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2024年1月18日

2024.01.18 発行

HEADLINE

◆水素関連:川崎重工業とエンジニアリング会社3社が液化水素サプライチェーンに関するJV協定を締結(1月11日)
◆炭素繊維:東レが高弾性率と強度向上を実現させた新規炭素繊維トレカM46Xを開発(1月11日)
◆樹脂:DIC、塚田理研工業、吉野電化工業がめっき可能なPPSコンパウンドを開発(1月10日)
◆メタン:東洋エンジニアリングが遠隔モニタリングシステムの構築支援を行ったメタンハイドレート長期産出試験を開始
 (1月10日)
◆リサイクル:JFEスチールが廃プラスチック利用拡大に向けたプラスチック資源循環体制を決定(1月9日)
◆樹脂関連:三菱ガス化学がレンズモノマー製造プラントの新設およびバイオマスレンズモノマーの製造販売開始を発表
 (1月5日)
◆価格改定
・デンカが電子包材用シートを2月1日出荷分より値上げ
・デンカが食品包材用スチレン系シートを2月1日納入分より値上げ
・デンカがデンカサーモシートBOPSを2月1日納入分より値上げ
・東洋紡が包装用フィルム製品を2月1日出荷分より値上げ
  
  

WEEKLY NEWS

◆水素関連:川崎重工業とエンジニアリング会社3社が液化水素サプライチェーンに関するJV協定を締結(1月11日)
 川崎重工業、東洋エンジニアリング、日揮グローバル、千代田化工建設の4社は、日本水素エネルギーが取り組む液化水素サプライチェーンに関するFEED(基本設計)業務をより効率的に進めるため、JV協定書を締結したと発表した。
 同4社は、川崎重工業をリーダー会社として、豪州での液化・出荷基地(ビクトリア州)における、水素液化設備(60t/日x2基)や陸用の液化水素貯蔵タンク(1万㎥x5基)、大型液化水素運搬船の出荷基地など、商用化の実現を見通すために必要なこれら設備に係るFEED業務を実施し、日本水素エネルギーが取り組む液化水素サプライチェーンの商用化実証を行う上で、最適な主要設備・仕様・コストなどを精査するとしている。

◆炭素繊維:東レが高弾性率と強度向上を実現させた新規炭素繊維トレカM46Xを開発(1月11日)
 東レは、高弾性率を維持しつつ強度をさらに約20%高めたトレカMXシリーズとして新規炭素繊維トレカM46Xを開発したことを発表した。
 炭素繊維の弾性率と強度はトレードオフの関係にあるが、これらの両立を実現させることは、炭素繊維の使用量を減らしても同等性能が維持でき成形部品の軽量化につながる。一方、高弾性率炭素繊維において、高弾性率を保ったまま強度を上げることは技術難易度が高く、大きな課題とされてきた。
 今回、繊維内部の黒鉛結晶構造を超微細かつ超高配向にナノレベルで制御することで、従来同等の弾性率を維持したまま、20%以上の強度向上を実現させた新規炭素繊維トレカM46Xの開発に成功した。併せて、同開発品に東レ独自の微細構造制御技術ナノアロイをマトリックス樹脂に適用したトレカM46Xプリプレグも同時に展開する。
 今回の新規炭素繊維トレカの開発により、炭素繊維複合材料(CFRP)の軽量化を通して環境負荷の低減に貢献することが期待される。今後、釣竿、自転車、ゴルフシャフトなどのスポーツ用途をはじめ、幅広い用途開拓を進め、2024年度に上市予定としている。

◆樹脂:DIC、塚田理研工業、吉野電化工業がめっき可能なPPSコンパウンドを開発(1月10日)
 DIC、塚田理研工業、吉野電化工業は共同で、めっき可能なPPSコンパウンド「DIC.PPS MP-6060 BLACK」を開発したことを発表した。
 同開発品とめっき技術の組み合わせにより、特殊なエッチング工程を必要とせず、既存のプラスチックめっきラインでスーパーエンプラPPSの金属めっき処理が量産可能となる。
 PPSに金属めっきすることにより、耐久性が必要とされる電子機器筐体やコネクタなどの金属部品の樹脂化と電磁波シールドの両立が可能となる。特に、電動化や自動運転化が進む車載部品では、ECU(電気制御ユニット)やADAS(先進運転支援システム)の筐体などの樹脂化が軽量化につながり、燃費効率と航続可能距離を向上させることで、性能とサステナビリティの両面での貢献が見込まれる。
 今後、電気自動車(EV)やPCなど耐久性が必要となる電子機器分野を中心に需要を取り込むことで、2030年の売上高30億円を目指すとしている。

