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2019年8月29日号

2019.08.29 発行

HEADLINE

 

◆農薬:住友化学が健康・農業関連事業における中南米地域の体制を強化(8月21日)

◆子会社設立:JSRが事業創出を加速させるための投資子会社を設立(8月20日)

◆ポリマー:BASF、Solvay、Domo Chemicalsの3社がSolvayのポリアミド事業の買収で合意(8月14日)

◆有機:住友化学がインド国営石油会社との間でプロピレンオキサイド製造技術のライセンス契約を締結(8月19日)

◆接着剤:ユニチカが耐腐食性と接着性を併せ持つポリエステル樹脂接着剤を開発(8月19日)

◆フィルム:トクヤマが天津のフィルム事業拠点を解散(8月19日)

◆価格改定

・東ソーが芒硝を9月1日出荷分より値上げ

値上げ幅は、10円/㎏以上

 

 

WEEKLY NEWS

 

◆農薬: 住友化学が健康・農業関連事業における中南米地域の体制を強化(8月21日)

 住友化学は、中南米地域における農薬および飼料添加物メチオニン事業の体制強化のため、チリ共和国で住友化学チリ社の運営を本格的に開始することを発表した。

 同社は、これまで、健康・農業関連事業のメキシコおよびブラジルを除く中南米地域における物流面の調整や与信管理、運転資金管理などの業務を、東京本社や米国の同社グループ会社であるベーラント・バイオサイエンス(以下、「VBC」)が行ってきた。そうした中、近年の中南米地域での農薬とメチオニンの需要拡大に伴い、VBCの子会社としてチリで農薬の販売をしてきたVBCチリ社を改組して、住友化学チリ社とし、東京本社やVBCが担ってきたそれらの業務を集約させることとした。

 より現場に近いところに機能を集めることで、中南米地域における事業運営の効率化や意思決定の迅速化を図り、さらなるサービスの向上と拡販を目指す。なお、メキシコを除く中南米地域の健康・農業関連事業部門の販売企画やマーケティング、研究開発などの地域統括機能は、従来どおり住友化学ブラジル社が果たすとしている。

 

◆子会社設立:JSRが事業創出を加速させるための投資子会社を設立(8月20日)

 JSRは、デジタル技術を活用した事業創出をさらに加速させるため、投資子会社(合同会社)を設立することを発表した。

 具体的には、デジタル技術を中心とするスタートアップへの投資をグローバルに行う新会社「JSR Active Innovation Fund合同会社」を2019年10月で設立する。同社による投資活動は、当初30億円規模からスタートして最大100億円までを想定している。

 JSRは、シリコンバレーを拠点とするCarbon, Incへの投資をはじめ、既に革新的な技術、事業モデルを有するスタートアップへのグローバルな投資活動を積極的に行っている。同社は本子会社を通じた更なる戦略的な投資により、新たな事業創出を加速させ、スタートアップが生み出す革新的な技術及び事業モデルと同社がこれまで培ってきた知見を組み合わせることで社会に新しい価値を提供するとしている。

 

◆ポリマー:BASF、Solvay、Domo Chemicalsの3社がSolvayのポリアミド事業の買収で合意(8月14日)

 BASF(本社:ドイツ)、Solvay(本社:ベルギー)、Domo Chemicals(本社:ドイツ)の3社は、DomoがSolvayから欧州におけるポリアミド6.6事業を買収することで合意したと発表した。本取引は2019年末までに完了する予定であるが、関連する競争当局の承認を必要とする。

 BASFは、2017年9月にSolvayとポリアミド関連事業の買収に関する契約を締結しており、欧州委員会は2019年1月にSolvayの欧州におけるポリアミド6.6の製造施設の売却など、一定の条件の下での買収を承認した。

 BASFは今後、Solvayの合弁事業であるButachimieのアジポニトリル(ADN)生産における50%のシェアを含む、欧州以外のグローバルポリアミド6.6事業をSolvayから買収する。DomoとSolvay間の取引の承認と、関連する競争当局の最終承認を条件として、BASFとSolvay間の取引も2019年末までに完了する予定である。

 これにより、BASFはドイツ、フランス、中国、インド、韓国、ブラジル、メキシコにおける8つの生産拠点を取得する。フランスでは、BASFとDomo がアジピン酸製造の合弁会社を設立する。さらに、韓国、中国、ブラジルの3つの研究開発施設およびアジア、北米、南米の6つの技術サポート拠点を、SolvayからBASFに移管する。

 BASFのキャッシュフリー・デットフリーベースの購入価格は13億ユーロであり、BASFが買収するSolvayの事業の2018年の売上は約10億ユーロである。取引完了後、Solvayの従業員約700名が、BASFに移籍する。フランスのBASFとDomoとの合弁会社は、約650名を雇用する予定としている。

 

◆有機:住友化学がインド国営石油会社との間でプロピレンオキサイド製造技術のライセンス契約を締結(8月19日)

 住友化学は、インドのバーラト・ペトロリアム社(BPCL)との間で、同社が進める石油化学プロジェクトに対するプロピレンオキサイド(PO)製造技術のライセンス契約を締結したことを発表した。

 インドの大手国営石油会社であるBPCLは、現在、ケララ州にある製油所で、POおよびポリオール生産設備の新設を含む大規模な石油化学プロジェクトを推進しており、PO生産においては、住友化学が独自に開発した製造技術の採用を決定した。生産能力は年産30万トンで、2022年の完成を目指している。 

 住友化学のPO製造技術は、クメンを循環利用するクメン法PO単産プロセスである。併産物がなく、独自に開発した高性能なエポキシ化触媒と組み合わせることで、高収率と省エネ、高い運転安定性を実現できるという特長がある。

 住友化学は、今後も技術ライセンスのグローバル展開により、石油化学部門における事業ポートフォリオの拡充を目指すとしている。

 

◆接着剤:ユニチカが耐腐食性と接着性を併せ持つポリエステル樹脂接着剤を開発(8月19日)

 ユニチカは、金属(銅など)およびポリエチレンテレフタレート(PET)などの樹脂フィルムに良好な接着性を有し、かつ金属の腐食による接着性の低下を防ぐことができるポリエステル樹脂接着剤を開発したと発表した。本開発品は、同社の飽和共重合ポリエステル樹脂「エリーテル」の耐腐食性グレードとして新たにラインアップされる。

 従来、防錆処理と接着層塗工は、それぞれが別の工程であったが、本開発品を用いることにより、一度の塗工で2つの機能を同時に発現し、工程簡略化をすることができる。また、メッキレスで金属の腐食を抑制できる環境にも配慮した製品である。

 ユニチカは、本開発品の特長を活かし、フレキシブルフラットケーブル(FFC)では、絶縁被覆樹脂(PET、ポリイミドなど)とメッキレス銅線との接着性や耐熱性、フィラー配合性を活かした難燃性が評価され、現在FFCの量産化検討を実施している。ほかにも、耐腐食性と接着性の両方を兼ね備えた様々な部材への需要を取り込み、本開発品の売上高を2021年度に1億円まで成長することを目指すとしている。

 

◆フィルム:トクヤマが天津のフィルム事業拠点を解散(8月19日)

 トクヤマは、中国における微多孔質フィルム事業の効率化の一環として、グループ会社である中国現地法人の天津徳山塑料有限公司を解散し、同じくグループ会社で中国現地法人の上海徳山塑料有限公司に拠点を集約することを決議したことを発表した。

 

◆価格改定

・東ソーが芒硝を9月1日出荷分より値上げ

 値上げ幅は、10円/㎏以上

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