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2022年4月28日号

2022.04.28 発行

HEADLINE

◆3Dプリント:三井金属がファインセラミックス3Dプリンティング受託サービスを開始(4月21日)
◆リサイクル:トクヤマとトクヤマ・チヨダジプサムが廃石膏ボードリサイクル事業の第3拠点を北海道に建設(4月21日)
◆Ai:昭和電工がAI予測システムに機械学習オペレーションを導入し材料開発の迅速化を実現(4月21日)
◆リサイクル:住友金属鉱山の「蓄電池リサイクルプロセスの開発と実証」がNEDOグリーンイノベーション基金事業に採択(4月21日)
◆電池材料:住友金属鉱山の「次世代蓄電池用高性能正極材料の開発と実証」がNEDOグリーンイノベーション基金事業に採択(4月21日)
◆電子材料:京セラ鹿児島川内工場に新工場棟を建設、有機パッケージ・水晶デバイス用パッケージの需要増に対応(4月20日)
◆リサイクル:JX金属の「クローズドループ・リサイクルによる車載LiB再資源化」がNEDOグリーンイノベーション基金に採択(4月20日)
◆紙容器:王子ホールディングスが植物由来の「ポリ乳酸ラミネート紙」を開発(4月19日)
◆バイオテクノロジー:長瀬産業と日立グループが次世代バイオ生産技術の共同開発を開始(4月19日)
◆リサイクル:住友化学が電動車用リチウムイオン電池の低環境負荷型リサイクルプロセスの開発・実証事業を開始(4月19日)
◆CO2抑制:ENEOSがCO2を原料とした合成燃料の製造技術開発がグリーンイノベーション基金に採択されたことを発表(4月19日)
◆メディカル:旭化成メディカルが次世代抗体医薬品CDMOの米国Bionova Scientific社を買収(4月14日)
◆日本電気硝子が水素-酸素バーナーを用いた燃焼技術によるガラス溶融に成功(4月19日)
◆価格改定
・住友ベークライトが工業用フェノール樹脂およびフェノール樹脂成形材料を4月21日出荷分より値上げ
・住友ベークライトがエポキシ粉体塗料および液状エポキシ樹脂製品を4月21日出荷分より値上げ
・トクヤマがイソプロピルアルコールを5月1日出荷分より値上げ
・DICが可塑剤を5月10日納入分より値上げ
・タキロンシーアイがOPS・PET熱収縮フィルムを5月20日出荷分より値上げ
・積水化学工業が塩化ビニル管・ポリエチレン管・強化プラスチック複合管および関連製品を5月23日出荷分より値上げ
・堺化学工業がバリウム製品を6月1日納入分より値上げ
・石原産業が酸化チタンを6月1日納入分より値上げ
・関西ペイント販売が運賃を6月1日より値上げ
・オリエンタル酵母工業がイースト(パン酵母)を7月1日納品分より値上げ
 
 

WEEKLY NEWS

◆3Dプリント:三井金属がファインセラミックス3Dプリンティング受託サービスを開始(4月21日)
 三井金属は、アズワンおよびLithoz(本社:オーストリア)と協働し、ファインセラミックス3Dプリンティング受託サービスを開始したことを発表した。
 三井金属の各種セラミックス素材取り扱いのノウハウおよび焼成技術と、アズワンの「科学」・「医療」を中心とした理化学機器販売網による広範な顧客ネットワーク、Lithoz社の「高密度」・「高精度」の3D造形技術を活かし、3社協働によるファインセラミックスの3Dプリンティング受託サービスを開始した。
 今回は、Lithoz社のセラミックス3DプリンターCeraFab S65 MEDICALを導入した。同プリンターは医療用・歯科用部品作製用の専用ソフトもインストールされており研究用途や既存部品にも対応が可能となっている。また現時点で対応可能な材料はアルミナだが、その他ジルコニア・シリカ・窒化ケイ素・アパタイトなど順次立ち上げるとしている。

◆リサイクル:トクヤマとトクヤマ・チヨダジプサムが廃石膏ボードリサイクル事業の第3拠点を北海道に建設(4月21日)
 トクヤマとトクヤマ・チヨダジプサム(以下TCG)は、廃石膏ボードリサイクル事業の国内3番目の拠点として、北海道室蘭市に新工場の建設を決定したことを発表した。
 TCGは、トクヤマが開発した世界初の廃石膏の連続大型再結晶化技術により、廃石膏ボードリサイクル事業の運営を行っており、2013年に三重本社工場、2016年に千葉県に関東工場を稼働させ、現在両工場で年間約10万tの廃石膏ボードをリサイクルしている。
 新工場においては、北海道一円より廃石膏ボードを収集し、再結晶化した二水石膏の製造・販売を行う計画である。
新工場の製造能力は年産2万t(廃石膏ボード処理量)、総事業費は約8億円、2023年4月の営業運転開始の予定としている。

