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11月14日

2024.11.14 発行

HEADLINE

◆タイヤ:ブリヂストンがインドで乗用車用プレミアムタイヤの生産増強と技術開発への投資を実行(11月8日)
◆エチレン:旭化成、三井化学、三菱ケミカルが西日本におけるエチレン製造設備のカーボンニュートラル実現に向けた3社
 連携の進捗を発表(11月8日)
◆有機:BASF PETRONAS Chemicalsが、マレーシアに2-エチルヘキサン酸の新プラントを竣工(11月7日)
◆メディカル:カネカが北海道に医療用カテーテル新プラントを新設(11月7日)
◆リサイクル:DICとエフピコがマテリアルリサイクルによる色柄付き発泡食品トレーの水平リサイクルを実現(11月6日)
◆複合材料:東レのグループ会社が米国の熱可塑性炭素繊維複合材料の生産拠点強化を発表(11月5日)
◆メディカル:富士フイルムの子会社FUJIFILM Diosynth Biotechnologiesがデンマーク拠点第1次投資設備の稼働を開始
 (11月5日)
  
  

WEEKLY NEWS

◆タイヤ:ブリヂストンがインドで乗用車用プレミアムタイヤの生産増強と技術開発への投資を実行(11月8日)
 ブリヂストンのインドのグループ会社であるブリヂストン インディア プライベート リミテッド(BSID)は、インド市場でのプレミアム・マス戦略を強化するため、プネ工場、インドール工場での乗用車用プレミアムタイヤの生産能力増強を決定したと発表した。
 投資金額は約8,500万米ドル(約119億円)で、2025年初より順次着手する。プネ工場では2029年までに年産約110万本増強、インドール工場は、プレミアムタイヤ生産のための質向上投資を実施する。加えて、2025年よりプネ工場内にサテライト・テクノロジーセンター機能を設置し、原材料企画から製品調査設計、モノづくりまでのエンジニアリングチェーン全体の技術開発能力強化と迅速化を図るとしている。

◆エチレン:旭化成、三井化学、三菱ケミカルが西日本におけるエチレン製造設備のカーボンニュートラル実現に向けた3社連携の進捗を発表(11月8日)
 旭化成、三井化学、三菱ケミカルの3社は、西日本におけるエチレン製造設備のカーボンニュートラル実現に向けた3社連携の進捗を発表した。
 3社は、石油資源に代わるバイオマスの原料化、低炭素燃料への転換など、エチレン製造設備のグリーン化に資する具体的な方策、ならびに将来の最適生産体制のあり方について議論を重ねてきた。
 これまでの議論の初期的評価を踏まえ、地区を跨ぐ連携においても意義があることを確認できたため、3社は共同事業体の設立を前提に、西日本におけるエチレン製造設備のグリーン化ならびに将来の能力削減も含めた生産体制最適化をさらに深く検討していくことで合意した。今回の合意は、西日本に拠点を有する3社の地区を超えた連携を強化し、石油化学製品のグリーン化をより迅速かつ効率的に実現することを目指すものである。
 今後、本取り組みに必要なコストやGHG削減効果なども含む利益は3社で公平かつ合理的に負担・享受するという考え方を基本として、エチレン製造設備のグリーン化に向けて各社の保有するGX技術を提供・実装する可能性を追求するとしている。

◆有機:BASF PETRONAS Chemicalsが、マレーシアに2-エチルヘキサン酸の新プラントを竣工(11月7日)
 BASF PETRONAS Chemicals(本社:マレーシア、以下、BPC)が、マレーシアのクアンタンにあるフェアブント拠点(統合生産拠点)おいて、2つ目となる2-エチルヘキサン酸(2-EHAcid)生産ラインの稼働を開始したと発表した。
 2-エチルヘキサン酸は、合成潤滑剤やオイル添加剤の製造に複合体として使用される化学中間体である。また、自動車用冷却液などの機能性液剤、塗料乾燥剤用金属塩、可塑剤、安定剤、触媒などの用途で使用されている。
 BASFはマレーシアのクアンタンにある生産拠点に加え、ドイツのルートヴィッヒスハーフェンにあるフェアブント拠点でも2-エチルヘキサン酸を生産している。
 2024年第3四半期からマレーシアの年間生産能力を60,000トンに倍増し、高品質な2-エチルヘキサン酸に対する需要の急増に直接対応するとしている。

