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2020年7月30日号

2020.07.30 発行

HEADLINE

 

◆殺菌:豊田合成が殺菌用の深紫外LED光源モジュールを開発(7月22日)

◆ガラス:日本電気硝子がフォルダブルディスプレイのカバーガラス用に世界最薄ガラスの開発に成功(7月21日)

◆包材:日本製紙が紙だけでパッケージができるヒートシール紙のサンプル提供を開始(7月21日)

◆非鉄金属:住友金属鉱山がカナダの金開発プロジェクトの建設開始を発表(7月21日)

◆フィルム:デクセリアルズが最表面の耐久性を40倍以上に向上させた反射防止フィルムを開発(7月20日)

◆ウイルス対策:デンカが新型コロナウイルス感染症の簡易検査キットの国内薬事承認を申請(7月20日)

◆ウイルス対策:住友ゴム工業がマレーシア工場のニトリルゴム薄手手袋の生産能力を200万双/月に増強(7月20日)

◆ウイルス対策:AGCがMolecular Partners AGから新型コロナウイルス感染症向け治療薬候補の製造を受託(7月20日)

◆IT:帝人が日立製作所との協創により新素材の研究開発でデジタルトランスフォーメーションを推進(7月20日)

 

 

WEEKLY NEWS

 

◆殺菌:豊田合成が殺菌用の深紫外LED光源モジュールを開発(7月22日)

豊田合成は、青色LEDの開発・生産で培った技術を活用し、水や空気などの殺菌に用いる「深紫外LED光源モジュール」を開発したことを発表した。

深紫外LEDはウイルスや細菌の遺伝子情報を壊す波長の短い紫外線を発するLEDである。

同社はバイオメディカルサイエンス研究会と共同で、新型コロナウイルス(SARS-CoV2)と極めて近い遺伝子情報を持つヒトコロナウイルス(HCoV-229E)を用いた試験を行い、高い殺菌効果を持つことを実証した。

今後は、トヨタグループをはじめ様々な機器メーカーと共同で、水や空気、物の表面を殺菌する幅広い用途での応用に向けた取り組みを加速させていくとしている。

 

◆ガラス:日本電気硝子がフォルダブルディスプレイのカバーガラス用に世界最薄ガラスの開発に成功(7月21日)

日本電気硝子は、フォルダブルディスプレイのカバーガラス用に世界最薄となる薄さ25μm(0.025㎜)の化学強化専用ガラス「Dinorex UTG」の開発に成功したことを発表した。

開発品は、オーバーフロー技術によって成形され、高い表面平滑性と板厚の均一性により曲げ特性に優れる。また、ガラス成形工程で直接薄い板ガラスを作ることが可能なため、フッ酸などの薬液を使用して化学的にガラスを均一に溶かして板厚を薄くするスリミング工程を省くことができ、環境負荷物質の使用削減とコストダウンを実現することができるとしている。

 

◆包材:日本製紙が紙だけでパッケージができるヒートシール紙のサンプル提供を開始(7月21日)

日本製紙は、紙だけでパッケージができるヒートシール紙「ラミナ」のサンプル提供を7月より開始したと発表した。

「ラミナ」はバリア性を必要としないプラスチック製包材の代替が可能で、製品の特長としては、①循環型資源である「紙」が基材のため、環境適合性に優れる、②リードタイムを大幅に短縮(ラミネート工程の省略化)、③あらゆるパッケージへの適用が可能(食品・化粧品・日用雑貨など)、といったことが挙げられる。使用用途に応じて強度と「紙」の風合いを持つ両更クラフトと、グラビア印刷適性に優れた片艶クラフトの二種類がラインナップされている。

日本製紙では、食品の二次包装、日用品、化粧品などあらゆる包装市場へ用途開発を進めていくとしている。

 

◆非鉄金属:住友金属鉱山がカナダの金開発プロジェクトの建設開始を発表(7月21日)

住友金属鉱山は、カナダの産金会社アイアムゴールド社(以下「IMG社」)とカナダ・オンタリオ州において共同で進めているコテ金開発プロジェクトの建設工事を2020年第3四半期より開始することを発表した。

同社は2017年6月にIMG社とジョイントベンチャー契約を締結し、共同で本プロジェクトの実現に向けてフィージビリティスタディや詳細設計等を進めてきた。建設開始時期については、同社がジョイントベンチャー参入時に見込んでいた2019年第2四半期から2020年第3四半期へとずれ込んだことから、生産開始時期も2021年から2023年へと変更することとなった。