◆Ai:昭和電工がAI予測システムに機械学習オペレーションを導入し材料開発の迅速化を実現(4月21日)
 昭和電工は、人工知能(AI)を用いた材料開発において、機械学習モデルを効率的に運用する仕組み、MLOps(機械学習オペレーション)を構築し、活用を開始したと発表した。
 昭和電工は、材料の配合探索などにおいて、機械学習モデルを用いて材料特性の予測や最適な特性を持つ材料の設計条件の提案などを行うAIシステム(AI予測システム)を活用しているが、AI予測システムにおける機械学習プロセスでは各々に応じた作業が必要で、多くの手間と時間を要していた。同社では、機械学習モデルを効率的に運用する仕組みであるMLOpを構築し、機械学習モデルの開発からシステムの運用までの一連の流れに要する時間を従来の1カ月当たり5日から1日に短縮することが可能となった。
 昭和電工では、これにより、機械学習モデルの開発からシステムの運用までに要する時間短縮と予測精度の向上、多数のAI予測システムの安定的な運用が可能になり、迅速な材料提案を実現するとしている。

◆リサイクル:住友金属鉱山の「蓄電池リサイクルプロセスの開発と実証」がNEDOグリーンイノベーション基金事業に採択(4月21日)
 住友金属鉱山は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、NEDO)から公募された 「グリーンイノベーション基金事業/次世代蓄電池・次世代モーターの開発」プロジェクトの研究開発項目の一つである「蓄電池のリサイクル関連技術開発」に対して、関東電化工業とともに「蓄電池リサイクルプロセスの開発と実証」を提案し、採択されたことを発表した。
 本事業では、住友金属鉱山の非鉄金属製錬技術ならびに関東電化工業のリチウム回収技術を用いて、使用済みのリチウムイオン電池等の二次電池から銅、ニッケル、コバルト、 リチウムを回収し、水平リサイクルする事業の創出・拡大を目指すとしている。

◆電池材料:住友金属鉱山の「次世代蓄電池用高性能正極材料の開発と実証」がNEDOグリーンイノベーション基金事業に採択(4月21日)
 住友金属鉱山は、NEDOから公募された「グリーンイノベーション基金事業/次世代蓄電池・次世代モーターの開発」プロジェクトの研究開発項目の一つである「高性能蓄電池・材料の研究開発」に対して、「次世代蓄電池用高性能正極材料の開発と実証」を提案し、採択されたと発表した。
 本事業では、同社での蓄電池用正極材料の製品群のさらなる展開を図るうえで、全固体電池を含む高性能リチウムイオン電池の実用化を可能にする高性能正極材料とGHG排出量低減プロセスの開発と実証を進めていくとしている。

◆電子材料:京セラ鹿児島川内工場に新工場棟を建設、有機パッケージ・水晶デバイス用パッケージの需要増に対応(4月20日)
 京セラは、有機パッケージや水晶デバイス用パッケージなど、半導体部品の増産に伴う生産スペース確保を目的に、鹿児島川内工場に国内最大の建屋となる第23工場を建設することを決定したことを発表した。
 現在、有機パッケージは、5Gの本格化により基地局やデータセンター向けの需要が拡大していることに加え、ADAS(先進運転支援システム)や自動運転技術の高度化により、センサーカメラや高機能プロセッサ向けなどの需要の伸びが見込まれている。一方で、水晶デバイス用パッケージは、パソコンやスマートフォンといった情報端末から、家電、自動車、産業機械など多様な機器に搭載されることから、今後も市場拡大が期待されている。
 これらの需要増加に対応するため、2023年10月から新工場棟の稼働を順次開始し、有機パッケージの大幅な増産を進めるとともに、水晶デバイス用パッケージにおいても、市場動向等を踏まえながら、生産増強を図っていく。なお、新工場棟の稼働により、同工場における有機パッケージの生産能力は、現状の約4.5倍となる。
 新工場の投資額は約625億円、2024年4月~2025年3月の生産計画は約330億円/年としている。

