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2021年6月17日号

2021.06.17 発行

HEADLINE

 

◆3Dプリンタ:長瀬産業がスポンジ状の造形を可能にする3Dプリンター用樹脂を開発(6月11日)

◆シート:住友ベークライトが環境対応型の低VOCフェノール樹脂シートを開発(6月10日)

◆研究開発:ダイキン工業がフッ素化学製品製作所内に統合生産センターを設立(6月10日)

◆電子材料:韓国の太陽ホールディングスの子会社が現像型高反射白色ドライフィルムを発売(6月9日)

◆フィルム:三井化学が湿度をコントロールする新素材「無孔調湿フィルム」の市場開発を開始(6月9日)

◆天然ガス:三菱ガス化学の連結子会社の東邦アーステックが水溶性天然ガスの生産を開始(6月8日)

◆植物由来原料:植物由来原料を使用した BioPTMGのサンプル提供開始(6月7日)

◆価格改定

・住友ベークライトが工業用フェノール樹脂製品、フェノール樹脂成形材料を6月11日出荷分より値上げ

・住友ベークライトがエポキシ粉体塗料、液状エポキシ樹脂を6月11日出荷分より値上げ

・住友ベークライトがポリカーボネート樹脂製品を6月21日出荷分より値上げ

・住友ベークライトが塩化ビニール樹脂製品、ペット樹脂製品、ABS樹脂製品、アルミ複合板全製品を6月21日出荷分より値上げ

・日本ポリエチレンがポリエチレンを7月1日納入分より値上げ

・日本ポリプロがポリプロピレンを7月1日納入分より値上げ

・上野製薬がLCP樹脂を7月1日納入分より値上げ

・昭和電工が塩素化ポリエチレンが7月1日出荷分より値上げ

・住友ベークライトが銅張積層板、プリプレグ、積層板を7月1日出荷分より値上げ

・クラレがPVBフィルム、アイオノマーシートを7月1日出荷分より値上げ

・クラレがPVB樹脂を7月1日出荷分より値上げ

 

 

WEEKLY NEWS

 

◆3Dプリンタ:長瀬産業がスポンジ状の造形を可能にする3Dプリンター用樹脂を開発(6月11日)

長瀬産業のグループ会社Interfacial Consultants LLC(以下、IFC)は、材料押出堆積法(FFF)方式の3Dプリンターで直径1~4㎛のポーラス形状(微細な空気穴を多く含む形状)の造形が可能な熱可塑性樹脂「Caverna PP(カヴェルナ PP)」を開発したと発表した。

Caverna PPは、水溶性樹脂と非水溶性樹脂をIFCのコンパウンド技術で分散しており、造形後に水で溶解するとマイクロポーラス(多孔質)とよばれる軽量かつ柔軟性のあるスポンジ状の造形ができる。

Caverna PPの製造・販売は、IFC及び長瀬産業の100%子会社Nagase America LLCの合弁会社であるInfinite Material Solutions(IMS)が行う。今後、ポリプロピレン(PP)以外の様々な樹脂に対応した製品をラインナップする予定で、フィルター、セパレーター、シューズなど幅広い用途が期待できるとしている。

 

◆シート:住友ベークライトが環境対応型の低VOCフェノール樹脂シートを開発(6月10日)

住友ベークライトは、フェノール樹脂の特徴を維持したまま、使用時のVOC、環境負荷を低減することを目的としたシート状の熱硬化性レゾール型フェノール樹脂を開発したと発表した。

従来の有機溶媒を使用した液状レゾール型フェノール樹脂と比較して、VOC削減による作業環境の改善が見込めるとともに、塗工の安定性など機能面での向上も期待できる。主力の自動車分野をはじめ、今後各種分野に熱硬化性の環境対応プラスチックとして提供する。

フェノール樹脂シートはさまざまな使用法が想定されるが、一例としてプラスチック部品-金属やプラスチック製品同士の接着剤がある。被着体にフェノール樹脂シートを貼り付け、別の被着体を押し付けて熱プレス等で加熱硬化することで高い耐熱性をもつ接着面が得られ、250℃以上の高い耐熱性が要求される部材では有用な接着剤となる。

接着以外の使用方法では、含浸用としてプリプレグやFRPのバインダーも想定され、フェノール樹脂シートを基材に重ねて溶融、硬化させることで、有機溶剤の使用や設備制限なしにプリプレグを作製することも可能になるとしている。

 

◆研究開発:ダイキン工業がフッ素化学製品製作所内に統合生産センターを設立(6月10日)

ダイキン工業は、フッ素化学製品を生産する鹿島製作所(茨城県)内に、「鹿島統合生産センター(Integrated Production Center)」(IPC)を設立したと発表した。

ダイキン工業は品質・生産性の向上を目的に、同製作所におけるプラントの運転管理・設備管理・生産管理に関わる人・組織・情報のすべてを統合化する。高効率・量産型生産のモデル工場として鹿島製作所において統合化のノウハウを蓄積し、将来的には世界に広がるダイキングループのフッ素化学製品の生産拠点に展開する。

ダイキン工業はこれらの取り組みにより、鹿島製作所の製造に関わる従業員1人当たりの生産量において、新型コロナウイルスの感染拡大の前に統合化の取り組みを開始した2018年度との比較で2025年までに50%向上を目指すとしている。

 

