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2021年8月19日号

2021.08.19 発行

HEADLINE

 

◆水素関連:ENEOSが製油所において有機ハイドライド(MCH)から水素を取り出す実証を開始(8月10日)

◆樹脂:日産化学が化学品事業の構造改善のためメラミン生産を停止(8月10日)

◆有機:BASFとSINOPECが中国南京市で統合生産拠点をさらに拡大(8月6日)

◆インキ:大日精化工業の坂東製造事業所が稼働開始(8月5日)

◆繊維:旭化成がスパンデックス事業の構造改革を発表(8月2日)

◆エンジニアリング:東洋エンジニアリングがポリプロピレン製造設備建設プロジェクトを受注(8月11日)

◆バイオ燃料:コスモ石油、日揮HD、レボインターナショナが共同提案した「国産廃食用油を原料とするバイオジェット燃料製造サプライチェーンモデルの構築」がNEDO事業に採択(8月2日)

◆サスティナブル:三菱ケミカルが植物由来の透湿性フィルムを発売(8月2日)

◆価格改定

・ENEOSがベンゼンの契約価格を改定

・東ソーがポリウレタン原料のジフェニルメタンジイソシアネート(MDⅠ)を8月16日出荷分より値上げ

・デンカがクロロプレンゴムの輸出分を8月16日出荷分より、国内分を8月20日納入分より値上げ

・昭和電工が不飽和ポリエステル樹脂及びビニルエステル樹脂を8月21日出荷分より値上げ

・昭和電工が液体塩素及び塩酸を9月1日出荷分より値上げ

・トクヤマがイソプロピルアルコールを9月1日出荷分より値上げ

・住友化学が液晶ポリマーを9月1日出荷分より値上げ

・東洋紡が包装用(OPP、CPP、LLDPE)フィルムを9月1日出荷分より値上げ

・東洋インキがスクリーンインキを9月1日出荷分より値上げ

・東洋インキがオフセットインキ(オフ輪、枚葉、新聞)を9月1日出荷分より値上げ

・積水化学工業が塩化ビニル管・ポリエチレン管および関連製品を9月21日出荷分より値上げ

・セントラル硝子が板ガラス製品を10月1日納入分より値上げ

 

 

WEEKLY NEWS

 

◆水素関連:ENEOSが製油所において有機ハイドライド(MCH)から水素を取り出す実証を開始(8月10日)

ENEOSは、CO2フリー水素サプライチェーンの構築に向け、製油所の石油精製装置において、水素のキャリアである有機ハイドライド・メチルシクロヘキサン(MCH)から水素を取り出し(脱水素)、利用する実証を開始することを発表した。

石油精製の既存装置を使用したMCHの脱水素は、国内初の取り組みとなっており、実証期間は2023年度末までを予定している。

また、本実証で使用するMCHの調達については、「次世代水素エネルギーチェーン技術研究組合(千代田化工建設、日本郵船、三菱商事、三井物産で構成、以下「AHEAD」)」と売買基本契約を締結しことを発表した。AHEADはブルネイ・ダルサラーム国において未利用エネルギー由来の水素からMCHを製造する。

本実証は、川崎製油所をはじめとする同社の3製油所を候補地として、海外で製造されたMCHの受け入れから、石油精製の既存装置を活用した水素の製造・利用までの一連のプロセスを検証するものである。脱水素機能を有する石油精製装置にMCHを投入し、装置稼働への影響を把握することでMCH使用可能量などを検討する。また、MCHから製造した水素は石油製品の脱硫などに利用するとしている。

 

◆樹脂:日産化学が化学品事業の構造改善のためメラミン生産を停止(8月10日)

日産化学は、化学品事業の構造改善のため、メラミンの生産を停止することを取締役会にて決定したと発表した。

日産化学のメラミン生産は、独自製造法を確立し、同社富山工場において1964年から継続してきた。近年、世界的にメラミンの生産能力が需要を大きく上回り、海外メーカーとの競争が激化し、化学品事業の採算性は著しく悪化している。また、プラントは経年劣化が進み、維持更新に必要な費用が増嵩することから、中長期的な収益確保が困難と判断し、メラミンの生産停止を決定した。

