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2023年10月26日

2023.10.26 発行

HEADLINE

◆LNG:JX石油開発がインドネシアタングーLNG拡張プロジェクトにおける液化天然ガス(LNG)の出荷を開始(10月20日)
◆二次電池:千代田化工建設がENEOS向けの大型蓄電池設備設置工事を受注(10月19日)
◆CO2対策:JERA、日揮HD、インドネシア国営電力会社 PLNの3社が火力発電所におけるCCS事業に関する共同調査を開始
 (10月19日)
◆3Dプリンター:旭化成が3Dプリンター用フィラメントの北米での試験販売を開始(10月19日)
◆CO2対策:コスモエネルギーホールディングスと積水化学工業がケミカルルーピング反応技術を用いたCCUに向けた共同
 検討を開始(10月18日)
◆電池材料:コスモエネルギー開発がリチウム資源開発事業への新規参入を目指した米国子会社の設立を発表(10月17日)
◆水素関連:レゾナックと川崎重工が「川崎地区での水素発電事業開発にかかる協業の覚書」を締結(10月17日)
◆生分解:三菱ケミカルと北海道大学が海洋細菌から新たなPBS分解酵素を発見(10月16日)
◆価格改定
・日本ポリエチレンがポリエチレンを11月1日納入分より値上げ
・日本ポリプロがポリプロピレンを11月1日納入分より値上げ
・プライムポリマーがポリエチレン、ポリプロピレンを11月1日納入分より値上げ
・デンカがABS樹脂、デンカIP、透明樹脂、クリアレンを11月1日納入分より値上げ
・レゾナックが酢酸及び酢酸ビニルを11月1日出荷分より値上げ
  
  

WEEKLY NEWS

◆LNG:JX石油開発がインドネシアタングーLNG拡張プロジェクトにおける液化天然ガス(LNG)の出荷を開始(10月20日)
 ENEOSホールディングスの子会社のJX石油開発は、インドネシアでオペレーターのbp社などとともに推進するタングーLNG拡張プロジェクトにおいて、増設した第三系列液化設備からのLNG生産を開始し最初のLNGカーゴを出荷したと発表した。
 第三系列液化設備の増設により、年間380万トンのLNG生産能力が既存の2系列(生産能力:年間760万トン)に新たに加わり、タングーLNGプロジェクトにおけるLNGの生産能力は合計で年間1,140万トンに増加する。
 本プロジェクトにて生産されるLNGのうち、最大で年間約280万トンはインドネシアの国営電力会社であるPT. PLN社との長期売買契約に、最大で年間約100万トンは関西電力との長期売買契約にそれぞれ充てられる。
 また、タングーLNGプロジェクトに携わる企業連合は現在、天然ガス田でのCCUS事業を含む追加開発を検討しており、今後LNG生産におけるCO2排出削減にも取り組むとしている。

◆二次電池:千代田化工建設がENEOS向けの大型蓄電池設備設置工事を受注(10月19日)
 千代田化工建設は、ENEOSより大型蓄電池設備設置工事2件を受注し、各案件ともに建設工事を遂行中であることを発表した。
 本工事は、ENEOSが同社の室蘭事業所と、ENEOSグループの大阪国際石油精製の千葉製油所内へ大型蓄電池を設置する計画であり、千代田化工建設は、ENOSが発注する蓄電池本体の設置および周辺機器を含めた設備の設計・調達・建設(EPC)業務を受注した。
 今回受注した室蘭事業所の蓄電池設備の出力は50MW、蓄電池容量は88MWh、事業開始時期は2023年度を予定しており、大阪国際石油精製の千葉製油所内の蓄電池設備の出力は100MW、蓄電池容量は202MWh、事業開始時期は2025年度の予定としている。

◆CO2対策:JERA、日揮HD、インドネシア国営電力会社 PLNの3社が火力発電所におけるCCS事業に関する共同調査を開始(10月19日)
 JERAは、日揮HD、インドネシア国営電力会社PLNと共にインドネシアにおいてPLNの子会社が保有する火力発電所を対象としたCCSの導入および事業化に向けた共同調査を開始する覚書を締結したと発表した。
 インドネシア政府は、2060年までにカーボンニュートラルを達成する目標を掲げており、同国のCO2排出量全体の約4割を占める電力セクターの脱炭素化が、重要な課題となっている。
 同覚書は、PLNの子会社が保有するインドラマユ石炭火力発電所およびタンバロロックガス火力発電所へのCCSの導入を検討し、技術的な課題や事業性の評価、法規制等について調査および課題抽出を行うことにより、CCS事業としての実施可能性を評価することを定めている。
 同調査においては、JERAは総括的な役割を担い、CCS事業に関する市場調査、事業性の評価、法制度の調査などを実施し、日揮HDはCCSの貯留技術の検討やコストの検証を実施する。また、PLNはCCS導入の検討対象となる発電所のデータ提供や現地関係機関との調整を実施するとしている。

◆3Dプリンター:旭化成が3Dプリンター用フィラメントの北米での試験販売を開始(10月19日)
 旭化成は、3Dプリンター(3DP)用フィラメントを北米にて試験販売を開始したことを発表した。
 3DPの市場規模は2022年以降も年平均20%超の成長が予測されている。既に欧米の自動車OEMでは3DP部品の利用が進んでおり、試作用途のみでなく量産用途でも搭載されていることに加え、今後は更なる自動車用途での展開や電気・電子用途での利用拡大が見込まれている。
 同社は3DP業界に向けて、フィラメントビジネスおよび、設計・シミュレーション支援ビジネスのグローバル展開を計画中であり、まずはフィラメントの販売検証を3DPの世界最大かつ先端市場である北米から進めていく。
 今回は変性PPE(ポリフェニレンエーテル)樹脂製品である「ザイロン」のフィラメント製品から提供を行い、今後はPP(ポリプロピレン)樹脂製品である「サーミレン」フィラメントのラインアップを予定している。また、並行して概念実証を進めている設計・シミュレーションサービスについても3DP業界向けに提供を行う計画としている。

