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2021年2月25日号

2021.02.25 発行

HEADLINE

 

◆包装材料:凸版印刷が浴室でも使える紙パックの本格生産を開始(2月19日)

◆ポリマー:日本ゼオンが耐熱性・耐薬品性・耐屈曲性に優れた結晶性シクロオレフィンポリマーの新製品を上市(2月17日)

◆コンパウンド:帝人がチェコ拠点にGF-SMC成形設備を新設(2月17日)

◆包装材料:凸版印刷が化粧品向け紙素材のスタンディングパウチを開発(2月17日)

◆接着剤:凸版印刷がデジタル印刷用接着剤を開発(2月16日)

◆包装材料:大日本印刷が加熱殺菌処理に対応した酸素と水蒸気に対するバリア性と高いリサイクル性を実現するパッケージを開発(2月16日)

◆フィルム:ハリマ化成がキズ防止転写型離型フィルムを開発(2月15日)

◆価格改定

・ADEKAが加工油脂製品を3月15日出荷分より値上げ

 

 

WEEKLY NEWS

 

◆包装材料:凸版印刷が浴室でも使える紙パックの本格生産を開始(2月19日)

凸版印刷は、2019年2月にプラスチックボトルからの代替が可能な新しい紙パック「キューブパック」を開発しているが、今回「キューブパック」の生産設備を導入し、2021年4月より本格生産を開始することを発表した。また、太陽油脂のボディソープ製品、コーセーの日やけ止めクリーム製品にて、同品の本格採用が決定したことを併せて発表した。

本製品は、浴室や洗面所など水回りでの使用時に、水と常時接着する底部付近に紙端部を設けない独自構造により、プラスチックボトルとほぼ同等の耐水性を実現した。また、従来の紙パックではその構造上不可能だった、口栓を中央につけられる形状も実現しており、ポンプを付け替える「付け替え容器」としての使用が可能としている。紙パック内部には同社が独自開発した透明バリアフィルム「GL FILM」をラミネートすることにより高い品質保持性を有している。

凸版印刷は、本製品を化粧品・トイレタリー業界など、プラスチックボトルを使用する企業に向けて拡販し、2022年度に約10億円の売上を目指すとしている。

 

◆ポリマー:日本ゼオンが耐熱性・耐薬品性・耐屈曲性に優れた結晶性シクロオレフィンポリマーの新製品を上市(2月17日)

日本ゼオンは、結晶性(立体規則性)を付与した新たなタイプのシクロオレフィンポリマー(COP)「ZEONEX C2420」を上市し、生産を開始したと発表した。

COPは一般に非晶性の構造を持っているが、ZEONEX C2420は結晶性を付与したことにより、従来のCOPが持つ低吸水性、低誘電率・低誘電正接を維持しながら、これまでにない耐熱性、耐薬品性、耐屈曲性を有している。具体的には、従来のCOPは非晶性の為、ガラス転移温度163℃程度が上限であったが、本製品は耐熱性(融点265℃)が向上した。また、炭化水素系溶剤への耐性を有する、屈曲試験において25,000回で割れが生じていたものが200,000回以上にも耐えるといった点が挙げられる。

COPは、主にカメラレンズやディスプレイ用フィルムなどの光学用途、シリンジやマイクロ流路チップなどの医療バイオ用途の材料として使用されているが、ZEONEX C2420の持つ新たな特性は、フィルム回路基板やフィルムコンデンサなどエレクトロニクス用途を中心とする新たな領域への展開を可能にするとしている。

 

◆コンパウンド:帝人がチェコ拠点にGF-SMC成形設備を新設(2月17日)

帝人は、同社グループで複合材料製品の生産・販売・技術開発を手がけるベネット・オートモーティブ社(本社:チェコ)が、チェコ国内の工場に、生産性、外観性、寸法・品質安定性に優れるGF-SMCの成形設備を新設することを発表した。

ベネット・オートモーティブ社は、ドイツなどの有力自動車メーカーが生産拠点を構える中東欧の中心部に位置するチェコに主要拠点を構え、炭素繊維複合材料(CFRP)の成形技術、および自動車部品の塗装や組み立ての設備などにより、Tier1として自動車メーカーに部品を供給している。今回のGF-SMC成形設備の新設は、同社の欧州における自動車向け複合成形材料事業の拡大を図り、軽量性、強度をはじめ、デザイン、生産性、コスト効率向上といった顧客ニーズへの対応力強化を目指すもので、既に欧米の自動車メーカーから新たな受注を獲得している。