メラミンおよび微粉メラミンの生産は、2022年6月に停止を予定しており、販売は在庫がなくなり次第終了する。また、メラミン誘導品であるメラミンシアヌレート、SMF/アクセリート、メラミン樹脂は、原料メラミンを購入品に切り替えて事業を継続するとしている。

 

◆有機:BASFとSINOPECが中国南京市で統合生産拠点をさらに拡大(8月6日)

BASFとSINOPECは、両社の出資比率50:50の合弁会社であるBASF-YPCが中国・南京市のフェアブント拠点(統合生産拠点)の生産能力を拡大すると発表した。

プロピオン酸、プロピオンアルデヒド、エチレンアミン、エタノールアミン、精製エチレンオキシドの生産能力を拡大し、アクリル酸tert-ブチル工場を建設する。このアクリル酸tert-ブチル工場は、原材料として既存のフェアブント拠点で製造しているアクリル酸やイソブテンを川下に拡張するもので、この生産技術はドイツ国外で初めて適用されるものである。

拡張した新工場は、2023年に始動する予定としている。

 

◆インキ:大日精化工業の坂東製造事業所が稼働開始(8月5日)

大日精化工業は、坂東製造事業所(茨城県)の稼働を開始したと発表した。

同事業所にて、グラビアインキ、フレキソインキ、コーティング剤の需要拡大への対応を行い、省力化を含めた増能力とともに業務効率化を図っていく。

なお、今回の稼働は計画のうち第一期分となっており、2022年4月より第二期分の稼働開始予定としている。

 

◆繊維:旭化成がスパンデックス事業の構造改革を発表(8月2日)

旭化成は、スパンデックス(ポリウレタン弾性繊維)事業において、製造子会社「旭化成スパンデックスヨーロッパ」における製造・販売を停止し、欧州の統括拠点である「旭化成ヨーロッパ」にて輸入販売を開始するなどの構造改革を進めることを決定したと発表した。

同社は、原料一貫製造と優れた独自技術を強みとするプレミアムストレッチファイバー「ロイカ」ブランドを有し、日本、台湾、中国、タイ、ドイツの世界5拠点において当事業を展開している。

構造改革では、同事業のさらなる体質強化、効率化を図る目的で、グローバル戦略を見直し、製造・販売体制の最適化を進める。その一環として、コスト高および欧州市場での競争激化により将来の収益性を見込むことが難しい「旭化成スパンデックスヨーロッパ」における製造販売を、2022年3月をめどに停止することを決定した。

今後は同社の欧州統括拠点である「旭化成ヨーロッパ」において、他拠点で生産した製品の販売、テクニカルサービス、マーケティング活動を継続するとしている。

 

◆エンジニアリング:東洋エンジニアリングがポリプロピレン製造設備建設プロジェクトを受注(8月11日)

東洋エンジニアリングは、プライムポリマーが市原工場(千葉県)で計画する、ポリプロピレン製造設備(20万トン/年)の建設プロジェクトを受注したと発表した。

本プロジェクトは、製品や部品の軽量化、薄肉化など幅広いニーズへ対応可能な高機能プラスチック素材の生産に加え、設備のビルド&スクラップによる生産体制の再構築によって温室効果ガス削減を実現するために、ポリプロピレン製造設備を新設する。完成予定は2024年としている。

 

◆バイオ燃料:コスモ石油、日揮HD、レボインターナショナが共同提案した「国産廃食用油を原料とするバイオジェット燃料製造サプライチェーンモデルの構築」がNEDO事業に採択(8月2日)

コスモ石油は、日揮HD、レボインターナショナル、日揮HDの国内EPC事業会社である日揮と共同提案した「国産廃食用油を原料とするバイオジェット燃料製造サプライチェーンモデルの構築」が、NEDOが行うバイオジェット燃料生産技術開発事業における公募事業「バイオジェット燃料生産技術開発事業/実証を通じたサプライチェーンモデルの構築」に採択されたと発表した。