◆メディカル:カネカが北海道に医療用カテーテル新プラントを新設(11月7日)
 カネカは北海道・苫東工場内にカテーテルプラントを新設することを発表した。
 同社は、心臓・末梢血管疾患および脳血管疾患向けの血管内治療用カテーテルや、がん等の消化管疾患の治療に用いる消化器用医療機器、不整脈治療に用いる検査・治療用の医療機器などでカテーテル事業をグローバルに展開している。今回のカテーテルプラントの新設により生産能力は現状の約2倍となる。新プラントはグループ会社のカネカメディックスが出資し、投資金額は約100億円、2027年3月の稼働を予定している。
 先進国を中心に高齢化が進行し、三大疾病の患者数が増加する中、医療用カテーテルを用いた手術は、患者への負担が少なくグローバルに市場規模が拡大している。これらの旺盛な需要に対し、同社は陸・海・空のアクセスが良好な北海道の苫東地域から製品をグローバルに提供することで事業を拡大し、2030年にHealth Care Solutions Unitで3,000億円の売上を目指すとしている。

◆リサイクル:DICとエフピコがマテリアルリサイクルによる色柄付き発泡食品トレーの水平リサイクルを実現(11月6日)
 DICは、四日市工場で色柄付き発泡食品トレー(以下、食品トレー)の原料であるポリスチレン(以下、PS)の溶解分離リサイクル設備を竣工したことを発表した。
 DICは、PSの完全循環型リサイクルの取り組みで協業するエフピコとともに、業界で初めてマテリアルリサイクルによる色柄付き食品トレーの水平リサイクルに取り組む。
 一般家庭から排出される使用済みの白色発泡トレーは、再び食品トレーにリサイクルされているが、色柄付き発泡トレーは、リサイクルした際に再生ペレットが黒色になってしまうため、ハンガーなどの日用雑貨品に再生利用されていた。
 この課題に対して、DICは2溶解分離リサイクル技術を開発し、PSの着色成分を溶解・分離させ透明PSに再生することで、トレーからトレーへの水平リサイクルを実現した。同設備ではエフピコが回収する色柄付き発泡トレーを原料として、年間約1万トンのリサイクルPSを供給できる体制を整える。
 今後両社は、同設備による「マテリアルリサイクル」でのリサイクル量を増やしながら、並行して「ケミカルリサイクル」の2026年の設備稼働を目標とした技術開発を進めていくとしている。

◆複合材料:東レのグループ会社が米国の熱可塑性炭素繊維複合材料の生産拠点強化を発表(11月5日)
 東レグループで炭素繊維複合材料の製造販売を行うToray Advanced  Composites(以下、TAC)は、アメリカ・コロラド州にある熱可塑性炭素繊維複合材料の製造販売を行うGordon Plastics LLCの資産や技術、知的財産を取得する契約を2024年10月に締結したことを発表した。
 これにより、熱可塑性炭素繊維複合材料の一方向テープの技術開発や生産能力が強化され、高融点樹脂を用いた製品ラインナップが拡充される。
TACは現在、5カ国に8拠点を構え、米国ではカリフォルニア州で航空宇宙、産業、スポーツ用途向けに熱硬化性炭素繊維複合材料や熱可塑性炭素繊維複合材料を生産している。
 今回取得したエングルウッドの47,000平方フィート(約4,366㎡)の施設は、研究開発および生産拠点として活用し、産業やスポーツ用途向けの熱可塑性一方向テープを生産する。新拠点で生産した製品は2024年11月から販売する予定としている。

◆メディカル:富士フイルムの子会社FUJIFILM Diosynth Biotechnologiesがデンマーク拠点第1次投資設備の稼働を開始(11月5日)
 富士フイルムの子会社で、バイオ医薬品の開発・製造受託会社(CDMO)であるFUJIFILM Diosynth Biotechnologies(フジフイルム・ダイオシンス・バイオテクノロジーズ)は、デンマーク拠点の約1,000億円を投じた第1次設備増強工事を完了し、稼働を開始したことを発表した。
 富士フイルムは、抗体医薬品の旺盛な製造委託ニーズにこたえるため、生産能力の大幅増強に向けて20,000リットルの動物細胞培養タンク30基を増設する設備投資をアメリカ・デンマーク2拠点にて進めている。今回、デンマーク拠点の第1次投資設備6基が一連の大型設備投資の第一弾として稼働した。同拠点で進行中の第2次投資ではさらに8基の増強を行い、2026年の稼働を予定している。これにより同拠点は、欧州最大のCDMO拠点となる見込みである。
 さらに、米国ノースカロライナでは、20,000リットルの動物細胞培養タンク16基を有する新拠点の建設を進めており、第1次投資の8基は2025年、第2次の8基は2028年に稼働予定である。また、デンマーク・ノースカロライナの両拠点には、製剤設備も新たに導入し、バイオ医薬品の原薬製造から充填・最終製剤化まで一貫して受託できる体制を構築するとしている。

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