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2021年12月23日号

2021.12.23 発行

HEADLINE

◆樹脂:日本ポリプロが水島工場のポリプロピレン製造設備を停止、生産再開は2022年2月初旬の予定(12月17日)
◆電子材料:三菱ケミカルが半導体封止材・電子材料向け特殊エポキシ樹脂の生産能力を増強(12月16日)
◆植物原料:王子ホールディングスが「セルロースを補強繊維とした減プラ素材」のサンプル提供を開始(12月16日)
◆水処理関連:東レが下廃水処理向けスケール防止剤のグローバル販売を開始(12月16日)
◆装置材料:住友大阪セメントが半導体製造装置部品ESCの生産能力を増強(12月15日)
◆フィルム:積水化学工業が5G通信向け透明フレキシブル電波反射フィルムを開発(12月15日)
◆研究開発:住友化学が大阪・筑波・千葉の研究拠点の再編を発表(12月15日)
◆電子材料:三井金属が次世代半導体チップ実装用特殊キャリアの海外向け量産を開始(12月14日)
◆バイオマス:三井化学が大阪工場にてバイオマスナフサからのプラスチック・化学品製造を開始(12月14日)
◆価格改定
・クラレがポリビニルアルコール樹脂を12月14日出荷分より値上げ
・東亞合成が液体カセイソーダを12月16日出荷分より値上げ
・東亞合成が次亜塩素酸ソーダを12月16日出荷分より値上げ
・デンカがポリビニルアルコールを12月21日出荷分より値上げ
・昭和電工がアンモニアを1月1日出荷分より値上げ
・DICグラフィックスがグラビア・フレキソインキ製品、接着剤、製缶用塗料、金属インキ製品を1月1日出荷分より値上げ
・クラレがイソプレンケミカル関連製品を1月1日出荷分より値上げ
・クラレトレーディングがポリエステル長繊維を1月1日出荷分より値上げ
・東亞合成が工業用接着剤製品を1月1日出荷分より値上げ
・東亞合成が粉体塗料製品を1月1日出荷分より値上げ
・東ソーがPPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂を1月1日出荷分より値上げ
・東ソーがポリウレタン原料のトリレンジイソシアネート(TDI)を1月4日納入分より値上げ
・デンカが輸出向けクロロプレンゴムを1月4日出荷分より値上げ
・日本ポリエチレンがポリエチレンを1月15日納入分より値上げ
・積水化学工業が塩化ビニル管、強化プラスチック複合管および関連製品を1月21日出荷分より値上げ
・日本東海インダストリアルペーパーサプライが段ボール原紙・特殊板紙・クラフト紙を2月1日出荷分より値上げ
・バンドー化学が伝動ベルト、ゴム製品およびプーリ/金属製品を3月1日受注分より値上げ
 
 

WEEKLY NEWS

◆樹脂:日本ポリプロが水島工場のポリプロピレン製造設備を停止、生産再開は2022年2月初旬の予定(12月17日)
日本ポリプロは、水島工場のポリプロピレン製造設備の一部に損傷が生じたことから、当該製造設備10 万トン/年を停止したと発表した。
損傷箇所は設備の更新が必要であるため、更新完了までの間は当該製造設備を停止せざるを得ないとの判断に至った。
生産再開は、2022年2月初旬の予定としている。

◆電子材料:三菱ケミカルが半導体封止材・電子材料向け特殊エポキシ樹脂の生産能力を増強(12月16日)
三菱ケミカルは、福岡事業所に半導体封止材・電子材料向け特殊エポキシ樹脂の新たな生産拠点を設けると発表した。
エポキシ樹脂は、塗料や接着剤、半導体封止材など幅広い用途で使用されている材料で、同社の特殊エポキシ樹脂は、高耐熱・低溶融粘度・低吸水などの特性に優れる。三菱ケミカルは、三重事業所においてエポキシ樹脂を生産しているが、半導体市場は今後も著しい成長が見込まれている中で、福岡事業所に新系列を設置することとした。
今回の増強により、半導体封止材・電子材料向け特殊エポキシ樹脂としては現行比で約3割の能力増強となり、商業生産開始は2023年4月を予定している。今後、更なる生産能力増強も検討していくとしている。

◆植物原料:王子ホールディングスが「セルロースを補強繊維とした減プラ素材」のサンプル提供を開始(12月16日)
王子ホールディングスは、植物原料由来であるセルロースを補強繊維としたマット(以下、セルロースマット)を開発し、サンプル提供を開始したことを発表した。
このセルロースマットは不織布を製造する独自の技術を活用して製造されており、植物原料由来のセルロース繊維とポリオレフィン系繊維が均一に分散されている。また、低密度で柔らかいため、絞りのある立体的な形状にも成形でき、良好な樹脂含侵性もある。このセルロースマットを熱加工することで、プラスチックより変形に強く、割れにくいセルロース樹脂成形体になる。さらに、自社が手掛けるCNFシートなどの機能性素材を貼り合わせることで剛性などの性能向上が可能である。
今後、サンプル提供を通して顧客と共に自動車部材などへの実用化を進めるとしている。