本事業では、スマートな廃食用油収集システムの開発・実証を行うことを目指しており、資源循環型ビジネスに関する豊富な実績を有する小田急電鉄が日揮HDの受託事業者として参画することが決定している。

今後は、本事業を通して、バイオジェット燃料サプライチェーン構築に向けた事業開発を一層加速させ、2025年までにバイオジェット燃料製造設備の稼働、供給開始を目指すとしている。

 

◆サスティナブル:三菱ケミカルが植物由来の透湿性フィルムを発売(8月2日)

三菱ケミカルは、植物由来原料を用いた透湿性フィルム「Green KTF」の販売を開始したと発表した。

「KTF」は、天然物由来の炭酸カルシウムと、石油由来のポリエチレンを主原料とする微多孔質のフィルムである。水蒸気より大きく水滴よりも小さい孔径を有することにより、湿気は通すが水は通さない性質をもち、主に衛生材料のバックシートや高機能防護服の基材等に使用されている。

「Green KTF」は、従来の「KTF」と同等の性能を有しながら、植物由来ポリエチレンを原料に用いることで、製造時のCO2の排出量を約30%削減した。もう一つの主原料である炭酸カルシウムも含め、約9割が天然物由来のため、環境負荷を低減させた新製品としている。

 

◆価格改定

・ENEOSがベンゼンの契約価格を改定

8月契約価格は、1,065$/t(前月比+25$/t)、国内価格換算想定値は122.2円/kg

・東ソーがポリウレタン原料のジフェニルメタンジイソシアネート(MDⅠ)を8月16日出荷分より値上げ

値上げ幅は、30円/kg

・デンカがクロロプレンゴムの輸出分を8月16日出荷分より、国内分を8月20日納入分より値上げ

値上げ幅は、輸出分が500ドル/トン以上、450ユーロ/トン以上、国内分が38円/kg以上

・昭和電工が不飽和ポリエステル樹脂及びビニルエステル樹脂を8月21日出荷分より値上げ

値上げ幅は、不飽和ポリエステル樹脂:31円/Kg以上、ビニルエステル樹脂(スチレン系):45円/Kg以上、ビニルエステル樹脂(非スチレン系):49円/Kg以上

・昭和電工が液体塩素及び塩酸を9月1日出荷分より値上げ

値上げ幅は、液体塩素:8円/kg以上、塩酸:5円/kg以上

・トクヤマがイソプロピルアルコールを9月1日出荷分より値上げ

値上げ幅は、18円/kg以上

・住友化学が液晶ポリマーを9月1日出荷分より値上げ

値上げ幅は、国内:84円/kg、海外:0.8USドル/kg

・東洋紡が包装用(OPP、CPP、LLDPE)フィルムを9月1日出荷分より値上げ

値上げ幅は、200円/連(20μm換算)※連=500m2

・東洋インキがスクリーンインキを9月1日出荷分より値上げ

値上げ幅は、20%以上

・東洋インキがオフセットインキ(オフ輪、枚葉、新聞)を9月1日出荷分

より値上げ

値上げ幅は、オフセット輪転・枚葉プロセスインキ:50~100円/kg、オフセット新聞インキ:30~100円/kg、調色、中間色、特殊、フォームインキ、添加剤等:20~30%

※ 一部、原材料や生産事情により上記改定幅と異なる製品あり

・積水化学工業が塩化ビニル管・ポリエチレン管および関連製品を9月21日出荷分より値上げ

値上げ幅は、塩化ビニル管全般:10%以上、塩ビ継手及び塩ビマス:6%以上、ポリエチレン管及び継手:6%以上

・セントラル硝子が板ガラス製品を10月1日納入分より値上げ

値上げ幅は、フロート板ガラス・鏡製品:15~20%、型板ガラス・網入型板ガラス:35~40%、網入磨板ガラス:30%、加工ガラス製品(建装商品含む):10~30%

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