◆メタン:東洋エンジニアリングが遠隔モニタリングシステムの構築支援を行ったメタンハイドレート長期産出試験を開始(1月10日)
 東洋エンジニアリングは、米国アラスカ州ノーススローププルドーベイ鉱区でのメタンハイドレート長期陸上産出試験において、ガス生産を開始したと発表した。
 この試験は、エネルギー・金属鉱物資源機構(以下、JOGMEC)から受託し支援業務を進めているものである。
 メタンハイドレートは、天然ガスの主成分であるメタンガスが、水分子と結びついた、氷状の物質で、火を近づけると燃えるという特徴を有している。過去にJOGMECは、複数回のガス産出試験を実施し、井戸内の圧力を下げることで地層中に固体で存在するメタンハイドレートを分解し、メタンガスを生産できることを証明している。しかし、商業化に向けた課題として、安定的なガス生産を継続する技術の確立と、長期にわたる生産挙動の理解が求められていた。
 2023年9月に産出試験システムによる井戸の減圧が開始され、2023年10月にはガス生産が確認された。東洋エンジニアリングは本フェーズにおいて、産出試験システム全体の遠隔モニタリングシステムの構築を行っている。
 同社は今後も引き続きJOGMECの産出試験の目的達成を支援し、国が進める未利用のエネルギー資源の開発促進に貢献するとしている。

◆リサイクル:JFEスチールが廃プラスチック利用拡大に向けたプラスチック資源循環体制を決定(1月9日)
 JFEスチールは、CO2排出削減の一環として、プラスチック資源循環体制を構築し使用済みプラスチック(以下、廃プラ)の利用拡大を図るべく、Jサーキュラーシステム(以下、Jサーキュラー)との協力体制を決定したと発表した。
 製鉄プロセスにおける廃プラの利用については、母材となる廃プラの集荷が課題となっているが、今回、JFEスチールが新たに廃プラ処理設備を設置し、その廃プラの集荷および処理設備の運転に関して、Jサーキュラーが実施することで、容器包装プラスチックだけでなく、産業廃棄物由来の廃プラも利用可能な体制となった。
 JFEスチールは、Jサーキュラーと協力体制を構築することで、廃プラのさらなる利用拡大を図っていくとしている。

◆樹脂関連:三菱ガス化学がレンズモノマー製造プラントの新設およびバイオマスレンズモノマーの製造販売開始を発表(1月5日)
 三菱ガス化学は、四日市工場(三重県)内における眼鏡レンズ向けプラスチックレンズモノマー「IURESIN」の製造設備の新設および、四日市工場浪速製造所(大阪市、以下、浪速製造所)で製造するバイオマスレンズモノマーの販売開始が決定したことを発表した。
 「IURESIN」は、眼鏡レンズ業界において最高屈折率分野である超高屈折率材料として、主に屈折率1.74の眼鏡レンズに広く使用され、世界最大のシェアを有している。同製品は近視、特に強度近視人口の増加による需要増加のため、今後も順調な市場拡大が見込まれている。市場の需要にこたえるため、四日市工場に新規製造設備を建設し、2026年内の営業運転開始を予定している。
 また、既存の浪速製造所では、植物由来の原料を使用したバイオマスレンズモノマーの製造を開始し、新ブランド「Episleaf」として2024年から販売していくとしている。

◆価格改定
・デンカが電子包材用シートを2月1日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、15円/kg
・デンカが食品包材用スチレン系シートを2月1日納入分より値上げ
 値上げ幅は、15円/kg以上
・デンカがデンカサーモシートBOPSを2月1日納入分より値上げ
 値上げ幅は、15円/kg以上
・東洋紡が包装用フィルム製品を2月1日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPP):250円/連(20μm換算)
 無延伸ポリプロピレンフィルム(CPP):250円/連(20μm換算)
 リニアローデンシティ・ポリエチレンフィルム(LLDPE):250円/連(20μm換算)
 二軸延伸ポリエステルフィルム(PET):250円/連(12μm換算)
 二軸延伸ナイロンフィルム(ONY):250円/連(15μm換算)
 透明蒸着フィルム「エコシアール」
  PETベース(コート無し):250円/連(12μm換算)
  PETベース(コート有):250円/連(12μm換算)
  ONYベース(コート無し):250円/連(15μm換算)
  ONYベース(コート有):250円/連(15μm換算)
 熱収縮ポリエステルフィルム「スペースクリーン」:625円/連(30μm換算)
 ※連:500m2

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