2022.07.28 発行
◆電子材料:ADEKAが先端半導体メモリ向け高誘電材料の生産能力を増強(7月22日)
◆電子材料:サイコックスが8インチ貼り合せ SiC 基板開発ラインの新設を決定(7月22日)
◆香料:日本ゼオンがリーフアルコールの能力増強を完了(7月22日)
◆自動車部品:豊田合成が宮城大衡工場で内外装部品の生産開始を発表(7月22日)
◆電子材料:クアーズテックが日本での製造能力拡大への投資を発表(7月21日)
◆電子材料:日揮ホールディングスが半導体用セラミックス製品の増産に向けた新工場の立地表明式を実施(7月21日)
◆電子部品:帝人フロンティアが高強度RFIDタグの販売を開始(7月21日)
◆電池材料:BASFと戸田工業が日本の合弁会社でハイ・ニッケル系正極材料の生産能力を拡大(7月20日)
◆価格改定
・UBEがナイロン樹脂を8月1日出荷分より値上げ
・カネカが液体苛性ソーダを8月1日出荷分より値上げ
・東ソーがペースト塩ビ樹脂を8月22日納入分より値上げ
・ユニチカがスパンボンド不織布を9月1日出荷分より値上げ
・旭ファイバーグラスがグラスウール商品を10月1日出荷分より値上げ
・横浜ゴムが国内市販用タイヤのメーカー出荷価格を10月1日より値上げ
◆電子材料:ADEKAが先端半導体メモリ向け高誘電材料の生産能力を増強(7月22日)
ADEKAは、連結子会社のADEKA KOREAにて、先端半導体メモリ向け高誘電材料「アデカオルセラ」シリーズの生産能力増強を決定したことを発表した。
パソコンやスマートフォン、データセンターなどの用途でDRAM需要が伸長し、大容量化や消費電力削減などのニーズを背景に微細化が進行するなか、これを下支えする先端半導体材料の安定供給が重要視されている。
2021年にはADEKA KOREA全州第二工場内に一貫生産体制を構築し、先端製品を迅速かつ安定的に供給するための取り組みを推進してきたが、今回の増強により生産能力を2倍以上に引き上げ、より万全な供給体制を構築する。
今回の投資金額は23億円であり、2022年11月着工、2024年度中に営業運転を開始する予定としている。
◆電子材料:サイコックスが8インチ貼り合せ SiC 基板開発ラインの新設を決定(7月22日)
住友金属鉱山の子会社であるサイコックスは、8インチ貼り合せSiC 基板開発ラインを新設することを決定したと発表した。
SiCは主に電力を制御する用途で使用されるパワー半導体に使用される半導体材料で、装置全体の小型化、EVの航続距離向上も後押しできる優れた材料として注目されている。
サイコックスが製造販売する貼り合せSiC基板(商品名「サイクレスト」)は、ウエハーを2層化することで、性能面とコスト面を両立させた製品である。低抵抗多結晶SiC支持基板の上に高品質な単結晶を薄く貼り合せることによって、単結晶SiCの特性を維持しつつ、基板全体の低抵抗化、高強度化を実現している。
今後、同社グループの大口電子内に開発ラインを設置し、完工は2024年3月を予定している。さらに、需要の拡大に合わせてラインの増強を行い、2025年には既存の6インチ貼り合わせ SiC 基板量産実証ラインと合わせて、月産1万枚(6インチ換算)を目指すとしている。
◆香料:日本ゼオンがリーフアルコールの能力増強を完了(7月22日)
日本ゼオンは、2021年夏より水島工場で進めていた合成香料の主力製品であるリーフアルコールの能力増強工事が完工し、竣工式を行ったことを発表した。
リーフアルコール(cis-3-Hexenol)は、新緑の若葉のような香りを持つ合成香料であり、フレッシュ感を演出するグリーン系香料として、香水やシャンプー、石鹸などのフレグランス用途および清涼飲料や菓子などのフレーバー用途として幅広く利用されている。
今回の能力増強は、フレグランスおよびフレーバー用途における安定的な市場成長が見込まれるためである。能力増強により同製品の年間生産能力は1,600トンへと拡大され、今後試運転を行い、9月から本格生産を開始する予定としている。
◆自動車部品:豊田合成が宮城大衡工場で内外装部品の生産開始を発表(7月22日)
豊田合成のグループ会社である豊田合成東日本は、2022年7月、宮城大衡工場において、大型樹脂製品の生産を開始したと発表した。
豊田合成では、トヨタ自動車グループが中部・九州に次ぐ国内第3の自動車生産拠点と位置付ける東北で、これまでエアバッグやウェザストリップなどを生産してきた。今回、内外装部品の自社工場の稼働により、主要製品の生産体制を強化する。