◆水処理関連:東レが下廃水処理向けスケール防止剤のグローバル販売を開始(12月16日)
東レは、下廃水処理の汚泥脱水プロセスで発生するストルバイト析出によるスケール発生を低投与で抑え、運転コストを大幅に削減する水処理薬品RWI-8000をグローバルに販売開始すると発表した。当製品は、東レのスイス子会社が開発し、4月から一部の欧州顧客向けに先行販売している。
ストルバイトは、下廃水処理の脱水工程において、脱水用遠心分離機の表面や配管内部にスケールとして付着する。ストルバイト析出が発生する主な原因は、マグネシウムの結晶化である。同子会社は、水処理向けスケール防止剤の開発・製造で得たマグネシウムに挙動の近いカルシウムスケール抑制の技術的知見から、下廃水処理に適したスケール防止剤を開発した。
水処理用スケール防止剤の世界市場規模は330百万USDと推定され、年間5~7%で成長している。東レは、今回の開発から得られた知見を他用途にも応用することでさらなる事業拡大を目指すとしている。

◆装置材料:住友大阪セメントが半導体製造装置部品ESCの生産能力を増強(12月15日)
住友大阪セメントは、市川事業所と船橋事業所において、半導体製造装置の主要部品であるESC(静電チャック)の生産能力増強工事を着工したことを発表した。
ESCは、半導体製造工程において静電気力を用いてシリコンウェハを固定する部品であり、半導体製造装置の主要部品として使用される。同社のESCは、超高純度のSiC(炭化ケイ素)超微粒子を原料とした高純度、高熱伝導、高耐電圧、高耐久性の特性を持ち、半導体製造装置の主要部品として数多く採用されている。
同社は、これまでも2016年度から段階的にESCの生産能力増強を行ってきたが、2021年度からの半導体需要の急激な拡大や近年のESC設計構造の複雑化により、生産設備の稼働率は高い水準で推移してきた。今回、生産能力を従来の約2倍に増強し、中長期的に更なる拡大が見込まれる半導体製造装置需要に対応するとしている。

◆フィルム:積水化学工業が5G通信向け透明フレキシブル電波反射フィルムを開発(12月15日)
積水化学工業は、独自のフィルム、光学粘着材技術とMeta Materials(カナダ)のメタマテリアル技術の活用により、5G通信向けの透明フレキシブル電波反射フィルムを開発したと発表した。
5Gおよび6G通信ではLTE(4G)よりも高周波であるsub6(3.6GHz~)、ミリ波(24GHz~)が使用される。ミリ波は、伝送情報容量が大きいが、建造物などの遮蔽により電波が減衰し、通信品質が低下するという課題がある。
本フィルムは、高次電波反射構造を有するメタマテリアル層と高透明粘着剤とフィルム表面を保護する特殊コーティング層、特殊粘着剤から構成される。これを壁・天井などに貼ることにより電波を反射させ、遮蔽部に電波を届けることが可能となる。基地局や中継機の設置に比べ、安価に短期間で通信環境の改善が可能となる。また、電源不要、透明、フレキシブルであるため、あらゆる形状の部位や場所に施工が可能となる。
今後、用途開拓を進めていき、2022年度からサンプル販売を開始し、2026年度に売上高60億円を目指すとしている。

◆研究開発:住友化学が大阪・筑波・千葉の研究拠点の再編を発表(12月15日)
住友化学は、2025年1月の稼働を目途に、大阪で研究棟を新たに建設すると発表した。また、大阪地区と筑波地区の新素材の研究機能について、千葉地区へ移管し、筑波地区研究所を大阪地区と千葉地区に統合することを併せて発表した。
大阪地区は、ICTやライフサイエンスの分野について、安全性評価や工業化、事業部門の研究施設を備えている。同地区に基盤研究、インキュベーションおよびオープンイノベーションの研究機能を集約させることで、研究の初期から事業化までの一貫開発体制を構築し、新規事業の創出を加速させる。また、増加している国内外の企業や大学との連携に対応し得る「オープンラボ」を設置するとともに、将来あるべき姿を見据えた設備や仕掛けを設計コンセプトに取り入れる予定である。
千葉地区は、環境負荷低減技術や新素材の開発拠点として2024年3月に新たな研究棟の稼働を予定している。従来から取り組む環境負荷低減技術の開発により一層注力するとともに、新素材について、筑波地区および大阪地区から高難度な高分子材料などの開発に関連するリソースを移管して千葉地区に集約することで研究体制の強化を図るとしている。

