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2024年7月4日

2024.07.04 発行

HEADLINE

◆リサイクル:日本板硝子、Jパワー、新日本繊維が環境配慮型高機能リサイクル繊維の事業化に向けた共同検討に関する覚書
 を締結(6月28日)
◆樹脂:クラレがメタクリル事業におけるメタクリル酸メチルプラントの生産能力の最適化を発表(6月27日)
◆フィルム:クラレがリサイクル塩ビフィルムを使用した銘柄を発売(6月27日)
◆R&D:住友化学が千葉地区の新研究棟の稼働を開始(6月27日)
◆シール材:アイカ工業の中国・タイのグループ会社で生産設備の増設を決定(6月24日)
◆塗料:日本ペイントが建築用分野で無機系屋根用遮熱塗料の販売を開始(6月24日)
◆リサイクル:東洋エンジニアリングが混合廃プラ油化技術の共同開発に関する契約書 (JDA)を締結(6月24日)
◆価格改定
・住友化学がMMAモノマー(メタクリル酸メチル)を7月1日出荷分より値上げ
・クラレが人工皮革(クラリーノ)を7月1日出荷分より値上げ
・デンカが電子包材用シートを8月1日出荷分より値上げ
  
  

WEEKLY NEWS

◆リサイクル:日本板硝子、Jパワー、新日本繊維が環境配慮型高機能リサイクル繊維の事業化に向けた共同検討に関する覚書を締結(6月28日)
 日本板硝子(以下、NSG)、電源開発(以下、Jパワー)、新日本繊維の3社は、新日本繊維が開発した環境配慮型高機能リサイクル繊維「BASHFIBER(バッシュファイバー)」の事業化に向けた共同検討をすることを定めた覚書を締結したことを発表した。
 BASHFIBERは新日本繊維が開発した連続長繊維で、発電事業をはじめ各産業で生じる石炭灰等を原料にしている。BASHFIBERは高強度で耐熱性や耐薬品性といった特長を付与することができ、アラミド繊維やガラス繊維といった既存の産業用繊維補強材の代替として幅広い分野に利用できる可能性がある。
 本取り組みは、NEDOの支援事業(ディープテック・スタートアップ支援事業費助成金)に採択されており、3社による本検討では、高機能特殊ガラス繊維の量産技術を持つNSG、発電事業の副産物として原料供給が可能なJパワー、BASHFIBERの製造技術を持つ新日本繊維のそれぞれの強みを活かし、BASHFIBERの数年後の量産を見据えた製造コスト、製造拠点、販売先候補、量産条件等を検討するとしている。

◆樹脂:クラレがメタクリル事業におけるメタクリル酸メチルプラントの生産能力の最適化を発表(6月27日)
 クラレは、メタクリル事業においてメタクリル酸メチル(以下MMA)プラントの生産能力を最適化することを発表した。
 同社は1959年より新潟事業所におけるMMAやメタクリレートチェーンの川下製品であるメタクリル樹脂などの製造販売をしているが、近年は市場環境の変化や設備老朽化による維持更新費用の増加に伴い、事業環境は厳しくなっている。将来的にも事業継続可能な収益を確保し、安定的な製品供給を継続していくためには、生産能力縮小を伴う製品構成の最適化と高経年化対策費用の削減による競争力強化が必須との判断に至った。
 プラント生産能力の最適化は2025年7月より実施する予定である。MMAは現状67,000トン/年の生産能力を半減して外部販売を停止し、川下製品は硫安とメタクリル樹脂成形材料の生産能力を縮小する。なお、メタクリル酸(MAA)およびメタクリル樹脂シートについての変更はないとしている

◆フィルム:クラレがリサイクル塩ビフィルムを使用した銘柄を発売(6月27日)
 クラレプラスチックスは、環境対応型ターポリン「ハイドロックス」の新銘柄として、リサイクル塩化ビニル樹脂フィルムを使用した「ハイドロックス」-Rを2024年7月より発売すると発表した。
 リサイクル塩ビフィルムは、塩ビ複合材の製造工程で発生する、端材や規格外品などのプレコンシューマー材から塩ビのみを抽出し、マテリアルリサイクルしたものである。「ハイドロックス」-Rは、ターポリン重量比でリサイクル塩ビフィルムを約7割使用しており、ターポリンの基本性能である防炎配合に加え、各種配合(防カビ・抗菌配合等)にも対応可能である。用途としては、建築用養生シート、垂れ幕、フロアーシート、間仕切りカーテン、野積みシートなどを想定している。
 販売目標は初年度1億円、2026年度5億円としている。

