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2022年8月25日号

2022.08.25 発行

HEADLINE

◆樹脂:ユニチカがバイオマス原料を使用した樹脂の販売を強化(8月19日)
◆樹脂:BASFがUltramid ポリアミドの新グレードを発表(8月19日)
◆リサイクル:帝人がリサイクルシステム構築の取り組み開始を発表(8月18日)
◆ゴム製品:横浜ゴムがインド新工場でオフハイウェイタイヤの生産を開始(8月18日)
◆集束剤:三洋化成工業が炭素繊維用集束剤の生産能力を増強(8月17日)
◆リサイクル関連:BASFがプラスチックのリサイクルを可能にする触媒と吸着剤の新シリーズを発表(8月17日)
◆電子部品:京セラが鹿児島国分工場に新工場棟の建設を発表(8月17日)
◆価格改定
・住友化学が硫酸を8月25日出荷分より値上げ
・住友化学が苛性ソーダ及びエピクロルヒドリンを8月25日出荷分より値上げ
・クラレが液状ゴムを9月1日出荷分より値上げ
・UBEエラストマーが合成ゴム製品(BR)を9月1日出荷分より値上げ
・関西ペイント販売が塗料及びシンナー製品を10月1日より値上げ
・デンカが球状アルミナを10月1日納入分より値上げ
・デンカが球状シリカを10月1日納入分より値上げ
  
  

WEEKLY NEWS

◆樹脂:ユニチカがバイオマス原料を使用した樹脂の販売を強化(8月19日)
 ユニチカは、バイオマスで環境に貢献する樹脂の展開を発表した。
 同社は、環境意識の高まりを背景に、サステナブルな社会の実現に向け、樹脂事業において3つのバイオマス原料を使用した樹脂を提案している。1つ目がトウゴマから作られた植物由来のスーパーエンプラである「XecoT(ゼコット)」、2つ目がトウモロコシなどの植物資源からつくられた「テラマック」、3つ目が卵の殻を再利用した「カラクル」である。植物や卵殻などのバイオマス原料を利用して資源を循環させることで、環境への貢献に向けた取り組みを行っている。
 ユニチカは、環境配慮型へのニーズが高まる中、環境性能のカテゴリー化(バイオマス、リサイクル、リデュース)による理解促進と販売強化を推進することで、環境配慮型樹脂全体で売上高、数十億円規模の商品群を目指すとしている。

◆樹脂:BASFがUltramid ポリアミドの新グレードを発表(8月19日)
 BASFは、クラスAの表面仕上げと高い接着強度を実現する、塗装に最適化されたグレードUltramid A3EM8 OPを発表した。
 本グレードは、塗料との接着性を高めるためのプライマーが不要となり、塗装工程が簡略化され、生産コストが低減される。
 同品は、180°Cまでの高温に耐えられるため、塗装工程や様々な走行条件下でも寸法安定性を保つことが可能である。また、自動車外装部品に求められる耐薬品性にも優れており、現在では電動車の充電ポートのフラップに採用されている。
 今回の新グレードは強靭で剛性が高く、様々な環境条件において高い耐久性を発揮することが可能であることから、他の自動車外装部品に使用することも検討するとしている。

◆リサイクル:帝人がリサイクルシステム構築の取り組み開始を発表(8月18日)
 帝人は、中古衣料品のリユースおよびリサイクル事業を展開するファイバーシーディーエムと共同で、古着の回収および選別と、廃棄衣料品の効率的なリサイクルによる、サーキュラー(循環)システム構築に向けた取り組みを開始すると発表した。
 今回の取り組みでは、ファイバーシーディーエムが有する国内外の古着の幅広い回収ネットワークと、リユースおよびリサイクルのための選別技術と知見に加え、帝人フロンティアが培ってきたポリエステルのリサイクル技術を活用し、廃棄衣料品から再生ポリエステル原料を作り出すリサイクルシステム構築を目指す。
 両社は2022年秋から小売店などに衣料品の回収BOXを提供するなど、さらなる回収プロジェクトを開始する。また、2025年までに廃棄衣料品の選別と、その廃棄衣料品から再生ポリエステル原料生産への技術確立を目指すとしている。