◆電子材料:三井金属が次世代半導体チップ実装用特殊キャリアの海外向け量産を開始(12月14日)
三井金属は、次世代半導体チップ実装用特殊ガラスキャリア「HRDP」を、海外のICチップ実装デバイスメーカー向けに量産出荷を11月より開始したと発表した。
三井金属が開発した「HRDP」は、L/S=2/2μm以下の超高密度配線デザインを含む次世代半導体チップ実装技術のファンアウト・パッケージを高い生産効率で実現できる特殊ガラスキャリアである。
今回出荷を行う海外のICチップ実装デバイスメーカーでは、「HRDP」を用いて、SiPモジュールを5G市場向けや、その他様々な先端用途向けで製造し、拡販していく計画である。
現在、国内外の30社以上のメーカーで「HRDP」を用いたファンアウトプロセスやチップラストプロセスの開発を進めており、2022年度には評価進捗が速いメーカーから順次量産採用が始まる予定としている。

◆バイオマス:三井化学が大阪工場にてバイオマスナフサからのプラスチック・化学品製造を開始(12月14日)
三井化学は、プラスチックのバイオマス化を進めるため、同社大阪工場にて日本で初めてバイオマスナフサからのバイオマス誘導品の生産を開始すると発表した。
今回、大阪工場にNeste社のバイオマスナフサ3000トンが到着、エチレンクラッカーへの投入を開始した。今後は大阪工場のエチレンクラッカーから誘導品へ展開し、ISCC PLUS認証に基づいたマスバランス方式で各種プラスチック・化学品に割り当てバイオマス認証を付与した製品として出荷を開始する予定である。
なお、今回使用するNeste社のバイオマスナフサは、植物油廃棄物や残渣油等を原料に製造されている。同製品を使用することで、原料からプラスチック製品が廃棄されるまでのライフサイクルにおけるCO2は、石油由来ナフサ使用時に比べて大幅に削減されることが見込まれるとしている。

◆価格改定
・クラレがポリビニルアルコール樹脂を12月14日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、日本:60円/kg、ヨーロッパ:0.50ユーロ/kg、アジアパシフィック、北米、南米、中東、アフリカ:0.60US$/kg
・東亞合成が液体カセイソーダを12月16日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、20円/kg以上(固形換算)
・東亞合成が次亜塩素酸ソーダを12月16日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、5円/kg以上(タンクローリー)、10円/kg以上(ポリ缶、バッグインボックス)
・デンカがポリビニルアルコールを12月21日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、40円/kg
・昭和電工がアンモニアを1月1日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、液化アンモニア(タンクローリー):35円/kg以上、液化アンモニア(ボンベ):55円/kg以上、アンモニア水(25%濃度):10円/kg以上
・DICグラフィックスがグラビア・フレキソインキ製品、接着剤、製缶用塗料、金属インキ製品を1月1日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、グラビア、フレキソインキ全般:70円/kg、接着剤:40円/kg、硬化剤:80円/kg以上、クリヤー:40円/kg、ホワイトコーチング:50円/kg、金属インキ:70円/kg
・クラレがイソプレンケミカル関連製品を1月1日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、5~15%
・クラレトレーディングがポリエステル長繊維を1月1日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、5~15%
・東亞合成が工業用接着剤製品を1月1日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、10%以上
・東亞合成が粉体塗料製品を1月1日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、10%以上
・東ソーがPPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂を1月1日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、ベースレジン:95円/kg以上、コンパウンド:65円/kg以上
・東ソーがポリウレタン原料のトリレンジイソシアネート(TDI)を1月4日納入分より値上げ
 値上げ幅は、50円/kg
・デンカが輸出向けクロロプレンゴムを1月4日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、500ドル/トン以上、450ユーロ/トン以上
・日本ポリエチレンがポリエチレンを1月15日納入分より値上げ
 値上げ幅は、ノバテックC6・ハーモレックス:10円/kg、カーネル:12円/kg
・積水化学工業が塩化ビニル管、強化プラスチック複合管および関連製品を1月21日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、塩化ビニル管全般:30%以上、塩ビ継手、塩ビマス、および関連製品:20%以上、強化プラスチック複合管(4mを超える長尺品):10%以上
・日本東海インダストリアルペーパーサプライが段ボール原紙・特殊板紙・クラフト紙を2月1日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、15%以上
・バンドー化学が伝動ベルト、ゴム製品およびプーリ/金属製品を3月1日受注分より値上げ
 値上げ幅は、摩擦伝動ベルト、歯付ベルト:5%、プーリ/金属製品:10~15%、もみすりロール、ゴムワイパーエッジ、PSベルト、平ベルト:5%、バンコランベアリング:10%以上

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