◆電子材料:韓国の太陽ホールディングスの子会社が現像型高反射白色ドライフィルムを発売(6月9日)

太陽ホールディングスの子会社である韓国タイヨウインキは、ドライフィルムタイプの絶縁材料「現像型(露光・現像でパターン形成する方法)高反射白色ドライフィルム PSR-400 WD17NB」の発売を開始したと発表した。

この製品は、硬化物が柔軟なため耐久性が高く、熱黄変せず高い透明性を保持し、高反射率であることに加え、DI露光機にも対応可能としたことで、タブレットPCのMini LEDバックライトユニットの反射板に採用された。

Mini LEDバックライトユニットの反射板に使用することで、Mini LED実装の狭ピッチ化、パッドの小径開口化を可能とし、より高輝度、高コントラストな次世代ディスプレイを実現する絶縁材料として使用されているとしている。

 

◆フィルム:三井化学が湿度をコントロールする新素材「無孔調湿フィルム」の市場開発を開始(6月9日)

三井化学は、無孔でありながら湿度をコントロールできる新素材フィルム「無孔調湿フィルム」の市場開発を開始したと発表した。

無孔調湿フィルムは無孔であるため、液体や雑菌などの異物はフィルムを通過させず、湿度のみ調整することが出来る。また、本フィルムの原料は、特殊ポリオレフィンであり、現在市場に存在する調湿性を有する素材のように複合素材ではないため、将来のリサイクルも容易である。

一般にウレタンフィルムのように透湿性の高いフィルムや、ポリオレフィンフィルムのように透湿性がほとんどないフィルムが存在する一方、今回開発されたフィルムは、低湿度の条件下では水蒸気をほとんど通さず、高湿度の条件になるにつれ、水蒸気を徐々に通しやすくなるという特異的な性能を有している。

想定用途としては、液体や雑菌などの異物を通さず湿度のみをコントロールできることから、建築素材としてや、布や不織布と貼り合わせてアパレルや防護服などでの利用が考えられるとしている。

 

◆天然ガス:三菱ガス化学の連結子会社の東邦アーステックが水溶性天然ガスの生産を開始(6月8日)

三菱ガス化学の連結子会社である東邦アーステックは、新潟市西蒲区西川地区で進めてきた第1期設備建設工事を終え、水溶性天然ガスの生産を一部開始したことを発表した。

東邦アーステックは、2019年より同地区において、水溶性天然ガスおよびヨウ素の新規生産計画に着手してきた。2021年より稼働する設備には、生産設備(採取23基地)と、還元設備(圧入6基地)が含まれる。

同社は2022年度以降も追加設備建設工事を進め、段階的に稼働設備を増やし、2026年度に全ての設備を稼働させる計画としている。

 

◆植物由来原料:植物由来原料を使用した BioPTMGのサンプル提供開始(6月7日)

三菱ケミカルは、植物由来原料を使用した PTMG(ポリテトラメチレンエーテルグリコール、以下「BioPTMG」)を新たに開発し、サンプルの提供を開始したと発表した。

PTMGは、反発弾性や耐摩耗性等の特徴から、ポリウレタン弾性繊維(スパンデックス)等に伸縮性を付加する素材として使用されている。

BioPTMGは、石油由来のPTMGの性能と同等の反発弾性、耐摩耗性、耐加水分解性、低温での柔軟性等の優れた特性を有しているため、インテリア、ファッションから工業資材に至るまで幅広い分野での活用が可能としている。

 

◆価格改定

・住友ベークライトが工業用フェノール樹脂製品、フェノール樹脂成形材料を6月11日出荷分より値上げ

値上げ幅は、フェノール樹脂 固形製品:29円/㎏、液状製品:17~24円/㎏

フェノール樹脂成形材料13~16円/㎏

・住友ベークライトがエポキシ粉体塗料、液状エポキシ樹脂を6月11日出荷分より値上げ

値上げ幅は、10%以上

・住友ベークライトがポリカーボネート樹脂製品を6月21日出荷分より値上げ

値上げ幅は、15%以上

・住友ベークライトが塩化ビニール樹脂製品、ペット樹脂製品、ABS樹脂製品、アルミ複合板全製品を6月21日出荷分より値上げ

値上げ幅は、10%以上

・日本ポリエチレンがポリエチレンを7月1日納入分より値上げ

値上げ幅は、15円/kg以上

・日本ポリプロがポリプロピレンを7月1日納入分より値上げ

値上げ幅は、15円/kg以上

・上野製薬がLCP樹脂を7月1日納入分より値上げ

値上げ幅は、ニートレジン:150 円/kg($1.5/kg)

コンパウンド:90 円/kg($0.9/kg)

・昭和電工が塩素化ポリエチレンが7月1日出荷分より値上げ

値上げ幅は、粉末:25円/kg以上、シート:35円kg以上

・住友ベークライトが銅張積層板、プリプレグ、積層板を7月1日出荷分より値上げ

値上げ幅は、5~20%

・クラレがPVBフィルム、アイオノマーシートを7月1日出荷分より値上げ

値上げ幅は、0.30USD以上/sqm(厚み0.76mm/30ミル換算)

・クラレがPVB樹脂を7月1日出荷分より値上げ

値上げ幅は、日本:50円 以上/キロ

アジアパシフィック、北中南米、中東・アフリカ500US$以上/トン

ヨーロッパ:400EUR以上/トン

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