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2024年8月8日

2024.08.08 発行

HEADLINE

◆高吸水性樹脂:日本触媒がインドネシア子会社で高吸水性樹脂(SAP)製造設備を増設(8月2日)
◆炭素:三菱ケミカルが炭素事業の構造改革及びコークス事業の生産体制を最適化(8月1日)
◆水処理関連:セントラル硝子がPAC事業(水処理用凝集剤事業)からの撤退を発表(8月1日)
◆電池関連:住友ベークライトがEVバッテリー向け耐火性フェノール樹脂成形材料を開発(8月1日)
◆石油化学:大阪石油化学がエチレンプラントの生産再開延期を発表(8月1日)
◆樹脂:日本ポリエチレンが高密度ポリエチレン製造設備を停止(7月29日)
◆水素関連:日本板硝子が英国事業所にグリーン水素製造プラントを設置(7月29日)
◆冷凍機油:KHネオケムが冷凍機油原料の生産設備増強工事を完了(7月29日)
◆建材:吉野石膏がリサイクル石膏50%を実現したせっこうボードの発売を発表(7月29日)
◆バイオマス:王子ホールディングス、バッカス・バイオイノベーション、日揮ホールディングス、ENEOSマテリアル、
 大阪ガス、東レの6社がNEDOの公募の実施予定先に採択決定(7月29日)
◆価格改定
・ENEOSがベンゼンの契約価格を改定
・信越ポリマーが波板及び関連製品を9月1日出荷分より値上げ
・DICグラフィックスが商業オフ輪インキ、油性枚葉インキ、UVインキ、新聞インキを10月 1日出荷分より値上げ
・中国塗料が塗料を10月以降に値上げ
・積水化学工業が建材製品を10月21日出荷分より値上げ
  
  

WEEKLY NEWS 

◆高吸水性樹脂:日本触媒がインドネシア子会社で高吸水性樹脂(SAP)製造設備を増設(8月2日)
 日本触媒は、インドネシア子会社であるPT. NIPPON SHOKUBAI INDONESIA(以下、NSI)での高吸水性樹脂製造設備の増設を決議したと発表した。
 高吸水性樹脂(以下、SAP)は、紙おむつの原料としてグローバルで需要が堅調に伸びており、特に人口増加が見込める地域においてはさらに旺盛な市場伸長が見込まれている。
 NSIにおいては2023年4月にSAPの原料でもあるアクリル酸(以下、AA)の製造設備を10万トン/年増強し(増強後AA生産能力24万トン/年)、AAからSAPを一貫生産する強みを活かしてアジア圏内の旺盛なSAP需要の伸びに対応するため、今回、NSIにてSAPの増設を行うことが最適であると判断した。
 今回のNSI におけるSAPの増設は5万トン/年であり、既存能力9万トン/年と合わせて計14万トン/年の生産能力となる。投資金額は約110百万米ドルで、2027年1月末までに完工し、2027年7月に商業運転を開始するとしている。

◆炭素:三菱ケミカルが炭素事業の構造改革及びコークス事業の生産体制を最適化(8月1日)
 三菱ケミカルグループは、連結子会社である三菱ケミカルの炭素事業における収益改善に向けた構造改革の方針及びコークス事業の生産体制最適化について決議したと発表した。
 同事業は国内鉄鋼業界の需要動向を踏まえコークス炉設備縮小や輸出出荷設備増強を進め、海外輸出展開型のビジネスモデルへと変革してきたが、足元は中国を中心とした鋼材需要の不振に伴い海外コークス市況が低迷している。
 そのため、生産体制及び販売政策の見直しが急務であると判断し、香川事業所で有するコークス炉の更なる生産規模縮小を決定した。2025年3月末までに生産能力を現有のコークス炉250門から150門に縮小するとしている。

