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2024年12月19日

2024.12.19 発行

HEADLINE

◆電子材料:大日本印刷がEUVリソグラフィ向けフォトマスク上に2nm世代以降の微細なパターンの解像を達成(12月12日)
◆電子材料:東レが高誘電率を有する高復元性の伸縮性フィルムを創出(12月11日)
◆フィルム:ハリマ化成グループが半導体モールド用離型フィルムの開発を発表(12月11日)
◆電子材料:TOPPANが次世代半導体パッケージのコンソーシアム「US-JOINT」に参画(12月10日)
◆リサイクル:三菱マテリアルがリサイクル金属ブランド「REMINE」に4製品を追加(12月10日)
◆分離膜:ポリプラ・エボニックの耐溶剤分離膜が国内最大級のバイオディーゼル燃料の生産工場にて稼働開始(12月9日)
◆価格改定
・住友ゴム工業が国内市販用タイヤおよびチューブ・フラップの代理店向け
 出荷価格を2025年4月1日より値上げ
・旭有機材が製品価格を値上げ
  
  

WEEKLY NEWS

◆電子材料:大日本印刷がEUVリソグラフィ向けフォトマスク上に2nm世代以降の微細なパターンの解像を達成(12月12日)
 大日本印刷は、半導体製造の最先端プロセスのEUVリソグラフィに対応した、2ナノメートル(nm)世代以降のロジック半導体向けフォトマスクに要求される微細なパターンの解像に成功したことを発表した。
 また、2nm世代以降の次世代半導体向けに適用が検討されている高開口数(高NA)に対応したフォトマスクの基礎評価が完了し、半導体開発コンソーシアムや製造装置メーカー、材料メーカー等へ評価用フォトマスクの提供を開始したことを併せて発表した。高NA-EUVリソグラフィは、従来に比べて高い解像度の微細なパターンをシリコンウエハー上に形成することが可能になる。
 2nm世代以降のEUVリソグラフィ向けフォトマスクの実現には3nm世代に比べて、20%以上縮小されたパターンが要求される。また、サイズだけでなく形状も一般的な直線や矩形パターンだけでなく、複雑さを増した曲線パターンを含めた、すべての微細なパターンを同一マスク上で解像させる技術が必要となる。
 同社は今後、製造の歩留まり向上などの生産技術の確立を進め、2027年度の2nm世代ロジック半導体向け量産フォトマスク供給開始を目指していく。また、国際研究機関imecとも協力し、1nm世代も見据えたフォトマスク製造技術の開発を推進するとしている。

◆電子材料:東レが高誘電率を有する高復元性の伸縮性フィルムを創出(12月11日)
 東レは、高い復元性を有する伸縮性フィルム「REACTIS(リアクティス)」の技術を深化し、高誘電率と高い復元性を備えた伸縮性フィルムを創出したと発表した。
 近年、医療・介護や食品製造などの分野で、安全で自律的な動作ができるソフトロボットが注目されている。そのソフトロボットの有望な動力源として、誘電エラストマーアクチュエータが検討されている。
 誘電エラストマーアクチュエータは、伸縮性を有する誘電体フィルムと、両面に形成された電極からなり、電極間に電圧をかけると、フィルムの誘電率に比例した圧縮力が発生し、アクチュエータが変形することで、出力になる。この誘電体フィルムには、シリコーンやアクリルなどのエラストマーが用いられている。今回、東レが創出したフィルムは、従来のエラストマーの2倍以上の高誘電率を実現し、本開発品を用いた誘電エラストマーアクチュエータは、従来のシリコーンフィルムを用いたアクチュエータに対し、4倍以上の大出力となることを実証した。
 本開発品は、ロボットの駆動に用いるアクチュエータやセンサーの軽量化・省エネ化に貢献する他に、3次元曲面に設置可能な柔軟センサーや環境発電用素子などへの展開が期待できる。東レは、顧客へ本発明品のサンプル供給を開始することで、早期の実用化を目指すとしている。

◆フィルム:ハリマ化成グループが半導体モールド用離型フィルムの開発を発表(12月11日)
 ハリマ化成グループは、半導体の製造工程の最適化および環境負荷低減を実現する半導体モールド用離型フィルムを開発したことを発表した。
 現在、国内外顧客へのサンプルワークを進めており、早期の実績化を図るとともに、2030年に向けて市場シェア約30%獲得を目指している。
 半導体製造の後工程であるコンプレッションモールディング(圧縮成形)では、金型とモールド樹脂の間に離型フィルムを挟み込むことで金型の汚れを抑えている。同社開発品の特徴は4つある。①高いガスバリア性により成形時に発生する昇華物を遮断することで、清掃頻度をさらに減らし工程改善に大きく寄与する。②柔軟性をもった樹脂設計で使用目的に合わせてカスタマイズ可能。③シリコン・非シリコンの用途に適用し多様な場面で利用できる。④有機フッ素化合物(PFAS)フリーで、サプライチェーン全体での環境配慮を高める。
 同社は、以前から半導体向けの樹脂合成技術を確立し、急速な成長が見られている生成AI分野で、各種電子端末に搭載する半導体の機能を高める機能性樹脂のラインナップで展開している。今後、これらの技術の活かし用途の多様化を進め、より多くのニーズに応えていくとしている。

