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2021年7月29日号

2021.07.29 発行

HEADLINE

 

◆リサイクル:三菱ケミカルがリファインバースとケミカルリサイクル原料プラスチックの調達に関する基本合意書を締結(7月21日)

◆研究開発:JSRが新規事業創出にむけた新研究所を開所(7月21日)

◆樹脂:クレハの中国子会社がフッ化ビニリデン樹脂(PVDF)製造設備を増強(7月20日)

◆リサイクル:ENEOSと三菱ケミカルがプラスチック油化事業を開始(7月20日)

◆CCS:日揮が東南アジア初となるインドネシア・グンディCCS実証プロジェクトの事業化調査を開始(7月19日)

◆価格改定

・JNCがオキソ誘導品を8月1日出荷分より値上げ

・カネカが加工油脂製品を9月1日出荷分より値上げ

・コニシが「ボンド」業務用製品を9月1日より値上げ

・日本ペイントがシンナー、塗料、運賃を9月21日より値上げ

 

 

WEEKLY NEWS

 

◆リサイクル:三菱ケミカルがリファインバースとケミカルリサイクル原料プラスチックの調達に関する基本合意書を締結(7月21日)

三菱ケミカル(以下「MCC」)は、日本最大級となるプラスチック油化のケミカルリサイクル設備の建設に伴い、リファインバース株式会社から原料となる廃プラスチック(以下「原料プラスチック」)を調達する基本合意書を締結したと発表した。

MCCおよびリファインバースは、2020年8月に資本業務提携を行い、廃棄物の適切なリサイクルや有効利用の促進に向けた検討を継続していた。MCCはENEOSと共同で、MCCの茨城事業所にケミカルリサイクル設備を建設し 2023年度の完成を目指している。MCCおよびリファインバースは、当該設備向けの原料プラスチック収集や調達等における具体的な検討をさらに加速させるため、今回の基本合意書の締結に至った。

今回の基本合意書に基づき、リファインバースでは、産業廃棄物や建設廃棄物等の幅広い対象から、ポリプロピレンやポリエチレンをはじめ、ポリスチレン、PET 樹脂等の様々な種類の原料プラスチックを収集することを検討する。MCCでは、プラスチックケミカルリサイクル設備の実装に向けて、マスバランス方式によるケミカルリサイクル品認証の取得および社会へのマスバランス方式の浸透を目指すとしている。

 

◆研究開発:JSRが新規事業創出にむけた新研究所を開所(7月21日)

JSRは、川崎市のキング スカイフロントに建設した新研究所「JSR Bioscience and informatics R&D center (JSR BiRD) 」を開所したと発表した。

同研究所ではライフサイエンス研究の深掘と社会実装、インフォマティクスの強化、オープンイノベーションの3点の施策を通じ新規ビジネスを創出するとしている。

 

◆樹脂:クレハの中国子会社がフッ化ビニリデン樹脂(PVDF)製造設備を増強(7月20日)

クレハは、中国子会社の呉羽(常熟)フッ素材料有限公司が、PVDFの生産能力を増強すると発表した。

クレハのPVDF はリチウムイオン二次電池(LiB)用バインダーおよび一般産業用エンジニアリング・プラスチックとして使用されており、EV、HEV、PHEV等、車載用LiB 向けの需要が拡大している。

PVDFは現在、いわき事業所で年産約6,000トン、当該子会社で年産約5,000トンの生産設備を有している。今回、当該子会社が立地する産業園区内において中国江蘇省蘇州市より設備増強プロジェクト(年産 15,000トン)の批准を受け、増強を決定した。

第一期の増強規模は年産約10,000トンで2024年夏頃に稼働予定としている。

 

◆リサイクル:ENEOSと三菱ケミカルがプラスチック油化事業を開始(7月20日)

ENEOSと三菱ケミカルは、茨城事業所においてプラスチック油化共同事業について開始の決定をしたことを発表した。

同事業は商業ベースでは国内最大規模となる年間2万トンの処理能力を備えたケミカルリサイクル設備を建設し、2023年度に廃プラスチックの油化を開始するものである。ENEOSと三菱ケミカルは、2019年に鹿島コンプレックス有限責任事業組合を設立し、茨城県鹿島地区の石油精製および石油化学事業の更なる連携強化の検討を行ってきた。

本共同事業では、外部から調達した廃プラスチックを、英Mura Technology社の超臨界水技術を導入する新設備にて化学的に液化し、油化処理を行う。製造された油(リサイクル生成油)は、 両社の既存設備である石油精製装置およびナフサクラッカーにおいて原料として使用され、石油製品や各種プラスチックへと再製品化される。

両社は今後、原料廃プラスチックの安定調達、サーキュラーエコノミーに係る認証取得などによる製品の高付加価値化、および次世代事業として更なる技術的知見の習得を図るとしている。

 

◆CCS:日揮が東南アジア初となるインドネシア・グンディCCS実証プロジェクトの事業化調査を開始(7月19日)

日揮は、同グループであるエヌ・ユー・エスならびに日揮グローバルが、電源開発と共同で、経済産業省にて採択された「尼国Gundihガス田におけるCCSプロジェクトのJCM実証に向けた継続調査」を開始すると発表した。

同案件は、インドネシアのGundihガス田における天然ガスの生産過程で分離されたCO2を近郊の圧入井までパイプライン輸送して、地下に圧入・貯留するCCS実証プロジェクトの実現にむけた事業化調査を実施するものである。3社は、2022年2月末に調査結果をまとめ、実証設備の基本設計、建設を経て、2025年を目途にCO2の圧入、モニタリングを開始することを想定している。

現在、本ガス田では、天然ガスの生産過程でCO2が分離され、大気放散されている。本プロジェクトにより、天然ガス生産に伴うCO2 30万トン/年の全量を地下に圧入・貯留することで、生産段階でCO2発生を伴わない天然ガスの生産が実現する。また、二国間クレジット(JCM)制度の活用を通じたクレジットの創出により両国の温室効果ガス削減に貢献するとともに、将来的なビジネス化の検討を行っていくとしている。

 

◆価格改定

・JNCがオキソ誘導品を8月1日出荷分より値上げ

値上げ幅は、12円/KG以上

・カネカが加工油脂製品を9月1日出荷分より値上げ

値上げ幅は、ショートニング製品:27円/kg、マーガリン製品:23円/kg、ファットスプレッド・バタークリーム製品:19円/kg、ホイップクリーム製品:23円/kg、濃縮乳製品:20円/kg、ホイップ済みクリーム製品:15円/kg、フラワーペースト製品:37円/kg、チョコレート製品:25円/kg

・コニシが「ボンド」業務用製品を9月1日より値上げ

値上げ幅は、10%以上

・日本ペイントがシンナー、塗料、運賃を9月21日より値上げ

値上げ幅は、シンナー:15~20%、溶剤系塗料:10~15%、水性塗料、表面処理剤関係:8~12%、運賃:10~30%

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