今後同工場では、従来国内の他の地域から供給していたフロントグリルなどの樹脂塗装製品をトヨタ自動車東日本の近隣で生産することで競争力の向上を図るとしている。
◆電子材料:クアーズテックが日本での製造能力拡大への投資を発表(7月21日)
クアーズテックは、同社の親会社であるクアーズテック・インクが、クアーズテックの半導体セラミック製造を拡大するための設備投資計画を承認したことを発表した。
同社は、山形県と長崎県の既存事業所を中心に半導体向けセラミック製品の増産のための設備投資を行う。この投資を含む大規模な増産のため、2023年第1四半期までに、山形県と長崎県の事業所を中心に、約300人を増員する。新しい設備は2024年に稼働する予定としている。
◆電子材料:日揮ホールディングスが半導体用セラミックス製品の増産に向けた新工場の立地表明式を実施(7月21日)
日揮ホールディングスは、2023年12月を目途に宮城県富谷市に新たな土地を取得し、同地に日揮グループの機能材製造事業会社である日本ファインセラミックス(以下、JFC)の新工場等を2024年に建設すると発表した。
半導体産業は中長期的には発展することが見込まれており、これに合わせて半導体製造装置市場、および電気自動車、高速鉄道や産業機器の省電力化に必要不可欠な各種機器の電力を制御するパワー半導体市場に関しても、中長期的に拡大していく見通しである。
JFCは、本年6月に公表した半導体製造装置用セラミックスの高精度化およびパワー半導体用窒化ケイ素基板の増産に向けた投資計画に続き、今後の需要拡大に合わせて、これら製品の追加増産に向けてさらに設備投資を行うことを計画している。JFCでは2024年に新工場の建設を開始し、2024年度内に操業を開始する予定としている。
◆電子部品:帝人フロンティアが高強度RFIDタグの販売を開始(7月21日)
帝人フロンティアは、RFIDタグのブースターアンテナにアラミド繊維を使った導電糸を使用することで、耐久性と柔軟性をあわせ持つ高強度なRFIDタグ「RECO TAG」を開発し、本年7月より販売を開始すると発表した。
同商品は、屈曲が可能で高い強度と高弾性および、耐熱性を発揮するため、高温洗浄・乾燥が必要な工業洗濯を行う製品にも使用可能であり、ラベルの基材にポリエステル繊維を使用することで、薄型・軽量性を可能としている。また、通常の繊維製品の検針機や金属探知機を通過させる場合に、一般的なRFIDタグと比較し、 反応しにくく効率よく作業が可能といった特徴がある。
本年7月よりユニフォーム向けに展開を開始し、その後、ホテルリネン向けなど幅広く展開し、2023年度に32百万円、2027年度に300百万円の売上を目指すとしている。
◆電池材料:BASFと戸田工業が日本の合弁会社でハイ・ニッケル系正極材料の生産能力を拡大(7月20日)
BASFと戸田工業は、BASF戸田バッテリーマテリアルズ合同会社(以下、BTBM)の小野田事業所の生産能力を拡大すると発表した。
BTBMは、2015年に設立された合弁会社であり、BASFジャパンが66%、戸田工業が34%出資している。今回の小野田事業所の能力拡大は、日本政府が目指す国内のサプライチェーン強靭化を支援する。戸田工業とBASFのリソースを結集し、シナジーを最大限に発揮して、急速に拡大するリチウムイオン電池の需要に対応していく。
小野田事業所における増設ラインの建設は2022年第4四半期に開始し、商業生産は2024年下半期を予定している。2025年までに、BTBMのハイ・ニッケル系正極材料(CAM)の年間生産能力は6万トンまで拡大するとしている。
◆価格改定
・UBEがナイロン樹脂を8月1日出荷分より値上げ
値上げ幅は、ナイロン66:60円/kg、ナイロン12:140円/kg
・カネカが液体苛性ソーダを8月1日出荷分より値上げ
値上げ幅は、30円/kg以上(固形換算ベース)
・東ソーがペースト塩ビ樹脂を8月22日納入分より値上げ
値上げ幅は、ホモポリマー:40円/kg以上
コポリマー:50円/kg以上
・ユニチカがスパンボンド不織布を9月1日出荷分より値上げ
値上げ幅は、10%以上
・旭ファイバーグラスがグラスウール商品を10月1日出荷分より値上げ
値上げ幅は、25%
・横浜ゴムが国内市販用タイヤのメーカー出荷価格を10月1日より値上げ
値上げ幅は、最大8%(品種、商品、サイズなどにより異なる)