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2024年4月11日

2024.04.11 発行

HEADLINE

◆金属材料:ユニチカが高表面積を有するハイエントロピー合金の開発に成功(4月4日)
◆有機:三井化学が市原工場のフェノールプラントの生産停止を発表(4月4日)
◆水素関連:トクヤマが水素化マグネシウム(MgH2)の量産を開始(4月3日)
◆建材:旭有機材が現場発泡ウレタンで世界最高クラスの断熱性能を有する断熱材「BEXUR」を開発(4月3日)
◆セラミック:日本特殊陶業がセラミック製品の水素焼成試験を開始(4月2日)
◆電子材料:長瀬産業がマレーシアで半導体ウェハバンピング受託加工製造の設備を拡充(4月2日)
◆水素関連:日揮がマレーシアでグリーン水素/MCH製造プラントの基本設計役務を受注(4月2日)
◆非鉄金属:住友金属鉱山が2024年度の地金生産計画を発表(4月1日)
◆非鉄金属:三井金属が2024年度上期の地金生産計画を発表(4月1日)
◆非鉄金属:三菱マテリアルが2024年度上期の地金生産計画を発表(4月1日)
◆樹脂:住友ベークライトが中国でフェノール樹脂成形材料の新工場の完成を発表(4月1日)
◆価格改定
・ENEOSがベンゼンの契約価格を改定
・日本ポリエチレンがポリエチレンを4月15日納入分より値上げ
・日本ポリプロがポリプロピレンを4月15日納入分より値上げ
・東洋インキがグラビア白インキを4月15日出荷分より値上げ
・大倉工業が合成樹脂製品全般を5月1日出荷分より値上げ
・デンカがサーモシートBOPSを5月1日納入分より値上げ
・デンカが食品包材用スチレン系シートを5月1日納入分より値上げ
・JSPが押出発泡ポリスチレンを5月1日出荷分より値上げ
・アイカ工業が接着剤、建設樹脂、フェノール樹脂、機能材料を6月1日出荷分より値上げ
・関西ペイント販売株式が運賃を6月1日より値上げ
・日本板硝子が国内建築用板ガラス製品の配送料および配送附帯作業料等を7月1日出荷分より値上げ
  
  

WEEKLY NEWS

◆金属材料:ユニチカが高表面積を有するハイエントロピー合金の開発に成功(4月4日)
 ユニチカは、非常に高い比表面積を有するハイエントロピー合金を合成する技術を開発したと発表した。
 近年、ハイエントロピー合金は、新しい金属材料として注目されており、カクテル効果などの特徴を持つと考えられている。カクテル効果は、従来の二元系や三元系の合金には見られない特性が数多く報告されている。また、ハイエントロピー合金の中には、触媒として、活性と耐久性を飛躍的に向上させるものも発見されている。
 同社が開発した合成技術により、1gで約260m²を超える面積のハイエントロピー合金の粉末が得られている。これは、これまでの多孔型の高表面積ハイエントロピー合金と比較して飛躍的に表面積を拡大させたものである。
本技術は、様々な金属を組み合わせた高表面積ハイエントロピー合金の合成に適用できる。これらは、次世代エネルギーとして期待される水素利用を促進する高性能な水素生成電極や燃料電池用電極触媒などの創出が期待される。
 今後、同社は貴金属も含めた各種触媒等の用途に最適な組成検討や各効果の実証を進めながら、実用化に向けた研究開発を進めるとしている。

◆有機:三井化学が市原工場のフェノールプラントの生産停止を発表(4月4日)
 三井化学は、市原工場のフェノールプラント(生産能力:19万トン/年)を遅くとも2026年度までに停止することを発表した。
 同社のフェノール生産は、千葉県市原市、大阪府高石市、中国上海市の3拠点で展開しており、市原工場では1970年にフェノール生産を開始して以降、主要誘導品であるビスフェノールAやフェノール樹脂の需要伸張と共に事業を拡大してきた。
 しかし、2022年以降、中国を中心としたアジアでの新設備稼働に伴う大幅な供給過多や国内需要の縮小など、事業環境が厳しくなったことで、市原工場での生産を維持するための収益確保が困難と判断した。
 市原工場のフェノールプラントは停止するが、今後も安定した製品供給を継続するために、資本効率性が高く、安定収益を上げることのできるフェノールチェーン形成を目指すとしている。

