2020.04.30 発行
◆ウイルス対策:王子ネピアと新タック化成がマスクの供給を発表(4月24日)
◆ウイルス対策:王子ネピアが医療用ガウン用途の不織布を供給(4月24日)
◆産業用ガス:エア・ウォーターが三重県亀山市に液化ガス製造プラントを建設(4月24日)
◆産業用ガス:エア・ウォーターが北九州地区に液化ガス製造プラントおよび総合充填工場を建設(4月24日)
◆水素関連:千代田化工建設が組合員企業として参加するAHEADが世界初の国際間水素サプライチェーンを本格始動(4月24日)
◆LNG:千代田化工建設が米国キャメロンLNGプロジェクト第3系列に原料ガス注入を開始(4月23日)
◆ウイルス対策:宇部興産が「アビガン錠」の中間体を供給(4月22日)
◆ポリマー:三井化学が環状オレフィンコポリマーの生産能力を増強(4月22日)
◆電子材料:住友化学が大阪工場でEUVなど最先端プロセス向け半導体フォトレジストの開発・評価体制を強化(4月22日)
◆コーティング剤:ナガセケムテックス、長瀬産業、三菱電機が新しい防じんコーティング剤の共同開発に合意(4月21日)
◆価格改定
・デンカが電子包材用シートを5月1日出荷分より値上げ
・デンカが食品包材用スチレン系シートを5月1日出荷分より値上げ
・デンカが「デンカサーモシートBOPSを5月1日出荷分より値上げ
◆ウイルス対策:王子ネピアと新タック化成がマスクの供給を発表(4月24日)
王子ホールディングスのグループ会社である王子ネピアおよび新タック化成は、新タック化成・山本工場の既存クリーンルーム内に、新たに不織布マスク生産設備を導入することを決定したことを発表した。
生産量は約 2百万枚/月(見込み)、生産開始は2020年6月下旬(見込み)としている。
◆ウイルス対策:王子ネピアが医療用ガウン用途の不織布を供給(4月24日)
王子ネピアは、紙おむつ基材用に生産している撥水性に優れた不織布の生産体制を増強すると発表した。
今後、約80トン/月の供給体制の構築を計画しており、これにより需給が逼迫している医療用ガウン(アイソレーションガウン)の基材を、月に約80万着分供給することが可能となる。
生産(出荷)開始は、2020年5月中旬(見込み)としている。
◆産業用ガス:エア・ウォーターが三重県亀山市に液化ガス製造プラントを建設(4月24日)
エア・ウォーターおよびグループ会社の中部エア・ウォーターは、三重県亀山市に高効率小型液化酸素・窒素製造装置「VSU」を建設することを発表した。
同「VSU」プラントの製造能力は、液化酸素が1,000Nm3/h、液化窒素が2,660Nm3/hである。
現在、東海地区に対しては、大阪湾岸部の大型拠点から一部の液化ガスを長距離輸送しているが、同「VSU」の稼働により、既存拠点と合わせて三重県および愛知県を中心とした東海地区の需要に対応することが可能となる。
「VSU」プラントの稼働は2021年7月の予定としている。
◆産業用ガス:エア・ウォーターが北九州地区に液化ガス製造プラントおよび総合充填工場を建設(4月24日)
エア・ウォーターおよびグループ会社の九州エア・ウォーターは、福岡県北九州市に高効率小型液化酸素・窒素製造装置「VSU」を建設するとともに、同一敷地内に九州エア・ウォーターの総合充填工場を建設することを発表した。
同「VSU」プラントの製造能力は、液化酸素が600Nm3/h、液化窒素が1,400Nm3/hである。
また、新しい充填工場では、充填設備を導入することで充填ロスの削減を図るとともに、九州エア・ウォーター熊本工場のヘリウム充填設備や容器検査設備を移転集約することで、シリンダーガスの総合充填工場として効率的な運営を図る。
「VSU」プラント並びに総合充填工場の稼働は2021年5月の予定としている。
◆水素関連:千代田化工建設が組合員企業として参加するAHEADが世界初の国際間水素サプライチェーンを本格始動(4月24日)
千代田化工建設は、組合員企業として参加するAHEAD(次世代水素エネルギーチェーン技術研究組合)がNEDOの助成を受けて進めている事業において、川崎市臨海部にある東亜石油京浜製油所内に建設した脱水素プラントが安定稼働し、ブルネイ・ダルサラーム国にて生成したメチルシクロヘキサン(MCH)を原料として、水素とトルエンの分離を開始したことを発表した。
これにより、ブルネイでのMCH生成、海上輸送、日本でのMCHから水素の分離という一連の流れによる国際間水素輸送が実現し、ブルネイと日本をつなぐ水素サプライチェーンが繋がった。