◆リサイクル:JX金属の「クローズドループ・リサイクルによる車載LiB再資源化」がNEDOグリーンイノベーション基金に採択(4月20日)
 JX金属は、NEDOから公募された「グリーンイノベーション基金事業/次世代蓄電池・次世代モーターの開発プロジェクト/蓄電池のリサイクル関連技術開発」に対して、「クローズドループ・リサイクルによる車載LiB 再資源化」を提案し、採択されたと発表した。
 本事業では、将来大量発生する使用済みリチウムイオン電池(LiB)から、高純度のレアメタルを高効率で回収し、再びLiBの原料としてサプライチェーンに供給する「クローズドループ・リサイクル」の社会実装に向け、大学や公的研究機関と連携して技術開発を進める。これにより、LiBのサプライチェーン強化とサーキュラー・エコノミー(循環経済)構築に資することを目指すとしている。

◆紙容器:王子ホールディングスが植物由来の「ポリ乳酸ラミネート紙」を開発(4月19日)
 王子ホールディングスと、グループ会社の王子パッケージングは、植物由来原料のポリ乳酸を使用した、ポリ乳酸ラミネート紙の開発に成功したと発表した。
 一般的にラミネート紙は可燃ごみとして扱わており、牛乳パックなどリサイクルシステムが構築されたものでも、紙原料から取り除かれたプラスチック部分は燃料などとしてサーマルリサイクルされている。
 今回、同社では、石油由来プラスチックを使用せずに、植物由来のポリ乳酸を使用したラミネート紙の開発に成功した。ポリ乳酸は、植物由来であるため燃焼しても大気中のCO2を増やさず、コンポスト条件下で生分解する環境負荷の低いプラスチックである。
 本開発品は、ポリ乳酸を使用することで石油由来プラスチック削減に貢献でき、かつ従来品同等のヒートシール性や耐水耐油性を有するラミネート紙になるとしている。

◆バイオテクノロジー:長瀬産業と日立グループが次世代バイオ生産技術の共同開発を開始(4月19日)
 長瀬産業、日立製作所、日立プラントサービスは、物質生産能力を最大限引き出した微生物(スマートセル)を用いた、希少アミノ酸「エルゴチオネイン(EGT)」をはじめとした有用物質の精密発酵プロセス確立に向けた共同開発を開始すると発表した。
 健康食品や医薬品、化粧品の原料や化成品などに用いられる各種有用物質は、原料を反応槽に投入し攪拌して反応を進行させる化学合成法や、天然物からの抽出法などで製造されてきた。今回共同開発するのは、一般的な化学合成法と比べて、環境負荷を抑えつつ、有用物質の生産性を大きく向上できる可能性を持つスマートセルによる次世代バイオ生産技術である。
 今後、実用化への課題である生産プロセスのスケールアップと安定生産に向けて、取り組んでいく。3社は、2022年4月から具体的な共同開発を進めていくとしている。

◆リサイクル:住友化学が電動車用リチウムイオン電池の低環境負荷型リサイクルプロセスの開発・実証事業を開始(4月19日)
 住友化学とJERAは、NEDOの「グリーンイノベーション基金事業/次世代蓄電池・次世代モーターの開発プロジェクト」で電動車用リチウムイオン電池のリサイクルプロセスの開発に関する事業に採択されたと発表した。事業期間は2022年度から2030年度までの9年間である。
 カーボンニュートラルの実現に向けて電動車の増加が見込まれる中、使用済み電池の材料に含まれる希少金属を、環境負荷が小さく効率的な方法で分離回収し、電池材料として再利用することが求められている。
 本事業では、JERAは、これまで開発してきた高電圧パルス技術等を活用し、非焙焼方式の電池材料分離回収プロセスの開発・実証を行う。住友化学は、JERAが分離回収した正極材を金属に戻さずに再生する技術の開発・実証を行う。また、正極材の性能をリサイクル前と同等以上に改善する技術も開発する。
 両社は、正極材をはじめとした電池材料を酸化劣化させることなく効率的に回収・再利用することに加え、CO2排出量の低減およびコスト削減を目指すとしている。

◆CO2抑制:ENEOSがCO2を原料とした合成燃料の製造技術開発がグリーンイノベーション基金に採択されたことを発表(4月19日)
 ENEOSは、同社が取り組むCO2からの合成燃料製造技術開発が、NEDOの「グリーンイノベーション基金事業/CO2等を用いた燃料製造技術開発プロジェクト」に採択されたと発表した。
 合成燃料は、原料に再生可能エネルギー由来の水素とCO2を使用することから、製品ライフサイクル全体においてCO2排出量を抑えることのできるカーボンニュートラル燃料である。
 液体燃料である合成燃料は、電池などと比較して、一定の体積・重量に含まれるエネルギー量が大きく、既存インフラを活用できることに加え、電化や水素活用に適さない領域での使用が期待されている。
 同社は今後、小規模プラント検証、スケールアップした大規模パイロットプラント検証を通じて、プロセス全体の早期技術確立を目指し、コスト低減に向けてプロセス全体の高効率化に取り組み、最終的には液体燃料の収率を80%以上に向上させることを目指す。将来的には2040年頃までの自立商用化を目指すとしている。