◆水素関連:トクヤマが水素化マグネシウム(MgH2)の量産を開始(4月3日)
 トクヤマは、バイオコーク技研と共同で、水素化マグネシウムを製造するための水素化反応器を、同社の徳山製造所に導入し、年産30tを目標に量産を開始すると発表した。
 脱炭素社会を構築する上で重要なエネルギーとされる水素は、体積が大きいために低温・高圧輸送が一般的であり、貯蔵や輸送コストの高さが課題となっている。水素キャリアの1つである水素化マグネシウムは、安全・安価な輸送が可能であること、高密度の水素貯蔵が可能であること、水素ガスの生成が容易であることなどの特徴があり、次世代水素キャリアとして期待されている。
 トクヤマでは、苛性ソーダを製造する時に併産する水素を、バイオコーク技研および同社の技術を用いてマグネシウムに吸着させ、水素化マグネシウムの製造を行う。同社は、水素化マグネシウム事業を通じ、手軽に安全に水素を活用できる社会の実現に貢献するとしている。

◆建材:旭有機材が現場発泡ウレタンで世界最高クラスの断熱性能を有する断熱材「BEXUR」を開発(4月3日)
 旭有機材は、現場発泡ウレタンとして、世界最高クラスの熱伝導率0.021W/(m・K)(※設計推奨値)の新製品『BEXUR(ベクサー)』を開発し、関連技術を含め特許出願を完了したことを発表した。
 同品の熱伝導率はJIS規格値(0.026 W/(m・K)以下)に対して0.021W/(m・K)と、熱抵抗値計算で24%の性能向上を実現しており、住宅金融支援機構による断熱材の熱伝導率区分において、現場発泡ウレタンでは唯一となるFランク相当を達成した。また、CO2削減のためにエネルギー効率の高い設計が推進される建築分野において、同品は断熱材の薄肉化(省スペース化)を実現している。
 同社は今年の春から顧客を限定して同製品の販売を開始する予定としている。

◆セラミック:日本特殊陶業がセラミック製品の水素焼成試験を開始(4月2日)
 日本特殊陶業は、水素を燃料とした水素燃焼試験炉によるセラミック製品の焼成試験を2024年4月より開始すると発表した。
 今回検証を開始する水素燃焼試験では、ナリタテクノと共同で開発したセラミックス専用の水素燃焼バーナーを使用する。同バーナーは、セラミック製品の焼成温度としては非常に高い温度域である常温1,600℃の温度域に対応している。一方で、水素燃焼は、都市ガスによる燃焼と比べて燃焼速度が速くNOx(窒素酸化物)が発生しやすいため、NOxの発生を抑えつつ燃焼させる必要があることや、水素火炎の輻射率が小さいため製品に熱が伝わりづらく、適切な温度分布を検証していく必要があることなど、さまざまな課題がある。これら課題については今後、試験をおこないながら、生産検討を進めていく。
 今後、同社では、水素供給インフラの環境が整備されることを想定し、セラミック製品の焼成における水素燃焼技術の確立を目指し、量産適用に向けて取り組みを進めるとしている。

◆電子材料:長瀬産業がマレーシアで半導体ウェハバンピング受託加工製造の設備を拡充(4月2日)
 長瀬産業は、同社の子会社で、半導体及び電子部品向け製造装置の販売・半導体ウェハバンピング受託加工製造を展開するPacTech社(本社:ドイツ)が、マレーシアに拠点を置くPacTech Asia社に10億円の設備投資を行うことを発表した。
 PacTech Asiaは無電解めっき方式のウェハレベルパッケージ(以下、WLP)をコア技術としている。無電解めっき方式のWLPは、主にミドル・ローエンド製品向け半導体に使用され、ハイエンド向けには電解めっき方式が使用されている。
 近年、半導体の高機能化(複合化)や3次元化が進むなか、ミドル・ローエンド向けの半導体製造工程をハイエンド向けに使用する動きが検討されており、無電解めっき方式のWLP市場が拡大することが見込まれている。
 今回の投資により従来の約1.5倍となる生産能力の向上が見込まれており、スマートフォンや電子機器全般に使用されるWLP受託加工市場でのシェア拡大を図る。新たに増設されるラインは2024年4月以降順次稼働予定としている。

◆水素関連:日揮がマレーシアでグリーン水素/MCH製造プラントの基本設計役務を受注(4月2日)
 日揮ホールディングスは、海外EPC事業会社である日揮グローバルが、ENEOSと住友商事がマレーシアにて計画を推進するグリーン水素製造プラントとMCH製造プラントに係る基本設計役務を受注したことを発表した。
 ENEOSおよび住友商事は、マレーシア・サラワク州において州政府傘下の企業であるSEDCエナジーと共同で、水力発電所からの再生可能エネルギー由来の電力を用いて製造したグリーン(CO2フリー)水素を効率的な水素の輸送形態の一つであるMCHに転換し、日本の需要地に海上輸送するグリーン水素サプライチェーンの構築を検討している。
 今回、日揮グローバルは、同事業における年産90,000トン規模のグリーン水素製造プラントと、製造された水素をMCHに転換するMCH製造プラントに係る基本設計役務を受注した。なお製造された水素のうち、年産2,000トンは地元の需要者向けに供給される計画としている。