◆R&D:住友化学が千葉地区の新研究棟の稼働を開始(6月27日)
 住友化学は、千葉地区(千葉県袖ケ浦市)で新研究棟「Innovation Center MEGURU」の稼働を開始したことを発表した。
 同施設は、環境負荷低減技術に関わる研究組織を千葉地区で集約・強化するためのものである。住友化学の千葉地区は、従来から主に石油化学関連事業の製造・研究拠点として、高分子設計、触媒、プロセス、コンパウンド、加工などの技術や、事業化に必要となる実証のためのスケールアップ設備を有してきた。同施設では、今後これらの技術を基盤とし、ケミカルリサイクルやマテリアルリサイクルなどの革新的な技術を生み出し、世界レベルでの社会実装を目指す。
 同時に、これまで筑波地区や大阪地区に配置していた、スーパーエンジニアリングプラスチックや機能化学品等の研究に関わる人材や設備を、高分子材料開発の主力拠点でもある本施設に移管、集約することで、社内外の連携を一層強化できる体制を整備し、次世代のモビリティ材料や高速移動通信システム向け材料など、新素材の早期創出につなげていくとしている。

◆シール材:アイカ工業の中国・タイのグループ会社で生産設備の増設を決定(6月24日)
 アイカ工業は、グループ会社である昆山アイカ(本社:中国)およびアイカタイケミカル(本社:タイ)の生産設備を増設することを発表した。
 近年、アジア圏での自動車生産台数の増加を受け、ホットメルト接着剤の中でもヘッドランプ用ホットメルト形シール材の生産が伸長している。また、最終製品の解体・リサイクルを可能にする易解体性シール材への要望が増えており、開発・拡販に注力している。
 そのような中、特に易解体性ホットメルト形シール材の売上はさらなる拡大が見込まれることから、総額約7億円を投じて両社の生産設備を増設することを決定した。稼働開始は昆山アイカ社が2025年7月、アイカタイケミカル社が2025年11月を予定しており、いずれも生産能力は現状の2倍に向上する。
 同社では、易解体性製品や高耐熱性製品などの高機能ホットメルト形シール材の売上高を、グループ全体で13.9億円(2023年度)から26.2億円(2030年度)に伸長させる計画としている。

◆塗料:日本ペイントが建築用分野で無機系屋根用遮熱塗料の販売を開始(6月24日)
 日本ペイントは、建築用分野で長期にわたり遮熱効果を発揮する、ターペン可溶2液セラミックハイブリッド超高耐候無機系屋根用遮熱塗料「ファインパーフェクトセラミックベスト 遮熱」の販売を開始すると発表した。
 同製品は、2液型の弱溶剤タイプであり、下塗り材を選ぶことでスレート屋根、洋瓦、セメント瓦、トタン屋根など多様な屋根材に対応可能である。
同製品の特徴としては、赤外線反射率の高い特殊顔料により遮熱性能を発揮し、遮熱効果のある下塗り材(サーモアイプライマーおよびサーモアイシーラー)と組み合わせることで、遮熱効果がさらに向上する。また、ラジカル制御技術とセラミックハイブリッド技術を採用することで、促進耐候性試験で優れた耐候性を示す。
 同製品は、戸建て住宅屋根の塗り替え改修市場において、夏場の猛暑が予想される中で高まる電気代削減および、無機系塗料による長期間での性能維持のニーズに応えるとしている。

◆リサイクル:東洋エンジニアリングが混合廃プラ油化技術の共同開発に関する契約書 (JDA)を締結(6月24日)
 東洋エンジニアリング(以下、TOYO)は、タイのSCGケミカルズとSCGケミカルズの関連会社であるCircular Plas Companが保有する使用済み混合廃プラスチックの油化技術による石油化学原料化プロセスに関してスケールアップおよび事業機会拡大のための協業に関する共同開発契約書を締結したことを発表した。
 本技術はISCC認証を取得しており、既にタイ・ラヨン県の混合廃プラスチック油化実証プラントにおいて活用されている。このプラントで得られた廃プラスチック由来のナフサを石油化学プラントの原料とする循環型プラスチックの製造を行っている。
 CirPlasのプラスチックリサイクル技術は、独自の多機能材料を用いることでプロセス温度を下げ、軽質分解油の収率を高める省エネルギー・環境配慮型の油化プロセスであり、TOYOが設計した反応装置は、変動する廃プラスチック原料に対応し、連続運転性を高めることを目指している。現在、両社は新しい反応装置を実証プラントに設置する準備を進めており、2025年初頭に運転を行う予定としている。

◆価格改定
・住友化学がMMAモノマー(メタクリル酸メチル)を7月1日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、23円/kg
・クラレが人工皮革(クラリーノ)を7月1日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、10%
・デンカが電子包材用シートを8月1日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、24円/kg

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