2021.05.13 発行
◆樹脂関連:三菱ケミカルが中石化三菱化学聚碳酸酯(北京)有限公司の株式を譲渡(5月7日)
◆リサイクル:日本製紙、リプロ、萩原工業が飲料用アルミ付紙パックを再生利用するビジネスモデルをスタート(5月6日)
◆電子材料:昭和電工がInfineon TechnologiesとSiCの販売および共同開発契約を締結(5月6日)
◆化粧品原料:大日精化工業が天然素材100%の化粧品用ビーズを開発(5月6日)
◆半導体材料:日産化学が韓国における半導体材料生産工場設立に関する覚書を締結(4月30日)
◆電子材料:日本化学工業がチタン酸バリウムの新生産棟を竣工(4月28日)
◆電子材料:イビデンがICパッケージ基板向け設備投資計画を発表(4月27日)
◆電子材料:デクセリアルズが蛍光体フィルム「PSシリーズ」を製品化(4月27日)
◆ウイルス対策 : DICがハイブリッド型無機系抗ウイルス・抗菌剤「WILMISH」の販売を開始(4月27日)
◆エンジニアリング:日揮がライトケミカル工業より化学品受託生産設備建設プロジェクトを受注(4月27日)
◆塗料原料:DICが欧州地域の環境規制に対応したコバルトフリーの塗料・印刷インキ向け乾燥促進剤を開発(4月26日)
◆価格改定
・ENEOSがベンゼンの契約価格を改定
・クラレがPVB樹脂を5月1日出荷分より値上げ
・クラレがPVBフィルム、アイオノマーシートを5月1日出荷分より値上げ
・東ソーが熱可塑性ポリウレタンエラストマー(TPU)を5月10日出荷分より値上げ
・DICが有機顔料製品(フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料)を5月10日出荷分より値上げ
・大日精化工業が有機・無機顔料及びその加工品を5月10日出荷分より値上げ
・大日精化工業がグラビア・フレキインキ及び接着剤を5月17日出荷分より値上げ
・東ソーが臭素及び臭素誘導体を6月1日納入分より値上げ
・旭有機材が建材製品を6月1日出荷分より値上げ
・堺化学工業が樹脂添加剤製品を6月1日納入分より値上げ
・タキロンシーアイがプレート製品を6月1日出荷分より値上げ
・タキロンシーアイがアルミ複合板を6月1日出荷分より値上げ
・タキロンシーアイがポリカドーム、FRPドーム、アウターブラインドを6月1日出荷分より値上げ
・タキロンシーアイがデッキ材、ぬれ縁を6月1日出荷分より値上げ
・JSPが押出発泡ポリスチレンを6月21日出荷分より値上げ
◆樹脂関連:三菱ケミカルが中石化三菱化学聚碳酸酯(北京)有限公司の株式を譲渡(5月7日)
三菱ケミカルは、同社の持分法適用会社である中石化三菱化学聚碳酸酯(北京)(以下、SMP社)の保有株式を、中国石油化工(以下、Sinopec社)に譲渡することで合意したことを発表した。
SMP社は 2009年に三菱ケミカルおよび三菱エンジニアリングプラスチックスの共同投資会社であるピーシーアール・インベスツメンツ・ジャパン(以下、PCRIJ社)と Sinopec社の合弁会社として設立され、ビスフェノールAおよびポリカーボネート樹脂の製造・販売を展開していた。
三菱ケミカルでは、PCRIJ 社が保有するSMP社の全株式について本年10月末を目途にSinopec社に譲渡する予定としている。
◆リサイクル:日本製紙、リプロ、萩原工業が飲料用アルミ付紙パックを再生利用するビジネスモデルをスタート(5月6日)
日本製紙、リプロ、萩原工業の3社は、廃棄処分となった飲料用アルミ付紙パックの再生利用を拡大することを目的としたビジネスモデルをスタートしたことを発表した。
飲料用アルミ付紙パックは紙・ポリエチレン・アルミニウムで構成されており、回収後は「紙繊維」と「ポリエチレンとアルミニウムの混合物」(以下「ポリアル」)に分離されるが、ポリアルについては、これまで再生利用における技術的な難しさから、循環型社会を構築する上での課題のひとつとなっていた。
本ビジネスモデルでは、3社で開発した技術を活用して、一例として、ポリアルを原料とした土木建築資材(例:境界杭・擬木・板材・角材)を開発し、販売を開始した。生産数量は境界杭年間100万本相当のポリアル製品化を目指すとしている。
◆電子材料:昭和電工がInfineon TechnologiesとSiCの販売および共同開発契約を締結(5月6日)
昭和電工は、自動車向け、産業向けに半導体ソリューションを提供するInfineon Technologies AG(インフィニオン社)と、パワー半導体向けSiCエピタキシャルウェハー(SiC)に関する2年間の長期販売および共同開発に関する契約を締結したと発表した。
同社のSiCは、特性均一性、低欠陥密度といった優れた特徴によりシステムサーバーの電源や鉄道車両、太陽光発電システム用インバーター、電気自動車の高速充電スタンド用コンバーターなど様々な用途に採用されてきた。
