の開発テーマ「高生産性・低環境負荷・低コストを実現する炭化工程を必要としないGDLの技術開発」が、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「燃料電池等利用の飛躍的拡大に向けた共通課題解決型産学官連携研究開発事業」に採択されたことを発表した。
 今回採択を受けたテーマは、自社の強みである抄紙技術と加工技術を活用することで、燃料電池の部材であるGDL(ガス拡散層)の従来の製造方法に必要であったカーボンペーパーの抄紙から始まる炭化工程等を省略し、高生産性・低環境負荷・低コストの実現を目指すものである。
 同社は、本事業を通じて、抄紙技術の新たな応用領域を模索することで新製品開発に取り組み、持続可能な社会の実現に貢献するとしている。

◆価格改定
・日本触媒がメラミン・ベンゾグアナミン系微粒子(製品名:エポスター)を9月1日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、450円/kg以上
・第一工業製薬が界面活性剤類、ショ糖エステル類、水溶性高分子類、ポリオール類、ウレタン類 他を値上げ
 値上げ幅は、15%以上。値上げ時期は個別に案内。

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