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2022年6月30日号

2022.06.30 発行

HEADLINE

◆殺菌消毒剤:四国化成工業が塩素化イソシアヌル酸の生産能力を増強(6月23日)
◆タイヤ原料:四国化成工業が丸亀工場における不溶性硫黄設備を増強(6月23日)
◆UV硬化樹脂:三洋化成工業が硬くて曲がり基材密着性に優れるUV硬化樹脂を開発(6月23日)
◆再生可能原料:荒川化学工業が再生可能原料由来のアルコールを同社ロジン誘導体製品へ適用開始(6月23日)
◆樹脂:三井化学がリサイクル材を使用したミラストマーを開発(6月21日)
◆リサイクル:BASFが商業規模の電池リサイクル向けブラックマス生産工場を建設(6月20日)
◆電子材料:出光興産が多様なディスプレイに適用可能な多結晶酸化物半導体「Poly-OS」の開発を発表(6月21日)
◆樹脂添加剤:新日本理化がポリオレフィン樹脂向け新規結晶核剤を新発売(6月20日)
◆電池材料:BASFが中国における正極材の生産能力を拡大(6月21日)
◆電池材料:BASFがシリコン含有量20%を超えるリチウムイオン電池の負極用バインダーを開発(6月8日)
◆エンジニアリング:日揮のインドネシア法人がガス処理プラント建設プロジェクトを受注(5月20日)
◆価格改定
・東ソーがポリエステルポリオール類製品を7月1日出荷分より値上げ
・東洋インキがグラビア・フレキソインキ及びラミネート接着剤を7月1日出荷分より値上げ
・クラレが建築・自動車向け合わせガラス用中間膜PVBフィルムを7月1日出荷分より値上げ
・DICがエポキシ樹脂およびエポキシ樹脂硬化剤を7月7日納入分より値上げ
・タキロンシーアイがPVDF製品を7月21日出荷分より値上げ
・タキロンシーアイがポリカーボネートプレートを7月21日出荷分より値上げ
・タキロンシーアイがタキロンプレート製品を7月21日出荷分より値上げ
・トクヤマが液体苛性ソーダを8月1日出荷分より値上げ
・トクヤマがソーダ灰(炭酸ナトリウム)を8月1日出荷分より値上げ
・コニシがボンド製品を8月1日より値上げ
・ブリヂストンが国内市販用タイヤを9月1日より値上げ
・東洋紡は、超高強力ポリエチレン繊維を10月1日出荷分より値上げ
 
 

WEEKLY NEWS

◆殺菌消毒剤:四国化成工業が塩素化イソシアヌル酸の生産能力を増強(6月23日)
 四国化成工業は、プール用殺菌消毒剤「ネオクロール」の主成分である塩素化イソシアヌル酸の更なる需要拡大に対応するため、徳島工場北島事業所内の旧プラントを活用し、同製品の生産能力を増強すると発表した。
 同社では、顧客への安定供給を目的に同事業所に建設を進めていた塩素化イソシアヌル酸の生産設備「NEO2022」(延床面積:約3,850㎡、投資総額:約50億円)が4月に完成し、7月からの本格稼働に向け準備を進めている。
 今回、取締役会において、新プラントの稼働開始直後に停止・撤去を予定していた旧プラントの一部を改修して活用することで、拡大する塩素化イソシアヌル酸の需要に対応していくことを決定した。これにより、2023年10月には工場全体で塩素化イソシアヌル酸の生産能力は「NEO2020」稼働前の約1.6倍になる予定。投資総額は約16億円の計画としている。

◆タイヤ原料:四国化成工業が丸亀工場における不溶性硫黄設備を増強(6月23日)
 四国化成工業は、ラジアルタイヤの原料である不溶性硫黄への高い品質要求に対応するため、丸亀工場(香川県)内に新たなプラント建設を決定したことを発表した。
 不溶性硫黄はゴム分子を結合させる加硫剤として使われる高分子の硫黄で、現在タイヤの主流となっているラジアルタイヤの必須原料である。
新プラントは、2023年4月から建設工事を開始し、2024年10月末までに完成、試運転を経て同年12月から本格的な操業に入る予定である。投資総額は約45億円を計画している。今回の新プラント建設に伴い、生産能力は現在の約1.2倍になる予定としている。

