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2024年2月22日

2024.02.22 発行

HEADLINE

◆電子材料:東洋炭素がSiCパワー半導体向け高機能黒鉛製品の生産能力を増強(2月16日)
◆バイオ:帝人グループがモルビオ納豆菌の販売を開始(2月16日)
◆電池材料:ライオン・スペシャリティ・ケミカルズがEV向けLIB用導電性カーボンブラックの新工場建設検討のためタイの
 石油化学大手とMoUを締結(2月14日)
◆複合材料:三菱ケミカルが炭素繊維を用いた耐熱温度1,500℃のCMC材料(C/SiC)を開発(2月14日)
◆バイオマス:出光興産がバイオマスSPS樹脂の供給に向けた検討を開始(2月14日)
◆香料:ゼオングループが香料の増産設備で本格生産を開始(2月14日)
◆メディカル:帝人が再生医療 CDMO 拠点「柏の葉ファシリティ」の稼働を開始(2月14日)
◆メディカル:帝人とアクセリードが創薬研究に関する合弁会社の社名を決定(2月13日)
◆電子材料:東京応化工業が韓国子会社において新工場建設のための工場用地の取得を決定(2月13日)
  
  

WEEKLY NEWS

◆電子材料:東洋炭素がSiCパワー半導体向け高機能黒鉛製品の生産能力を増強(2月16日)
 東洋炭素は、グローバルで高まる SiC(炭化ケイ素)およびTaC(炭化タンタル)コーティング黒鉛製品の需要に対応するため、生産能力増強に向けた設備投資を決定したと発表した。
 SiCパワー半導体は中長期的に高い需要が予想されており、SiCウエハーの製造工程であるエピタキシャル工程にて使用されるSiCおよびTaCコーティング黒鉛製品の需要も高まり続けている。そこで同社は両製品の製造能力増強のため、約70億円の投資を決定した。TaCコーティング黒鉛製品については、2023年4月にも生産能力の増強を決定しているが、一段と高まる需要を受け、供給能力をさらに引き上げるべく、追加投資を決定した。
 これらの設備投資により、SiCコーティング処理能力は約3倍(2023年比)となり、TaCコーティング処理能力は6倍(2023年比)となる。稼働時期は2025~2026年(順次稼働)の予定としている。

◆バイオ:帝人グループがモルビオ納豆菌の販売を開始(2月16日)
 帝人グループで納豆菌や乳酸菌などのプロバイオティクス製品の製造・販売を展開する帝人目黒研究所は、従来展開してきた納豆菌の生菌に加え、取り扱いがしやすく、一般食品への活用も期待される納豆菌の加熱殺菌体を開発し「モルビオ納豆菌」として、販売を開始することを発表した。
 モルビオ納豆菌は、同社が展開している納豆菌BN株を基に開発された加熱殺菌体である。納豆菌は、芽胞と呼ばれる極めて耐久性の高い細胞構造を有しており、加熱や洗浄などの工程を経ても芽胞が残存する可能性があるため、菌の発芽や増殖などにより、生産ラインにおける取扱い上の難点があった。そこで、同社は、あらかじめ納豆菌を加熱殺菌することにより発芽や増殖を抑え、納豆菌の機能を生かしつつ、取り扱いを容易にすることで、サプリメントだけではなく一般食品へ適用可能な納豆菌加熱殺菌体の開発に取り組んできた。
 モルビオ納豆菌は、サプリメント用途に加え、パンや麺といった一般食品向けに3月1日より販売を開始するとしている。

◆電池材料:ライオン・スペシャリティ・ケミカルズがEV向けLIB用導電性カーボンブラックの新工場建設検討のためタイの石油化学大手とMoUを締結(2月14日)
 ライオンの連結子会社であるライオン・スペシャリティ・ケミカルズ(以下、LSC)は、主に電気自動車のリチウムイオン二次電池(LIB)の電極用導電助剤として使用される導電性カーボンブラックの世界的な需要の高まりに応えるため、タイの石油化学大手のIRPC Public Company Limited(以下、IRPC)と新工場建設に向けた検討を共同で進めるためのMoUを締結することを決定したと発表した。
 LSCが販売する導電性カーボンブラックは、LIB用導電助剤、帯電防止剤として産業界で広く採用されており、特にLIB用導電助剤用途では、電気自動車による温室効果ガス排出削減に間接的に貢献している。
 今後、IRPCと新工場建設に向けた具体的な検討を行い、2025年1月を目途に最終的な投資判断を行う予定としている。