◆ゴム製品:横浜ゴムがインド新工場でオフハイウェイタイヤの生産を開始(8月18日)
 横浜ゴムは、農業機械用タイヤなどオフハイウェイタイヤ(OHT)の生産販売子会社であるYokohama Off-Highway Tires(ヨコハマ・オフハイウェイタイヤ=YOHT)の生産能力増強のため、インドで建設を進めてきたVisakhapatnam工場(アンドラプラデシュ州)で生産を開始したことを発表した。
 新工場は当初2023年第1四半期から開所する予定であったが、世界的な需要増に迅速に対応するため前倒しで生産を開始した。
 新工場の年間生産能力は第1期が日量69トン(ゴム量)、第2期増強分を加えて日量132トン(ゴム量)を計画しており、第2期の生産開始は2024年第1四半期を予定している。また、将来のさらなる能力増強も視野に入れているとしている。

◆集束剤:三洋化成工業が炭素繊維用集束剤の生産能力を増強(8月17日)
 三洋化成工業は、炭素繊維の需要増加に対応するため、炭素繊維用集束剤『ケミチレン』の生産能力を増強することを決定したと発表した。
 炭素繊維は、主にプラスチックと複合した炭素繊維複合材料(CFRP)として使用される。炭素繊維は非常に細い繊維で扱いづらいため、数千から数十万本の繊維の表面に塗布し、繊維どうしを束にする働きをする薬剤が炭素繊維用集束剤である。
 一方、CFRP の成形工程には、母体となるマトリックス樹脂を含浸しやすくするために炭素繊維束を解いて炭素繊維を薄く広げる開繊という工程がある。炭素繊維の集束性が高すぎると開繊などの加工性が低下してしまうため、集束剤には「集束性」と「開繊性」といった相反する特性を両立させることが求められている。同社の炭素繊維用集束剤『ケミチレン』は、「集束性」と「開繊性」のバランスに優れた集束剤であり、高強度で表面平滑性に優れるCFRPが得られる。
 現在の生産場所である名古屋工場、京都工場に加え、今回新たに鹿島工場に生産設備を設置し、5割程度の能力増強を行う。投資金額は約7億円で、稼働予定は2024年5月としている。

◆リサイクル関連:BASFがプラスチックのリサイクルを可能にする触媒と吸着剤の新シリーズを発表(8月17日)
 BASFは、廃プラスチック由来の熱分解油を精製する先進的かつ高性能な製品として、新たにPuriCycleの発売を開始したと発表した。
 同品が精製する熱分解油は、廃プラスチックのケミカルリサイクルから得られる二次原料であり、プラスチックの製造工程におけるバリューチェーンの初期段階で投入される。熱分解油の精製は、プラスチックのケミカルリサイクルの中で最も困難な技術的課題となっている。
 同品は、廃プラスチックから得られる熱分解油中の様々な不純物を選択的に除去、または転換するために開発された新規触媒と吸着剤が含まれており、プラスチック資源循環における下流処理を可能にするとしている。

◆電子部品:京セラが鹿児島国分工場に新工場棟の建設を発表(8月17日)
 京セラは、積層セラミックコンデンサ(MLCC)の生産容量の拡大や技術開発力の強化、将来を見据えた生産スペースの確保などを目的に、鹿児島国分工場内に第5-1-2工場を建設することを決定したことを発表した。
 現在、MLCCは、通信端末や半導体関連機器の小型化・高機能化、5G普及に伴うデータセンターの増設をはじめ、車載関連においても、ADAS(先進運転支援システム)やEV技術の高度化など、今後も需要の伸びが見込まれている。
 これらの需要増加に対応するため、同社は投資総額約150億円(工場および一部の生産設備)を投じて、2023年2月より新工場棟の建設を開始し、2024年5月から新工場棟の稼働を順次開始する予定である。新工場棟の生産計画は初年度(2024年5月~2025年3月)が約100億円/年、次年度以降が約200億円/年としている。

◆価格改定
・住友化学が硫酸を8月25日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、濃硫酸(濃度98%以上):4円/kg、薄硫酸(濃度70%以上):5円/kg
・住友化学が苛性ソーダ及びエピクロルヒドリンを8月25日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、苛性ソーダ (固形換算):35円/kg、エピクロルヒドリン:80円/kg
・クラレが液状ゴムを9月1日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、国内向け:100円/kg、海外向け:US$ 1.00/kg
・UBEエラストマーが合成ゴム製品(BR)を9月1日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、80円/kg
・関西ペイント販売が塗料及びシンナー製品を10月1日より値上げ
 値上げ幅は、塗料類:15~30%、硬化剤:15~40%、シンナー類:20~40%
 ※製品によっては改定率が上下することがある
・デンカが球状アルミナを10月1日納入分より値上げ
 値上げ幅は、155円/kg以上
・デンカが球状シリカを10月1日納入分より値上げ
 値上げ幅は、70円/kg以上
 

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