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2024年6月27日

2024.06.27 発行

HEADLINE

◆電子材料:出光興産がSK materials JNCと有機EL材料の共同開発を目的とした覚書を締結(6月25日)
◆電池材料:セントラル硝子がDuksan Electera社との北米における電解液製造委託契約の締結を発表(6月21日)
◆シーリング材:セメダインがほたて貝殻の粉末を利用したシーリング材を開発(6月21日)
◆バイオマス:三菱ガス化学が国内初消化ガスからのバイオメタノール製造を開始(6月20日)
◆繊維:ユニチカが非金属触媒を使用した環境に優しいポリエステル樹脂を開発(6月20日)
◆電子材料:JX金属が次世代半導体向け材料の生産能力の増強を発表(6月18日
◆包材:大日本印刷が柔軟な包材設計と環境配慮を両立させた医薬品経口剤向け吸湿包材の提供を開始(6月17日)
◆価格改定
・トクヤマがPVC(汎用塩ビ、ペースト塩ビ)を7月1日出荷分より値上げ
・東ソーがペースト塩ビ樹脂を7月16日納入分より値上げ
・アイカ工業が酢酸ビニル樹脂系接着剤とクロロプレン樹脂系接着剤を8月20日出荷分より値上げ
  
  

WEEKLY NEWS

◆電子材料:出光興産がSK materials JNCと有機EL材料の共同開発を目的とした覚書を締結(6月25日)
 出光興産は、SK materials JNCと有機EL材料である、ホウ素系蛍光青色ドーパント材料と、ホウ素系蛍光青色ドーパント材料に最適な蛍光青色ホスト材料の共同開発を目的とした覚書を締結したことを発表した。
 出光興産は、有機EL材料事業において、蛍光青色材料(ドーパント材料・ホスト材料)ならびに周辺材料などの最先端の有機EL材料の材料開発などに積極的に取り組んでいる。一方、SK materials JNCは、ホウ素系蛍光青色ドーパント技術に関する基本特許をベースに、関連アイテムの研究開発から生産・分析・素子評価・品質管理までのトータルソリューションを提供している。
 両社は今後、両社が保有するホウ素系蛍光青色ドーパント材料およびホウ素系蛍光青色ドーパント材料に最適な蛍光青色ホスト材料に関する技術・知見・特許等を活用し、新規材料の共同開発に取り組むとともに材料評価で協力するとしている。

◆電池材料:セントラル硝子がDuksan Electera社との北米における電解液製造委託契約の締結を発表(6月21日)
 セントラル硝子は、同社及び同社米国子会社である Central Glass   International(以下、CGI)が、韓国の電解液メーカーである Duksan Electera(韓国公州市、以下、Duksan社)及びその子会社である Duksan Electera America(米国テネシー州、以下、DSETA社)と、北米におけるリチウムイオン電池用電解液(以下、電解液)の製造委託に関する契約を締結することを決定したと発表した。
 セントラル硝子は、日本、韓国、中国、チェコに電解液製造拠点を有し、グローバルに電解液を供給している。今後北米市場の伸長が見込まれる中、インフレ抑制法(以下、IRA)に対応したサプライチェーンの構築について検討を進めてきたが、今回、同社独自の電解液製造技術とDuksan社の最新鋭の生産体制を組み合わせることで、北米市場に対し、迅速かつ安定的な供給体制を構築することが出来ると判断した。Duksan社は米国テネシー州に年間6万トン規模の電解液工場を6月末に竣工予定で、同工場は最新の自動化技術を導入し、高い生産効率と優れた品質管理体制を有している。
 セントラル硝子社は、今後も高い研究開発力を活かして高性能な電解液の開発、製造及び販売を通じて、環境問題の解決に貢献していくとしている。

◆シーリング材:セメダインがほたて貝殻の粉末を利用したシーリング材を開発(6月21日)
 セメダインは、ほたて貝殻を粉砕して製造したバイオマスフィラーを2成分形変成シリコーン系シーリング材へ配合した「スキャロップシール」を大林組と共同開発したと発表した。
 2成分形変成シリコーン系シーリング材に含有する炭酸カルシウムの約30%を、ほたて貝殻を粉砕したバイオマスフィラーで代替することで、炭酸カルシウムの製造時に排出されるCO2を削減した。また、ほたて貝殻の主成分は炭酸カルシウムで、難燃性と分解されにくい性質から焼却処分が難しく、処分方法が課題となっている。この貝殻を粉砕してバイオマスフィラーとして再利用することで、廃棄予定のほたて貝殻の有効活用として廃棄物削減への貢献も果たす。
 防水シーリング材としての性能は、外装シーリング材として多く使用される2成分形変成シリコーン系シーリング材「POSシールタイプⅡNB」と同等の性能を有しており、JIS規格も取得済している。また、仕上げ塗料との相性の良いノンブリードタイプとなっており、外装を中心とした幅広い仕様に適用が可能としている。