今回の設備投資額は約10億円、稼働は2022年秋頃の計画としている。

 

◆包装材料:凸版印刷が化粧品向け紙素材のスタンディングパウチを開発(2月17日)

凸版印刷は、紙素材のみで構成されるスタンディングパウチを開発し、コーセーのスキンケアブランド『雪肌精』の中核を担うシリーズ「雪肌精 クリアウェルネス」に採用されたことを発表した。

従来のスタンディングパウチは複数のプラスチックフィルムから構成されているのに対し、同製品は紙素材とヒートシールニス(接着効果のあるコーティング剤)のみで構成されている。凸版印刷独自の加工により品質を安定化させることにより、紙単体のスタンディングパウチの製造が可能となった。同製品は外装パッケージのプラスチック使用量をゼロにするとともに、包材製造時のCO2排出量を約28%削減することが可能になるとしている。

 

◆接着剤:凸版印刷がデジタル印刷用接着剤を開発(2月16日)

凸版印刷は、汎用のラミネーション機械で加工でき、レトルト対応製品に使用可能な強密着接着剤「TOPMER(トップマー)」を開発したと発表した。

近年の生活者のライフスタイルの多様化などで、商品に対する市場のニーズが多角化しており、店頭で他社の類似商品と差別化するためにも商品の顔となるパッケージに求められる役割が増加している。特に、近年のコロナウイルス感染拡大の影響による消費者意識の変化を背景に、巣篭もり消費により内食・中食市場は堅調に伸長し、「簡便・即食」ニーズはさらに高まっている。今回の接着剤の開発により、レトルト用途以外にも従来対応できなかったボイル殺菌や電子レンジ加熱用途にもデジタル印刷の活用を実現した。

当製品は2021年2月24日から食品やトイレタリー、化粧品業界などの国内市場に向け提供を開始し、2022年に約5億円の売上を目指すとしている。

 

◆包装材料:大日本印刷が加熱殺菌処理に対応した酸素と水蒸気に対するバリア性と高いリサイクル性を実現するパッケージを開発(2月16日)

大日本印刷(DNP)は、食品などの内容物充填後にボイル殺菌・レトルト殺菌などの加熱殺菌処理をしても酸素や水蒸気などに対するバリア性を保持する「DNPモノマテリアル包材 PPボイル・レトルト仕様」を開発したと発表した。

同品は、これまでDNPが培ってきた独自のコンバーティング技術を活かして、酸素や水蒸気などに対するバリア性を保持し、内容物の長期保存に適したモノマテリアルのパッケージである。ポリプロピレン(PP)の単一素材で構成されているため、リサイクル適性が向上し、パッケージの製造、廃棄工程でのCO2排出量や廃棄物量の削減を実現することができる。また、殺菌処理後もバリア性を維持できる。

本製品には「袋タイプ」と「プラスチック容器用の蓋タイプ」のラインアップがあり、調理済みのスープ、惣菜、味付けライスなどのレトルト食品ペットフード、フルーツやゼリーなどの加熱殺菌処理が必要なプラスチック容器用の蓋など、幅広い用途で利用することができるとしている。

 

◆フィルム:ハリマ化成がキズ防止転写型離型フィルムを開発(2月15日)

ハリマ化成は、半導体パッケージ製造工程のコンプレッション成形(圧縮成形)用のキズ防止転写型離型フィルムを開発したことを発表した。

コンプレッション成形において半導体パッケージの封止にシリコーン樹脂を使用した場合、パッケージ表面にキズが付きやすい問題があるが、今回の転写型離型フィルムでは、キズ防止膜が成形時の熱と圧力により封止樹脂と密着し、一方でベースフィルム面とは剥離し転写するように設計されているため、パッケージ表面を守ることができる。加えて、従来のコンプレッション成形の装置や製造工程の変更を要しないという利点がある。

同社によるとコンプレッション成形は、高い生産性や封止樹脂の必要量低減、薄型半導体パッケージに適した工法として適用が進んでおり、今回開発した転写型離型フィルムの活用が今後進む見込みとしている。

 

◆価格改定

・ADEKAが加工油脂製品を3月15日出荷分より値上げ

値上げ幅は、ショートニング:30円/kg以上、マーガリン:24円/kg以上、ファットスプレッド:18円/kg以上

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