◆メディカル:旭化成メディカルが次世代抗体医薬品CDMOの米国Bionova Scientific社を買収(4月14日)
 旭化成メディカルは、抗体医薬品GMP製造受託を行うBionova Scientific(本社:米国)を買収する契約を締結したと発表した。
 Bionova Scientific社は、バイオ医薬品メーカーに対して製造プロセス開発およびGMP製造の受託サービスを提供している。GMP製造に関してもシングルユースバイオリアクターをはじめとする最新の設備を保有しており、新たなバイオ医薬品の急速な成長や抗体医薬品の市場拡大に伴い高まる需要に対応している。
 今回の買収により、バイオ医薬品CDMO事業を獲得することになり、Bionova Scientific社の持つノウハウを活かすことで、次世代抗体医薬品顧客を含む、より幅広い顧客層に多くのサービスを提供し、旭化成グループのヘルスケア領域のさらなる成長を目指すとしている。

◆日本電気硝子が水素-酸素バーナーを用いた燃焼技術によるガラス溶融に成功(4月19日)
 日本電気硝子は、大陽日酸と共同開発した水素-酸素燃焼バーナーを用いて、燃料に水素を100%使用したガラス溶融の実証に成功したと発表した。
 開発した水素-酸素燃焼バーナーは、天然ガスと水素の混合比率を適宜切り替えることが可能で、実証実験では、水素を100%用いた燃焼、水素と天然ガスを混合した燃焼のいずれの方法でも、混合比率に応じて流量を調整することで、天然ガスを100%用いた燃焼と同等の溶融能力を得られることが確認できた。これにより、酸素燃焼技術と水素燃焼技術を組み合わせることができ、燃焼によるCO2の排出をゼロとすることが可能となる。
 同社は、ガラス溶融について、これまで重油からLPG、天然ガスへとCO2の発生が少ない燃料への切換えを進めており、2050年までにカーボンニュートラルを達成するため、水素等のCO2フリー燃料の技術開発を行うとしている。

◆価格改定
・住友ベークライトが工業用フェノール樹脂およびフェノール樹脂成形材料を4月21日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、フェノール樹脂(固形製品):37円/㎏、フェノール樹脂(液状製品):22~30円/㎏
 ※その他の副原料価格高騰分については製品タイプにより個別に値上げ額に加算
 フェノール樹脂成形材料製品:20~24円/㎏
・住友ベークライトがエポキシ粉体塗料および液状エポキシ樹脂製品を4月21日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、エポキシ粉体塗料:4%以上、液状エポキシ樹脂:6%以上
・トクヤマがイソプロピルアルコールを5月1日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、ローリー:31円/kg以上、容器:34円/kg以上
・DICが可塑剤を5月10日納入分より値上げ
 値上げ幅は、ポリエステル系可塑剤:71円/kg以上
 エポキシ化大豆油(ESBO):20円/kg
 その他エポキシ系可塑剤:65円/kg以上
 アジピン酸系可塑剤(DOA、DINA):60円/kg以上
 トリメリット酸系可塑剤:82円/kg以上
 特殊可塑剤:88円/kg以上
・タキロンシーアイがOPS・PET熱収縮フィルムを5月20日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、OPS熱収縮フィルム:25円/kg、PET熱収縮フィルム:30円/kg
・積水化学工業が塩化ビニル管・ポリエチレン管・強化プラスチック複合管および関連製品を5月23日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、塩化ビニル管全般:20%以上
 塩ビ継手、塩ビマス、および関連製品:10%以上
 ポリエチレン管(ガス、下水用):20%以上
 ポリエチレン継手(ガス、下水用):15%以上
 強化プラスチック複合管:10%以上
・堺化学工業がバリウム製品を6月1日納入分より値上げ
 値上げ幅は、20~100円/kg
・石原産業が酸化チタンを6月1日納入分より値上げ
 値上げ幅は、60円/kg
・関西ペイント販売が運賃を6月1日より値上げ
 値上げ幅は、石油缶:30円~70円/缶、中缶:20円~30円/缶
 小缶:10円~20円/缶
・オリエンタル酵母工業がイースト(パン酵母)を7月1日納品分より値上げ
 値上げ幅は、34円/kg

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