◆非鉄金属:住友金属鉱山が2024年度の地金生産計画を発表(4月1日)
 住友金属鉱山が2024年度の地金生産計画を発表した。
 2024年度の電気銅の通期計画値は454,000 tであり、上期は227,000t(前年度上期:187,484t)。電気ニッケルの通期計画値は63,100 tであり、上期は31,100 t(前年度上期:28,526t)。フェロニッケルの通期計画値は4,300tであり、上期は2,100t(前年度上期:2,945t)。金の通期計画値は15,600kgであり、上は7,800kg(前年度上期:9,140kg)。銀の通期計画値は189,000 kgであり、上期は94,500 kg(前年度上期:111,610kg)の計画としている。
 なお、ニッケル工場(電気ニッケル)は、5月と11月にそれぞれ約1週間の定期補修を実施予定。東予工場(電気銅、金、銀)は、定期補修の予定なし。日向製錬所(フェロニッケル)は、販売条件等を総合的に勘案し、生産調整を実施する予定としている。

◆非鉄金属:三井金属が2024年度上期の地金生産計画を発表(4月1日)
 三井金属は、2024年度上期における地金生産計画を発表した。
 2024年度上期の生産計画としては、亜鉛は104.6千t/期(前年同期:103.7千t/期)、鉛は35.3千t/期(前年同期:33.7千t/期)、金は2.7t/期(前年同期: 2.8t/期)、銀は64.8t/期(前年同期:56.4t/期)の生産予定としている。
 なお、亜鉛の生産量は2023年度下期と比較して減少している(2023年度下期は114.1千t)が、この理由は2024年度上期に定期修繕を実施予定のためとしている。

◆非鉄金属:三菱マテリアルが2024年度上期の地金生産計画を発表(4月1日)
 三菱マテリアルは2024年上期における地金生産計画を発表した。
 2024年度上期の生産計画としては、銅は37,349t/月(前年同期:36,697t/月)、鉛は2,515t/月(前年同期:2,371t/月)、金は3,933kg/月(2,637kg/月)、銀は29,667kg/月(前年同期:28,822kg/月)の生産を計画している。
 前年同期実績との比較では、銅については、直島製錬所は約6%増、小名浜製錬所は約2%減、全体では約2%増となる計画。金および銀の生産増については、主に受入量増によるものとしている。

◆樹脂:住友ベークライトが中国でフェノール樹脂成形材料の新工場の完成を発表(4月1日)
 住友ベークライトは、中国子会社である南通住友電木の同社敷地内にフェノール樹脂成形材料の生産能力を増強するため、新工場が完成したと発表した。
 南通住友電木は、2007年にフェノール樹脂生産工場として南通経済技術開発区に設立された。その後、第二期、第三期工事と工場拡大を進め、現在ではフェノール樹脂生産に加え、フェノール樹脂成形材料、液状エポキシ剤、フィルムシートの生産を行っている。特にフェノール樹脂成形材料については、自動車市場を中心としてブレーキピストン、プーリー等の機構部品からの金属代替、またモーター等の電装部品に使用され、近年では自動車の電動化、軽量化による需要増に加え、中国が目指すカーボンニュートラル実現への再生可能エネルギー関連部品用途への使用が高まってきている。
 今後、更に拡大が見込まれる中国市場に対応するため、2021年より現在の南通工場敷地内に新たに生産能力を約2倍(約25,000t/年)に拡大した工場建設を進めてきた。新工場は正式稼働に向けた作業を進め2024年6月以降に量産を開始する予定としている。

◆価格改定
・ENEOSがベンゼンの契約価格を改定
 4月契約価格は、1,070$/t(前月比+5$/t)
 国内価格換算想定値は167.9円/kg
・日本ポリエチレンがポリエチレンを4月15日納入分より値上げ
 値上げ幅は、15円/kg以上
・日本ポリプロがポリプロピレンを4月15日納入分より値上げ
 値上げ幅は、15円/kg以上
・東洋インキがグラビア白インキを4月15日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、40円/kg以上
 ※上記製品以外の価格改定については、別途担当者よりご案内
・大倉工業が合成樹脂製品全般を5月1日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、10%以上
・デンカがサーモシートBOPSを5月1日納入分より値上げ
 値上げ幅は20円/kg以上
・デンカが食品包材用スチレン系シートを5月1日納入分より値上げ
 値上げ幅は20円/kg以上
・JSPが押出発泡ポリスチレンを5月1日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、30円/kg以上
・アイカ工業が接着剤、建設樹脂、フェノール樹脂、機能材料を6月1日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、各製品個別にご案内
・関西ペイント販売株式が運賃を6月1日より値上げ
 値上げ幅は、担当からご案内
・日本板硝子が国内建築用板ガラス製品の配送料および配送附帯作業料等を7月1日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、約30%~50%

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