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2023年9月21日

2023.09.21 発行

HEADLINE

◆産業用ガス:BASFが中国・湛江のフェアブント(統合生産拠点)で合成ガスプラントの建設に着工(9月15日)
◆半導体装置関連:住友大阪セメントが半導体製造装置部品ESCの生産能力を増強(9月15日)
◆テープ:中興化成工業が透明で耐熱性に優れるPEEKフィルム粘着テープを開発(9月15日)
◆テープ:中興化成工業が高耐熱PEEKフィルム粘着テープを開発(9月15日)
◆電子部品:レゾナックが台湾ハードディスクメディア事業の終了を発表(9月15日)
◆電池材料:UACJ製箔がLiB集電体用箔設備を拡充(9月11日)
◆建材:凸版印刷が新たな外装用エコシートの販売を開始(9月11日)
◆価格改定
・ニチバンが各種粘着テープを10月2日より値上げ
  
  

WEEKLY NEWS

◆産業用ガス:BASFが中国・湛江のフェアブント(統合生産拠点)で合成ガスプラントの建設に着工(9月15日)
 BASFは、中国の湛江のフェアブント(統合生産拠点)で合成ガスプラントの建設を開始したと発表した。
 同設備は独自のプロセスコンセプトを採用し、従来の合成ガスプラントよりもCO2排出量を削減することで、サステナビリティ目標達成に貢献する。
 同設備ではフェアブントの生産において使用される合成ガスと水素が製造される。採用される製造技術は、主にエチレンオキサイドプロセスの副産物であるCO2オフガスや、スチームクラッカーの稼働による余剰燃料ガスを利用して合成ガスを製造するものである。また、上記以外の原料も使用できるため、より安定した生産を実現する。2025年までには、再生可能エネルギーを100%利用する電力が供給される予定である。
 湛江フェアブント拠点はBASFにとって最大の投資であり、完成時には最高100億ユーロに達する見込みである。同拠点に完全に統合される世界的規模の合成ガスプラントは、2025年の稼働開始を予定としている。

◆半導体装置関連:住友大阪セメントが半導体製造装置部品ESCの生産能力を増強(9月15日)
 住友大阪セメントは、市川事業所(千葉県)において半導体製造装置の主要部品であるESC(静電チャック)の生産能力増強工事・新製造棟の建設を着工したと発表した。
 ESCは、半導体製造工程において静電気力を用いてシリコンウェハを固定する部品で半導体製造装置の主要部品として使用されている。
 5G通信の普及やDXの進展、生成AIや自動運転の拡大と今後も半導体需要は拡大する見込みであり、半導体製造装置市場においても、過去最高の市場規模となった2022年度を大きく上回る市場成長が2024年度以降に予想されている。
 同社のESCは、高純度のSiC(炭化ケイ素)超微粒子を原料とした高純度、高熱伝導、高耐電圧、高耐久性の特性を持ち、半導体製造装置の主要部品として数多く採用されている。こうした市場成長に対応する為、約120億円を投じて新製造棟建設を含む生産能力増強投資を行い、生産能力を現状の約2倍に引き上げる。生産能力増強・新製造棟の建設工事は2023年7月に着工し、2025年の竣工の予定としている。

◆テープ:中興化成工業が透明で耐熱性に優れるPEEKフィルム粘着テープを開発(9月15日)
 中興化成工業は、リフロー工程のマスキングや仮固定での視認性向上を目的とした透明な高耐熱のPEEKフィルム粘着テープ「xACH-5101」を開発したことを発表した。
 リフロー工程のマスキングや仮固定では、ポリイミド系の粘着テープを使用することが一般的だが、ポリイミド系粘着テープは褐色半透明のものが多く、例えばマスキングした部品の目印を視認しにくいという問題が発生することがある。
 同製品は、PEEKフィルムの片面にシリコーン系粘着剤を塗布した粘着テープであり、透明かつ耐熱性に優れるため、250℃以下の高温環境下でのマスキングにおいて視認性を向上させ、かつ電気絶縁性、寸法安定性、低吸水率という特徴を有している。
 同社はリフロー時のマスキング用途以外にも、電気絶縁被覆用途などに活用されることが期待されるとしている。

◆テープ:中興化成工業が高耐熱PEEKフィルム粘着テープを開発(9月15日)
 中興化成工業は、最高使用温度250℃の高耐熱PEEKフィルム粘着テープ「xACH-5102」を開発したことを発表した。
 PEEKフィルムは、耐熱性・絶縁性・耐薬品性に優れている。さらに、機械的強度が高く、吸水率が低い点も特長の一つである。同製品は、PEEKフィルムの片面にシリコーン系粘着剤を塗布した粘着テープであり、耐熱性の他に、高い絶縁性と低吸水率を有している。
 同社では、幅広い温度域や過酷な環境下での耐久性が求められる自動車のモーターやバッテリー等の耐熱マスキング・電気絶縁被覆用途での使用を見込むとしている。

◆電子部品:レゾナックが台湾ハードディスクメディア事業の終了を発表(9月15日)
 レゾナックは、子会社であるResonac HD Taiwan(以下、RHDT)のハードディスクメディア事業の終了を決定したことを発表した。
 同社は台湾のRHDTで、ハードディスクメディアの生産・販売を実施していたが、グローバルでのハードディスクドライブの需要低迷など、市場環境の変化や、ハードディスクメディア事業全体の戦略の見直しに基づき、事業の終了を決定した。
 今後は、RHDTの清算に向けた手続きを実施し、10月末日にはハードディスクメディアの生産を終了、2024年6月には、RHDT株主総会で解散決議を行う予定としている。

◆電池材料:UACJ製箔がLiB集電体用箔設備を拡充(9月11日)
 UACJ製箔は、リチウムイオン電池(以下、LiB)集電体用箔の増産設備投資を決定したと発表した。
 近年、電気自動車への移行が加速度的に拡大していることを背景に、LiB集電体用箔の需要が世界規模で急増している。今後急速な拡大が見込まれるLiB集電体用箔需要に対応する生産能力の拡充および競争力強化に向けた事業基盤の強化が必要な状況にある。
 LiB集電体用箔の生産においては、官民一体となり推進している領域であり、国内重要顧客である自動車メーカーの近い将来の需要増加にタイムリーに対応するために、本投資の決定に至った。
 UACJ製箔は、今後順次設備を導入し、2027年度には現在のLiB集電体用箔の国内生産能力を約1.5倍に増強し、箔事業の成長と収益の拡大に取り組むとしている。

◆建材:凸版印刷が新たな外装用エコシートの販売を開始(9月11日)
 凸版印刷は、「外装用エコシート」を約20年間市場へ提供しているが、今回従来品の材料および配合等を改良し、耐侯性能を向上させた「フォルテフィールRZ」を開発したことを発表した。
 外装建材は、環境負荷軽減の観点から、長期使用できる耐性が求められる。一方建築基準法では、加熱開始後20分以上延焼しない不燃性能の必要性が定められるが、高耐候性能と不燃性能を両立させることは困難であった。
 今回同社は、独自の高耐久性能と、アルミ型材へのラミネートにより不燃認定を受けられる材料を開発し、日本国内において初の退色、及び劣化に対する10年間保証を可能とした。主に玄関ドアやエクステリア商材を展開する建材メーカーへの販売を9月より開始し、2025年度に関連受注を含めて40億円の売り上げを目指すとしている。

◆価格改定
・ニチバンが各種粘着テープを10月2日より値上げ
 値上げ幅は、20%以上

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