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2024年9月5日

2024.09.05 発行

HEADLINE

◆電子材料:JSRが最先端フォトレジストのグローバル開発・生産体制を拡充(8月30日)
◆電子材料:セントラル硝子が半導体向けエッチングガスCEG34の量産開始を発表(8月30日)
◆リサイクル:出光興産が使用済みプラスチックの再資源化に向け油化ケミカルリサイクル装置の建設を開始(8月30日)
◆CO2対策:東ソー、京都工芸繊維大学などのCO2分離膜モジュールによるCO2分離回収プロセスの実用化検討がNEDOプロ
 ジェクトに採択(8月28日)
◆電子材料:京セラが長崎県諫早市に新たな工場の建設を発表(8月28日)
◆医療機器:カネカが北海道に医療機器プラントを竣工(8月28日)
◆樹脂:ユニチカが分解後の環境負荷を限りなく抑制した新規『生分解性ポリエステル樹脂』の合成技術の開発に成功
 (8月26日)
◆価格改定
・大日精化工業がオフセットインキを10月1日出荷分より値上げ
  
  

WEEKLY NEWS

◆電子材料:JSRが最先端フォトレジストのグローバル開発・生産体制を拡充(8月30日)
 JSRは、グローバルな電子材料事業体制を強化するため、国内における研究開発を拡充すべくフォトレジストの開発拠点を新設するとともに、韓国における活動を強化するため現地法人であるJSR Micro Korea(JMK)に半導体フォトレジスト用工場を建設することを決定し、忠清北道並びに清州市と投資協議書を交わしたことを発表した。
 同社は2021年の米国Inpria社買収以降、グローバルに最先端EUV用フォレジストであるメタルオキサイドレジスト(MOR)の事業化を進めてきた。日本では、四日市工場内にある精密電子開発センターに加えて、今回、グローバルな顧客対応やパートナー企業と連携しやすい関東エリアに新たなMOR用の研究開発拠点を整備することを決定し、今秋から工事に着手する。
 今回、韓国に建設するのはMORの最終生産工程を担う工場で、2026年の稼働開始を予定している。MORは韓国における大手顧客での採用検討が進んおり、本投資は現地での品質保証能力と製造キャパシティを担保するものとしている。

◆電子材料:セントラル硝子が半導体向けエッチングガスCEG34の量産開始を発表(8月30日)
 セントラル硝子は、顧客の量産採用、今後の需要拡大に向けて、2024年8月より宇部工場で、半導体向けエッチングガスCEG34の量産を開始したことを発表した。
 CEG34Eは、高積層化が進む次世代3D NAND Flash向けに開発された、新しいプラズマエッチングガスである。CEG34Eは、マスクやフォトレジストのエッチングダメージを抑制し、対象となる高積層膜種材質のみを特異的、かつ直線的にエッチングが可能となる特性を有している。この特性により、先端世代の3D NAND Flashのメモリホールの深堀エッチング用途として優れた性能を発揮し、高積層3D NAND Flashの技術革新に貢献する。また、同製品は低GWPガスでもあり、GHG排出量の削減にも大きく寄与する。
 同社は、今後も新たに開発した複数の環境適応型のエッチングガスをAI向け半導体製造用途として上市する予定としている。

◆リサイクル:出光興産が使用済みプラスチックの再資源化に向け油化ケミカルリサイクル装置の建設を開始(8月30日)
 出光興産の子会社であるケミカルリサイクル・ジャパン(以下、CR)は、出光興産の千葉事業所の隣接地に建設を予定している「市原事業所」内に油化ケミカルリサイクル装置(使用済みプラスチック処理能力:2万 t/年)を建設し、使用済みプラスチックの再資源化を目指すと発表した。
 本事業では、CRが建設する油化ケミカルリサイクル装置において使用済みプラスチックを原料としたCR油を生産する。生産したCR油を原油に替わる原料として、同社の既存設備である石油精製装置および石油化学装置で精製・分解・重合し、「リニューアブル化学品」や「リニューアブル燃料油」を生産する。
 市原事業所の完工および油化ケミカルリサイクル装置の商業運転開始は、2025年度下期の予定としている。

