2021.01.28 発行
◆水素関連:住友商事と日揮グローバルが豪州における水素製造プラントの基本設計に関する契約を締結(1月22日)
◆AI関連:DICがAI(MI)活用の専門組織としてデータサイエンスセンターを新設(1月22日)
◆シリコーン:信越化学工業が電気自動車・ハイブリッド自動車向けの放熱用シリコーン材料を開発(1月21日)
◆ポリマー関連:東レがしなやかでタフなポリマー材料を創出(1月21日)
◆環境対応:帝人が環境価値ソリューションのハブ機能として「欧州サステナブル先端技術開発センター」を新設(1月21日)
◆合成ゴム:日本ゼオンが単層カーボンナノチューブを用いた導電性シリコンゴムを開発(1月20日)
◆有機:三菱ガス化学、三菱商事、三菱重工エンジニアリングがトリニダード・トバゴでメタノール/ジメチルエーテルプラントの商業運転を開始(1月19日)
◆樹脂:クレハがポリフェニレンサルファイド(PPS)の増強設備を竣工(1月18日)
◆リサイクル:日揮グローバルが韓国で廃プラスチックガス化リサイクルプラントの実現に向けた事業化調査業務を受注(1月18日)
◆価格改定
・日本ポリエチレンがポリエチレンを2月1日納入分より値上げ
・日本ポリプロがポリプロピレンを2月1日納入分より値上げ
・昭和電工が酢酸及び酢酸ビニルを2月1日納入分より値上げ
◆水素関連:住友商事と日揮グローバルが豪州における水素製造プラントの基本設計に関する契約を締結(1月22日)
住友商事と日揮ホールディングスの海外EPC事業会社である日揮グローバルは、住友商事が豪州クイーンズランド州のグラッドストンで計画中の水素製造・販売プロジェクトで、水素製造プラントの基本設計役務を日揮グローバルに委託する契約を締結したことを発表した。
本プロジェクトは、グラッドストンにおいて、太陽光由来の電力を主電源として、水の電気分解装置から水素を製造、現地で販売し、地産地消型の水素コミュニティの構築を検討するものである。
今回基本設計を行う初期の水素製造プラントでは、年間250-300トンの水素を製造する予定としている。
◆AI関連:DICがAI(MI)活用の専門組織としてデータサイエンスセンターを新設(1月22日)
DICは、AI(MI: マテリアルインフォマティクス)を活用した全社業務の効率化を目的に、AI 専門組織として「データサイエンスセンター」(以下「DSC」)を新設したことを発表した。
今回新設されたDSCは、データサイエンティストやAI 活用エンジニアといったAI(MI)専門人材およそ30 名を技術統括本部内にて組織化し、データサイエンスの技術部門への活用やAI活用による全社業務効率化を加速させることを的としている。
今後、短期間でのDSCの組織拡大と発展を図るため、人材強化、外部連携、活用基盤などに総額30億円規模の投資を行うとしている。
◆シリコーン:信越化学工業が電気自動車・ハイブリッド自動車向けの放熱用シリコーン材料を開発(1月21日)
信越化学工業は、電気自動車(EV)・ハイブリッド自動車(HEV)向けの放熱用シリコーン材料「TC-PENシリーズ」及び「TC-SETシリーズ」を開発したと発表した。
「TC-PENシリーズ」は、軽量(従来比で約15%の軽量化等)かつ柔軟性に優れているため、リチウムイオンバッテリーなど、大きな面積で使用される部位や凹凸のある発熱素子の放熱に適している。一方、「TC-SETシリーズ」は、低硬度と高復元性を両立させ、車載品で長期にわたり耐振動性、高復元性が要求される各種電子デバイスの放熱に適している。
放熱用シリコーン材料は、パッドタイプのほかに、ゴムシートタイプ、グリースタイプ、ギャップフィラータイプ、液状ゴムタイプ(接着剤・ポッティング剤)などの各種製品を品揃えしており、信越化学では様々な熱対策の要求に応えるとしている。
◆ポリマー関連:東レがしなやかでタフなポリマー材料を創出(1月21日)
東レは、ポリアミド6(PA6樹脂)が持つ高い耐熱性、剛性、強度を維持しながら、繰り返し折り曲げ疲労耐久性を従来の15倍まで飛躍的に高めた新規ポリマー材料を創出したことを発表した。
PA6樹脂に材料の寿命に関連する疲労耐久性を付与するには、柔軟なエラストマーを配合するが、疲労耐久性を向上させると耐熱性、剛性、強度が低下するトレードオフの関係がある。
今回、PA6樹脂中にポリロタキサンを最大限の効果発現が期待できるPA6結晶構造サイズの数10nmに微分散化することに成功し、このしなやかな応力分散機構により、PA6樹脂が持つ高い耐熱性、剛性、強度を維持しながら、繰り返し折り曲げ疲労耐久性を高めた新規ポリマー材料を創出した。