◆複合材料:三菱ケミカルが炭素繊維を用いた耐熱温度1,500℃のCMC材料(C/SiC)を開発(2月14日)
 三菱ケミカルグループは、ピッチ系炭素繊維を用いた高耐熱のセラミックマトリックスコンポジット(CMC)を開発したことを発表した。
 一般的なCMCは、セラミック基材をセラミック繊維で強化した複合材(SiC/SiC)で、軽量でありながら高強度、高靭性、高耐熱性といった特長から、宇宙産業用途をはじめ航空や自動車のエンジン周辺部材等に使用されている。同開発品はセラミック繊維の代わりに同社グループが製造するピッチ系炭素繊維を用いたうえに表面に酸素透過バリア層を設けることで、空気中1,500℃で1時間保持しても強度が低下せず、かつてないほどの高耐熱性を有するCMC材料(C/SiC)を実現した。
 今後は、2030年代前半に実現をめざしている宇宙輸送システムの往還機熱シールドや宇宙利用・回収プラットフォーム部材への採用を視野にさらなる耐熱性能を向上させる技術開発を進めるとしている。

◆バイオマス:出光興産がバイオマスSPS樹脂の供給に向けた検討を開始(2月14日)
 出光興産は、バイオマスナフサを原料としたバイオマスSPS(シンジオタクチックポリスチレン)樹脂の供給に向けた検討を開始したことを発表した。
 近年CO2排出量の増加に伴い、資源循環やカーボンニュートラル実現に向けた取り組みが求められている。SPS樹脂の原料にバイオマスナフサを使用することで、石油由来のナフサを使用した場合と比べてCO2排出量を抑制することが可能である。
 SPS樹脂は、同社が製造したベースとなる樹脂(ニート樹脂)に、委託加工先においてさまざまな副資材を混ぜ合わせて製造している。バイオマス製品の製造にあたってはトレーサビリティが重要視されることから、委託加工先や物流事業者の協力を得て、バイオマスSPS樹脂のサプライチェーンを構築する。
 同社では、バイオマスSPS樹脂の普及に向けマイン社(本社:愛知県)と協働し、バイオマスSPS樹脂を用いた食器・箸類の製造・販売に関する検討を進める。マイン社は、バイオマスSPS樹脂を用いた食器・箸類の販売を2025年上旬に開始する予定としている。

◆香料:ゼオングループが香料の増産設備で本格生産を開始(2月14日)
 日本ゼオンの子会社であるゼオンケミカルズ米沢は、香料プラントの増産設備で本格生産を開始したと発表した。
 今回の増産は、フレグランスおよびフレーバー用途における安定的な市場成長が見込まれることから、継続して安定供給を行うことを目的としたものである。
 今後は、グリーン系香料など、主力製品の生産量を段階的に約2倍に引き上げるとしている。

◆メディカル:帝人が再生医療 CDMO 拠点「柏の葉ファシリティ」の稼働を開始(2月14日)
 帝人は、再生医療 CDMO(開発製造受託機関)事業を担う帝人リジェネットの拠点として「柏の葉ファシリティ」を千葉県柏市に設立し、稼働を開始したと発表した。
 同社は、2021年に日本の再生医療のパイオニアであるジャパン・ティッシュエンジニアリング(以下、J-TEC)との資本提携を経て、再生医療 CDMO事業に新たに参入した。2022年には、「柏の葉スマートシティ(千葉県)」に、再生医療等製品の研究・開発から、事業計画策定、商用生産までの過程をワンストップで実現する柏の葉「再生医療プラットフォーム」の構築を開始し、さらに2023年8月には、再生医療CDMOを専業とする帝人リジェネットを設立した。
 本施設は、再生医療 CDMO 事業のうち CDO(製法開発受託機関)事業の拠点として運用していくとしている。

◆メディカル:帝人とアクセリードが創薬研究に関する合弁会社の社名を決定(2月13日)
 帝人およびアクセリードは、本年4月1日に設立・事業開始を予定している創薬研究に関する両社出資の合弁会社について、会社名を「Axcelead Tokyo   West Partners株式会社」(以下、Axcelead TWP)とすることを発表した。
 Axcelead TWPの事業内容は、創薬に関するターゲットの選別から候補化合物の創製及びそれらに関連した研究活動の支援である。国内外の創薬プレイヤーからの需要を取り込むことで、創薬の総合支援サービス企業として成長を図る。
 事業を推進するにあたり、アクセリード傘下の統合型創薬CRO(医薬品研究業務受託機関)であるAxcelead Drug Discovery Partnersと緊密に連携することで、多様な創薬プレイヤーのニーズに応え、 質の高いソリューションを提供するとしている。

◆電子材料:東京応化工業が韓国子会社において新工場建設のための工場用地の取得を決定(2月13日)
 東京応化工業は、韓国の連結子会社であるTOK尖端材料(以下、TOKAM)において、新工場建設のため、韓国京畿道平澤市の工場用地を新たに取得することを決定したと発表した。
 同社は、韓国におけるフォトレジストの研究開発・製造・販売拠点として、2012年にTOKAMを設立している。今回、取得する土地の面積は55,560㎡、価格は約31億円である。
 建設予定の工場で自動化、省人化によるスマートファクトリー化を推進し、既存の仁川工場との相乗効果の最大化を図り、将来的な事業拡大に備えていく。操業は2028年を予定しているが、現時点で具体的な操業規模などは未定としている。

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