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2021年11月4日号

2021.11.04 発行

HEADLINE

◆エンジニアリング:日揮が絶縁用ポリエチレン製造設備増強プロジェクトを受注(10月29日)
◆フィルム:日本ゼオンが世界最大幅の大型TV用光学フィルム製造ラインを増設(10月28日)
◆フィルム:王子ホールディングスらがポリ乳酸を配合した二軸延伸ポリプロピレンフィルムを開発(10月28日)
◆フィルム:東レがナノ微細突起ポリエステルフィルムを創出(10月28日)
◆バイオマス:三菱ケミカルが三井化学とバイオマス原料由来ポリエステルの関連特許に係るライセンス契約を締結(10月28日)
◆生産拠点:大日精化工業が佐倉テクノロジー・イノベーションセンターを設立し、赤羽製造事業所を閉鎖(10月28日)
◆電池材料:東レがハンガリーでバッテリーセパレータフィルム合弁会社を設立(10月27日)
◆インキ:東洋インキがPET製基材向けスクリーン印刷用バイオマスインキを開発(10月27日)
◆複合材料:帝人が欧州で自動車向け複合成形材料の一貫供給体制を確立(10月27日)
◆電子材料:東洋紡がセラミックコンデンサ用離型フィルムの生産体制を強化 (10月11日)
◆価格改定
・DICが有機顔料(アゾ顔料・フタロシアニン顔料)を11月1日出荷分より値上げ
・デンカがアルミナセメントを11月1日納入分より値上げ
・クラレが液状ゴム及びイソブチレン系水溶性樹脂を11月1日出荷分より値上げ
・信越化学工業がクロロメタン製品を11月15日出荷分より値上げ
・JNCがオキソ誘導品を11月21日出荷分より値上げ
・東ソーが液体苛性ソーダを11月21日出荷分より値上げ
・東ソーがエチレンアミンを12月1日納入分より値上げ
・バンドー化学が搬送用樹脂ベルトを1月1日受注分より値上げ

WEEKLY NEWS

◆エンジニアリング:日揮が絶縁用ポリエチレン製造設備増強プロジェクトを受注(10月29日)
日揮は、ENEOS NUCが計画する超高圧および高圧電線の絶縁用途に使用される架橋絶縁用ポリエチレンの生産能力増強プロジェクトを受注したことを発表した。
具体的には、ENEOS NUC川崎工業所内に年産3万トンの架橋絶縁用ポリエチレンの製造設備に係るEPCであり、2023年の完工予定としている。

◆フィルム:日本ゼオンが世界最大幅の大型TV用光学フィルム製造ラインを増設(10月28日)
日本ゼオンは、福井県敦賀市の光学フィルム工場において、大型TV向け位相差フィルムの製造ライン2系列目の増設を決定したと発表した。
日本ゼオンは、熱可塑性プラスチック(シクロオレフィンポリマー)を原料に用いた光学フィルム「ゼオノアフィルム」を製造しており、大型TVやモバイル機器のディスプレイに視野角補償や反射防止等の機能を持たせる位相差フィルム用途を中心に需要が拡大している。
今回の投資は、2020年4月より稼働した世界最大幅(2,500㎜幅クラス)の位相差フィルム製造ラインの2系列目となる。
日本ゼオンでは、新ラインの生産能力は1系列目と同じく年間5,000万㎡の計画で、敦賀製造所の2系列合計で10,000万㎡、既設の能力(富山県の高岡製造所と氷見製造所)と併せてTV向け位相差フィルムの生産能力はトータル21,900万㎡となる。増設ラインの量産開始は2023年10月の予定としている。

◆フィルム:王子ホールディングスらがポリ乳酸を配合した二軸延伸ポリプロピレンフィルムを開発(10月28日)
王子ホールディングスとグループ会社の王子エフテックスは、ポリプロピレン樹脂に植物由来原料のポリ乳酸樹脂を配合した、環境配慮型二軸延伸ポリプロピレンフィルム(以下、OPP)の開発に成功したことを発表した。
OPPは、プラスチック製の包装材料などとして幅広く使用されているが、近年、プラスチック製包装材料にも環境配慮型への要求が強まっている。
今回、ポリ乳酸をポリプロプレンに配合しつつ、従来のOPPの特徴である強度や耐熱性を損なうことなく、バイオマス認証取得可能なOPPの量産試作に成功した。植物由来のポリ乳酸を配合することにより、石油由来のポリプロプレンの使用量が削減されるとしている。