◆水処理関連:セントラル硝子がPAC事業(水処理用凝集剤事業)からの撤退を発表(8月1日)
 セントラル硝子は、ポリ塩化アルミニウム(PAC)及びその関連製品 (硫酸バンド、PAC石膏)を扱うPAC事業(水処理用凝集剤事業)から撤退することを発表した。
 PAC事業は、主に上下水道、工業排水の処理において使用される水処理用凝集剤事業であり、1974年より当該製品を同社宇部工場(山口県)にて製造し、販売を行っている。同事業については、長らく不採算が続いており、構造改善に取組んできたが、老朽化した製造設備の大規模更新が不可避となったこともあり、これ以上の業績改善は困難と判断し、同社は同事業から撤退することとした。
 製造販売の終了時期は2024年12月末日としている。

◆電池関連:住友ベークライトがEVバッテリー向け耐火性フェノール樹脂成形材料を開発(8月1日)
 住友ベークライトは、EVバッテリー向けに耐火性に優れるフェノール樹脂成形材料を開発したことを発表した。
 EVのバッテリーの高容量化に伴い、航続距離の延長や充電時間の短縮が可能になる一方で、万一バッテリーが熱暴走した際のリスクが増しており、熱暴走の進展や連鎖を遅らせる新たな技術開発が求められている。
 同社では、安全性向上への貢献を目指し、耐火性を従来製品から大幅に向上させたフェノール樹脂成形材料PM-5820を開発した。本材料は、難燃性UL94V試験に用いられる標準バーナーよりも40倍以上火力の強いトーチバーナーによる連続的10分間の火炎接触時においても、材料の変形および灰化進行を大きく抑制できる特徴があり、熱暴走の進展や連鎖を遅らせる効果が期待できる。
 また、Fraunhofer研究機構と共同で、EVバッテリーモジュールへ熱硬化性樹脂成形材料を積極的に適用したプロジェクトを進行しており、本技術の開発と実証を通じて、EVバッテリー向けの技術開発を加速していく。
 上記を通じて、顧客に電動化のソリューションを提案していくことで、2030年に年間50億円以上の販売を目指し、さらなる事業拡大を図っていくとしている。

◆石油化学:大阪石油化学がエチレンプラントの生産再開延期を発表(8月1日)
 三井化学の100%子会社である大阪石油化学は、エチレンプラントの生産再開延期を発表した。
 同社のエチレンプラントは定期修理のため生産を停止していたが、プラントの蒸気系で不具合が発生し補修が必要であることが判明したことが原因である。
 同プラント(エチレンプラントの生産能力:455千トン/年)の再開には2、3か月程度かかる見通しである。なお、生産再開時期、製品出荷への影響、業績への影響については調査中であり、結果が判明次第開示するとしている。

◆樹脂:日本ポリエチレンが高密度ポリエチレン製造設備を停止(7月29日)
 日本ポリエチレンは、高密度ポリエチレン製造設備1系列の停止を決定したことを発表した。
 日本のポリエチレンを取り巻く環境は、需要構造の変化や物価上昇による消費減退、アジア地域の新増設による更なる国際競争の激化もあり、今後も非常に厳しい状況が続くことが予想される。
 このような状況下、同社は生産体制の再構築が急務と判断し、水島工場(岡山県、生産能力3.1万トン/年)の高密度ポリエチレン製造設備2系列のうち1系列を2025年5月(予定)に停止することを決定した。
 今後、生産最適化による事業基盤の強化と製品の高性能化を進め、優れた材料を安定して顧客へ提供できるよう努めるとしている。

◆水素関連:日本板硝子が英国事業所にグリーン水素製造プラントを設置(7月29日)
 日本板硝子は、同社グループの英国事業所であるPilkington United Kingdom Limited社のグリーンゲート事業所において、グリーン水素製造プラントを設置し、2027年よりLowカーボンガラスの生産を拡大することを発表した。
 同プラントは、英国内で水素製造プラントの開発を行うグレニアン・ハイドロジェン社主導のもとで2025年に建設を開始した。2027年より同プラントでは、再生可能エネルギーを使用し生成された水素を活用し、当事業所内のフロート窯においてLowカーボンガラスの生産を行う予定である。新設されるプラントは水素生成プロセスに再生可能エネルギーを使用し、1日あたり最大7トンのグリーン水素を生成する計画である。
 さらに同事業所では、2023年に販売を開始したカーボンフットプリントを50%削減した世界最高水準のLowカーボンガラス「Pilkington Miraiミライ)」の生産の他、地域内の型板ガラス生産設備を同事業所に移設し、型板ガラスとフロート板ガラスを単一の溶融窯で生産するなどの取り組みも行っており、脱炭素化に向けた活動を加速させ、持続可能な社会の実現に取り組んでいくとしている。