◆電子材料:TOPPANが次世代半導体パッケージのコンソーシアム「US-JOINT」に参画(12月10日)
 TOPPANは、大手半導体後工程材料メーカーであるレゾナックが主導し、2024年7月に設立された次世代半導体パッケージ分野の日米混合のコンソーシアム「US-JOINT」に、2024年11月18日より、パッケージ基板メーカーとして参画したことを発表した。
 急速に需要が拡大している生成AIや自動運転向けなどの次世代半導体では、2.5D、3Dパッケージなど、半導体パッケージの構造の複雑化に伴い、使用される材料の種類も増加している。レゾナックが主導する「US-JOINT」は、米国シリコンバレーを拠点とし、日米の有力な材料・装置等のメーカー10社が参画する、半導体パッケージング技術開発の共創プラットフォームである。
 TOPPANは「US-JOINT」に参画することで、TOPPANの強みであるハイエンドのパッケージ基板の技術開発力を活かし、顧客の関心の高い先端半導体パッケージング技術の課題解決に貢献し、新たなビジネスの機会創出につなげるとともに、半導体パッケージ基板事業の強化を目指すとしている。

◆リサイクル:三菱マテリアルがリサイクル金属ブランド「REMINE」に4製品を追加(12月10日)
 三菱マテリアルは、非鉄金属製品におけるリサイクル材料の含有率を明示した、リサイクル金属ブランド「REMINE」に、新たに「電気ビスマス(Bi)」、「Pt(白金)スポンジ」、「Pd(パラジウム)パウダー」および「三酸化タングステン(WO3-5)」の4製品を追加したことを発表した。
 REMINEシリーズは、同社のリサイクル技術を用いた非鉄金属製品で、2024年1月に「電気錫(Sn)」、「電気鉛(Pb)」の販売を開始している。
 今回追加される製品は、リサイクル材料含有率92.2%以上の「電気ビスマス」、100%の「Ptスポンジ」、「Pdパウダー」、「三酸化タングステン」である。
 「電気ビスマス」は電気電子機器の低融点はんだとして需要があり、「Ptスポンジ」、「Pdパウダー」は自動車の触媒などで使用されいる。また、電池材料として利用される「三酸化タングステン」は同社の加工事業でも製造している超硬工具などのリサイクル材料を原料としている。
 同社グループは、REMINEシリーズ製品の供給を通じて、持続可能な社会の実現に貢献していくとしている。

◆分離膜:ポリプラ・エボニックの耐溶剤分離膜が国内最大級のバイオディーゼル燃料の生産工場にて稼働開始(12月9日)
 ポリプラ・エボニックは、同社の耐溶剤分離膜「PURAMEM」(ピュラメム)が、採用先のバイオディーゼル燃料生産工場にて順調に量産稼働を開始したことを発表した。
 2023年にPURAMEMは、パートナー企業であるRITAとの連携により、国内大手のバイオディーゼル燃料メーカーであるダイセキ環境ソリューションに採用された。今回の量産化においても優れた生産性を保持したことにより年間精製能力は1,200kLとなり、蒸留装置の約17倍に相当する。
 バイオディーゼル燃料の精製工程にPURAMEM膜を使用することで、殆ど全ての不純物の除去に成功し、高品質なバイオディーゼル燃料(FAME=脂肪酸メチルエステル)を精製することが出来る。さらに、蒸留システムを用いないため、熱分解することなく、高収率での製品化が可能になる。バイオマス資源が少ない日本では、廃食用油は有効な資源として注目されており、回収してバイオディーゼル燃料化する事業は少しずつ普及し始めている。
 膜分離は省エネで生産性の高いシステムであり、同社ではサステナブルな社会の実現を目指し、パートナー企業とともに今後も展開を進めていくとしている。

◆価格改定
・住友ゴム工業が国内市販用タイヤおよびチューブ・フラップの代理店向け
 出荷価格を2025年4月1日より値上げ
 値上げ幅は、消費財系商品(乗用車用タイヤなど) :6%
 生産財系商品(トラック・バス用、農業機械用タイヤなど): 8%
・旭有機材が製品価格を値上げ
 値上げ幅は、バルブ(一部の製品):10%以上
 パイプ(各種)、継手(各種):10%以上
 混合器(一部の製品):20%以上
 パッキン(IIR-C):30%以上
 接着剤(全品種):6%以上
 AVパイプ(SU・GU):10%以上
 二重管 :10%以上

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