コテ金開発プロジェクトのマインライフは約18年、金の予定総生産量は205t、可採鉱量は233百万トン(平均品位:0.96g/トン)としている。

 

◆フィルム:デクセリアルズが最表面の耐久性を40倍以上に向上させた反射防止フィルムを開発(7月20日)

デクセリアルズは、最表面の防汚層を真空蒸着法で形成することにより、耐久性を同社の従来品比40倍以上に向上した反射防止フィルム「ARフィルム HDシリーズ」を開発したと発表した。

同社は従来、フッ素系樹脂を溶媒に溶かした防汚材を塗布し、その後ヒーターによる乾燥で溶媒を揮発させるウェットコーティング法で防汚層を形成していたが、今回、真空蒸着による最表面の防汚層形成の製法を導入した。

真空蒸着法では、防汚層の材料であるフッ素系樹脂を気化させ、基材である反射防止層に直接付着させて層を形成していく為、ウェットコーティング法よりも緻密に防汚層が形成される。更に、新開発品の製造においては、ロールtoロールプロセスにより、一層の生産効率向上を実現する。

デクセリアルズは既に新開発品のサンプル出荷を実施しており、今年度設備投資を行い、2021年春には量産体制を整え、順次供給を開始するとしている。

 

◆ウイルス対策:デンカが新型コロナウイルス感染症の簡易検査キットの国内薬事承認を申請(7月20日)

デンカは、新型コロナウイルス感染症簡易キットの体外診断薬としての国内薬事承認を医薬品医療機器総合機構(PMDA)に7月20日に申請したことを発表した。

同社はこれまで、国立感染症研究所と本キットの開発に関する共同研究を進め、日本医療研究開発機構(AMED)の研究班への参画を通じて国立感染症研究所より抗体と抗原の分与を受けるなど、関係官庁や公的機関の協力と支援を受け、開発を進めてきた。

本キットではイムノクロマト法により、新型コロナウイルス抗原を検出し、特別な検査機器を必要とせず、短時間で簡易に陽性/陰性の検出結果を識別する。最大1日10万検査分の量産体制を構築し、国内薬事承認後に速やかに各医療機関へ供給されるように準備を進めているとしている。

 

◆ウイルス対策:住友ゴム工業がマレーシア工場のニトリルゴム薄手手袋の生産能力を200万双/月に増強(7月20日)

住友ゴム工業は、政府からの要請に対応するため、マレーシア工場のニトリルゴム薄手手袋の生産能力を200万双/月に増強することを決定したことを発表した

ニトリルゴム薄手手袋は、医療機関や食品メーカー工場などさまざまな場所で使用されており、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い需要が高まっている。今年4月、同社は医療支援としてニトリルゴム薄手手袋97,500双を日本政府に寄付している。

今回、政府の「海外サプライチェーン多元化等支援事業補助金」を活用することで設備投資を拡大し、200万双/月の生産体制を構築し、今後の需要対応のための安定的な供給体制の整備に努めていく方針である。

増産の開始は2021年5月を予定しており、国内の医療機関や食品メーカー工場などを中心に供給していくとしている。

 

◆ウイルス対策:AGCがMolecular Partners AGから新型コロナウイルス感染症向け治療薬候補の製造を受託(7月20日)

AGCは、同社のCDMO(製造受託に加え、製造方法の開発を受託・代行する会社)米国事業子会社であるAGC Biologics が、スイスのMolecular Partners AGの開発する新型コロナウイルス感染症向け治療薬候補「MP0420」の製造を受託したことを発表した。

「MP0420」は新型コロナウイルスの表面に存在するスパイクたんぱく質に特異的に結合することで、感染症を治療する効果とともに予防する効果もあり得ると考えられており、2020年後半の臨床試験開始を目指して開発されている。

臨床試験用に100リットルおよび1,000リットルの微生物バイオリアクターを用いて製造を開始するとしている。

 

◆IT:帝人が日立製作所との協創により新素材の研究開発でデジタルトランスフォーメーションを推進(7月20日)

帝人は、新素材の研究開発におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進に向けて日立製作所との協創を開始すると発表した。

デジタルトランスフォーメーションとは、データとデジタル技術を活用することで、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務や組織、企業文化などを変革し、競争上の優位性を確立することである。

帝人は、今回の取り組みにより研究開発のDX化を進め、データの可視化と予測に基づく新しい研究開発スタイルへの転換を図り、新たな知見の獲得や新素材の迅速な探索を可能とするなど、新素材や複合化素材の開発において、さらなる多様化、効率化、高度化を目指すとしている。

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