◆フィルム:東レがナノ微細突起ポリエステルフィルムを創出(10月28日)
東レは、2軸延伸ポリエステルフィルム「ルミラー」の表面突起の高さをナノオーダーで精密に制御することで、平滑性に優れた高い品位と、滑り性などのハンドリング性を両立したフィルムを創出したと発表した。
ルミラーは、電子部品用途やディスプレイ用途における機能性フィルムや、製造工程で使用されるフィルムの基材として広く使用されているが、最先端の半導体や電子部品用途では、滑剤粒子がわずかでも凝集すると、フィルム表面に粗大な突起が発生し、ナノレベルの塗布欠点や転写欠陥となることなどが新たな課題となっていた。
今回東レは、滑剤粒子を用いることなくフィルム表面にナノオーダーの微細な突起を高密度に形成する技術を開発した。この技術により、フィルム表面欠点の発生を抑制し、平滑性や透明性を大幅に高めることができ、同時に微細突起の配列をナノオーダーに制御することで、高い品位を維持したままハンドリング性の両立も実現できる。
これらの特長を活かし、半導体や電子部品用の機能性フィルムとそれら製造工程用フィルムなどを中心に、幅広い用途展開を積極的に進めていくとしている。

◆バイオマス:三菱ケミカルが三井化学とバイオマス原料由来ポリエステルの関連特許に係るライセンス契約を締結(10月28日)
三菱ケミカルは、同社が保有するバイオマス原料由来ポリエステルに係る基本特許を含む関連特許について、三井化学とライセンス契約を締結したと発表した。
ライセンス対象の製品は、再生可能なバイオマス原料を用いたPET(ポリエチレンテレフタレート)を指し、ボトルをはじめ様々な用途が見込まれており、従来の石油由来の製品と比べ、温室効果ガスの排出量を抑えることができる。同社が保有する本特許は、バイオマス原料由来の高品質ポリエステルそのものに関する物質特許で、製造販売など事業を行う上で必要な基本特許であり、同社は、これまでに日本だけでなく米国、欧州、中国で特許登録を完了している。
三菱ケミカルは今後、環境負荷の低いバイオマス原料由来の製品を普及させるために、自社事業の拡大だけではなく、外部との協業やライセンス供与を積極的に推進させることで、持続可能な新炭素社会の構築に貢献するとしている。

◆生産拠点:大日精化工業が佐倉テクノロジー・イノベーションセンターを設立し、赤羽製造事業所を閉鎖(10月28日)
大日精化工業は、赤羽製造事業所(東京都)を本年11月末日もって閉鎖するとともに、佐倉製造事業所内に佐倉テクノロジー・イノベーションセンターを設立し12月より稼働することを発表した。
赤羽製造事業所は、1957年の開所以来、樹脂合成及び機能性分散塗料の開発、生産拠点として事業活動を続けてきたが、宅地化の進行により、佐倉製造事業所(千葉県)への移転を推進してきた。
佐倉製造事業所は、1989年に開所し、増設、敷地拡張を重ね、約5万㎡の敷地に4つの工場棟や倉庫などを有している。水系、無溶剤、バイオなどの環境対応製品の生産設備や電子分野に対応するクリーンルームも設置し、高効率機器への更新や太陽光発電設備の導入など省エネにも力をいれている。またマザー工場として、海外3拠点(米国メリーランド、中国上海、台湾高雄)と連携し、グローバル展開を推進中としている。

◆電池材料:東レがハンガリーでバッテリーセパレータフィルム合弁会社を設立(10月27日)
東レは、LG Chemとの間で、東レ100%子会社であるハンガリーのリチウムイオン二次電池(LIB)用バッテリーセパレータフィルム製造・販売会社「Toray Industries Hungary」(略称:THU)に対してLG化学が新たに375百万ドル(約430億円)を出資し、THUを存続会社とした、持分比率50:50の合弁会社「LG Toray Hungary Battery Separator」(略称:LTHS)を設立することに合意したと発表した。
今回の合意では、合弁会社は現THUの現有設備で車載用LIB向けバッテリーセパレータフィルムを製造し、LGグループの欧米拠点向けに販売することを目的としている。また、今後の需要拡大に備え、現THU敷地内においてフィルム基材の製膜設備の増強と、コーティング加工設備の新規導入を進めていくことに加え、合弁会社設立から2年半経過後に東レ持分の20%をLG化学に有償譲渡し、以降はLG化学が経営・事業の主体を担うことにも合意した。
合弁会社の設立は、2022年前半の予定としている。