◆冷凍機油:KHネオケムが冷凍機油原料の生産設備増強工事を完了(7月29日)
 KHネオケムは、機能性材料事業の主力製品である冷凍機油原料の生産設備増強(年産能力 従来比1.5倍)工事が、7月に完了したことを発表した。
 近年、新興国等におけるエアコン市場の拡大や、オゾン層保護並びに地球温暖化抑制に配慮した冷媒へのシフトに伴い、同社の冷凍機油原料の需要が伸長している。冷凍機油はエアコンの内部で冷媒を圧縮する装置の中で使用される潤滑油であるが、今後も国際的な環境規制の強化に伴い、環境配慮型冷凍機油のさらなる需要伸長が予想されている。
 同社は、本設備投資により冷凍機油原料をはじめとする千葉工場全体の生産能力を増強・最適化することで同工場の収益力を一層強化するとしている。

◆建材:吉野石膏がリサイクル石膏50%を実現したせっこうボードの発売を発表(7月29日)
 吉野石膏は、リサイクルせっこう50%を実現したせっこうボード「タイガーR50」の発売を発表した。
 同製品は、廃せっこうボードを粉砕し、紙と分離して得られる「リサイクルせっこう」を50%以上配合した製品である。
 近年の分別回収技術の進歩により、安定した量のリサイクルせっこうの確保が可能となったことが同製品の販売を実現可能にした。また、「タイガーR50」は同社が既に展開している「タイガーボード」と同様にJIS規格の認証を受けているため、同用途で使用が可能としている。

◆バイオマス:王子ホールディングス、バッカス・バイオイノベーション、日揮ホールディングス、ENEOSマテリアル、大阪ガス、東レの6社がNEDOの公募の実施予定先に採択決定(7月29日)
 王子ホールディングス、バッカス・バイオイノベーション、日揮ホールディングス、ENEOSマテリアル、大阪ガス、東レの6社は、NEDOが公募した「バイオものづくり革命推進事業」に対し、「木質等の未利用資源を活用したバイオものづくりエコシステム構築事業」を共同提案し、実施予定先として採択が決定したと発表した。
 このプロジェクトは、化石資源を原料とした既存の製造プロセスから、バイオマスをベースとした製造プロセスへと転換することを目的とし、6社がこれまでに培ってきた知見や技術を結集し、原料・微生物・素材等に関わる技術開発を行い、多種多様な技術や製品の社会実装を目指している。
 具体的には、製紙工場等が持つインフラを有効活用することで木質等の未利用資源の安定供給を実現し、さらに統合型バイオファウンドリ事業者や製品の製造を担う事業者がコンソーシアムとして連携・実証を行うことで、世界に先駆けて未利用資源によるバイオものづくりのエコシステムを構築するとしている。

◆価格改定
・ENEOSがベンゼンの契約価格を改定
 8月契約価格は、1,020$/t(前月比▲45$/t)
 国内価格換算想定値は161.4円/kg
・信越ポリマーが波板及び関連製品を9月1日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、15%以上
・DICグラフィックスが商業オフ輪インキ、油性枚葉インキ、UVインキ、新聞インキを10月 1日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、10%以上
・中国塗料が塗料を10月以降に値上げ
 値上げ幅は、塗料、シンナー類:5~15%程度
 亜酸化銅系防汚塗料:15%程度
 ※製品毎の価格、運賃は担当より個別にご案内
・積水化学工業が建材製品を10月21日出荷分より値上げ
 値上げ幅は、雨とい製品群全般:15%以上、波板:15%以上
 バルコニーデッキ材:5~15%
 バルコニータイル「クレガーレ」(300角タイル商品除く):15%以上

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