本開発品は自動車、家電製品、スポーツ用品など疲労耐久性が必要な用途に広く展開が期待できる。2021年度から本格的なサンプルワーク開始を目指すとともに、幅広い工業材料分野で用途展開を進めるとしている。
◆環境対応:帝人が環境価値ソリューションのハブ機能として「欧州サステナブル先端技術開発センター」を新設(1月21日)
帝人は、持続可能な社会への貢献に向け、主たる提供価値である「環境価値ソリューション」に関するハブ機能として、オランダに「欧州サステナブル先端技術開発センター:「ESTIC」)」を開設したことを発表した。
「ESTIC」では、帝人グループが進める「環境価値ソリューション」領域の技術開発におけるハブ機能として、国や事業をまたがるグループ内連携を強化・促進し、さらに外部との協創にも積極的に取り組むことにより、気候変動対策やサーキュラーエコノミーの実現に向けた開発を推進していくとしている。
◆合成ゴム:日本ゼオンが単層カーボンナノチューブを用いた導電性シリコンゴムを開発(1月20日)
日本ゼオンは、単層カーボンナノチューブを用いてシリコンゴムの導電性を大幅に向上させるマスターバッチを開発したと発表した。
このマスターバッチを用いたコンパウンドは、パーキンソン病や本態性振戦の症状を軽減する医療機器への応用を目指し、シリコン分散液メーカーの米国Novation Solutions LLC(以下、NovationSi社)と共同研究を進めている。
今回開発されたシリコンマスターバッチは、人体に神経調節療法を実行する医療機器の部材として使用される。シリコンゴムに自社の単層カーボンナノチューブを練り込むことで導電性が付与される。NovationSi社は更にこのマスターバッチを用い、「高濃度ゴム(HCR)ヘルスケアコンパウンド」を開発した。
開発されたマスターバッチはゼオンナノテクノロジーが販売し、HCRヘルスケアコンパウンドはNovationSi社が米国限定で販売する予定としている。
◆有機:三菱ガス化学、三菱商事、三菱重工エンジニアリングがトリニダード・トバゴでメタノール/ジメチルエーテルプラントの商業運転を開始(1月19日)
三菱ガス化学、三菱商事、三菱重工エンジニアリングは、トリニダード・トバゴ共和国において、同国国営ガス会社であるNational Gas Company of Trinidad and Tobago Limited(NGC)および同国企業のMassy Holdings Ltd.社(Massy)と共同出資しているCaribbean Gas Chemical Limited(CGCL)でメタノール/ジメチルエーテルプラントの商業運転を開始したことを発表した。
CGCLは、トリニダード・トバゴ共和国の天然ガスを主原料として、メタノール生産量100万トン/年、ジメチルエーテル生産量2万トン/年の生産能力を有するとしている。
◆樹脂:クレハがポリフェニレンサルファイド(PPS)の増強設備を竣工(1月18日)
クレハは、いわき事業所(福島県)において、ポリフェニレンサルファイド(PPS)の増強設備の竣工式を実施したことを発表した。
PPS 樹脂は、軽量化や電装化のニーズが高まっている自動車部品用途を中心に、優れた耐熱性や加工性が必要とされる産業分野において、今後も需要の拡大が見込まれている。顧客からの更なる供給拡大の要請に対応するため、今回の5,000トン/年の増強により合計15,700トン/年の能力を持つこととなる。
今回の投資額は101億円、2021年1月に試生産を開始し、2月より商業生産を開始する見込みとしている。
◆リサイクル:日揮グローバルが韓国で廃プラスチックガス化リサイクルプラントの実現に向けた事業化調査業務を受注(1月18日)
日揮ホールディングスは、海外EPC事業会社である日揮グローバルが韓国の大手化学会社が計画する同国初の廃プラスチックガス化リサイクルプラントの実現に向けた事業化調査業務を受注したことを発表した。
本プロジェクトは、韓国における十数カ所の廃プラスチック選別施設から、リサイクルが困難な混合フィルムや選別残渣のプラスチックを収集し、日揮グローバルが再実施許諾権を持つEUPを活用した廃プラスチックガス化リサイクルを実現するプラント(日量数百トン規模)の建設に係る事業化調査を実施する。
EUPは、荏原環境プラントと宇部興産が開発した、廃プラスチックを酸素と蒸気により部分酸化することでガス化し、化学品合成に利用可能な合成ガスを製造するプロセスである。
調査結果は2021年前半にまとめる予定としている。
◆価格改定
・日本ポリエチレンがポリエチレンを2月1日納入分より値上げ
値上げ幅は、15円/kg以上
・日本ポリプロがポリプロピレンを2月1日納入分より値上げ
値上げ幅は、10円/kg以上
・昭和電工が酢酸及び酢酸ビニルを2月1日納入分より値上げ
値上げ幅は、20円/kg