2020.06.18 発行
◆無機:東ソーが臭素の生産能力を増強(6月12日)
◆産学連携:住友金属鉱山と東北大学が2050年の「太陽エネルギー社会」実現に向けた取組みを開始(6月12日)
◆樹脂関連:三井化学が欧州初の自社PPコンパウンド拠点の営業運転を開始(6月11日)
◆無機:東ソー・シリカが低燃費タイヤ用シリカ事業で韓国合弁会社を設立(6月10日)
◆メディカル:富士フイルムがデンマーク拠点のバイオ医薬品の製造設備を大幅増強(6月9日)
◆包装材料:三菱ケミカルが生分解性樹脂と紙製バリア素材による循環型包装材を開発(6月9日)
◆ウイルス対策:三菱ケミカルのグループ会社が抗ウイルス・抗菌スプレーの販売を開始(6月8日)
◆価格改定
・日本触媒がアクリル酸エチルを7月1日出荷分より値上げ
・石原産業が酸化チタンのアジアパシフィック地域向けの価格を7月1日出荷分より値上げ
◆無機:東ソーが臭素の生産能力を増強(6月12日)
東ソーは、南陽事業所(山口県)において、難燃剤や殺菌剤、医農薬などの用途で使用される臭素の生産能力増強を決定したことを発表した。
生産能力は現有能力比で約30%増、投資額は約100億円、商業運転は 2023年1月を予定している。
同社は本計画により、老朽化した臭素製造設備を更新するとともに、生産能力を増強し、今後も安定供給を継続しながら需要の拡大にも対応し、更なる事業規模の拡大と収益力の強化を図っていくとしている。
◆産学連携:住友金属鉱山と東北大学が2050年の「太陽エネルギー社会」実現に向けた取組みを開始(6月12日)
住友金属鉱山と東北大学は、2050年に向けたビジョン共創型パートナーシップに基づき、「太陽エネルギー社会」の実現に向けた取り組みを開始したと発表した。
ビジョン共創型パートナーシップとは、“日本および世界が目指すべき未来社会の姿(ありたい姿)と担う役割(ビジョン)の達成”を目的とした取組みである。東北大学は他の企業との間で同様の取組みを行ってきたが、今回、研究開発や人材育成の面で長年に亘る協働実績のある住友金属鉱山とも、本取組みを開始することとなった。
両者は、東北大学の材料科学における強み、幅広い知見および発想力と、住友金属鉱山の資源開発から非鉄金属製錬、機能性材料に至る3事業連携の強み、金属系材料の研究開発力を活かし、本取組みを進めていくとしている。
◆樹脂関連:三井化学が欧州初の自社PPコンパウンド拠点の営業運転を開始(6月11日)
三井化学及びプライムポリマーは、オランダ・Chemelot工業区内にある欧州初の自社PPコンパウンド拠点である「Mitsui Prime Advanced Composites Europe B.V.」の営業運転を開始したことを発表した。
生産能力は30千t/年であり、これにより、欧州における製販研の一貫体制が整うことになる。欧州拠点の自動車メーカー、部品メーカーに対して、効果的な軽量化ソリューションを提供するとともに、グローバルでの需要拡大に対応していく。
同社グループは、欧州自動車メーカーからも高い評価を得ている自社の軽量化技術により、今後とも高品質の製品を供給する製造・販売・技術サービス体制を拡充し、さらなるPPコンパウンド事業の強化・拡大を積極的に進めていくとしている。
◆無機:東ソー・シリカが低燃費タイヤ用シリカ事業で韓国合弁会社を設立(6月10日)
東ソーグループの東ソー・シリカは、韓国の南海化学と合弁会社を設立し、低燃費タイヤ用シリカの生産拠点の建設を決定したことを発表した。
低燃費タイヤ用シリカは、自動車の低燃費化や電動化に合わせ、転がり抵抗を減少させることで自動車の燃費改善などのタイヤ性能向上に優れた効果を発
揮する材料として、今後も需要の拡大が見込まれている。
同合弁会社は2021年10月に商業運転を開始する予定としている。
◆メディカル:富士フイルムがデンマーク拠点のバイオ医薬品の製造設備を大幅増強(6月9日)
富士フイルムは、バイオ医薬品の開発・製造受託事業の拡大を加速させるため、バイオ医薬品CDMO(薬剤開発初期の細胞株開発から生産プロセス開発、安定性試験、治験薬の開発・製造、市販薬の製造までの幅広いサービスを製薬企業などに提供する)の中核会社であるFUJIFILM Diosynth Biotechnologies(FDB)のデンマーク拠点に約1,000億円の大型設備投資を行い、原薬製造設備の増設や製剤製造ラインの新設など、バイオ医薬品製造設備を大幅に増強すると発表した。
富士フイルムは、増強した製造設備を2022年から2023年にかけて順次稼働させ、デンマーク拠点におけるバイオ医薬品の原薬生産能力を倍増させるとともに、同拠点にて原薬から製剤・包装までワンサイト・ワンストップで製造受託が行える体制を構築する。
富士フイルムは、バイオCDMO事業において掲げていた2021年度売上目標1,000億円、2025年度には2,000億円以上の売上を目指すとしている。
◆包装材料:三菱ケミカルが生分解性樹脂と紙製バリア素材による循環型包装材を開発(6月9日)
三菱ケミカルは、自社の生分解性樹脂「BioPBS」と日本製紙の紙製バリア素材「シールドプラス」を用いた循環型包装材を共同開発したと発表した。
BioPBSは、植物由来の生分解性樹脂で、自然界の微生物によって水と二酸化炭素に分解されるため、自然環境への負荷が少ない樹脂素材である。一方、シールドプラスは、再生可能な循環型素材であり、生分解性も有する「紙」に酸素・香りのバリア性を付与した、環境に優しい素材である。
今回開発した包装材は、再生可能な原料を用いた生分解性のある循環型の製品でありながら、BioPBSのヒートシール性とシールドプラスのバリア性により内容物の品質劣化を防止する高い機能性を有している。今後は菓子やコーヒー豆等の食品をはじめとしたパッケージ用途に展開していくとしている。
◆ウイルス対策:三菱ケミカルのグループ会社が抗ウイルス・抗菌スプレーの販売を開始(6月8日)
三菱ケミカルホールディングスは、グループ会社である新菱が一般消費者向けに抗ウイルス・抗菌スプレー「アンチウイルススプレー」を7月初旬より販売を開始すると発表した。
「アンチウイルススプレー」はドアノブ、テーブル、ソファーなどの家具および衣類、カーテンなどの布製品の抗ウイルス・抗菌用途として使用できる製品である。持続型抗ウイルス・抗菌成分(脂肪族カチオン系化合物)がウイルスや菌を寄せ付けず、スプレーされた成分が対象表面にとどまり、乾燥後も効果が14日間持続する。
販売方法はECサイト(Amazon、楽天)での販売を予定している。
◆価格改定
・日本触媒がアクリル酸エチルを7月1日出荷分より値上げ
値上げ幅は、25円/kg以上
・石原産業が酸化チタンのアジアパシフィック地域向けの価格を7月1日出荷分より値上げ
値上げ幅は、200US$/トン