昭和電工では、今回の契約締結により、インフィニオン社の有する幅広いパワー半導体製品への同社SiCの搭載が期待できることに加え、製品開発において両社の知見を合わせることで、製品の品質向上を加速していくとしている。
◆化粧品原料:大日精化工業が天然素材100%の化粧品用ビーズを開発(5月6日)
大日精化工業は、100%天然素材使用の化粧品用ビーズ「KCX-5000」を開発し、サンプル出荷を開始したことを発表した。
近年、化粧品分野においても、環境対応型素材の需要の高まりを受け、従来使用されてきた合成樹脂ビーズの代替品が求められている。天然物由来素材のビーズは、真球の発現とともに、表面平滑性を発現することが難しいとされてきたが、同社が蓄積してきた技術とノウハウを生かして、この問題をクリアし、化粧品に最適なセルロースビーズを開発した。
同社独自技術で開発した同製品は、セルロースを原料とした100%天然素材の微粒子パウダーで高い生分解性が特徴である。また天然素材でありながら、真球状で平滑な表面を実現し、ファンデーションなどに使用した場合、無機粒子にはない滑らかでしっとりとした触感を付与することができる。
今後は、欧州、日本、アメリカをはじめ、世界の化粧品・OEMメーカーに提案を行い、今後も疎水性タイプなど、順次ラインナップ拡充を進めていく予定としている。
◆半導体材料:日産化学が韓国における半導体材料生産工場設立に関する覚書を締結(4月30日)
日産化学は、同社のグループ会社であるNCK(韓国)が唐津市松山2産業団地の土地借用について、韓国忠清南道及び唐津市と覚書を締結したと発表した。NCKは半導体材料、ディスプレイ材料の研究・製造・販売を行う会社である。
日産化学はNCKと共に、5G(次世代移動通信システム)やリモートワークの浸透による電子機器の需要増、EV(電気自動車)の普及により、世界的に半導体の需要が増加している中、半導体材料の供給体制を強化すべく、新たに借用する松山2産業団地に工場を新設するとしている。
◆電子材料:日本化学工業がチタン酸バリウムの新生産棟を竣工(4月28日)
日本化学工業は、2019年度より徳山工場(山口県)において建設を進めていたチタン酸バリウムの新生産棟が完成したと発表した。
チタン酸バリウムは、積層セラミックコンデンサー(MLCC)の誘電体材料として採用されており、自動車の自動運転の高度化やEV化により需要が急激に増加している。また、今後は5Gの基地局やネットワーク機器、IoTデバイスの普及により、更なる需要の拡大が見込まれている。
今後、新生産棟では市場の拡大に合わせながら順次増産させていく計画であり、加えて既存の福島第一工場において生産効率化に向けた設備の再構築も計画している。
今回の投資額は約37億円であり、新生産棟の稼働開始は2021年上期中の予定としている。
◆電子材料:イビデンがICパッケージ基板向け設備投資計画を発表(4月27日)
イビデンは、サーバーおよび画像処理などを中心とした旺盛な顧客需要に対応するため、ICパッケージ基板の生産能力増強を図る目的で、河間事業場(岐阜県)において設備投資計画を策定したと発表した。
同設備投資計画の総投資額は1,800億円を予定しており、稼働時期は、2023年度より順次稼働し、量産を開始する計画としている。
◆電子材料:デクセリアルズが蛍光体フィルム「PSシリーズ」を製品化(4月27日)
デクセリアルズは、直下型LEDバックライト搭載液晶ディスプレイのダイナミックレンジの拡大と広色域化および薄型化を実現した蛍光体フィルム「PSシリーズ」を製品化したと発表した。
現在、ディスプレイは4K、8K対応など高解像化が進んでいるが、さらに高輝度化・高コントラスト化・広色域化などの高画質化が求められている。
同社が製品化した蛍光体フィルム「PSシリーズ」は緑色と赤色の蛍光体をフィルム状にしたものであり、本製品をディスプレイ内部に組み込むことで、白色LEDに代わって発光具合のばらつきが少ない青色LEDを光源に使用することができ、白色LEDを使用した直下型LEDバックライトに比べ、高い品質のディスプレイの製造を可能にする。
また、本製品を用いることで光源が青色単色になるため、白色LEDを光源に用いた場合に比べLEDの配光制御が容易になり、光源と拡散板の距離を近づけることができることから、ディスプレイ全体の薄型化に貢献できるとしている。
◆ウイルス対策 : DICがハイブリッド型無機系抗ウイルス・抗菌剤「WILMISH」の販売を開始(4月27日)
DICは、ハイブリッド型無機系抗ウイルス・抗菌剤「WILMISH(ウィルミッシュ)」を開発し販売を開始したことを発表した。
同製品は金属化合物と特殊な光触媒から構成されるハイブリッド型の抗ウイルス・抗菌剤であり、従来の製品で効き易い一般的な細菌やウイルスに加え、従来の製品では効き難いとされる一部ウイルスにも有効である。光の無い暗所では、金属化合物の作用で高い抗ウイルス性を発現し、光のある明所では、屋内の弱い光でも反応する(可視光応答型)光触媒の作用で更に高い抗ウイルス性を発揮する。また、皮脂等の特定の有機物汚れを目立ち難くするセルフクリーニング機能が期待できる。
