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2025年3月27日

2025.03.27 発行

HEADLINE

◆CO2対策:コスモエネルギーホールディングスとCO2資源化研究所がCO2由来の次世代エタノール製造に関する基礎検討を
 開始(3月21日)
◆成形材料:リケンテクノスの米国子会社が生産設備の増強を完了(3月21日)
◆リサイクル:長瀬産業が半導体製造に使用される現像液の回収・再生の事業を行う新工場を開設(3月19日)
◆電子材料:長瀬産業が米国SACHEM社のアジア地域における半導体用高純度化学品事業を取得(3月19日)
◆フィルム:東レがヘッドアップディスプレイ向け広幅ナノ積層フィルムの有償販売を開始(3月18日)
◆インキ:TOPPANが耐光インキを使用した水性フレキソ印刷パッケージを開発(3月17日)
◆価格改定
・レゾナックが塩素化ポリエチレンを4月1日納入分より値上げ
・サンエー化研が軽包装資材、産業資材、機能性材料を5月1日受注分より値上げ
・ブリヂストンが市販用タイヤのメーカー出荷価格を6月1日(夏タイヤ)、9月1日(冬タイヤ)より値上げ
  
  

WEEKLY NEWS 

◆CO2対策:コスモエネルギーホールディングスとCO2資源化研究所がCO2由来の次世代エタノール製造に関する基礎検討を開始(3月21日)
 コスモエネルギーホールディングスとCO2資源化研究所は、「UCDI水素菌」を用いてCO2をエタノールに変換するCarbon dioxide Capture and Utilization(以下、CCU)の実現に向けた共同検討に関する契約を締結したと発表した。
 エタノールは、ガソリン代替燃料やバイオジェット燃料・合成燃料等の原料、石油化学製品の原料など多用途にわたり利用ができ、カーボンニュートラル化に寄与する物質として注目されている。しかし、食料や植物などを原料として生産される食料作物由来エタノールには、食料との競合や生産効率の限界などに課題があり、今後の需要増大に対する供給への懸念が高まっている。
 従来のCCU技術ではCO2変換を阻害する排ガス中の不純物を除去し、CO2や水素の濃度を高める必要があり、多大なコストとエネルギーを要する。一方で、本共同検討では、不純物を含んだCO2や水素を直接利用する技術開発により製造コストの低減を図ることで、経済性の高いエタノールの製造・供給が期待できる。
 コスモエネルギーグループでは、本共同検討を通じて、CO2由来のサステナブル製品の生産を目指し、次世代エタノールの供給可能性について双方で検討を進め、持続可能な燃料・化学品の実現に向けた技術開発を推進していくとしている。

◆成形材料:リケンテクノスの米国子会社が生産設備の増強を完了(3月21日)
 リケンテクノスは、連結子会社であるRIKEN AMERICASの子会社RIKEN ELASTOMERSの生産設備の増強が完了したことを発表した。
 RIKEN AMERICASグループでは、ワイヤーハーネスを中心とした自動車部材や異形押出成形用の塩化ビニル成形材料および高機能プラスチック成形材料を製造・販売しており、拡大する北米の塩化ビニルコンパウンドの需要に対応するため、2022年秋よりグループ会社であるRIKEN ELASTOMERSの設備増強計画を進めてきた。今回、新たな製造ラインの設置工事が完了し、本格稼働に向けた試運転を開始した。
 今回の生産設備増強により、RIKEN AMERICASの強みである品質面での高い優位性を維持しながら生産効率の向上を実現することで、北米塩ビコンパウンド市場での競争力をより一層高めるとしている。

◆リサイクル:長瀬産業が半導体製造に使用される現像液の回収・再生の事業を行う新工場を開設(3月19日)
 長瀬産業、ナガセケムテックス、Sanchem Incの合弁会社のSN Techは、半導体製造に必要な高純度現像液(TMAH)の回収・再生事業を行う新工場「SN Tech 東大阪第二工場」を開設したことを発表した。
 半導体チップの製造工程は、前工程と後工程に分かれ、前工程のフォトリソグラフィ工程では、回路形成時に極めて高純度なTMAHが必要となる。一方で、TMAHの再生には高度な電解・精製技術を要することから回収・再生による再利用は困難とされ、半導体製造事業で環境負荷や収益面での課題となっていた。SN Techは、2008年から液晶パネルの製造で使用されるTMAHの回収・再生事業を通じて培った電解・精製技術やノウハウを使いTMAHの再利用に取り組んでいる。
 新工場はTMAHの製造・高純度化を行う電解設備、精製設備を有し、半導体工場から回収する再生原料を基にTMAHに再生させる半導体用現像液のリサイクルが可能となる。本事業を通じた半導体製造工場のTMAHや水の再利用と安定調達、エネルギー削減により、コスト競争の激化が続く半導体事業における収益性改善と、持続可能な環境配慮ビジネスモデルの構築に取り組む。量産稼働開始は2025年度中を見込んでいるとしている。

