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2021年7月15日号

2021.07.15 発行

HEADLINE

 

◆海外拠点:三ツ星ベルトがインドに新工場建設を決定(7月9日)

◆海外拠点:デンカがシンガポール拠点で高機能透明樹脂の増産設備を竣工(7月8日)

◆電池関連:東海カーボン子会社がフランス新興電池メーカーによるEV用電池開発プロジェクトに参画(7月8日)

◆リサイクル:BASFがドイツに電池リサイクルの試作工場を新設(7月8日)

◆水素製造:戸田工業とエア・ウォーターがNEDO水素利用等先導研究開発事業に採択されたことを発表(7月7日)

◆セラミックス:日本ファインセラミックスが昭和電工マテリアルズとセラミックス事業の譲渡に向けた基本合意を提携(7月7日)

◆ガラス:セントラル硝子が松阪工場の型板窯及び堺製造所のフロートガラス窯の生産休止時期を発表(7月6日)

◆リサイクル:JX金属がLiBリサイクル及び電池材料事業推進に向け欧州新会社を設立(7月5日)

◆価格改定

・住友化学がポリエチレン、ポリプロピレンを7月12日納入分より値上げ

・クラレが水添スチレン系エラストマー、TUポリマーを8月1日出荷分より値上げ

 

 

WEEKLY NEWS

 

◆海外拠点:三ツ星ベルトがインドに新工場建設を決定(7月9日)

三ツ星ベルトはグローバルな拡販活動を積極的に展開する為、インドに新工場を設立すると発表した。

同社はインド市場における需要拡大に伴い、子会社であるMITSUBOSHI BELTING-INDIA PRIVATE LIMITEDの供給体制を強化する為、新工場を設立する。

新工場の敷地面積は約80,000㎡、投資金額は約36億円、操業開始は2023年2月の予定としている。

 

◆海外拠点:デンカがシンガポール拠点で高機能透明樹脂の増産設備を竣工(7月8日)

デンカのシンガポール子会社Denka Singapore Private Limited(DSPL)は、セラヤ工場で進めいていた高機能透明樹脂『MS樹脂』の増産設備を竣工し、稼働を開始したと発表した。

MS樹脂は、高透明性や低吸湿性による寸法安定性などの特長を持ち、液晶テレビやPCモニターのバックライト用導光板等の光学用途に加え、中国を中心としたアジアにおいて成長著しい化粧品用容器等の非光学用途まで使用されている。テレビ・モニターの省エネルギー・大画面化・狭額縁化や化粧品容器の高品質化へのニーズが高まる中、デンカは2019年9月に、汎用ポリスチレン生産設備の転用・改造による生産能力増強を決定した。

今回の増強により、デンカのMS樹脂の生産能力は年間約7万トンから約14万トンに倍増し、拡大する需要に対応していくとしている。

 

◆電池関連:東海カーボン子会社がフランス新興電池メーカーによるEV用電池開発プロジェクトに参画(7月8日)

東海カーボンは、同社のドイツ子会社であるTokai COBEX GmbHがそのフランス子会社であるTokai COBEX Savoie SASを通じ、フランスの新興電池メーカーであるVerkor社が主導する電気自動車(EV)用電池開発プロジェクトに参画することになったと発表した。

現在、東海カーボンは、Tokai COBEX Savoie SASでリチウムイオン電池用負極材の研究開発に取り組んでいる。

このVerkor社のEV電池開発プロジェクトには自動車メーカーのルノーとフランス企業数社が資本参加しており、素材メーカー・電池メーカー・自動車メーカーの共同体制のもと、2024年にはギガファクトリーの建設を目指している。

東海カーボンは、今回のプロジェクトへの資本参加により、各社と共同でCO2排出量の少ない高性能電池の開発に携わりながら負極材を供給することを目指していくとしている。

 

◆リサイクル:BASFがドイツに電池リサイクルの試作工場を新設(7月8日)

BASFは、ドイツのシュヴァルツハイデにある正極材(CAM)工場の敷地内に、電池リサイクルの試作工場を新設することを発表した。

この工場では、使用済みのリチウムイオン電池、およびセルメーカーや電池材料メーカーのオフスペック材料から、リチウム、ニッケル、コバルト、マンガンを効果的に回収するための運用方法を開発し、その技術の最適化を図っている。