◆UV硬化樹脂:三洋化成工業が硬くて曲がり基材密着性に優れるUV硬化樹脂を開発(6月23日)
 三洋化成工業は、「硬い」、「曲がる」、「基材密着性に優れる」といった機能を有する紫外線(UV)硬化樹脂『ネオジェットFL』を開発し、サンプル提供体制を確立したことを発表した。
 UV硬化樹脂などの高分子材料は、一般的に硬いと脆くなり、柔らかいと強度が低下する傾向があり、硬さと伸びを両立することは困難であった。
 本開発品は、硬くて強く、伸びが良い(強靭性の)アクリレート系のUV硬化樹脂で、同社の従来品比約18倍となる75%の伸びを示すほか、ポリイミドフィルム上に塗布・硬化した薄膜は、折り曲げ試験において、剥がれや割れが生じず、高い柔軟性と密着性を示す。ポリイミドフィルムのほか、ガラス・金属などに対する密着性にも優れている。また、低粘度で吐出安定性が高いことから、次世代のエレクトロニクス製造技術として注目されているインクジェット用途にも適用することができる。成型加工性に優れ、繰り返し折り曲げても割れないほどしなやかで透明性も高いため、光学フィルム用途にも適用可能である。
 同社は今後、高度なニーズを解決するソリューションとして、『ネオジェット』シリーズの実用化を目指すとともに、さまざまなニーズに合わせた製品を開発するとしている。

◆再生可能原料:荒川化学工業が再生可能原料由来のアルコールを同社ロジン誘導体製品へ適用開始(6月23日)
 荒川化学工業は、ロジン誘導体製品の原料であるアルコールについて、マスバランス方式に基づいた再生可能原料をベースとしたアルコールへの置換を7月製造分から順次開始すると発表した。
 再生可能原料をベースとするアルコールを適用可能な製品のうち、2022年度は約50%分の適用を目標に取り組んでいるが、100%置換することによるCO2排出量削減効果は年間約1,200トン規模となる。
 今後、ロジンだけでなく、ロジン誘導体製品に関わる周辺原料に至るまで再生可能な原料にこだわった製品を提供するとしている。

◆樹脂:三井化学がリサイクル材を使用したミラストマーを開発(6月21日)
 三井化学は、ミラストマーの主要構成剤であるポリオレフィン成分にサイクル材を使用した環境対応グレードを開発したと発表した。
 ミラストマーは、ゴム成分とポリオレフィン等のプラスチック成分で構成される柔らかさを有するプラスチックである。他の軟質樹脂と比較して、低密度で軽量、耐熱性に優れるという特徴を有している。
 今回、エコシリーズを新たにラインナップに加えることで、現在のミラストマーの主要用途である自動車材や建築材、日用雑貨以外にも、新たな用途開発も加速させ、適用範囲の拡大を目指すとしている。

◆リサイクル:BASFが商業規模の電池リサイクル向けブラックマス生産工場を建設(6月20日)
 BASFは、ドイツのシュヴァルツハイデに商業規模の電池リサイクルのためのブラックマス生産工場を建設すると発表した。
 本工場のEV用電池および工場発生スクラップの処理能力は年間15,000トンであり、2024年初頭の稼働を予定している。
 ブラックマスの生産は電池リサイクル工程の第一段階であり、ブラックマスには正極材の製造に使用される主要金属のリチウム、ニッケル、コバルト、マンガンが豊富に含まれている。また、使用済み電池を新しい電池用正極材にリサイクルすることで、サーキュラーエコノミーを実現し、カーボンフットプリントを削減することが可能となる。
 本工場によって生産されるブラックマスは、BASFが2020年代半ばに建設を予定している電池リサイクル用の商業用湿式製錬所での原料となる予定としている。

◆電子材料:出光興産が多様なディスプレイに適用可能な多結晶酸化物半導体「Poly-OS」の開発を発表(6月21日)
 出光興産とジャパンディスプレイ(以下、「JDI」)は、ウェアラブルデバイス、スマートフォン、VR、ノートPC、大型テレビ向けなど多様なディスプレイに適用できる多結晶酸化物半導体「Poly-OS(Poly-crystalline Oxide Semiconductor)」の開発に成功したと発表した。
 Poly-OSは、出光興産が開発した多結晶酸化物半導体材料とJDI独自のバックプレーン技術を融合させることで、第6世代量産ラインでの高移動度と低オフリーク電流の両立やディスプレイの性能向上に大きく貢献するだけでなく、第8世代以上の大型ラインへの適用も可能で、ディスプレイ製造の低コスト化にも大きく寄与する。
 両社は今後、多結晶酸化物半導体「Poly-OS」技術を幅広い業界関係者が適用できるよう普及に取り組むとしている。

◆樹脂添加剤:新日本理化がポリオレフィン樹脂向け新規結晶核剤を新発売(6月20日)
 新日本理化は、ポリオレフィン樹脂の成形サイクルタイムを短縮し、射出成形加工の生産能率を向上させる結晶核剤「RiKACRYSTA」を開発したと発表した。
 今回開発した「RiKACRYSTA」は、ポリプロピレン樹脂向け結晶核剤の中でもトップの結晶化速度である。また、リサイクルプラスチックに配合することで、その強度を向上させることが可能である。
 「RiKACRYSTA」はポリエチレン樹脂への添加においても成形サイクルタイムを短縮できることを確認しており、今後はポリエチレン樹脂への展開も進めていく予定としている。