今後、AHEADの組合員企業である三菱商事、三井物産、日本郵船と連携し、水素サプライチェーンの実証運用を通じ、国際間水素輸送の実効性の確認に取り組む。また、日本・ブルネイそれぞれのプラントにおいて各種データを取得し、水素サプライチェーン事業の商業化を目指すとしている。
◆LNG:千代田化工建設が米国キャメロンLNGプロジェクト第3系列に原料ガス注入を開始(4月23日)
千代田化工建設は、米国グループ会社である千代田インターナショナル社が米国McDermott社とジョイントベンチャーを設立し遂行中の米国ルイジアナ州Cameron LNGプロジェクトにおいて、第3系列に原料ガスの注入を開始したと発表した。
すでに第1系列は2019年8月、第2系列は2020年2月より商業運転を開始している。3系列が完成するとLNGの年間輸出量は1,200万トン超となり、米国メキシコ湾岸地域でも最大級のLNG生産設備になるとしている。
◆ウイルス対策:宇部興産が「アビガン錠」の中間体を供給(4月22日)
宇部興産は、宇部ケミカル工場内の医薬品工場において、富士フイルム富山化学が開発した抗インフルエンザウイルス薬「アビガン錠」の原薬主骨格を成す重要な中間体の製造及び供給を開始すると発表した。
「アビガン」は現在世界で蔓延する新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する効果が期待されており、日本国政府も本剤の治験及び承認手続きの早期推進と、日本国内における生産体制の構築を進めている。宇部興産は、グローバルに医薬品の原体・中間体製造を展開しており、抗インフルエンザウイルス薬としての「アビガン」中間体の製造と供給に実績を有している。
宇部興産は、サプライチェーン各社と協力することで、早期のアビガン提供に貢献できるよう、現在緊急製造開始に向けて準備を進めているとしている。
◆ポリマー:三井化学が環状オレフィンコポリマーの生産能力を増強(4月22日)
三井化学は、主用途であるスマートフォンカメラの多眼化の進展等により需要が急拡大している環状オレフィンコポリマー(製品名:アペル)について、大阪工場内に新プラントを建設し、需要拡大に応える供給体制を構築すると発表した。
これによりアペル生産能力は、約50%増強される。新プラントの完工は2022年3月を予定している。
アペルは、今後車載用カメラやヘッドマウントディスプレイ、医療用途等の新規需要獲得により更なる事業拡大を図るとしている。
◆電子材料:住友化学が大阪工場でEUVなど最先端プロセス向け半導体フォトレジストの開発・評価体制を強化(4月22日)
住友化学は、EUV(極端紫外線)をはじめとした最先端プロセス向け半導体フォトレジストの開発・評価体制強化のため、大阪工場に新棟を建設するとともに、新規評価装置を導入した上で2022年度上期の完成を目指すと発表した。
フォトレジストは、半導体製造工程におけるパターン形成に使用される感光性樹脂である。
半導体市場においては今後、人工知能技術の進化や5Gの本格商用化などを背景に先端半導体の需要伸長が期待されている。こうした領域では新しい光源であるEUV露光が主流になると見込まれ、そのパターン形成にはさらなる微細化に適したフォトレジストが求められているため、同社はEUVレジストの大幅な性能の向上を実現し、近く量産を開始する計画である。
また、住友化学は、EUVを含めた最先端レジスト分野での今後の事業拡大にあわせてさらなる投資も検討していくとしている。
◆コーティング剤:ナガセケムテックス、長瀬産業、三菱電機が新しい防じんコーティング剤の共同開発に合意(4月21日)
ナガセケムテックス、長瀬産業、三菱電機の3社は、三菱電機が保有する、空気の膜で粉じんやほこり、汚れなどの付着を抑えるコーティング技術「スマートエアコーティング」を活用した、新しい防じんコーティング剤(塗料)の共同開発に合意したと発表した。
「スマートエアコーティング」は、独自のマイクロメートルレベルの凹凸構造を有する超撥水性のコーティング技術で、最適な凹凸構造により形成される空気の膜が汚れの付着を抑えることができる。
三菱電機が基礎技術を提供し、ナガセケムテックスが製品を開発・製造、長瀬産業がマーケティングおよび販売を行う。今後、自動車の内外装用部材や住宅建材、家具、インテリアなどへの防じんコーティング剤(塗料)として、2021年以降の実用化を目指すとしている。
◆価格改定
・デンカが電子包材用シートを5月1日出荷分より値上げ
値上げ幅は、6円/㎏
・デンカが食品包材用スチレン系シートを5月1日出荷分より値上げ
値上げ幅は、6円/㎏以上
・デンカが「デンカサーモシートBOPSを5月1日出荷分より値上げ
値上げ幅は、6円/㎏以上