◆電子材料:長瀬産業が米国SACHEM社のアジア地域における半導体用高純度化学品事業を取得(3月19日)
 長瀬産業は、米国SACHEM社のアジア地域における半導体用高純度化学品事業の取得について決議したことを発表した。
 同事業には、SACHEM社の子会社5社が含まれており、そのうち、無錫三開高純化工は、資本金の額が同社の資本金の額の100分の10以上に相当し、長瀬産業の特定子会社となる。
 SACHEM社は、触媒、スペシャリティケミカルズや高純度化学品などに高い技術・知見を有しており、長瀬産業および同社の100%子会社であるナガセケムテックスの3社の合弁会社であるSN Techを設立し、半導体製造で使用される高純度現像液の回収・再生事業 に取り組んできた。
 長瀬産業は、SN Techを含む同事業を取得し、半導体事業を拡大していくことにより、今後も成長が見込まれる半導体市場における半導体素材メーカーとしてのポジションを強固にしていく。持分譲渡実行日は 2026年4月15日の予定としている。

◆フィルム:東レがヘッドアップディスプレイ向け広幅ナノ積層フィルムの有償販売を開始(3月18日)
 東レは、斜め方向からの光のみを反射する特性を持つ広幅ナノ積層フィルム「PICASUS VT」の有償販売を開始したことを発表した。
 本フィルムをHUD(ヘッドアップディスプレイ)技術に適用することで、フロントガラスの広い範囲にわたって二重像のない高鮮明な表示を実現するとともに、偏光サングラス着用時にも表示がクリアに視認できる。
 HUDは、運転に関連する情報をフロントガラス上に表示することで、ドライバーの安全性向上に貢献する運転支援技術である。現在のHUD技術は、ガラス面で反射しやすいS偏光の映像をフロントガラスに投影することで情報表示しているが、一般的なフロントガラスの場合、ガラスの表面と裏面それぞれで反射されるため、映像が二重に見えてしまうなどの課題がある。
 東レは、正面から見た際にはガラス並の透明性を備え、斜めからの光に対して選択的に反射率を制御できる、PICASUS VTのHUDへの用途展開を進めてきた。同フィルムは、ガラス面で反射しないP偏光の映像を発する光源と組み合わせることで、これらの課題の解決が可能となる。同社では、ほぼすべての自動車フロントガラスに適用可能な1600mm幅のフィルムロールを供給できる体制を構築したとしている。

◆インキ:TOPPANが耐光インキを使用した水性フレキソ印刷パッケージを開発(3月17日)
 TOPPANは、製造時のCO2排出量や残留溶剤を削減できる「水性フレキソ印刷」で、耐光性のあるインキを使用したパッケージを開発したことを発表した。
 CO2排出量の削減に関しては各企業がKPIを設定して取り組む中、その削減に向けた取り組みとして、フィルムパッケージにおけるプラスチック使用量の削減や包装材料の変更などが行われている。しかし、内容物の保護などの機能性の観点から、現状の材質構成からの変更が難しい場合があった。そこで、従来の油性グラビア印刷を水性フレキソ印刷に印刷方式を変更することで、材質構成を変更することなく、CO2排出量を削減することが可能となる。
 水性フレキソ印刷は、溶剤をほとんど含まない水性インキを使用することで、油性グラビア印刷と比べてVOCの排出量を削減でき、CO2排出量の削減が可能である。TOPPANグループ連携によって水性フレキソ印刷で使用可能な耐光性のあるインキを開発した。
 本製品は花王の衣料用洗剤「アタックZEROパーフェクトスティック 部屋干しの外装に2025年3月より採用されるとしている。

◆価格改定
・レゾナックが塩素化ポリエチレンを4月1日納入分より値上げ
 値上げ幅は、粉末:45円/kg以上、シート:55円/kg以上
・サンエー化研が軽包装資材、産業資材、機能性材料を5月1日受注分より値上げ
 値上げ幅は、軽包装部門全品種:10~15%
 粘着テープ基材、剥離紙(セパレーター)他産業資材部門全品種:8~12%
 サニテクトタイプ、PACタイプ、SATタイプ他機能性材料部門全品種:10~20%
・ブリヂストンが市販用タイヤのメーカー出荷価格を6月1日(夏タイヤ)、9月1日(冬タイヤ)より値上げ
 値上げ幅は、6~8%(各商品グループ平均)※商品により改定率が異なる

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