◆バイオマス:三菱ガス化学が国内初消化ガスからのバイオメタノール製造を開始(6月20日)
 三菱ガス化学は、同社新潟工場において消化ガスを原料にバイオメタノールを製造する設備を完成させ、国内初のバイオメタノール製造を開始したことを発表した。
 同社は排出CO2や廃プラスチック、バイオマス等を、メタノールとして再利用する環境循環型プラットフォームを掲げ、脱炭素社会や循環型社会の実現への貢献を目指している。この取り組みの一つとして、新潟県が所有する下水道の終末処理場から発生する消化ガスの未利用分を有効利用するため、新潟県と売買に関する基本協定を締結した。今回、新井郷川浄化センターの消化ガスを原料にメタノールを製造するため、同浄化センターに出荷設備、同社新潟工場に受入設備を設置の上、既存設備を活用したバイオメタノール製造を開始した。
 新潟工場で製造するバイオメタノールやその誘導品ジメチルエーテル(DME)については持続可能な製品の国際的な認証制度のISCC PLUS認証を取得済みだったが、今回新たに、新潟県が原料の消化ガスもISCC PLUS認証を取得した。これにより、ISCC PLUS認証品の消化ガスから製造したバイオメタノールをISCC PLUS認証品として提供することが可能になるとしている。

◆繊維:ユニチカが非金属触媒を使用した環境に優しいポリエステル樹脂を開発(6月20日)
 ユニチカは、金属を使用しない触媒を用いたポリエステル重合技術を開発し、工業化技術を確立したことを発表した。
 PET(ポリエチレンテレフタレート)に代表されるポリエステルは、重合触媒として従来からアンチモンやゲルマニウム、アルミニウム、チタンといった金属系の触媒を用いている。金属を使用しない触媒では活性が低く、金属触媒と同等の重合性、物性を得ることは難しく、工業化は困難とされてきた。
 同社では、これまでに培った重合技術を生かし、従来使いこなすことが難しかった非金属触媒を用いて、従来と同様の重合性を確保し、物性も同等であるポリエステルの重合技術を開発し、工業化技術を確立した。
 環境に優しい非金属触媒を使用したポリエステル樹脂は、色目は従来と変わらず、金属によるくすみもなく透明性に優れ、溶融加工時の分子量は従来の金属触媒品と同等でほぼ低下しない。本ポリエステル樹脂の関連技術は特許出願済みで、各種用途展開を図っていくとしている。

◆電子材料:JX金属が次世代半導体向け材料の生産能力の増強を発表(6月18日
 JX金属は、需要が拡大する次世代半導体向けのCVD・ALD材料の本格供給に向けて、東邦チタニウムの茅ヶ崎工場の敷地内およびJX金属の日立事業所白銀地区への生産設備および開発設備投資を決定したことを発表した。
 近年、生成AIの進化に伴い、データセンターやAI搭載IoTデバイスの市場が拡大している。これらの機器に必要な高性能半導体は、高集積化を実現するために微細化と多層化が求められ、これに伴いCVDおよびALDによる薄膜形成の需要が増加している。本材料の本格採用により急速な需要拡大が見込まれることから、生産能力の増強を決定した。
 茅ケ崎工場は2024年度下期に、日立事業所は2025年度上期に生産設備を導入し、稼働開始を計画している。あわせて当事業の今後の展開に向け、新規プロセス開発や新規材料開発に向けた設備強化を行う予定としている。

◆包材:大日本印刷が柔軟な包材設計と環境配慮を両立させた医薬品経口剤向け吸湿包材の提供を開始(6月17日)
 大日本印刷は、水分を吸収する「吸湿剤」をフィルム樹脂に混ぜて練り合わせることで、パッケージ内部の湿度を一定に管理することができる経口剤向けの「DNP吸湿包材」の提供を開始したことを発表した。
 近年、医薬品の輸出入が増加する中で、その品質管理の重要性が高まっており特に経口剤は水分に弱く、湿気によって品質が劣化しやすいため、従来はパッケージ内に乾燥剤を入れる必要があった。
 今回開発した「DNP吸湿包材」は吸湿剤を樹脂に混ぜて煉り合せたフィルムを材料にしているため、乾燥剤を入れなくても経口剤への効果的な湿気対策を実現する。この特長としては、まず使用するフィルム自体に吸湿性を付与するため、乾燥剤を封入できない小さなパッケージの内部も水分から守ることができる。そのため多様なパッケージ形態に対応し、内容物の品質を長期にわたって維持できる。
 DNPは、製薬会社・医療用検査試薬メーカー・医療機器メーカー等に「DNP吸湿包材」を提供して、関連製品・サービスも含めて、2028年までに5億円の売上を目指すとしている。

◆価格改定
・トクヤマがPVC(汎用塩ビ、ペースト塩ビ)を7月1日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、18円/kg以上
・東ソーがペースト塩ビ樹脂を7月16日納入分より値上げ
 値上げ幅は、17円/kg以上
・アイカ工業が酢酸ビニル樹脂系接着剤とクロロプレン樹脂系接着剤を8月20日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、40円/kg

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