今回の電池リサイクルへの投資と、最先端のプロセス技術により、正極材のカーボンフットプリントを業界標準に比べて合計最大60%まで削減し、材料の循環を目指す。

工場は2023年初頭に稼働する予定であり、ブランデンブルク州経済労働エネルギー省が資金提供を行うとしている。

 

◆水素製造:戸田工業とエア・ウォーターがNEDO水素利用等先導研究開発事業に採択されたことを発表(7月7日)

戸田工業とエア・ウォーターは、NEDOが公募した「水素利用等先導研究開発事業/炭化水素等を活用した二酸化炭素を排出しない水素製造技術開発」の委託事業の公募に対し、「メタン直接改質法による鉄系触媒を用いた高効率水素製造システムの研究開発」を提案し、採択されたと発表した。

本研究開発は、天然ガスやバイオガス等の主成分であるメタン原料から、高活性鉄系触媒を用いたメタン直接改質法(DMR:Direct Methane Reforming 法)により、CO2フリーの水素を高効率に製造可能な水素製造プロセスおよびシステムを開発するものであり、将来的には、DMR 反応炉の加熱燃料として再生可能エネルギー等を用いることでターコイズ水素としての提供を目指す。

本研究開発で構築する高効率水素製造システムは、既存産業水素サプライチェーンの早期クリーン化を目標として、現存する都市ガスインフラを最大限に活用した安価なCO2フリー水素の提供を実現するものとしている。

 

◆セラミックス:日本ファインセラミックスが昭和電工マテリアルズとセラミックス事業の譲渡に向けた基本合意を提携(7月7日)

日揮ホールディングスの子会社である日本ファインセラミックスは、昭和電工マテリアルズとの間で、昭和電工マテリアルズのセラミックス事業について譲渡に向けた協議を行う旨の基本合意書を締結したと発表した。

日本ファインセラミックスは、一般産業機械、半導体・液晶製造装置用のセラミックスおよび複合材料(MMC)に加え、高速通信用薄膜回路基板を主力製品として製造・販売し、さらにパワー半導体用高熱伝導窒化ケイ素基板事業の拡大に取り組んでいる。一方、昭和電工マテリアルズの事業は、自動車、半導体、および産業機械などの用途向けに、高密度炭化ケイ素(SiC)セラミックス、アルミナセラミックス、およびジルコニア強化アルミナセラミックスを提供している。

今後、両社は本事業の譲渡に関し、2021年9月に最終契約を締結することを目指し、契約条件について協議を進めていくとしている。

 

◆ガラス:セントラル硝子が松阪工場の型板窯及び堺製造所のフロートガラス窯の生産休止時期を発表(7月6日)

セントラル硝子は、板ガラス生産窯の生産休止時期について、松阪工場型板窯は2021年10月末、堺製造所フロート窯は2022年2月末になると発表した。

なお、これは現時点での生産休止時期であり、今後の要因により生産休止の時期を変更する可能性があるとしている。

 

◆リサイクル:JX金属がLiBリサイクル及び電池材料事業推進に向け欧州新会社を設立(7月5日)

JX金属は、2021年8月1日に使用済み車載用リチウムイオン電池(LiB)リサイクル事業および電池材料事業を推進するための新会社「JX Metals Circular Solutions Europe GmbH(以下「JXCSE」)」を、ドイツに設立すると発表した。

同社グループでは、今後到来が予見される使用済み車載用LiBの大量発生時代に備え、使用済みLiBに含まれるレアメタルを再び車載用LiBの原料として使用する「クローズドループ・リサイクル」の実現に向けたリサイクル技術開発を進めてきた。今回、これを次の段階へ進めるとともに、材料開発も含めた総合的な取り組みとして推進するために、JXCSEを新設することとした。

今後は同社グループ企業であるTANIOBIS社の設備や人的リソースを活用しつつ、車載用LiBリサイクルの早期事業化を目的とした実証試験や電池材料の開発を進め、リサイクルと材料開発の両輪での事業化推進を加速していくとしている。

 

◆価格改定

・住友化学がポリエチレン、ポリプロピレンを7月12日納入分より値上げ

値上げ幅は、10円/kg以上

・クラレが水添スチレン系エラストマー、TUポリマーを8月1日出荷分より値上げ

値上げ幅は、0.33 US$/kg

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