◆CO2対策:東ソー、京都工芸繊維大学などのCO2分離膜モジュールによるCO2分離回収プロセスの実用化検討がNEDOプロジェクトに採択(8月28日)
 東ソーは、京都工芸繊維大学、東京工業大学、および再委託先としてキッマイクロフィルター、東京農工大学とともに、NEDOの「カーボンリサイクル・次世代火力発電等技術開発/CO2分離・回収技術の研究開発/二酸化炭素分離膜システム実用化研究開発」プロジェクトの公募に対し、「革新的CO2分離膜モジュールによる効率的CO2分離回収プロセスの実用化検討」を提案し、採択されたと発表した。
 共同事業者は、2020年度から実施しているNEDO事業において、アルカノールアミンを高分子マトリックスに担持した高分子膜材料で構成されるCO2分離中空糸膜モジュールの開発に取り組むとともに、東ソーに設置したベンチ設備を活用し、実際の火力発電所から排出される排ガスを使用した実ガス評価によるCO2分離膜モジュールの耐久性試験を行いその安定性を確認した。
 本事業では、CO2分離回収プロセスの実用化に向けて、膜面積の大面積化を実現することで、高い分離効率を維持しながらスケールアップを図るとともに、さらなる耐久性向上を目指した試験を継続していく。また、社会実装に向けた具体的な課題の抽出と、それに対する解決策の検討を進めていき、回収したCO2の有効利用プロセスの開発や、他の産業分野への適用可能性の検証も行うとしている。

◆電子材料:京セラが長崎県諫早市に新たな工場の建設を発表(8月28日)
 京セラは、長崎県諫早市に新たな生産拠点となる長崎諫早工場の建設を開始したことを発表した。
 同社は、2023年4月に長崎県および諫早市と立地協定を締結し、2023年12月に約57,000㎡、2024年6月に約93,000㎡の用地を取得した。
 本工場は、エレクトロニクス業界の需要に応えるため、半導体製造装置に用されるファインセラミック部品や半導体パッケージの生産を行う予定である。
 エレクトロニクス業界では、通信端末や半導体関連装置の小型化や高機能
化、5Gの普及や生成AIの広がりに伴い、基地局やデータセンターの増設が進行中である。また、自動車の先進運転支援システム(ADAS)や電気自動車(EV)技術の進化により、これらの分野でも今後、部品の需要が増加すると予測されている。
 新工場の投資金額は約680億円(2028年までの計画)、2026年度中に拠点を開設し、順次生産を開始する予定である。2030年度以降の生産計画は250億円/年としている。

◆医療機器:カネカが北海道に医療機器プラントを竣工(8月28日)
 カネカは、北海道の苫小牧東部地域に苫東工場を開設し、開所式を実施したことを発表した。
 苫東工場は、同社にとって7か所目となる新たな国内事業場である。苫東工場内に完成した医療機器プラントでは、吸着型血液浄化器「レオカーナ」および吸着型血漿浄化器「リポソーバー」を生産する。これらの医療機器の治療対象となる ASO(閉塞性動脈硬化症)の患者は、糖尿病や慢性腎不全などの増加に伴い、世界的に増加傾向にある。
 今後、苫東工場は、Medical 事業のさらなる拡大を目指すとともに、各事業の新たな生産拠点として積極的に活用していくとしている。

◆樹脂:ユニチカが分解後の環境負荷を限りなく抑制した新規『生分解性ポリエステル樹脂』の合成技術の開発に成功(8月26日)
 ユニチカは、分解後の環境負荷を限りなく抑制した『生分解性ポリエステル樹脂』の合成技術の開発に成功したと発表した。
 この合成技術は、従来は実現が困難であった生分解性速度を上げたいというニーズに合わせ、非金属触媒と特定組成の組み合わせにより、合成された生分解性樹脂の分解速度が向上し、分解後も触媒由来の金属が残らないというものである。そのため、限りなく環境負荷を抑制した生分解性ポリエステル樹脂の合成に資する重要な技術となる。
 本技術は『生分解性ポリエステル樹脂』への展開のほか、ケミカルリサイクルを前提としたポリエステル樹脂へも応用でき、循環型社会の構築に寄与できるとしている。

◆価格改定
・大日精化工業がオフセットインキを10月1日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、オフセット輪転プロセスインキ:10%以上
 オフセット枚葉プロセスインキ:15%以上
 UVインキ、メタリックインキ、特色、中間色、OPニス、その他特殊品については、個別にご案内

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