◆インキ:東洋インキがPET製基材向けスクリーン印刷用バイオマスインキを開発(10月27日)
東洋インキは、PET製ボトルやチューブへのスクリーン印刷に適したバイオマスインキ「LIOCREATE FLASH DRY SS PET BIOシリーズ」を開発したと発表した。
開発品は、PET製のボトルやチューブの印刷に適したバイオマス度10%のUV硬化型スクリーンインキである。基材の処理、未処理を問わず使用でき、優れた柔軟性を持つ塗膜を形成する。またシリコン系添加剤を使用していないため、後加工適正にも配慮している。
今後も同社では、SDGs目標やサステナビリティへの観点から、環境調和型製品の開発に取り組むとしている。

◆複合材料:帝人が欧州で自動車向け複合成形材料の一貫供給体制を確立(10月27日)
帝人は、テイジン・オートモーティブ・テクノロジーズ(以下「TAT社」)がフランスの拠点において、約7億円(約600万ドル)を投資し、SMC(Sheet Molding Compound。ガラス繊維や炭素繊維などの強化繊維に熱硬化性樹脂を含浸させ、シート状にした成形材料向けの中間基材)製造設備による商業生産を10月に開始したと発表した。
TAT社は、自動車向けのコンポジット部品の北米最大のサプライヤーであり、主にガラス繊維を用いた自社開発のSMCを製造している。今回フランスでの商業生産を開始したことで、ポルトガルやチェコの成形拠点と共に欧州におけるバリューチェーンを確立し、北米と同様、材料から成形までの一貫生産体制を実現した。
2030年頃には、自動車向け複合成形材料事業の売上を2,000百万米ドル規模へと拡大していくとしている。

◆電子材料:東洋紡がセラミックコンデンサ用離型フィルムの生産体制を強化 (10月11日)
東洋紡は、積層セラミックコンデンサ(以下、セラコン)用離型フィルムの製造設備を宇都宮工場に新設することを決定したと発表した。
セラコンは、電流を調整したり、電気を一時的に蓄積したりする汎用的な電子部品として、さまざまな電子回路に搭載されており、今後もデジタルトランスフォーメーション(DX)の進展等を受けて年率7%以上での市場の成長が見込まれている。
宇都宮工場は、同社が本年4月に吸収合併した東洋紡フイルムソリューションの主力工場として、セラコン用離型フィルムやPEN(ポリエチレンナフタレート)フィルムなど、長年にわたり高機能フィルムの生産を手掛けてきた。今回新設する製造設備では、高機能な離型フィルム製品のラインアップを拡充する。
新設する製造設備の生産能力は年間2万トン、設備投資額は約200億円(宇都宮工場のインフラ設備を含む)を予定しており、2022年夏に着工、2024年秋の稼働開始を目指すとしている。

◆価格改定
・DICが有機顔料(アゾ顔料・フタロシアニン顔料)を11月1日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、80~400円/kg
・デンカがアルミナセメントを11月1日納入分より値上げ
 値上げ幅は、デンカアルミナセメント1号:15円/kg、デンカハイアルミナセメント:30円/kg、デンカハイアルミナセメントスーパー:30円/kg
・クラレが液状ゴム及びイソブチレン系水溶性樹脂を11月1日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、40円/kg、0.40US$/kg
・信越化学工業がクロロメタン製品を11月15日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、メチルクロライド:20円/kg以上、メチレンクロライドおよびクロロホルム:30円/kg以上
・JNCがオキソ誘導品を11月21日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、35円/kg以上
・東ソーが液体苛性ソーダを11月21日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、20円/kg以上(固形換算ベース)
・東ソーがエチレンアミンを12月1日納入分より値上げ
 値上げ幅は、15%以上
・バンドー化学が搬送用樹脂ベルトを1月1日受注分より値上げ
 値上げ幅は、5%

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