◆CO2対策:コスモエネルギーホールディングスと積水化学工業がケミカルルーピング反応技術を用いたCCUに向けた共同検討を開始(10月18日)
 コスモエネルギーホールディングスと積水化学工業は、積水化学が持つ二酸化炭素(CO2)を一酸化炭素(CO)へ高効率で変換する技術(以下「ケミカルルーピング反応技術」)を用いたCCU(Carbon dioxide Capture and Utilization)に向けた共同検討について基本合意書を締結したこと発表した。
 積水化学は、独自開発した触媒と反応プロセスによって、CO2を90%という高い転化率でCOに変換するケミカルルーピング反応技術を開発している。回収したCO2から変換されたCOは、化学製品やエネルギー用途に展開可能な基幹物質であるメタノールやエタノールなどのアルコール類や、合成燃料等の原料となるため、CCUに向けた有用な物質として注目されている。
 両社は今回の共同検討を通じて、コスモエネルギーグループの製油所等から発生するCO2由来サステナブル製品の生産を目指し、CO2削減効果や投資採算性等を双方にて検討していくとしている。

◆電池材料:コスモエネルギー開発がリチウム資源開発事業への新規参入を目指した米国子会社の設立を発表(10月17日)
 コスモエネルギー開発が、米国のリチウム資源開発事業への新規参入を目指した取り組みを開始すべく、Cosmo E&P USAを設立したと発表した。
 今回参入を目指すリチウム資源開発事業は、地下かん水からリチウム回収を行うため、同社が長年培ってきた地下評価技術や掘削技術を活用できる事において優位性がある。また、既存リチウム資源開発では環境への負荷が大きい手法が多い中、地下かん水から直接リチウムを回収する直接リチウム抽出法等環境に配慮した手法が開発されている。
 リチウムは、今後需要の拡大が期待されるEVの車載用蓄電池に使用されるほか、再エネの主力電源化のために必要な電力の需給調整に使われる蓄電池等の定置用蓄電池としての使用等、今後の需要増加が見込まれている。その一方で、EVや定置用蓄電池普及に伴うリチウム不足が見込まれている。同社は、必要な資源を安定的に供給すべく、事業化に向けた調査を進めていくとしている。

◆水素関連:レゾナックと川崎重工が「川崎地区での水素発電事業開発にかかる協業の覚書」を締結(10月17日)
 レゾナックと川崎重工業は、2030年頃の水素利活用を見据えた「川崎地区の水素発電事業開発にかかる協業の覚書」を締結したと発表した。
 本覚書は、国際液化水素サプライチェーンの確立が見込まれる2030年頃に、レゾナック川崎事業所で100MW以上の水素発電事業を開始し、クリーンなエネルギーを電力市場に供給するとともに両社で活用することで脱炭素化を目指すものである。
 水素は燃焼時にCO2を排出しないため、脱炭素社会に貢献する次世代エネルギーとして世界中で注目されている。今後、2030年ごろに国際液化水素サプライチェーンが確立することが見込まれているが、供給側の着実な歩みとともに、供給された大量の水素の具体的な活用先についても検討を進めていく必要がある。
 今後両社は、本覚書による水素発電の社会実装に向けた取り組みを通じて、2030年頃の川崎地区における水素発電によるクリーンな電源供給とカーボンニュートラルの実現に貢献するとしている。

◆生分解:三菱ケミカルと北海道大学が海洋細菌から新たなPBS分解酵素を発見(10月16日)
 北海道大学大学院水産科学研究院と三菱ケミカルの研究チームは、海洋で分解性が乏しいポリブチレンサクシネート(PBS)に対し、分解性を示す海洋細菌ビブリオ・ルバー(V. ruber)を発見し、さらに同細菌から新たなPBS分解酵素の特定に成功したことを発表した。
 海洋プラスチック汚染の解決策に、PBSのような、海洋環境下で生分解するポリマーが開発されているが、土壌やコンポスト環境と比較し、海洋域で生分解性が減弱するというポリマーも多くある。
 本研究では、北海道沿岸の海水にPBSフィルムを浸漬させ培養することで、PBSの分解と資化が認められた。このフィルム上では、ビブリオ科細菌の残存量が高まった。さらなる細菌の探索で、V. ruberがPBSを分解できることが判明し、ゲノム配列から新規なPBS分解酵素遺伝子を特定した。さたにV. ruberのPBS分解酵素を、大腸菌を使って生産し、組換え酵素の高度精製に成功した。このV. ruberのPBS分解酵素はPBSフィルムを分解可能で、既知のカビ由来酵素よりも分解活性が高いことが分かった。
 今後、さらなる分解メカニズムを解明し、海洋環境におけるPBS分解促進課技術の開発や、新たな海洋分解性プラスチック開発への貢献が期待されるとしている。

◆価格改定
・日本ポリエチレンがポリエチレンを11月1日納入分より値上げ
 値上げ幅は、15円/kg以上
・日本ポリプロがポリプロピレンを11月1日納入分より値上げ
 値上げ幅は、15円/kg以上
・プライムポリマーがポリエチレン、ポリプロピレンを11月1日納入分より値上げ
 値上げ幅は、10円/kg以上
・デンカがABS樹脂、デンカIP、透明樹脂、クリアレンを11月1日納入分より値上げ
 値上げ幅は、20円/kg以上
・レゾナックが酢酸及び酢酸ビニルを11月1日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、25円/kg

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