現在、住宅内装材や繊維、産業資材などの広範な分野で本製品の実証試験が進んでおり、既に内装材分野で一部採用されている。同社は今後製品ラインナップを拡充し、日本、中国、東南アジア地域への販売を視野に入れ、2025年までに売上高15億円を目指すとしている。
◆エンジニアリング:日揮がライトケミカル工業より化学品受託生産設備建設プロジェクトを受注(4月27日)
日揮ホールディングスは、日揮が化学品の受託専門会社であるライトケミカル工業より、同社工場の近隣地に第2工場を建設するプロジェクトを受注したことを発表した。
同プロジェクトは、5Gの進展や低炭素化・脱炭素化の加速を背景に、高機能性化学品の需要拡大を受けて多品種少量生産のニーズが高まり、生産方法も多様化する中で、ライトケミカル工業が化学会社の多様なニーズに対応する受託生産の機会を拡大すべく、第2工場を新設するものである。
建設地はライトケミカル工業本社工場(滋賀県)の近隣地であり、完工は2023年の予定としている。
◆塗料原料:DICが欧州地域の環境規制に対応したコバルトフリーの塗料・印刷インキ向け乾燥促進剤を開発(4月26日)
DICと米国子会社のSun Chemicalは、欧州地域の環境規制に対応した塗料や印刷インキなどに用いられる酸化重合型樹脂の乾燥促進剤(ドライヤー)を開発したと発表した。
乾燥促進剤は塗料や印刷インキを製造する過程で配合され、塗布後の硬化を促すもので、一般的に乾燥性能に優れたコバルト(Co)の金属塩が用いられている。しかし、コバルト化合物は人体への悪影響や、産地が限られ大幅に価格変動する懸念があることから、欧州地域を中心に非コバルトドライヤーのニーズが高まっている。
本開発品は、塗料・印刷インキ用途共に健康有害性懸念の低いマンガン(Mn)をベースにしている。同社のラボ評価において、塗料(アルキド塗料)における本開発品の乾燥性能は、完全硬化までの時間がコバルト同等以上、印刷インキ(オフセット枚葉インキ)においても同等であることを確認している。
現在、欧州地域の塗料や印刷インキ業界に向けて既にサンプルワークを開始しており、今後、更に欧州地域の展開に注力し、2025年までに売上高10億円を目指すとしている。
◆価格改定
・ENEOSがベンゼンの契約価格を改定
5月契約価格は、995$/t(前月比+160$/t)、国内価格換算想定値は113.5円/kg
・クラレがPVB樹脂を5月1日出荷分より値上げ
値上げ幅は、50円以上/kg
アジアパシフィック、北中南米、中東・アフリカ:500US$以上/t
ヨーロッパ:400EUR以上/t
・クラレがPVBフィルム、アイオノマーシートを5月1日出荷分より値上げ
値上げ幅は、0.30USD以上/sqm(厚み0.76mm/30ミル換算)
・東ソーが熱可塑性ポリウレタンエラストマー(TPU)を5月10日出荷分より値上げ
値上げ幅は、エーテル系製品:130円/kg以上
エステル系製品:60円/kg以上
・DICが有機顔料製品(フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料)を5月10日出荷分より値上げ
値上げ幅は、100~900円/kg
・大日精化工業が有機・無機顔料及びその加工品を5月10日出荷分より値上げ
値上げ幅は、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料:100~200円/kg
中高級顔料:200~500円/kg
無機顔料、加工顔料:別途設定
注)原材料事情により上記の改定幅と異なる製品がある
・大日精化工業がグラビア・フレキインキ及び接着剤を5月17日出荷分より値上げ
値上げ幅は、白インキ:50円/kg。色物インキ:50~80円/kg
メジウム:50円/kg、接着剤:50円/kg、硬化剤:50~100円/kg
・東ソーが臭素及び臭素誘導体を6月1日納入分より値上げ
値上げ幅は、臭素・臭化水素酸:15%
臭素系難燃剤:25%
・旭有機材が建材製品を6月1日出荷分より値上げ
値上げ幅は、パイプ類:20%以上、継手類15%以上
関連製品:10%以上、バルブ類:10%以上
・堺化学工業が樹脂添加剤製品を6月1日納入分より値上げ
値上げ幅は、金属石鹸類:30円/kg以上
複合安定剤:25円/kg以上
錫系安定剤:40円/kg以上
・タキロンシーアイがプレート製品を6月1日出荷分より値上げ
値上げ幅は、15%以上
・タキロンシーアイがアルミ複合板を6月1日出荷分より値上げ
値上げ幅は、15%
・タキロンシーアイがポリカドーム、FRPドーム、アウターブラインドを6月1日出荷分より値上げ
値上げ幅は、15%以上
・タキロンシーアイがデッキ材、ぬれ縁を6月1日出荷分より値上げ
値上げ幅は、15%以上
・JSPが押出発泡ポリスチレンを6月21日出荷分より値上げ
値上げ幅は、20%