◆電池材料:BASFが中国における正極材の生産能力を拡大(6月21日)
 BASFグループのBASF Shanshan Battery Materials(以下「BSBM」)は、電気自動車(EV)業界における中国国内および世界的な需要の急増に対応するため、湖南省と寧夏省で電池材料の生産能力を拡大すると発表した。
 この拡大プロジェクトにより、BSBMは正極材(CAM)の年間生産能力10万トンを実現する。
 新しい生産ラインでは、多結晶、単結晶の高ニッケルおよび超高ニッケルのニッケルコバルトマンガン酸化物(NCM)やマンガンリッチNCM製品など、高度な製品群の生産を行う。また、マンガンリッチ製品の製造はすでに数トン規模で行われており、材料の開発はさらに加速する。
 新しい生産ラインは、2022年第4四半期に稼働開始の予定としている。

◆電池材料:BASFがシリコン含有量20%を超えるリチウムイオン電池の負極用バインダーを開発(6月8日)
 BASFは、シリコン含有量が20%を超えるLicityリチウムイオン電池負極用バインダーのシリーズを拡充したことを発表した。
 Licity製品群は、加工性と塗工のしやすさ、優れた機械的および電気化学的特性を有している。新シリーズのLicity 2698XFバインダーは、20%を超えるシリコン含有量で使用可能であり、従来の特性に加え、高容量化、充放電サイクル安定性の向上、充電時間の短縮を実現することが可能である。また、バイオマスを生産工程に投入し、バインダーに割り当てることで、バイオマス由来のバインダーとして供給可能としている。

◆エンジニアリング:日揮のインドネシア法人がガス処理プラント建設プロジェクトを受注(5月20日)
 日揮ホールディングスは、同社のインドネシア現地法人であるJGCインドネシア社が、Jadestone Energy社のインドネシア法人であるジェッドストーンエナジー(レマング)社から、天然ガス処理プラント建設プロジェクトを受注したことを発表した。
 同プロジェクトは、ジェッドストーンエナジー社が保有するアカタラガス田から生産される天然ガスを精製する設備を建設し、精製されたセールスガスをガスステーションに輸送するガスパイプラインを建設するものである。同プロジェクトの完工予定としては、2024年前半を見込んでおり、精製されたセールスガスはインドネシア国内で主に火力発電所の燃料として使用される予定である。
 本プロジェクトの完工は、2024年前半の予定としている。

◆価格改定
・東ソーがポリエステルポリオール類製品を7月1日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、100円/kg以上
・東洋インキがグラビア・フレキソインキ及びラミネート接着剤を7月1日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、グラビア・フレキソインキ(色インキ):90~100円/㎏
 グラビア・フレキソインキ(白インキ、ワニス、メジウム関係):70~80円/㎏
 グラビア・フレキソインキ(硬化剤、添加剤):150~200円/㎏
 ラミネート接着剤(主剤):80円/㎏、ラミネート接着剤(硬化剤):150~200円/㎏
・クラレが建築・自動車向け合わせガラス用中間膜PVBフィルムを7月1日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、30%以上
・DICがエポキシ樹脂およびエポキシ樹脂硬化剤を7月7日納入分より値上げ
 値上げ幅は、エポキシ樹脂(ビスフェノールA型):90円/kg以上
 エポキシ樹脂(ビスフェノールF型):130円/kg以上
 エポキシ樹脂(ノボラック型固形、溶液):110~150円/kg以上
 エポキシ樹脂(難燃型):100円/kg以上
 難燃剤:150円/kg以上、ノボラック系硬化剤:130円/kg以上
 アミン系硬化剤:40円/kg以上、その他対象製品:50円/kg以上
・タキロンシーアイがPVDF製品を7月21日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、30%以上
・タキロンシーアイがポリカーボネートプレートを7月21日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、15%以上
・タキロンシーアイがタキロンプレート製品を7月21日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、20%以上
・トクヤマが液体苛性ソーダを8月1日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、30円/kg以上(固形換算)
・トクヤマがソーダ灰(炭酸ナトリウム)を8月1日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、25円/kg以上
・コニシがボンド製品を8月1日より値上げ
 値上げ幅は、15%以上
・ブリヂストンが国内市販用タイヤを9月1日より値上げ
 値上げ幅は、3~8%(商品により改定率が異なる)
・東洋紡は、超高強力ポリエチレン繊維を10月1日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、10~15%

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